研究開発活動

5 【研究開発活動】

鉄道電気工事、一般電気工事及び情報通信工事の各部門では、「安全性の向上」、「作業の効率化」、「品質向上」及び「働き方改革」につながる研究開発活動を行っている。

当連結会計年度における研究開発費の総額は224百万円であり、主な研究開発内容は次のとおりである。

 

(1) 共通

 「アンカーボルトガイドキャップの開発」

構造用部材や設備機器等をコンクリートに固定する際、座板付鋼管柱のような大きな物では、基礎に取り付けられた複数のアンカーボルトと複数の穴を一度に挿入する事が難しいため調整に時間を要し、場合によってはアンカーボルトのネジ山を傷つけてしまうことがあった。そこで、アンカーボルトのネジ山を保護しながら部材や機器側の穴を案内し、簡単に挿入できる「アンカーボルトガイドキャップ」を開発した。

 

(2) 鉄道電気工事部門

①「インテグレート架線化のための新工法の開発」

東日本旅客鉄道株式会社は架線設備の老朽化に合わせ、従来の架線よりも設備の数が少なくスリム化されたインテグレート架線への改良工事を推進している。この「インテグレート架線化工事」において、既設電線と新設電線の切替方法を変更することにより、従来工法の工程を削減する新たな施工方法を東日本旅客鉄道株式会社と共同開発した。これにより工事のコストの削減と工期の大幅な短縮が可能となった。

 

②「クランプがいし用金車の開発」

鉄道線路沿線の信号機器等に電源を供給するための高圧電線の張替工事は、既設電線と新設電線を接続し仮設した金車の中を引き抜いて行われるが、電線をクランプがいしで支持している区間では、電線の移設や、がいしと電線の固定に時間がかかることから、停電間合いの中で作業を完了するのに苦慮していた。今回開発したクランプがいし用金車は、クランプがいしの上部に仮設し、ローラー内に簡単に電線を導くことができる構造にして、電線の移設に要する時間を大幅に削減し、作業効率の向上を図った。

 

(3) 一般電気・情報通信工事部門

①「データセンター向けセーフティ交流分電盤の開発」

近年、データセンターのサーバーの増設や改良工事が増え、その電源の改良工事も増えているが、サービスを停止させないために分電盤の当該回線以外は停電しない施工を求められることが多いため、安全対策を行った後、夜間に施工することが一般的となっている。そこで回路の露出部を無くし、接続部をコネクタにする等の改良により、昼間でも安全に施工できる交流分電盤をメーカーとともに開発し製品化した。

 

 ②「設計図・盤製作図からの絶縁抵抗測定表自動作成プログラムの開発」

絶縁抵抗測定は、電気設備の施工後、通電前に行われる試験であり、その結果を記録する測定表は、回線名等の必要事項をメーカーの図面から手作業でEXCEL表に転記して作成するとともに、測定データも手入力する必要があり多大な時間を要していた。開発したプログラムでは自動でPDF図面から絶縁抵抗測定表を作成し、さらにこれをタブレットに保存して、Bluetoothを備えた絶縁抵抗測定器と組み合わせ、測定データを自動で取り込むことで、作業の効率化を図ることができた。

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