課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営方針

当社グループは、東京証券取引所プライム上場企業として、お客様満足度に裏打ちされた受注の獲得とともに、「安全第一」、「高い品質第一」、「お客様満足度第一」の考えに基づいて、高効率・高収益の経営と財務体質の強化を推し進め、内部留保の充実と安定的な配当により企業価値の向上に努力してまいります。

 

(2) 経営戦略等

一層激しくなる受注競争に勝ち抜くため、BIM・CIMを始めとするICT化を駆使し、技術力・人間力に裏打ちされた技術提案・商品企画提案力の強化、資機材価格などの原価の高止まりを十分に見据えたコスト競争力の一段の強化を図ってまいります。

 

(3) 経営環境

建設業を取り巻く環境は、首都圏等一部地域を除き、全体として縮小傾向である状況は変わっておりません。当社グループが事業基盤とする地域においては、半導体関連の設備投資を中心に増加傾向が見られる他、中央リニア新幹線、三遠南信自動車道等大型のプロジェクトが進行して、これらがもたらす効果への期待感もありますが、当面の建設業界の受注環境、収益環境が大きく改善される状況にはありません。経済情勢の動向如何によっては、業者間の受注競争が激しくなることも懸念されます。加えて、一昨年初来、海外ならびに国内での新型コロナウイルス感染症拡大について、ワクチン接種動向、変異株動向等の要因にて、サプライチェーン寸断化・物流システムの混乱に伴う原材料価格の高騰化・納期遅延等、日本を含む世界経済に及ぼす影響ならびに本年2月に突如勃発したロシアによるウクライナ侵攻に伴う一層の原材料価格の高騰は停戦の行方も含め、先行き不透明な状況です。

 

(4) 対処すべき課題

当社グループは、どのような状況下でも各ステークホルダーに対する責任を果たすべく、以下の方針を進め、改訂版コーポレートガバナンスコードの実現を目指しつつ、持続的成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。

・高効率・高収益の経営を実現し、内部留保の充実に努め、一層の財務体質の強化と安定的な株主還元維持に努めてまいります。

・「安全第一」、「高い品質第一」、「お客様満足度第一」の考えの下、従来から培った技術力に、BIM、CIM、マシンコントロール、マシンガイダンス、VR、AR、3Dレーザースキャナーを始めとするICT化を駆使して技術提案力・商品企画提案力の強化を図り、情報化施工を進めてまいります。

・社内教育、資格取得の体制を強化して、協力業者を含めて技術技能の継承、技術力、人間力、コスト競争力の向上に努めてまいります。

・内部統制システムの継続的な整備・運用を通じ、コンプライアンスの徹底・リスク管理の強化を図り、グループ全体のガバナンス機能を高めてまいります。

・公正な人事処遇と2019年4月から順次施行されている働き方改革を重点課題として捉え、時短、非正規社員の待遇格差是正、テレワークの実施等、働く環境の整備を一層進め、社員満足度の向上を図ってまいります。

 

(5) 次期の見通し

今後の我が国経済見通しにつきましては、約9年3ヶ月前の現自民党政権成立以降の経済重視の政策と日銀の異次元の金融政策が引き続き実施され、2019年10月消費増税も実施されましたが、原材料価格の高止まりや建設業界での技能工を中心とした人手不足等の影響も引き続いており、今後、新型コロナウイルス感染症対策常態化への対処や今般のウクライナ情勢の影響等、企業の設備投資への取組姿勢、公共工事の動向、個人消費の回復気運は、懸念される状況です。

当社グループといたしましては、建築事業・土木事業・エンジニアリング事業・首都圏にての開発事業等のバランスの取れた経営基盤を活かし、売上高、収益確保を目指します。

特に当社グループの主要事業であります建設事業は、現在展開中の医療介護・エネルギー事業等を中心にBIM・VR・AR・3DレーザースキャナーなどのICTを用いた提案営業強化を図り、同業他社に比べ優位にあります健在な財務体質を活用し、市場ニーズを的確に捉えた事業展開に取り組んでまいります。

加えて、2020年初より発生した新型コロナウイルス感染症がもたらした製品材料の供給面や物流について、また、ウクライナ情勢に伴う原材料確保、世界的な金利上昇気運を受けた円安動静等、日本経済も含めた世界経済に及ぼす影響については、先行き不透明な状況です。建設業界としては、工事の延期や資機材の調達遅延等のリスクもあり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

現時点において、当社グループが把握している情報を基に予測した当社グループの次期の見通しは、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益については減少する見込みです。

業績予想では新型コロナウイルス感染症拡大の影響や原材料価格の高騰が期末まで及ぶことを前提として策定しておりますが、今後の新型コロナウイルス感染症拡大の状況等によっては業績が変動する可能性があります。今後、業績予想修正の必要が生じた場合には、速やかに開示します。

 

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案・実行するよう努めております。

建設事業は中長期的に需要の減少及び競争の激化は避けられない見通しであり、外部環境は未だ不透明で厳しい状況が続くものと予想されます。

このような環境の下、当社グループは継続的な発展を遂げていくため、法令遵守、コンプライアンスの徹底のもと、ヤマウラブランドの向上に向け、顧客の皆様に、より満足いただけるよう安全第一・技術力ならびに品質第一・お客様満足度第一の精神の基、提案力を高め且つ協力会社を含めて技能継承を行い、高品質な建物・商品をご提供して収益確保に努め、内部留保と継続的な配当を行いつつ財務体質の強化を図るとともに、社会に貢献してまいりたいと考えております。

 

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