当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、ワクチン接種等の効果や海外経済の改善があるものの、ウクライナ情勢等の影響に伴う原材料やエネルギー価格上昇の影響等、先行きが非常に不透明な状況となっております。
消費者の低甘味嗜好や安価な加糖調製品、異性化糖、高甘味度人工甘味料の増加等からこれまでも減少傾向にあった国内の砂糖消費量は、新型コロナウイルス感染症の影響によりさらに著しく落ち込み、砂糖業界は大変厳しい状況となっております。
当連結会計年度は、主に砂糖事業と飼料事業の売上の増加により、売上高は前期比6.8%増の58,492百万円となり、経常利益は、前期比20.0%増の2,818百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、関係会社株式売却損と減損損失を特別損失に計上したものの、投資有価証券の売却益を特別利益に計上したため、前期比20.3%増の1,975百万円となりました。
当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。「収益認識会計基準」等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)及び(セグメント情報等)セグメント情報 2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産、負債その他の項目の金額の算定方法」に記載のとおりであります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
海外市況につきましては、ニューヨーク市場粗糖先物相場(当限)において1ポンド当たり期初14.71セントで始まり、11月には砂糖の主要生産国であるブラジルの天候不順の影響による砂糖減産見込みや投機資金の流入により、20.42セントまで上昇しました。
その後、12月~2月は新型コロナウイルス感染症の影響や投機資金の縮小に伴い下落傾向となりましたが、ウクライナ情勢等の影響によるエネルギー供給に対する懸念から原油相場と連動して徐々に上昇し、19.49セントで当期を終えました。
一方、国内市況につきましては、期初192円~193円(東京精糖上白現物相場、キログラム当たり)で始まりましたが、海外砂糖相場の上昇を受けて、8月に198円~199円に上昇、1月には204円~205円に上昇し、そのまま当期を終えました。
ビート糖は、コロナ禍以前の一昨年並みの販売量までは届かず厳しい状況ですが、清涼飲料向けや製パン向け等の業務用販売に回復傾向がみられ、白糖、原料糖の売上高、販売量については前期を上回りました。
また、ここ数年ビート糖の需給バランスが不均衡となっているため、原料糖の在庫が増加しております。
精糖は、新型コロナウイルス感染症の影響により前期に比べ家庭用、業務用とも販売量が減少し、売上高についても前期を下回りました。
砂糖セグメントの売上高は、37,809百万円(前期比7.0%増)となり、コスト削減に努めたものの、原料糖在庫による保管費増加の影響もあり、331百万円のセグメント損失(前期は716百万円のセグメント損失)となりました。
<食品事業>
イーストは、新型コロナウイルス感染症の影響が見られるものの、売上高はほぼ前期並みとなりました。
オリゴ糖等食品素材は、ラフィノースやフラクトオリゴ糖等オリゴ糖の販売量が増加したものの伸び悩みました。
食品セグメントの売上高は、2,350百万円(前期比5.6%増)となりましたが、燃料費等の上昇による製造コストの増加により、21百万円のセグメント損失(前期は23百万円のセグメント利益)となりました。
なお、清水バイオ工場の生産設備について、イーストの需要低迷とフラクトオリゴ糖の売上の伸び悩みにより、収益性が低下しました。そのため、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき減損処理を行い、当連結会計年度において減損損失414百万円を特別損失に計上しております。
<飼料事業>
配合飼料は、穀物価格の高騰に伴う販売単価の増加と、販売努力により販売数量が増加したため、売上高は前期を上回りました。
ビートパルプは、原料てん菜の収量増加に伴う増産により、販売量、売上高ともに前期を上回りました。
飼料セグメントの売上高は、11,253百万円(前期比12.3%増)となり、セグメント利益は1,321百万円(前期比13.6%増)となりました。
<農業資材事業>
紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、ビート用、そ菜用とも販売量が減少し、売上高は前期を下回りました。
農業機材は、ビート用の移植機、培土等の売上減少により、売上高は前期を下回りました。
農業資材セグメントの売上高は、4,228百万円(前期比6.2%減)となり、セグメント利益は海外向けの紙筒在庫の評価損を計上した影響もあり、190百万円(前期比59.5%減)となりました。
不動産事業は、売上高はほぼ前期並みでしたが、営業利益はコストの削減により増加しました。
不動産セグメントの売上高は、1,549百万円(前期比2.6%増)となり、セグメント利益は968百万円(前期比11.8%増)となりました。
その他の事業は、主にスポーツレジャー施設及びガソリンスタンドの来客者数の回復や貨物輸送の増加もあり、売上、利益が増加しました。
その他の事業の売上高は、1,301百万円(前期比9.7%増)となり、営業利益は94百万円(前期比19.3%増)となりました。
②財政状態
当連結会計年度末の資産の合計は100,458百万円で、前連結会計年度末に比べ3,066百万円の増加となりました。
一方、負債の合計は32,540百万円で、前連結会計年度末に比べ3,609百万円の増加となりました。
純資産は67,918百万円で、前連結会計年度末に比べ543百万円の減少となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,577百万円の収入となり、前年同期に比べ、2,759百万円の資金の増加となりました。
これは、主に仕入債務の増加で1,013百万円、売上債権の減少で928百万円、未収入金の減少で340百万円の資金の増加となったことによるものであります。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、489百万円の収入となり、前年同期に比べ、3,226百万円の資金の増加となりました。
これは、主に投資有価証券の売却による収入の増加で1,709百万円、関係会社株式の売却による収入で776百万円、貸付金の回収による収入の増加で300百万円の資金の増加となったことによるものであります。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,381百万円の収入となり、前年同期に比べ、2,506百万円の資金の増加となりました。
これは、主に自己株式の取得による支出の増加で593百万円の資金の減少となったものの、短期借入金の収支差による収入で3,090百万円の資金の増加となったことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ4,449百万円増加し、11,150百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、期中の平均販売価格に生産数量を乗じて算出しております。
3 不動産事業の主な内容は、不動産賃貸等のため、記載しておりません。
4 その他の事業の主な内容は、輸送サービス等のため、記載しておりません。
一部受注生産を行っておりますが、受注生産高の売上高に占める割合の重要性が乏しいため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
当連結会計年度の売上高は、前期比6.8%増の58,492百万円となりました。
砂糖事業においては、業務用の販売が回復傾向にあり販売数量が増加し、また飼料事業においては、配合飼料、ビートパルプともに販売数量が増加するなど好調に推移した結果、増収となりました。
売上原価は、原材料の値上がり等があり、前期を上回りました。
販売費及び一般管理費は、主にビート糖の製品在庫増加に伴う保管料の増加等により、前期を上回りましたが、営業利益については、前期比18.0%増の2,229百万円となりました。
営業外収益及び営業外費用はほぼ前期並となった結果、経常利益は前期比20.0%増の2,818百万円となりました。
投資有価証券の売却益1,494百万円を特別利益に計上した一方、特別損失に、主に関係会社の譲渡に伴う関係会社株式売却損675百万円及び固定資産の減損損失473百万円を計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比20.3%増の1,975百万円となりました。
「第1次日甜グループ中期経営計画」の2年度目となる当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ウクライナ情勢等を受けて原材料・エネルギー価格が高騰するなど厳しい経済環境にありましたが、当社グループは感染症対策を継続しながら、引き続き、基盤事業(砂糖事業・不動産事業)の強化と成長事業(食品事業・飼料事業・農業資材事業)の販売力強化に取り組みました。
当連結会計年度の経常利益は、計画実行前となる2020年3月期の2,085百万円に対し、733百万円増の2,818百万円となりました。当連結会計年度の事業利益向上は、飼料事業が好調に推移するなど各事業の計画進捗がほぼ図られた結果となりましたが、一方で、砂糖事業におきましては新型コロナウイルス感染症の影響が国内砂糖消費の一層の低迷を招き、ビート原料糖の在庫が増加するなど、今後の事業基盤の維持・強化のための課題を残すこととなりました。
中期経営計画の最終年度となる2023年3月期におきましては、エネルギー価格の高騰という外部環境の急激な変化等を受け製造コストの著しい上昇が見込まれ、また製品在庫の増加が利益を圧迫するなど、当社グループがこれまでに経験したことのない業績の悪化が予想されます。引き続き、基盤強化と成長戦略の確実な実行を重要課題として計画達成を目指してまいりますが、まずはこの危機的状況からの脱却を目指してまいります。
なお、当社グループは「売上高経常利益率」を目標とする経営指標に設定しております。
当連結会計年度の売上高経常利益率は4.82%(前期4.29%)となり、前連結会計年度に比べ0.53ポイント改善いたしました。目標とする4%を達成、中期経営計画での2023年3月期の目標である4.6%も達成することができました。引き続き、目標達成に向け努めてまいります。
セグメントごとの経営成績は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメントごとの経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、砂糖事業が64.7%、食品事業が4.0%、飼料事業が19.2%、農業資材事業が7.2%、不動産事業が2.7%、その他の事業が2.2%であります。
<砂糖事業>
砂糖事業を取り巻く環境は、消費の低迷や砂糖に代わる安価な甘味料の増加等の影響により厳しい状況が続いておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により国内砂糖消費量は著しく落ち込み、一層厳しさを増しております。
ビート糖はコロナ禍前の水準までには戻らなかったものの、業務用で販売数量の回復が見られ、白糖、原料糖ともに販売数量が増加し、売上高は前期を上回りました。なお販売価格の基準となる国内砂糖相場は、海外砂糖相場の上昇を受けて2021年8月に6円、2022年1月に6円それぞれ上昇しました。製造面では、高品質原料の確保や製糖資材使用の抑制等により高効率な製糖作業に努め、製造コスト削減を図りました。
精糖は、厳しい販売環境にあり販売数量が減少し、売上高は前期を下回りました。
販売費は、主にビート糖の製品在庫が積み上がり保管料が増加したことから、砂糖事業の利益を押し下げる結果となりました。
<食品事業>
イーストは価格競争による市場の奪い合い等が激しく、厳しい状況にあります。機能性食品の市場は、健康志向の高まりから成長しているものの流行があり、また新規参入しやすい市場でもあり、安定成長が難しい状況にあります。
イーストは、新型コロナウイルス感染症の影響が見られるものの販売数量はほぼ前期並みとなり、売上高は前期並みとなりました。
また、オリゴ糖等食品素材はフラクトオリゴ等の販売が増加し、売上高は前期を上回りました。
オリゴ糖含有液状甘味料の拡販により、売上確保に努めております。
<飼料事業>
北海道の乳牛向け配合飼料の市場規模は約160万トンで、価格競争が激化しており、またビートパルプは需要の落ち込みが懸念されております。
配合飼料の主原料であるとうもろこし等の価格が、穀物相場の高騰により上昇しているため販売価格を値上げし、また営業努力もあり販売数量が増加したため、売上高は前期を上回りました。販売費は減少したものの、原材料価格の高騰による製造コストの上昇が大きく、セグメント利益は減少しました。
ビートパルプは、てん菜の収量増加に伴い生産数量が増加したことで販売数量も増加し、売上高は前期を上回り、セグメント利益が確保できました。
当社が製造している機能性食品素材を配合した製品の開発にも力を入れており、付加価値の高い配合飼料「カウライザー」、「コウシのミカタ」等の拡販に努めております。
<農業資材事業>
農業用資材は農業人口・戸数の減少に伴い、市場は減少傾向にあります。
紙筒(移植栽培用育苗鉢)は、ビート用についてはてん菜の生育方法が移植栽培から直播栽培に変わってきており、販売は減少傾向にありますが、ネギ用を主としたそ菜用は国内をはじめ輸出が拡大傾向にあり、ビート用の売上減少をカバーしております。
農業用機械は年により受注台数に変動がありますが、紙筒と同様、ビート用だけでなく、タマネギ等そ菜用の開発・販売に努めております。
<不動産事業>
社有の遊休地を有効活用し、不動産事業は着実に売上を伸ばしてきました。
当連結会計年度においては新規物件はありませんでした。売上高はほぼ前期並みとなりましたが、オフィスビルの収益が改善し、セグメント利益は前期を上回りました。
遊休地はあるものの、高度利用可能な遊休地は少なくなってきており、新規オフィスビル取得の検討、既存テナントとの友好的な関係維持に努めております。
<その他の事業>
その他の事業は、貨物輸送や石炭等の燃料の販売、ボウリング等のスポーツレジャー施設の営業、書籍販売等で構成されております。
当連結会計年度においてはガソリンスタンドへの来客者数の回復等があり、売上高は前期を上回りました。
(財政状態の分析)
資産の合計は100,458百万円で、前連結会計年度末に比べ3,066百万円の増加となりました。このうち流動資産は54,952百万円となり、主に有価証券の増加により、前連結会計年度末に比べ7,237百万円の増加となりました。また、固定資産は45,506百万円となり、主に投資有価証券の譲渡・売却や時価の下落により、前連結会計年度末に比べ4,171百万円の減少となりました。
一方、負債の合計は32,540百万円で、主に短期借入金の増加により、前連結会計年度末に比べ3,609百万円の増加となりました。
純資産は67,918百万円で、主にその他有価証券評価差額金の減少により、前連結会計年度末に比べ543百万円の減少となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務指標数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。なお、2021年3月期の債務償還年数及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため、記載を省略しています。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループが事業を行う上で必要となる運転資金、設備投資、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当金及び法人税の支払い等に資金を充当しております。
運転資金等の資金需要に対しては、営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入により資金を調達しており、金融機関からの借入金額は年間の資金計画に基づき適切な水準とし、資金繰りを考慮し返済方法を決定しております。また当社及び子会社の余剰資金を、当社グループ内で融通し合うことにより資金の効率化を図り、グループ外部への資金流出を抑えております。
設備投資については、過剰な投資とならないよう当社グループの現況に見合った年間の投資計画を策定し、老朽化した設備の更新のほか、製造コストの削減、製造工程の改善、製品の品質向上、環境対策等を目的とした設備投資又は将来の利益獲得のための先行投資を行っております。設備投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。なお、設備の新設・更新は主として自己資金によっております。
配当については、当社グループは主業のビート糖事業を中心に公益性の高い事業を営んでおり、長期的かつ安定的な事業継続が求められるため、財務体質の強化と経営基盤の拡大を図ることを重視するとともに、株主の皆様への適切な利益還元を経営上の重要な政策と位置づけ、安定的な配当を継続することを基本方針としております。
資金の運用については、比較的安全な譲渡性預金で運用しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は11,150百万円となり、主に短期借入金の増加と、投資有価証券及び関係会社株式を売却したことによる収入により、前連結会計年度末に比べ4,449百万円増加いたしました。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は16,687百万円となりました。
将来発生し得る資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び手許資金により充当が可能であると判断しており、資金の不足が見込まれる場合には、金融機関からの借入により対処する方針であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては会計上の見積りを行う必要があり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④経営成績に重要な影響を与える要因と今後の方針について
(経営成績に重要な影響を与える要因)
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「対処すべき課題」及び「事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの売上高の約7割を砂糖事業が占めており、他の事業におきましてもほとんどが砂糖の原料となるてん菜(ビート)由来の製品事業、又は砂糖に関連する事業から成り立っていることから、国の農業政策や砂糖業界を取り巻く国際情勢、てん菜の生産状況など砂糖事業に特有のリスクが、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また昨今のエネルギー価格の急騰及び輸入粗糖・輸入穀物価格の高騰の当社事業への影響は大きく、外部環境の急激な変動を販売価格に転嫁できない場合、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(今後の方針)
砂糖業界におきましては、消費者の低甘味嗜好や安価な輸入加糖調製品等の増加により、国内の砂糖消費量が減少傾向にあるなど大変厳しい状況にありますが、新型コロナウイルス感染症が砂糖の深刻な需要減少を招き、当社グループを取り巻く環境は一層厳しさを増しております。
また、ウクライナ情勢等を受けたエネルギー価格の急騰により、砂糖を始めとする各製品の製造コストの著しい上昇が見込まれており、この著しい外部環境の変化に適応できる経営戦略の再構築が急務と捉えております。今まで以上のコスト削減への努力に加え、適正価格での販売に努め、収益力の確保、経営基盤の安定化を図ってまいります。
「会社の経営の基本方針」に記載のとおり、当社グループを取り巻く厳しい経営環境に対処すべく、「第1次日甜グループ中期経営計画」を策定し、計画達成に向け取り組んでおります。子会社も含めた当社グループ全体で「開拓者精神を貫き、社会に貢献しよう。」の社是のもと、てん菜・てん菜糖事業の継続、さらに各事業を成長させ、砂糖事業・不動産事業に続く第2の柱を構築し、社会的責務を果たしてまいります。
2022年1月には当社グループが目指す道標として、新たに「日甜アグリーン戦略」を策定いたしました。諸課題にチャレンジし、持続可能な食料システム構築と新たな価値の創造を目指し、多くの方に支持され続ける企業に成長してまいります。
また2021年1月に、DM三井製糖ホールディングス㈱との間で、当社は資本業務提携契約を締結いたしました。砂糖業界を取り巻く環境が一層厳しさを増すなか、原料調達・製造・販売等のノウハウを結集し、国内における安定的な供給体制の基盤を一層強固なものとすると同時に、国際競争力を強化して企業としての成長を図ってまいります。
資本業務提携の目的は以下のとおりであります。
・生産原料資源の確保、わが国の砂糖産業全体の安定的運営への貢献を図る
・DM三井製糖ホールディングス㈱とともに、技術者の交流による生産技術の伝承や向上を果たす
・地域経済に貢献し、わが国砂糖産業の健全な発展に貢献する
本資本業務提携により、各社の得意領域を融合し相乗効果を創出することで、将来のわが国の砂糖産業と各社の企業価値の発展向上につなげることが、すべてのステークホルダーにとって最善の方策であると考えております。
お知らせ