当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況の概要及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染者数が増減を繰り返し、経済及び社会がその影響を受け回復ペースに遅れが生じました。また世界的な半導体不足と東南アジア等の感染拡大に伴うサプライチェーンの混乱による自動車生産への影響も継続し、2月以降はウクライナ情勢や円安進行等による資源価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような事業環境のもと、当社グループは2050年までに温室効果ガスをゼロにするカーボンニュートラル(脱炭素)に資するべく、水素やアンモニアを利用する燃焼技術の開発を進めるとともに、業績確保に向けた受注活動を展開しました。その結果、国内向け鉄鋼加熱炉や中国向け液晶関連クリーンオーブンのほか鉄鋼向け水素ガス加熱装置などの成約を得て、受注高は前期比111.1%の28,137百万円となりました。
売上面につきましては、自動車部品熱処理設備や中国向けフレキシブルディスプレー関連精密塗工装置などを納入したほか、中国向けステンレス製造設備などの工事が進捗し、売上高は前期比106.5%の26,317百万円となりました。
利益面につきましては、増収効果に加え、全社を挙げて原価の低減活動や経費削減など利益率の向上に努めたことにより、営業利益1,263百万円(前期比323.7%)、経常利益1,493百万円(前期比264.1%)と大きく増加しました。また、投資有価証券売却益の発生もあり、親会社株主に帰属する当期純利益も1,360百万円(前期比413.1%)と大きく増加しました。
各分野別の概況は次のとおりです。なお、分野別の受注高及び売上高は、セグメント間取引相殺消去前の金額によっております。
(エネルギー分野)
受注面では、国内向け鉄鋼加熱炉、鉄鋼向け水素ガス加熱装置のほか国内外向け機械部品熱処理設備や間接式熱風発生炉、火力発電所用アンモニア燃焼研究開発などの成約を得て、受注高は22,754百万円(前期比123.4%)と増加しました。
一方、売上面では自動車部品熱処理設備や中国向け液晶関連クリーンオーブンなどを納入したほか、中国向けステンレス製造設備や国内向け土壌浄化熱処理設備などの工事が進捗し、売上高は18,503百万円(前期比97.4%)となりました。
営業損益は利益率の向上により、631百万円の営業利益(前期比152.1%)となりました。
(情報・通信分野)
受注面では、国内向け電子デバイス用RSコータなどの成約を得ましたが、大型案件が少なく、受注高は787百万円(前期比34.1%)に留まりました。
また、売上面では、中国向けフレキシブルディスプレー関連精密塗工装置などを納入したほか、中国向け半導体パッケージ関連精密塗工装置などの工事が進捗し、売上高は2,533百万円(前期比234.2%)と増加しました。
営業損益は増収により、1百万円の営業損失(前期は572百万円の営業損失)と改善しました。
(環境保全分野)
受注面では、国内外の環境規制強化に対応した蓄熱式排ガス処理装置や活性炭製造用ロータリーキルンなどの成約を得て、受注高は2,596百万円(前期比101.4%)となりました。売上面では、蓄熱式排ガス処理装置などを納入し、売上高は2,213百万円(前期比83.7%)となりました。
営業損益は減収により、175百万円の営業利益(前期比87.5%)となりました。
(その他)
受注面では、海外子会社において、中国向けステンレス製造設備用機器や中国向け蓄熱式排ガス処理装置などの成約を得て、受注高は4,279百万円(前期比91.3%)となりました。売上面でも、中国向けステンレス製造設備用機器や中国向け蓄熱式排ガス処理装置などを納入し、売上高は5,480百万円(前期比126.8%)と増加しました。
営業損益は増収により419百万円の営業利益(前期比131.3%)となりました。
なお、受注高、売上高、営業利益、売上高営業利益率、自己資本利益率(ROE)の期初目標に対する実績は以下のとおりです。
営業利益、売上高営業利益率、自己資本利益率が目標を上回った主な要因は、利益率の向上及び経費の削減であります。
(2)財政状態の状況の概要及び分析・検討内容
資産合計は現金及び預金は増加しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産の減少などにより、前期末比436百万円減少の38,141百万円となりました。
負債合計は短期借入金の減少などにより、前期末比1,855百円減少の14,929百万円となりました。
純資産合計は利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加などにより、前期末比1,419百万円増加の23,211百万円となり、自己資本比率は60.5%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の概要及び分析・検討内容
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の回収などにより6,090百万円の資金の増加となりました。(前期は3,300百万円の増加。)
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産や無形固定資産の取得による支出はあったものの、投資有価証券の売却などにより、510百万円の資金の増加となりました。(前期は551百万円の減少。)
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の減少などにより、2,508百万円の資金の減少となりました。(前期は4,481百万円の減少。)
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金及び設備・投融資資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローを財源とし、必要に応じ、金融機関からの借入を行うこととしております。また、資金の流動性を確保するため、取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。
(4)生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は売上高により表示しております。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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