課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループは「Bright Valueの実現~記録に埋もれたリスクとチャンスを見逃さないソリューションを提供し、情報社会のフェアネスを実現する~」という企業理念のもと、独自開発の人工知能(AI)エンジン「KIBIT」、「Concept Encoder」及び「Looca Cross」の3本を柱とする高度な情報解析技術を駆使し、祖業である国際訴訟支援、不正調査から製造、金融、小売、流通、そして医療分野といった様々なフィールドで、必要かつ適切な情報に出会えるフェアな世界の実現及び社会課題の解決に貢献しております。

 

当社グループは現在、第23期(2026年3月期)に達成を目標としております中期戦略「ステージ4」(詳細は2022年5月20日に公表しております「事業計画及び成長可能性に関する事項」をご確認ください)の達成に向けて、全社一丸となって全力で取り組んでおります。第20期(2023年3月期)は、「ステージ4」実現を確実なものとするための体制整備の年と位置づけ、人的投資を中心に積極的に投資を行ってまいります。

 

   AIソリューション事業

ライフサイエンスAI分野では、少子高齢化や感染症、医療過疎、医療格差などの社会課題に注目し、医療分野のDXを推進するため、独自の言語系AI技術を中核とした事業拡大を迅速に進めてまいります。

Medical Device領域では、引き続き、世界初の言語系AI医療機器となる「会話型 認知症診断支援AIプログラム」の開発を進めてまいります。また、医療の安全推進と質の向上、患者のQOL(Quality of Life)向上のため、今後もAI医療機器の開発を進めてまいります。現在開発を進めておりますプログラムとしては、入院患者の電子カルテに記載された医療情報から院内で骨折する可能性のある患者をスクリーニングし骨折予防を目的とした「骨折スクリーニングAIプログラム」や、早期診断・治療が重要とされる一方、診断に専門的な知識や経験が必要とされる統合失調症の診断を支援する「統合失調症診断支援AIプログラム」があります。他の開発準備を進めております製品につきましても適宜公表いたしてまいりますが、引き続きAI医療機器の開発パイプラインの拡充を図ってまいります。また、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社と連携し、同社が提供するクラウドプラットフォーム「Amazon Web Services」上での将来のAI医療機器・ヘルスケアソリューションの展開に向けた開発を開始いたしました。

Medical Intelligence領域においては、現在販売している論文探索を効率化する「Amanogawa(アマノガワ)」、候補化合物の発見を支援する「Cascade Eye(カスケードアイ)」に加え、膨大な論文情報や医学薬学データをベースに、ターゲット分子のポテンシャルを網羅的・効率的に分析するだけでなく、ターゲット選定の際の科学性評価や市場性評価等の多岐にわたる複雑な評価指標をAIによりスコアリングする新規AIシステム「liGALILEO(リガリレオ)」を開発いたしました。「liGALILEO」は、創薬プロセスの成功率の飛躍的な向上が期待されるシステムであり、製薬会社からの候補化合物解析の受託が期待されます。これらAIシステムを活用し、ドラッグマイニング事業を加速してまいります。

 

ビジネスインテリジェンス分野は、企業のDXへの投資増大を追い風として、更なる成長を見込んでおります。現在、より一層の営業体制の強化を図るべく、積極的な人的投資を行っておりますが、下期偏重の傾向がある同分野での販売機会を逃さないため、上半期中に営業体制を構築できるように準備を進めております。リモートワークなどの働き方の多様性は、従来とは異なるコンプライアンスの対応が必要となるケースもありますが、顧客対応力を強化することで、多様化する企業ニーズを的確に捉え、事業拡大を図ってまいります。また、ニーズの多様化への対応として製品ラインアップも拡充しており、既述の「WordSonar for AccidentView」に加え、2022年4月に「WordSonar for VoiceView(ワードソナーフォーボイスビュー)」の提供を開始しております。

 

経済安全保障関連事業では、第三のAI「Looca Cross」を活用し、2021年10月にサプライチェーン解析サービス、11月には株主支配ネットワーク解析ソリューション、12月には最先端技術・研究者ネットワーク解析ソリューションの提供を開始いたしました。当社のソリューションを活用することで、政府または企業は、自社の取り巻く環境を可視化することができ、最適な戦略を策定することが可能となります。2022年2月以降の地政学リスクの高まりから、経済安全保障への関心は高まっておりますが、各社のニーズに対して的確に対応を行っていくことで、同事業の成長を図ってまいります。

 

   リーガルテックAI事業

リーガルテックAI事業は、従来型ビジネスを主体としたものから、AIレビューツール「KIBIT Automator」による案件獲得にシフトしております。「KIBIT Automator」はeディスカバリのレビュー工程で活用される製品で、人によるレビュー数を大幅に削減し、工程を効率化することに優れております。日本国内では、当社AIの活用事例が報道機関で取り上げられるなど知名度の向上が見られました。日米での知名度を今後の事業展開に効率的に活用するため、現在、当社のポータルサイトにおいて弁護士と企業の法務担当者をつなぐサービスを積極化しております。弁護士や企業との接点を増やすことで、潜在的な顧客、パイプラインの拡大を図り、大型案件の動向に左右されない収益構造の実現を図ってまいります。

なお、AIを活用しないサービスについては、戦略的に縮小してまいります。

 

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