事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、以下の項目には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)  新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループでは、社員の安全と健康を最優先に考え、感染を防ぐために行政機関等の指針に基づいた予防対策を現在も講じておりますが、今後、万が一、社員等の感染や感染影響による取引先からの資機材調達の遅延等が発生し、工事・業務の中断等が長期化した場合は、経営成績に影響を与える可能性も生じるものと思われます。

 

(2)  特有な経営方針について

 当社グループは、「変化する時代・社会の中にあっても、常に顧客から選択してもらえる企業を目指し、安定した収益基盤を築くことにより、社会(顧客)・株主・社員の期待に応える」ことを経営の基本的考え方としております。

特にこの間、発生した東日本大震災による地震・津波そして「原子力災害」の複合災害から、地域の再生・復

興に貢献すべく、生活環境基盤・産業インフラ整備・除染等放射線関連・防災事業に積極的に取り組んで参りました。いわき地区では、復旧・復興需要による公共投資は終息しておりますが、依然として技術職員や労務不足及び資機材の高騰などは続くと思われます。安全・品質・工程・コストなど施工管理面での建設業特有の潜在的リスクや復旧・復興後の受注・売上確保の展望が確立できない場合の中長期的な経営基盤の不安定リスクも潜在するものと思われます。

 当社グループでは、第10次中期経営計画ならびに年度方針の施策に基づいた各事業部門の課題目標を四半期ごとに進捗管理することにより、リスクの最小化に努めております。

 

(3)  財政状態について

経営環境を含めた当社グループが係わる市場の急激な変動はもちろんのこと、当社グループは主たる事業である建設事業を取り巻く環境を前提とした財務計画を立てております。

公共事業においては工事発注の平準化の施策が推進されておりますが、依然として工事量は年間を通して最大月と最小月での差があり、建設業の年間売上動向として第3四半期及び第4四半期、特に第4四半期に集中する傾向にあり財政状態に偏重が生じることが実態であります。

また、完成工事物件の欠陥・瑕疵等による補償問題や災害の発生など予想を超える事態が生じた場合、更には、販売用不動産の地価下落や投資有価証券の株価下落により、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)  特定の取引先・技術等について

当社グループの建設事業において、これまで国土交通省・福島県・いわき市などからの公共工事受注が、当社安定経営の基盤になって参りましたが、将来の受注状況、公共工事の発注状況によっては、経営成績に影響を及ぼすものと思われます。更には、協力会社(下請)等の建設従事者の高齢化が進む中、若手従事者の確保が課題となっております。当社グループでは、 第10次中期経営計画ならびに年度方針の施策に基づいた各事業部門の課題目標 を四半期ごとに進捗管理することにより、リスクの最小化に努めております。

また、当社が保有する独自の水処理技術(ACA法)については、これまで多くの施工実績を積んでおりますが、処理対象排水によりその効果の範囲が限定される場合があります。当社は、処理対象物件の特性を十分配慮して対応しておりますが、万が一、顧客の品質保証基準が確保できなければ、引渡し等が滞り経営成績に影響を与える可能性も生じるものと思われます。

 

 

(5)  特有の取引慣行などについて

公共建設工事等については、前払金の制度を含め工事などの進捗に応じた契約金の決済が実施されておりますが、民間建設工事等は、竣工一括支払かつ長期に亘る約束手形での決済が行われる場合があることから、契約相手先に対する債権回収不能のリスクが増大する場合もあり、万が一、多額の債権が回収不能となった場合は、経営成績に影響を与える可能性も生じるものと思われます。

当社グループでは、顧客の与信管理を徹底し、リスクの最小化に努めております。

 

(6)  特有の法的規制などについて

当社グループの事業において、建設工事の受発注では公正な取引に関する法令として独占禁止法、建設業法、ほか労働基準法、労働安全衛生法等の法令があり、各事業においても、各々の業法に基づき法令順守が強く求められております。法令違反行為等により監督官庁からの行政処分の内容によっては、業務停止命令や社会的信用の失墜により、事業活動が制限され、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループにおいては、各業界団体に加入し、必要な情報収集を適時適切に行い、コンプライアンスに関する社員教育を実施しながら、内部統制システムの充実を図っております。

 

(7)  災害発生等のリスク

当社グループは、各社において防災対策を行っており、東日本大震災発生時にも、風評被害によるガソリン・

資材の不足等はあったものの、いち早く事業を再開することが出来ました。しかし、原発事故を含む予想を超える大規模な災害が発生した場合には、工事の中断や手直しの発生、顧客の減少、設備投資手控えによる受注減少、社有地崩落等による損害賠償請求を受ける可能性等、経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性が生じるものと思われます。

 

(8)  その他の投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項

当社グループは、安全は全てに優先するとの考え方のもと、労働安全衛生マネジメントシステムを構築・実行して無事故無災害の達成を目指しておりますが、万が一、建設工事等で人身・物損事故等が発生した場合は、公共工事の入札参加停止等の行政処分等により受注機会の損失が発生したり、損害賠償請求訴訟を提起される等経営に影響を及ぼす可能性があります。また、工事施工にあたっては、下請協力会社の経営の健全性や技術等の信用力・施工能力によって工事成績、ひいては、経営成績に影響を及ぼす可能性も予想されます。

採用・人材関係については、過去の採用抑制が経営及び業務執行体制に徐々にその影響を及ぼし始めており、会社の永続性を勘案し、現在、新卒・中途採用活動の強化・準社員の正社員登用・定年退職者の再雇用等、積極的に人材確保に取り組んでいる状況であります。

なお、現時点では重要な訴訟案件はありませんが、今後、当社が展開する事業において想定外の重大な訴訟が提起された場合は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

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