当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うサプライチェーンの混乱や米国経済の回復に伴うインフレ等の影響が続くなか、製造業を中心に持ち直しの動きがみられました。しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻に起因するエネルギー・資源価格の高騰などにより、景気の先行きは不透明な状況となっております。
当社グループをとりまく事業環境におきましては、建設事業では、資材価格が上昇傾向で推移するなか、受注環境はやや厳しい状況となりました。一方、開発事業等では、実需層の住宅購入意欲は高く、首都圏のマンション市場は引き続き堅調に推移いたしました。
このような環境のなか、当社グループの連結業績は、次のとおりとなりました。売上高につきましては前期比5.2%増の1,070億92百万円となり、その内訳は完成工事高627億72百万円、開発事業等売上高443億19百万円となりました。利益につきましては、営業利益は前期比11.8%増の155億49百万円、経常利益は前期比11.8%増の155億83百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比12.1%増の107億96百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、セグメント間の内部取引が発生する場合は、その消去前の金額を使用しております。
(建設事業)
当セグメントの売上高は前期比2.8%増の628億円となりましたが、利益率が低下したことから、セグメント利益(営業利益)は前期比5.8%減の65億40百万円となりました。
(開発事業等)
当セグメントの売上高は前期比7.7%増の443億19百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比25.4%増の96億54百万円となりました。
また、当連結会計年度末において、総資産は前連結会計年度末と比べて136億24百万円増加し、1,401億77百万円(うち流動資産1,269億20百万円、固定資産132億57百万円)、負債合計は前連結会計年度末と比べて39億11百万円増加し、485億63百万円(うち流動負債466億68百万円、固定負債18億94百万円)、純資産合計は前連結会計年度末と比べて97億12百万円増加し、916億13百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて25億13百万円増加し、651億71百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べて32億38百万円減少し、37億66百万円となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益及び棚卸資産の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べて2億80百万円増加し、マイナス1億23百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べて9百万円増加し、マイナス11億29百万円となりました。この主な要因は、配当金の支払額によるものであります。
a.受注実績
b.売上実績
c.繰越実績
(注) 1 当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
なお、参考のため当社単独の事業の状況は次のとおりであります。
受注高及び売上高の状況
(単位:百万円)
(注) 前期以前に受注した工事で契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注高に増減額を含めております。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(注) 第57期完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
第58期完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
ニ.次期繰越高(2022年3月31日現在)
(注) 繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(売上高、売上総利益)
売上高は、前連結会計年度と比べて53億6百万円増加(5.2%増)し、1,070億92百万円となりました。この主な要因は、首都圏のマンション市場が堅調に推移したこと等により、開発事業等売上高が31億83百万円増加したことによるものであります。
売上総利益は、前連結会計年度と比べて15億34百万円増加(8.4%増)し、198億31百万円となりました。この主な要因は、売上高が増加したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べて1億9百万円減少(2.5%減)し、42億82百万円となりました。この主な要因は、広告宣伝費が2億47百万円減少したことによるものであります。
この結果、営業利益は、前連結会計年度と比べて16億44百万円増加(11.8%増)し、155億49百万円となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度と比べて3百万円増加(8.8%増)し、43百万円となりました。
営業外費用は、前連結会計年度と比べて2百万円減少(19.4%減)し、9百万円となりました。
この結果、営業外損益は33百万円の利益(前連結会計年度は27百万円の利益)となり、経常利益は、前連結会計年度と比べて16億50百万円増加(11.8%増)し、155億83百万円となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は発生しませんでした(前連結会計年度も発生なし)。
特別損失は発生しませんでした(前連結会計年度は5百万円)。
この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比べて16億55百万円増加(11.9%増)し、155億83百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べて11億66百万円増加(12.1%増)し、107億96百万円となりました。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末と比べて136億95百万円増加し、1,269億20百万円となりました。この主な要因は、開発事業等支出金が133億98百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べて70百万円減少し、132億57百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産の減価償却によるものであります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末と比べて136億24百万円増加し、1,401億77百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末と比べて39億64百万円増加し、466億68百万円となりました。この主な要因は、支払手形・工事未払金等が13億40百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて52百万円減少し、18億94百万円となりました。この主な要因は、繰延税金負債が82百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末と比べて39億11百万円増加し、485億63百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末と比べて97億12百万円増加し、916億13百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が96億85百万円増加したことによるものであります。
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
セグメント間の内部取引が発生する場合は、その消去前の金額を使用しております。
(建設事業)
建設事業セグメントでは、建物の付加価値向上をベースにした企画提案型営業を基本として、引き続き住宅案件に取り組みつつ、非住宅案件の受注強化に取り組んでまいりました。その結果、当セグメントの売上高は前期比2.8%増の628億円となりましたが、利益率が低下したことから、セグメント利益(営業利益)は前期比5.8%減の65億40百万円となりました。
また、セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて9億10百万円減少し、264億58百万円となりました。この主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等が減少したことによるものであります。
(開発事業等)
開発事業等セグメントでは、用地取得から企画・設計・施工・分譲・管理・アフターサービスまで全て当社グループで行う「自社製販一貫体制」による安心・安全の自社マンションブランド「EXCELLENT CITY」シリーズにおいて、環境に配慮したZEH-Mへの取り組み等によりブランド力を更に強化するとともに、大型の再開発プロジェクトに参画する等、収益構造の多角化を図ってまいりました。その結果、当セグメントの売上高は前期比7.7%増の443億19百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比25.4%増の96億54百万円となりました。
また、セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて184億1百万円増加し、760億56百万円となりました。この主な要因は、自社分譲マンションに係る開発事業等支出金が増加したことによるものであります。
当社グループは、今後の事業展開に備えるための資金の流動性の確保と内部留保の充実及び株主への利益還元等を総合的に勘案しながら、健全なバランスシート及び最適な資本構成を維持し、財務体質のより一層の強化を図ってまいります。
そのため、資金運用については、短期的な預金等に限定するとともに、事業用地の取得や開発物件の建築資金等の短期的な運転資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び借入枠の実行による金融機関からの短期借入れ、再開発事業等の大型プロジェクトや設備投資等の長期的な資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入れによる方針であります。
グループ各社の資金については、当社において一元管理しており、必要に応じて各社の資金を融通しております。
なお、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、前連結会計年度末と比べて12百万円減少(26.5%減)し、34百万円となり、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べて25億13百万円増加(4.0%増)し、651億71百万円となりました。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
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