研究開発活動

5【研究開発活動】

厳しい経済環境が続くなか、企業の成長に不可欠である新製品の開発は、当社グループの企業戦略における最重要課題のひとつであります。当社グループの研究開発は長期的展望に立った基礎研究、応用研究を健康科学研究所で、新製品の開発をマーケティング本部等で推進しました。

当連結会計年度に支出した研究開発費は総額5,077百万円であります。セグメントごとの研究開発費は、菓子・食品部門が1,381百万円、冷菓部門が579百万円、乳業部門が1,038百万円、食品原料部門が221百万円で、基礎研究等で特定のセグメントに関連付けられない研究開発費は1,858百万円であります。

 

当連結会計年度の主な研究の概要とその成果

(1)基礎研究、応用研究分野
 基礎研究、応用研究では、独創的かつ健康価値の高い商品を開発するために、技術・素材・エビデンスに裏付けられた「おいしさと健康」の具現化に向けた研究を進めています。具体的には、栄養摂取に大切な口腔及び腸内の機能研究を中心に、技術力の強化及び素材開発を行っています。さらに、当社グループで重要な素材であるアーモンドに関しても、健康機能の研究を行い、お客様の健康課題の解決を実現すべく取り組んでいます。

 

(2)新製品開発分野

<菓子・食品部門>

 菓子分野では、“ポッキー”は、需要の伸長が期待できるホームユースタイプの「贅沢仕立て」について<ミルクショコラ><アーモンドミルク>の商品改良を行い、ブランド全体の価値向上を図りました。

さらに、“ビスコ”は、季節品として<ウィンタースペシャルあまおう苺クリーム>を発売し、クリスマス時期の

需要獲得を図りました。“カプリコ”は、味や品質は問題無いものの外観が良品基準を満たさず、これまで販売できなかった商品を、「ジャイアントカプリコ ふぞろい品」として、「ぐりこ・や」の一部店舗で発売し、フードロスの削減に取り組みました。“アーモンドピーク”は、アーモンドが持つ健康価値に着目し、オレイン酸を含み、香ばしい風味が特徴のアーモンドオイルを加え、1粒でアーモンド2粒分のビタミンEを新配合し、提供価値の向上に取り組みました。“プリッツ”は、厳選した十六種類の穀物を練り込み、1箱で1日不足分の食物繊維が摂れる「十六穀プリッツ(うす塩味、やきのり味)」を発売しました。

 食品分野では、“バランス食堂”は、「麻婆茄子」「豚もやしのうま辛炒め」の新ラインアップを開発し、売上拡大に貢献しました。また、“炊き込み御膳”は、基幹品「とり五目」「鶏ごぼう」の2品がジャパン・フード・セレクションで金賞を受賞、FOOD PROFESSIONAL AWARD®では2つ星を受賞するなど、おいしさが高く評価されブランド価値の向上に貢献しました。“クレアおばさん”は、固形ルウの基幹シリーズ全品を個包装化することで、利便性の向上と個食ニーズに対応し、新たな価値創造に取り組みました。

<冷菓部門>

 冷菓分野では、“ジャイアントコーン”は、チョコ溜まりのさらなる増量に加え、生チョコの存在感アップ、パリパリチョコの食感強化により、最初から最後まで食べ飽きないおいしさを実現しました。大人シリーズは、健康ニーズにも対応し、また「出来立てセール」によるコーンのパリパリ感を実感できる取り組みも行うことにより、ブランド全体の価値向上に繋げました。“パピコ”は、コーヒー、生チョコレート、乳酸菌などの素材や、滑らか食感にこだわり、フローズンスムージーとしてのおいしさ向上を図りました。特に大人シリーズでは素材による健康価値を付加することで、ブランド価値向上に繋げました。“アイスの実”は、甘味料を不使用、基幹フルーツ商品には乳原料も不使用とすることで、フルーツそのものが持つナチュラルな味わいを引き出し、ひとくちジェラートとしてのおいしさを向上させました。また、株式会社京都吉兆と取組みである「国産野菜」シリーズではこだわり素材である<かぼちゃ><さつまいも><とうもろこし>の3フレーバーを発売し、野菜のおいしさ、健康価値の提供に取り組みました。“牧場しぼり”は、しぼって3日以内の生乳を使用し国産原料へのこだわりに加え、着色料を不使用とすることで、新鮮ミルクのおいしさと安心安全といった価値提供に取り組みました。“パナップ”は、生クリーム配合による品質向上と、ソースにはフルーツ由来の乳酸菌を配合することでパフェとしてのおいしさと健康の両立を図りました。“セブンティーン”は、各商品の味わいや品質を強化し、一部の商品ではアレルギーフリーに対応し、より多くのファン獲得に努めました。

<乳業部門>

 発酵乳分野では、“BifiXヨーグルト”は、腸活をサポートすべく、1日当たりの不足分を補うことができる食物繊維を配合し、また満足感の充足のためにこんにゃくゼリーを増量した「BifiXおなかに素材+ヨーグルトこんにゃくゼリーぶどう味」を発売しました。“朝食りんご”ヨーグルトシリーズは、りんごの果肉に新しい加工処理を施し、さらにシャキシャキ感じるフレッシュな食感風味を実現しました。また季節に合わせたフレーバーとして「朝食キウイヨーグルト」「朝食ももヨーグルト」「朝食いちごヨーグルト」を発売し、売場での露出を強化しました。

 乳飲料分野では、“カフェオーレ”は、高甘味度甘味料を使用せず、素材本来のおいしさを引き出すことで、生乳のすっきりしたおいしさとドリップコーヒーの風味を感じられる配合にリニューアルしました。また、「マイルドカフェオーレ」において、<冬のカフェショコラ>を期間限定で発売し、売場での露出を強化しました。

 洋生菓子分野では、“プッチンプリン”において、期間限定フレーバーとして、「たっぷりミルクのミルクコーヒー」「幸せのいちごミルク」「苺ミルクショコラ」を発売し、売場での露出強化、購買喚起、ブランド強化を図りました。

 ベビー・育児分野では、液体ミルクの“アイクレオ赤ちゃんミルク”は、3本パック品や紙パック専用乳首セット品を発売し、乳児用ミルクの利便性向上による子育て支援を行いました。また、日本における「液体ミルクの現状と課題」について学会発表し、液体ミルクの普及、啓発活動に取り組みました。

 果汁・清涼飲料分野では、“幼児のみもの”は、子どもの朝食に必要な1食分の緑黄色野菜と1食分の栄養素(食物繊維・鉄・カルシウム・ビタミンC・ビタミンD)を摂取できる「朝食バランスおやさい」を発売しブランドの活性化を図りました

<その他部門>

 アーモンド飲料の“アーモンド効果”は、「アーモンド効果 200ml」シリーズにビタミンDを含む、<ほろ苦キャラメル味>を追加、チルドカップとして市場に定着している「アーモンド効果TASTY」のリニューアルを実施し、砂糖、香料を使わず素材の味が楽しめる<4種のナッツミルク><コーヒー&アーモンドミルク>を発売しました。“SUNAO”アイスは、砂糖を使用せず素材の味を楽しめるよう、<バニラ><ストロベリー&ラズベリー><マカダミア&アーモンド><チョコ&バニラソフト><かさね抹茶><チョコモナカ>の全品をリニューアルしました。また、アイスのカップ3品<バニラ><ストロベリー&ラズベリー><マカダミア&アーモンド>の素材を見直し、さらにおいしさを強化することでトライアル促進及びリピート向上を図りました。特に<バニラ>は、アイスミルクからアイスクリームに規格変更し、糖質量を抑えつつおいしさを強化しました。“SUNAO”ビスケットは、<発酵バター><チョコチップ&発酵バター>で小袋、大箱ともに難消化性の乳糖果糖オリゴ糖を使用し、おいしさに加え、健康価値をさらに向上させました。“BREO”は、これまでの筒状容器からパウチへと変更し、内容量を増量しつつ包装プラスチック使用量低減を図りました。

 

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