業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容)

(1) 経営成績

当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)におけるわが国経済は、昨年度に引き続きデルタ株やオミクロン株等の変異を繰り返す新型コロナウイルス感染症の影響下にあり、先行きは不透明な状況が続いております。このようなわが国の経済情勢下にあるものの、企業ではテレワーク等の働き方の多様性が進むとともに、企業間の訪問自粛からオンライン利用の活発化等、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に対する投資意欲は引き続き旺盛でした。このような事業環境の中で、当社グループは、AIを主体としたビジネスモデルへのポートフォリオ・トランスフォーメーションを進めておりますが、その結果、昨年度に続き2期連続で大幅な増益を達成いたしました。

AIソリューション事業においては、ライフサイエンスAI分野では、Medical Device(メディカルデバイス)領域において、2021年12月に、開発中の言語系AI医療機器「会話型 認知症診断支援AIプログラム」の臨床試験における目標症例数を達成し、症例登録が完了いたしました。現在、臨床データの解析を進めており、早期の薬事承認申請を目指してまいります。また、2022年2月には、株式会社スズケンとの間で、「会話型 認知症診断支援AIプログラム」の協業に関し提携契約を締結いたしました。この提携契約に基づき、同社と協力して、AI医療機器の早期の市場浸透及び拡大を図るとともに、安定供給の実現に努めてまいります。

Medical Intelligence(メディカルインテリジェンス)領域では、当社独自のAIを用いて、新たに新薬創出・ドラッグリパーパシング・ドラッグリポジショニングの大幅な効率化を支援するドラッグマイニング事業を開始いたしました。その皮切りとして2021年12月に公表いたしましたアクセリード株式会社(以下 「アクセリード」)との、AIを用いて医薬品開発におけるターゲット分子のポテンシャルを解析する共同事業「Druggable Target 1000」は、順調に推移しております。また、論文探索AIシステム「Amanogawa」は、製薬企業に加えアカデミアでも着実に普及が進んでおります。今後もAIを活用し、創薬研究の高度化と生産性向上を支援してまいります。


  ビジネスインテリジェンス分野では、企業のDXに対する投資意欲は引き続き旺盛であり、上半期は、大手金融機関に対して顧客との通話データ解析システムを導入し、また大手建設会社の協力のもとで開発した危険予知システム「兆KIBIT」の提供を開始するなど、堅調に推移しました。

一方で、ビジネスインテリジェンス分野は売上高が下半期に偏重する傾向がありますが、当期においては、下半期に予定しておりました複数の案件が想定どおりに進捗せず、売上計上に至らない事例がありました。

企業の様々なニーズに対応すべく、2022年2月には災害リスク発見と予知を行う新たなAIソリューション「WordSonar for AccidentView」をリリースいたしましたが、今後も引き続き拡大が予想されるDXの中で、現在進めております営業体制の強化を着実に進め、企業のニーズを的確に把握し、解決に向けたソリューションを提供することで事業の拡大を目指してまいります。


  リーガルテックAI事業では、上半期においては、当社AIレビューツール「KIBIT Automator」を活用した大型の案件を複数獲得することができ、当初想定を大きく上回る業績をあげることができました。また、日本におけるデジタルフォレンジック調査事案の報告書において当社のAIを用いたソリューションが記載されたことから、当社の知名度向上にもつながりました。一方、下半期では、上半期の勢いは一巡したものの、当初想定した範囲での業績となりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高 10,932,768千円 (前年同期比 5.4%増 )、営業利益 1,721,714千円 (前年同期比 239.4%増 )、経常利益 1,687,434千円 (前年同期比 411.2%増 )、親会社株主に帰属する当期純利益 1,308,760千円 (前年同期比 264.5%増 )と前年同期を上回る結果となりました。

 

各事業の当連結会計年度の概況は以下のとおりであります。

 

(AIソリューション事業)

ライフサイエンスAI分野では、Medical Device領域において、開発中の「会話型 認知症診断支援AIプログラム」の臨床試験が順調に進んだことでマイルストーンフィーを獲得したことや、その他複数の受託開発を受注したことにより、前年同期比で売上高が増加いたしました。また、Medical Intelligence領域において、ドラッグマイニング事業を開始し、アクセリードとの共同事業「Druggable Target 1000」により同社化合物の解析に基づく収益を得ることができました。論文探索AIシステム「Amanogawa」が製薬企業だけでなく病院へ導入されたこと等により認知度を高め、パイプラインを積み上げました。
 ビジネスインテリジェンス分野は想定していた水準に至らず、前年度の売上高を下回っておりますが、ライフサイエンスAI分野の成長で補った結果、AIソリューション事業全体の売上高は 2,096,662千円(前年同期比1.3%減)となり堅調に推移いたしました。一方で営業損益につきましては、外注費の削減等のコスト最適化により営業利益451,330千円(前年同期比57.5%増)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高及び営業利益はそれぞれ60,357千円増加しております。

 

(リーガルテックAI事業)

リーガルテックAI事業は、グローバルで大型案件を複数獲得したことにより売上高が前年同期を上回る結果となりました。またポートフォリオ・トランスフォーメーションが奏功し、高い利益率が見込める案件を主体とするAIレビューツール「KIBIT Automator」を活用したAIサービス売上比率が高くなったことや、米国子会社を中心として取り組んできた構造改革の成果としての販売管理費の低減等により利益の増加に寄与しております。

その結果、売上高は8,836,105千円(前年同期比7.2%増)、営業利益は1,270,384千円(前年同期比475.5%増)となりました。

 

 

(2) 財政状態

(資産)

総資産は、前連結会計年度末と比べて117,395千円減少し、11,825,130千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べて400,124千円増加し、5,941,401千円となりました。これは主に、売上債権の回収により現金及び預金が456,717千円増加した一方で、受取手形及び売掛金が280,665千円減少したことや、その他に含まれる前払費用が107,629千円増加したこと、貸倒引当金が61,455千円減少したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べて517,520千円減少し、5,883,728千円となりました。米国子会社の事務所一部閉鎖や償却により使用権資産が350,586千円減少したことに加え、償却により工具、器具及び備品が74,092千円、のれんが19,600千円、顧客関連資産が24,251千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

負債合計は、前連結会計年度末と比べて1,914,327千円減少し、5,384,199千円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比べて1,446,776千円減少し、2,599,841千円となりました。これは主に、返済により短期借入金が1,400,000千円減少したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比べて467,551千円減少し、2,784,358千円となりました。これは主に、支払によりリース債務が345,230千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末と比べて1,796,931千円増加し、6,440,930千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が1,308,760千円増加したことによるものであります。なお、収益認識会計基準等の適用により、利益剰余金の期首残高が54,679千円減少しております。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,458,306千円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況と、その主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により増加した資金は2,376,330千円(前年同期比349,390千円の収入の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上1,616,320千円の増加、非資金項目である減価償却費及びのれん償却額1,016,486千円の計上等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー) 

投資活動により支出した資金は618,207千円(前年同期比270,474千円の支出の増加)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出593,607千円、有形固定資産の取得による支出61,122千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は1,459,724千円(前年同期比1,406,705千円の支出の増加)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出1,400,000千円、長期借入れによる収入800,000千円、長期借入金の返済による支出895,724千円によるものであります。

 

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

自己資本比率

28.0

32.3

29.1

37.5

53.3

時価ベースの自己資本比率

230.6

155.1

71.5

267.2

675.6

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率

4.4

7.7

△23.6

2.8

1.6

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

27.6

18.5

△7.0

58.3

94.1

 

自己資本比率:自己資本/総資産 

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー 

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注3)有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

 

(4)生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当社グループの事業内容は提供するサービスの関係上、生産実績の記載に馴染まないため記載しておりません。

 

② 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

AIソリューション事業

46,341

△36.8

リーガルテックAI事業

652

118.0

合計

46,993

△36.2

 

(注)  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 受注状況

当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

④ 販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

事 業 部 門 別

売上高(千円)

前期比(%)

AIソリューション事業

ライフサイエンスAI

781,598

69.32

ビジネスインテリジェンス

1,275,600

△20.84

海外AI

39,463

△23.29

AIソリューション事業売上高 計

2,096,662

△1.31

リーガルテックAI事業

eディスカバリサービス

Review

2,933,306

11.23

Collection, Process

895,200

△19.33

Hosting

3,754,783

△0.46

7,583,291

0.85

フォレンジックサービス

1,252,814

72.47

リーガルテックAI事業売上高 計

8,836,105

7.16

合               計

10,932,768

5.43

 

(注)1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

  2  収益認識会計基準等の適用により、AIソリューション事業におけるライフサイエンスAIは64,592千円売上高が増加、ビジネスインテリジェンスは4,235千円売上高が減少しております。

  3 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

     前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)

     外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先が無いため、記載を省略しております。

 

     当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

      A社 1,957,774千円 17.91%

      B社 1,287,324千円 11.77%

     A社、B社との契約において秘密保持条項が存在するため、社名の公表は控えさせていただきます。

 

 

(5) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、主に営業活動から得られる自己資金及び金融機関からの借入を資金の源泉としております。設備投資並びに研究開発等の事業投資の長期資金需要につきましては、資金需要が発生した時点で、自己資金又は、金融機関からの長期借入金、増資等、資金調達コストの最小化を図れるような調達方法を検討し対応しております。また、運転資金需要につきましては、営業活動から得られる自己資金と金融機関からの借入金等により賄っております。

なお、当連結会計年度におけるシンジケートローン契約締結については、「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」、重要な設備の新設等の計画については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。

当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,745,514千円となっており、借入金については主に運転資金や過年度におけるM&A等のための資金で、全て金融機関からの借入となっております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,458,306千円であります。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(7) 長期的な会社の経営戦略

当社グループは「Bright Valueの実現~記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する~」という企業理念のもと、独自開発の人工知能(AI)エンジン「KIBIT」、「Concept Encoder」及び「Looca Cross」を3本の柱とする高度な情報解析技術を駆使し、様々なフィールドで必要かつ適切な情報に出会えるフェアな世界の実現及び社会課題の解決に貢献しております。

現在、当社グループは、真のAI企業を目指し、AIを主体としたビジネスモデルへのポートフォリオ・トランスフォーメーションを推進しております。また、近年のDX(デジタルトランスフォーメーション)の加速を背景に、業務課題および社会課題の解決を図るAIソリューションの提供を進め、AI技術の普及を目指してまいります。

当社では、事業セグメントを医療、金融、製造、建設、小売、流通、といった各産業でAIソリューションを提供する「AIソリューション事業」と国際訴訟支援及び不正調査においてAIを活用したサービス提供をする「リーガルテックAI事業」に分け、中長期的に以下の項目の強化に取り組んでまいります。その過程において、2026年3月期での中期戦略「ステージ4」の達成を目指してまいります。

 

  ■AIソリューション事業

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響や人手不足、働き方改革の推進などにより、企業のDXに対する投資が加速され、人が行う作業をデジタル化することで業務を効率化し、高度化することができるAI製品の需要が増加しております。さらに、企業におけるAIの実装が進んだ現在においては、複数の業務においてAI製品が導入されるフェーズに進んでおります。このような市場環境のもと、当社グループは市場開発の余地が大きい自然言語×AIの領域において、各分野のDXを推進する多様なAI製品の拡販活動に注力し、ライフサイエンスAI、ビジネスインテリジェンスの両分野において積極的な市場開拓を推し進めてまいります。

 

 (ライフサイエンスAI)

超高齢社会を迎えているわが国では、患者数がさらに増加する一方で医療・介護従事者の人手不足が課題となっており、医療・介護現場の業務効率化、高度化が求められております。なかでも、認知症発症リスクが高いとされる後期高齢者数は2020年で約1,872万人(出典:内閣府「令和3年版高齢社会白書」)に達しており、認知症対策は国家的な課題となっております。これら医療・介護現場の課題解決を実現するAI製品の潜在市場が非常に大きいと想定されるなか、当社グループは医療分野におけるDXを独自のAI技術で推進するライフサイエンスAI分野を中長期的な成長の柱と位置付け、飛躍的な事業拡大を目指しております。

Medical Device領域では、現在、会話型 認知症診断支援AIプログラムについて、世界初となる言語系AI医療機器を目指し、早期の薬事承認申請に向け準備を進めております。また、他の精神・神経疾患の診断を支援するためのAIプログラムにつきましても開発を進めております。また、疾病の発症・重症化・再発などを防ぐ予防医学の観点から医療現場を支援するプログラムの開発にも着手することで、医療機器と民生品の両面から開発パイプラインの拡充を図ってまいります。中長期的には複数の医療機器の上市により、Medical Device領域がライフサイエンスAI分野の売上を牽引し、急速な成長を目指す計画であります。

Medical Intelligence領域では、AIを活用した創薬支援システムの開発と製薬企業やアカデミアへの拡販に注力するとともに、創薬DXの推進を目的に提携しているパートナー企業とともに創薬支援ソリューションを提供してまいります。加えて、当社独自のAIシステムを用いて、新薬創出、ドラッグリパーパシング、ドラッグリポジショニングの大幅な効率化を支援するドラッグマイニング事業においては、製薬会社からの候補化合物解析の積極的な受託を目指してまいります。また、電子カルテなどの医療情報から診断・診療支援等を行うソリューションや、医薬品業界に特化した規制対策を支援するソリューションの提供を推進し、各種AIシステムが多方面に導入されることで、ライフサイエンスAI分野の継続収入を増加させ、さらなる成長を目指してまいります。

 

  (ビジネスインテリジェンス)

DXへの投資増大を追い風として企業のAI活用が進む状況において、当社AIソリューションの需要は今後も増えると想定しております。当社では、継続的に顧客単価の上昇を目指して案件の大型化と複数製品の導入を推進すると共に、多分野においてAI製品を浸透させ、導入企業数を増やすことで、ビジネスインテリジェンス分野の大幅な成長を目指してまいります。

また、近年、最先端技術のデュアルユース(軍民両用)が急激に加速し、経済と安全保障が結びつきを強めており、経済安全保障に対する関心が高まっておりますが、当社独自のAIシステム「Looca Cross」を活用することでオープンになっている情報を収集・分析し、企業間/株主間/研究者間のつながりを可視化し、チョークポイント(戦略的に重要な意味を持つポイント)を見つけ出すことが可能であります。これにより、非常に複雑な世界の状況を把握し、経済安全保障における国家戦略の立案・実行への貢献やトップマネジメント層の経営戦略立案の支援を実現してまいります。

 

  ■リーガルテックAI事業

eディスカバリ市場では企業が保有する電子情報のデータ量が継続的に増大している一方、データ容量あたりの解析サービス料の引き下げ圧力は年々高まっております。当社ではこうした市場環境をビジネスチャンスと捉え、レビュー工程をAI技術によって効率化するAIレビューツール「KIBIT Automator」を提供しております。「KIBIT Automator」はレビュー作業のコストを大幅に削減することができるため、従来方法のレビュー案件より利益率が高いことが特長であります。

「KIBIT Automator」による案件獲得に営業活動を集中し、売上構成比について従来型ビジネスを主体としたものから、AIレビューツール「KIBIT Automator」を活用した案件を主体としたものへ転換するポートフォリオ・トランスフォーメーションを推進することで、中長期的に従来型ビジネスからの脱却を図ってまいります。AIレビューツールによって他ベンダーと差別化を図ることで、新規顧客開拓を強力に進め、事業のさらなる成長を進めてまいります。

 

(8) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第一部  企業情報  第2  事業の状況  1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

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