(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー
(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、堅調な企業収益や雇用環境の改善に支えられ、緩やかな回復基調が見られたものの、終盤は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、急速に悪化し極めて厳しい状況で推移いたしました。
当社グループと関係が深い建設業界では、依然として建設 資機材価格と労働者不足による労務費の高止まりの状況が続いており 、東北地方におきましては、 震災から9年が経過し、公共建設投資は大幅な減少傾向にあり、民間設備投資や住宅投資も低迷するなど厳しい受注環境で推移いたしました。
このような環境下で当社グループは、 第10次中期経営計画に基づいた経営方針のもと、経営基盤の更なる強化を図り、地域創生のために貢献すべく、総力を挙げて業務に取り組んで参りました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、180億31百万円となり、前連結会計年度末に比べ97百万円増加いたしました。主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等4億7百万円、投資有価証券2億19百万円等の減少に対して、現金預金3億12百万円、その他流動資産3億96百万円等の増加によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、84億52百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億11百万円減少いたしました。主な要因は、未成工事受入金3億59百万円、その他流動負債3億27百万円の増加に対して、支払手形・工事未払金等9億9百万円、短期借入金1億34百万円、1年内返済予定の長期借入金54百万円、長期借入金77百万円等の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、95億78百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億8百万円増加いたしました。主な要因は、その他有価証券評価差額金1億44百万円等の減少に対して、利益剰余金7億96百万円の増加によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、受注高170億4百万円(前年同期比 0.5%減)、売上高180億14百万円(前年同期比 5.3%減)、繰越高78億52百万円(前年同期比 11.4%減)となりました。
利益につきましては、営業利益は、15億40百万円(前年同期比 9.7%減)、経常利益は、15億54百万円(前年同期比 11.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、10億3百万円(前年同期比 12.3%減)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
ア.建築事業
建築事業におきましては、震災復興需要の終息に伴い公共投資が減少傾向を辿る中、厳しい受注競争の結果、エリア戦略により、大型官庁工事を受注することができました。また、当社グループの総合力で、子会社からの情報による大型民間工事を受注することができ、受注増となりました。売上高は、主に大型・公共工事の減少により減少、利益についても、売上高の減少に伴い減少しました。
以上の結果、受注高は、113億66百万円(前年同期比 4.6%増)、売上高は、115億27百万円(前年同期比4.7%減)、繰越高は、51億83百万円(前年同期比 3.0%減)となりました。営業利益は、12億23百万円(前年同期比 14.8%減)となりました。
イ.土木緑地事業
土木緑地事業におきましては、大型公共投資の減少に加え、配置技術者不足等により、受注高、売上高ともに減少しましたが、原価低減により、利益は増加しました。
以上の結果、受注高は、36億31百万円(前年同期比 13.7%減)、売上高は、44億80百万円(前年同期比 8.6%減)、繰越高は、26億68百万円(前年同期比 24.1%減)となりました。営業利益は、6億53百万円(前年同期比 16.4%増)となりました。
ウ.環境関連事業
環境関連事業におきましては、前年度に引き続き、除染関係管理業務の縮小により、受注額が前連結会計年度に比べて減少したことが要因となり、売上高、利益ともに減少しました。
以上の結果、受注高は、9億10百万円(前年同期比 14.8%減)、売上高は、9億10百万円(前年同期比 16.1%減)となりました。営業利益は、2億45百万円(前年同期比 18.6%減)となりました。
エ.不動産事業
不動産事業におきましては、宅地及び建売住宅の販売額が増加したことに加え、土地仲介等により、売上、利益ともに増加しました。
以上の結果、受注高及び売上高は、1億14百万円(前年同期比 25.4%増)となり、営業利益は、13百万円(前年同期は営業損失 5百万円)となりました。
オ.その他事業
その他事業におきましては、主に、子会社の物品販売等により、売上高、利益ともに増加しました。
以上の結果、受注高及び売上高は、9億81百万円(前年同期比 14.0%増)となり、営業利益は、82百万円(前年同期比 41.3%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、営業活動により得られた資金8億98百万円、投資活動により使用した資金91百万円、財務活動により使用した資金4億94百万円の結果、前連結会計年度末に比べ3億12百万円増加し、59億46百万円(前年同期比 5.6%増)となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、8億98百万円(前年同期比 32.2%増)となりました。これは主に、仕入債務の減少額8億97百万円、法人税等の支払額5億60百万円、未収入金の増加額2億42百万円等の減少要因に対して、税金等調整前当期純利益15億8百万円、売上債権の減少額4億7百万円、未成工事受入金の増加額3億59百万円、その他の流動負債の増加額2億77百万円等の増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、91百万円(前年同期 83百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出73百万円、無形固定資産の取得による支出13百万円等の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4億94百万円(前年同期比 17.0%増)となりました。これは主に、短期借入金純減額1億34百万円、長期借入金の返済による支出1億32百万円、配当金の支払額2億11百万円等の減少要因によるものであります。
③ 施工、受注及び売上の実績
a.施工実績
当連結会計年度の施工実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (百万円) |
前年同期比 (%) |
建築事業 |
11,802 |
97.8 |
土木緑地事業 |
4,566 |
93.2 |
環境関連事業 |
910 |
84.8 |
不動産事業 |
114 |
125.4 |
その他事業 |
981 |
114.0 |
合 計 |
18,376 |
96.8 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
建築事業 |
11,366 |
104.6 |
5,183 |
97.0 |
土木緑地事業 |
3,631 |
86.3 |
2,668 |
75.9 |
環境関連事業 |
910 |
85.2 |
- |
- |
不動産事業 |
114 |
125.4 |
- |
- |
その他事業 |
981 |
114.0 |
- |
- |
合計 |
17,004 |
99.5 |
7,852 |
88.6 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.売上実績
当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (百万円) |
前年同期比 (%) |
建築事業 |
11,527 |
95.3 |
土木緑地事業 |
4,480 |
91.4 |
環境関連事業 |
910 |
83.9 |
不動産事業 |
114 |
125.4 |
その他事業 |
981 |
114.0 |
合 計 |
18,014 |
94.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度において売上高に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
福島県 |
3,139 |
16.5 |
2,870 |
15.9 |
常磐共同火力株式会社 |
2,816 |
14.8 |
1,830 |
10.2 |
いわき市 |
2,038 |
10.7 |
- |
- |
3.当連結会計年度において、いわき市の総売上実績に対する割合は100分の10未満であるため、記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。
完成工事高における受注工事高及び施工高の実績
a.受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
第75期(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (単位:百万円)
工事別 |
前期繰越工事高 |
当期受注工事高 |
計 |
当期完成工事高 |
次期繰越工事高 |
当期施工高 |
||
手持工事高 |
うち施工高 |
|||||||
|
|
|
|
|
|
% |
|
|
建築 |
2,413 |
4,245 |
6,659 |
4,515 |
2,144 |
1.1 |
23 |
4,517 |
土木 |
3,869 |
2,900 |
6,769 |
3,482 |
3,287 |
0.1 |
1 |
3,483 |
計 |
6,283 |
7,145 |
13,429 |
7,997 |
5,431 |
0.5 |
25 |
8,001 |
第76期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (単位:百万円)
工事別 |
前期繰越工事高 |
当期受注工事高 |
計 |
当期完成工事高 |
次期繰越工事高 |
当期施工高 |
||
手持工事高 |
うち施工高 |
|||||||
|
|
|
|
|
|
% |
|
|
建築 |
2,144 |
5,722 |
7,866 |
4,369 |
3,497 |
3.8 |
133 |
4,479 |
土木 |
3,287 |
2,320 |
5,608 |
3,240 |
2,367 |
1.3 |
31 |
3,270 |
計 |
5,431 |
8,043 |
13,474 |
7,609 |
5,864 |
2.8 |
165 |
7,750 |
(注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.完成工事高
期別 |
区分 |
官公庁 (百万円) |
民間 (百万円) |
計 (百万円) |
第75期 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
建築工事 |
1,362 |
3,152 |
4,515 |
土木工事 |
2,024 |
1,457 |
3,482 |
|
計 |
3,387 |
4,610 |
7,997 |
|
第76期 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
建築工事 |
1,295 |
3,074 |
4,369 |
土木工事 |
2,434 |
806 |
3,240 |
|
計 |
3,729 |
3,880 |
7,609 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第75期 請負金額1億円以上の主なもの
・ いわき市 |
いわき市立総合磐城共立病院 新病院建築事業 |
・ 福島県 |
ふたば未来学園寄宿舎(建築・外構)工事 |
・ 株式会社プロテクト |
株式会社プロテクト事務所新築工事 |
・ 福島県 |
河川(交付(再復))工事(築堤護岸) |
・ 矢野口自工株式会社 |
矢野口自工福島浜通り新工場増築工事の内第一工場棟・事務棟 |
第76期 請負金額1億円以上の主なもの
・ 福島県 |
福島県立相馬支援学校新築(建築)事業 |
・ 福島県 |
河川(交付(再復))工事(築堤護岸) |
・ 株式会社髙砂鐵工所 |
関本第6工場新築工事 |
・ 福島県 |
道路橋りょう整備(再復)工事(トンネル) |
・ 勿来IGCCパワー合同会社 |
勿来IGCC発電所建設工事の内諸建屋4棟及び構内整備他 新設工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
相手先 |
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
福島県 |
1,842 |
23.0 |
1,996 |
26.2 |
いわき市 |
1,044 |
13.1 |
789 |
10.4 |
常磐共同火力株式会社 |
1,000 |
12.5 |
- |
- |
3.当連結会計年度において、常磐共同火力株式会社の完成工事高に対する割合は100分の10未満であるため、記載を省略しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.次期繰越工事高(2020年3月31日現在)
区分 |
官公庁 (百万円) |
民間 (百万円) |
計 (百万円) |
建築工事 |
1,360 |
2,136 |
3,497 |
土木工事 |
1,925 |
441 |
2,367 |
計 |
3,286 |
2,578 |
5,864 |
(注)1.次期繰越工事のうち請負金額1億円以上の主なものは、次のとおりであります。
株式会社ニッチュー |
株式会社ニッチューいわき工場新築工事及び工事管理業務 |
2020年12月25日 |
完成予定 |
楢葉町 |
楢葉町甘藷貯蔵施設等建築工事 |
2020年8月31日 |
完成予定 |
いわき市 |
いわき市立三和小・中学校校舎新築工事 |
2020年10月26日 |
完成予定 |
福島県 |
道路橋りょう整備(再復)工事(道路改良) |
2020年12月25日 |
完成予定 |
社会福祉法人育成会 |
いわき育成園増改築事業 |
2020年11月30日 |
完成予定 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容
当社グループの目標とする経営指標の実績は次のとおりであります。
区分 |
2018年度 (百万円) |
2019年度 (百万円) |
増減率 (%) |
売 上 高 |
19,030 |
18,014 |
△5.3 |
経常利益 |
1,751 |
1,554 |
△11.3 |
当社グループと関係が深い建設業界では、公共建設投資の大幅な減少、民間設備投資や住宅投資の低迷等、厳しい受注環境の中、第10次中期経営計画に基づいた経営方針のもと、経営基盤の更なる強化を図り、地域創生のために貢献すべく、総力を挙げて業務に取り組んで参りました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、建築事業、土木緑地事業及び環境関連事業の減少により、180億14百万円(前年同期比 5.3%減)となりました。営業利益は、売上の減少により、15億40百万円(前年同期比 9.7%減)、経常利益は、15億54百万円(前年同期比 11.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券評価損30百万円、減損損失15百万円を計上したことにより、10億3百万円(前年同期比 12.3%減)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
今後の見通しにつきましては、 前述の「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因及び対応策については、前述の「2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事施工及び業務遂行のための資材・外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は、自己資金及び最低限の金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としています。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は8億91百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、59億46百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、当報告書提出日現在において判断したものです。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に関する事項については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に記載しております。
(完成工事高及び完成工事原価の計上)
当社グループでは、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については、工事進行基準を採用しております。工事進行基準の計算にあたっては、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度について信頼性をもって見積もる必要があります。工事原価総額の見積りに際しては、工事契約の基礎となった顧客の指示に基づく基本的な仕様や作業内容を基礎として、資材単価や労務単価の市況などの外部要因に加えて、工事現場の実際の進捗状況から判断した将来の施工計画などの内部要因を整合的に修正し見積もっています。当該見積りには、将来の市況単価、工期、各現場での原価低減策の実行可能性などの仮定が含まれます。そのため、将来の不確実な市況の変動や工事現場における状況の変化によって、実際の結果が見積もった仮定から変動した場合、工事進行基準によって計上される売上高及びその利益、又は工事損失引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックスプランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積もっております。課税所得は第77期(2021年3月期)の業績予想の前提となった数値を基礎に、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積もっています。当該見積りには、売上高に影響する市況の見込などの仮定を用いております。そのため、実際に課税所得が生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の追加計上または取り崩しが必要となる場合があります。
(退職給付債務の算定)
当社は、退職給付債務および費用について、数理計算上で設定される諸前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、退職率、死亡率および長期期待運用収益率等の仮定が含まれます。そのため、将来の不確実な経済条件の変動等により、実際の結果が前提条件と異なることとなった場合、または前提条件が変更された場合、退職給付にかかる負債および退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
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