課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針・経営戦略等

当社は『顧客のニーズを先取りして、創造にチャレンジし社会に貢献すると共に、社業の発展を期する』を経営理念として掲げております。様々な環境の中で使用される金属材料を腐食から守り、構造物の期待寿命を確実に維持させる技術と材料を提供し、もって、省資源並びに地球環境の改善に寄与することを、当社の社会的使命であり存在意義と認識しております。

上記認識に基づき、国内最大の防食企業としての豊富な実績と技術力をベースに、お客様に高品質のサービスを提供することを経営の基本方針としております。

 

全般的な事業環境につきましては、公共投資の量的制約、受注競争の激化、原材料価格や労務費の上昇、与信リスクの顕在化などのダウンサイド・リスクを認識する必要がありますが、ライフサイクル・コストの観点から、維持補修を中心としたインフラ整備の方向性は、設備の長寿命化を目的とする当社防食事業にとって追い風であると認識しております。
 このような認識の下に、会社組織としましては、技術力・営業力の継承と向上を図り、地域顧客に密着した様々な商品・サービスを提供する「地域支店制」を採用し、併せて新事業の企画・実践・新技術の現場への適用推進を目指す組織として事業開発本部を設け、防食技術における競争優位性の維持・確保を図っております。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社のコア事業は港湾・地中・陸上の3事業であり、各事業の現状認識は以下の通りです。

・港湾事業:国及び地方公共団体の港湾関連整備予算の増強、また洋上風力発電という大型の新規対象が現れたことなどから、市場は確実に拡大しつつあります。

・地中事業:電気・ガス等の地中埋設物の維持更新需要は堅調であり、当面大きな変動は予測されておりません。

・陸上事業:臨海の各種プラント工場、及び火力・原子力発電所が主要な施工対象であり、国内における今後の大型新規需要は期待し難いとみております。

このような判断、現状認識のもと、当社は以下のことを事業上の対処すべき課題とし、全社一丸で収益基盤強化の取り組みを進めております。

① 事業毎に技術に裏打ちされた提案営業を徹底し、防食効果の経済性を市場に浸透させ、既存の更新にとどまらず、無防食設備や従来認識されていなかった新たな対象の「掘り起こし」を図る。

② 事業で培った技術力、営業力を総合的に活かし、新商品、新事業の展開を加速する。

③ 生産性向上や更なるコスト・ダウンの推進など、競争力と収益力の維持・改善を図る。

④ 人材を確保・育成し、将来想定される事業環境の変化に柔軟に対応できる組織体制を構築する。

 

また財務面におきましては、当社は有利子負債がなく、十分な流動性を確保しているため、株主への中長期的な還元に優先的に取り組んでおります。具体的には、配当性向70%を目途とするとともに、2019年3月期より5年間の平均株主資本総還元率5%の範囲内で、配当と自己株式の取得を実施してまいります。

実績及び計画の数値につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。

 

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