(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、依然として厳しい状況で経済活動の停滞が続いております。ワクチン接種の促進や感染拡大防止策を講じる中で、各種政策効果や海外経済に改善の動きが見られますが、国内外の感染再拡大による景気下振れリスクや世界的なサプライチェーンの混乱による需給バランスの悪化に加え、ロシアによるウクライナ侵攻による資源価格高騰等先行きは極めて不透明な状況で推移しております。
建設業界におきましては、政府建設投資及び民間建設投資は一定の水準を維持しておりますが、需要の急激な変動に伴うサプライチェーンの混乱による工期の延長傾向が見られることや、慢性的な技術労働者不足と建設資材の価格高騰に伴う建設コストの上昇のため受注競争が激化していることにより、依然として厳しい経営環境が続いております。更に、デジタルトランスフォーメーションや長時間労働等の働き方改革及び生産性向上、また気候変動による環境問題への対応等が、今後持続的発展をする上で取り組むべき課題となっております。
このような状況のもと、当社は、経営の基本方針として「健全なる企業活動を通じ誠意を持って社会に貢献する」を掲げ、どのような環境下に置かれても、持続的発展が可能となる企業となり、株主をはじめとしたステークホルダーの期待や信頼に応えるべく、企業価値の向上に向け活動を強化しております。
また、当社は引き続き工事利益率及び営業利益率の向上を目標に、受注時採算性の強化、原価管理及び施工管理の徹底、諸経費削減などの諸施策を実施してまいりました。
その結果、当事業年度の業績につきましては、受注高は前事業年度比5.4%減少の71億66百万円となり、売上高も前事業年度比1.0%減少の73億32百万円となりました。
損益面におきましては、工事利益率の悪化などから、営業利益は前事業年度比25.8%減少の7億10百万円となり、経常利益も同じく26.4%減少の7億29百万円となりました。最終損益につきましても、前事業年度比26.6%減少の4億91百万円の当期純利益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(設備事業)
設備事業の受注工事高は前事業年度比5.4%減少の71億66百万円となりました。完成工事高は前事業年度比1.0%減少の71億95百万円となり、営業利益も同じく前事業年度比22.0%減少の10億12百万円となりました。
(太陽光発電事業)
太陽光発電事業の売上高は前事業年度比3.2%減少の1億36百万円となりましたが、営業利益は前事業年度比9.4%増加の66百万円となりました。
(その他事業)
その他事業の売上高は前事業年度比4.0%減少の1百万円となり、営業利益も同じく8.9%減少の0百万円となりました。
なお、各セグメントに配分していないセグメント利益の調整額は、全社費用の3億68百万円であり、主に各セグメントに帰属しない一般管理費であります。
なお、財政状態の状況については、次のとおりであります。
当事業年度末における資産は、前事業年度末に比べ7億17百万円増加し、94億89百万円となりました。その要因は、主に売上債権が6億4百万円及び現金預金が4億12百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債は、前事業年度末に比べ3億89百万円増加し、34億64百万円となりました。その要因は、主に仕入債務が4億61百万円及び有利子負債が1億78百万円それぞれ増加したことによるものであります。
また、純資産は、前事業年度末に比べ3億27百万円増加し、60億24百万円となりました。その要因は、主に当期純利益の計上に伴い利益剰余金が3億62百万円増加したことによるものであります。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、7億12百万円増加し46億97百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益を計上し、売上債権が増加したものの仕入債務が増加したことなどから3億72百万円の収入超過(前事業年度は3億1百万円の収入超過)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入などから2億90百万円の収入超過(前事業年度は3億6百万円の支出超過)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金や社債の発行による収入などから48百万円の収入超過(前事業年度は3億96百万円の支出超過)となりました。
(注)当社では設備事業以外では受注形態をとっておりません。
(注) 売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合
前事業年度
該当事項はありません。
当事業年度
独立行政法人国立病院機構 747,926千円 10.2%
なお、参考のため設備事業の実績は、次のとおりであります。
設備事業における受注工事高及び施工高の実績
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の更改等により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減額が含まれております。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高の施工高は、手持工事高の工事進捗部分であります。
3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。
4 「うち施工高」比率は「うち施工高」を「手持工事高」で除した値であります。
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(注) 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額3億円以上の主なものは、次のとおりであります。
当事業年度 請負金額2億円以上の主なものは、次のとおりであります。
4) 手持工事高 (2022年8月31日現在)
(注) 手持工事高のうち請負金額4億円以上の主なものは、次のとおりであります。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の金額に反映されております。
これらの見積りにつきましては、過去の実績等を踏まえながら継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものにつきましては「財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
売上債権が6億4百万円及び現金預金が4億12百万円それぞれ増加しました。その結果、流動資産は前事業年度末比15.5%、8億81百万円増加の65億85百万円(前事業年度末 57億4百万円)となりました。
投資有価証券が85百万円及び有形固定資産が主に減価償却により67百万円減少しました。その結果、固定資産は前事業年度末比5.4%、1億64百万円減少の29億3百万円(前事業年度末 30億67百万円)となりました。
税金費用が2億円減少したものの、仕入債務が4億61百万円増加しました。その結果、流動負債は前事業年度末比6.4%、1億57百万円増加の26億32百万円(前事業年度末 24億74百万円)となりました。
長期の有利子負債が2億23百万円増加しました。その結果、固定負債は前事業年度末比38.7%、2億32百万円増加の8億32百万円(前事業年度末 6億円)となりました。
当期純利益の計上などから利益剰余金が3億62百万円増加しました。その結果、純資産は前事業年度末比5.8%、3億27百万円増加の60億24百万円(前事業年度末 56億96百万円)となりました。
売上高は、受注高が減少し、工事進捗率も低調だったことなどから、前事業年度比1.0%、75百万円減少の73億32百万円(前事業年度 74億7百万円)となりました。
売上総利益は、工事利益率の悪化などから、前事業年度比17.3%、2億67百万円減少の12億74百万円(前事業年度 15億41百万円)となりました。
営業利益は、販売費及び一般管理費は減少したものの、売上総利益が減少したことから、前事業年度比25.8%、2億47百万円減少の7億10百万円(前事業年度 9億57百万円)となりました。
経常利益は、営業利益が減少したことなどから、前事業年度比26.4%、2億61百万円減少の7億29百万円(前事業年度 9億90百万円)となりました。
当期純利益は、経常利益が減少したことから、前事業年度比26.6%、1億77百万円減少の4億91百万円(前事業年度 6億69百万円)となりました。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、指標のトレンドを示しますと、次のとおりであります。
(注) 自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式数控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※計算の結果が、マイナスとなる場合は「-」で表示しております。
当社における運転資金需要の主なものは、工事原価、販売費及び一般管理費などの営業費用によるものであります。また、投資資金需要の主なものは、設備投資及びシステム投資等によるものであります。
当社は、資金を安定的に確保する体制を基本方針としており、その資金の源泉は主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入等による資金調達となります。なお、当事業年度末の有利子負債の残高は9億74百万円、現金預金の残高は47億10百万円となっております。
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