当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展等により、景気が持ち直していくことが期待された一方で、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令と解除の繰り返しにより、社会経済活動が大きく抑制されました。
この間、建設業界におきましては、公共投資は堅調に推移しておりますが、受注競争の激化に加え、労務単価や建設資材価格の上昇により、厳しい経営環境が続いてまいりました。
このような状況の下、当社グループでは「3カ年経営計画」の基本方針にもとづき、従来からの民間住宅工事に加え、官庁・民間非住宅工事の受注活動をより積極的に行うとともに、財務体質の強化に向けて全社をあげて取り組んでまいりました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は前期比17.0%減の371億89百万円、営業利益は前期比12.9%増の19億31百万円、経常利益は前期比10.6%増の18億69百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比89.1%増の13億10百万円となりました。
また、資産合計は、前期比9.9%減の324億45百万円、負債合計は、前期比19.8%減の197億74百万円、純資産合計は前期比11.7%増の126億70百万円となり、自己資本比率は前期比は7.6ポイント増の39.1%、1株当たり純資産額は前期比45.94円増の439.53円となりました。
なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症による事業活動への影響は一定程度あると認識しており、今後も受注や業績面において注視が必要な状況であります。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は連結損益計算書における営業利益と対応しております。
(建設事業)
売上高は前期繰越工事高が減少したこと等により、前期比17.1%減の369億22百万円となり、セグメント利益は売上高が減少したものの利益率が上昇したこと等により、前期比12.6%増の18億97百万円となりました。
(不動産事業)
売上高は不動産賃貸収入が増加したこと等により、前期比4.1%増の2億80百万円、セグメント利益は前期比16.0%増の61百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ10億14百万円増加し、54億19百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
売上債権及び契約資産が減少したものの、仕入債務の減少や供託金の返還による収入がなかったこと、また解決金の支払があったこと等により、前連結会計年度22億81百万円のプラスから16億円のプラスとなり、6億81百万円の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の売却による収入がなかったこと等により、前連結会計年度26百万円のマイナスから33百万円のマイナスとなり、6百万円の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
借入金の返済額が減少したこと等により、前連結会計年度15億11百万円のマイナスから5億51百万円のマイナスとなり、9億59百万円の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(注) 当社グループでは建設事業以外は受注生産を行っておりません。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去前で記載しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため生産の実績は記載しておりません。
3 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
なお、参考のため提出会社個別の事業の実績は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び完成工事高の実績
a 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
b 受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
c 完成工事高
(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
d 次期繰越工事高(2022年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態
(資産の部)
資産合計は、現金預金、電子記録債権及び有価証券が増加したものの、受取手形・完成工事未収入金等及び契約資産が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ35億54百万円減の324億45百万円となりました。
(負債の部)
負債合計は、電子記録債務が増加したものの、支払手形・工事未払金等及び完成工事補償引当金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ48億78百万円減の197億74百万円となりました。
(純資産の部)
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益13億10百万円を計上したこと等により、前連結会計年度末に比べ13億24百万円増の126億70百万円となりました。
この結果、1株当たり純資産額は前連結会計年度末393.59円から45.94円増の439.53円となりました。
b 経営成績
(売上高)
売上高は、前連結会計年度に比べ76億29百万円減の371億89百万円となりました。このうち、完成工事高は前期繰越工事高が減少したこと等により前連結会計年度に比べ76億40百万円減の369億14百万円、不動産事業売上高は賃貸収入が増加したことにより、前連結会計年度に比べ10百万円増の2億75百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度に比べ1億19百万円増の39億94百万円となりました。このうち、完成工事総利益は利益率の増加等により、前連結会計年度に比べ1億13百万円増の38億99百万円、不動産事業総利益は不動産賃貸収入が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ5百万円増の95百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、売上総利益が増加したことに加え販売費及び一般管理費が減少したことにより、前連結会計年度に比べ2億20百万円増の19億31百万円となりました。
(経常利益)
経常利益は、営業外費用が増加したものの、営業利益が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ1億78百万円増の18億69百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益等)
当期は解決金6億10百万円を特別損失に計上しましたが、経常利益が増加したことに加え法人税等合計額が4億53百万円減少したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ6億17百万円増の13億10百万円となりました。
この結果、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度24.05円から21.41円増の45.46円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b 資金需要
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、建設事業に係る運転資金であります。
c 財務政策
当社グループの事業活動の維持に必要な資金を確保するため、自己資金のほか、金融機関からの借入により資金調達を行っております。なお、当社は、一部の借入に対して親会社南海電気鉄道株式会社より保証を受けております。
運転資金の効率的かつ安定的な調達を行うため、複数の取引銀行と当座貸越契約を締結し、余裕を持った当座貸越枠を確保しております。また、長期条件の借入については、将来の金利上昇リスクをヘッジするため、主に固定金利での調達を行っております。
なお、当連結会計年度における借入金残高は4,447百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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