当連結会計年度の研究開発費の総額は
当連結会計年度における研究開発活動に関し、新たに取り組んだ事項及び変更事項は次のとおりであります。
(1) 食品
当連結会計年度における研究開発活動の金額は、
① ヨーグルト・チーズ:プロバイオティクス、ヨーグルト、チーズ
(プロバイオティクス)
『明治プロビオヨーグルトR-1』ブランドでは、季節に合わせたラインナップとして夏限定グレープフルーツミックス、秋限定のフルーツミックスを発売しました。2022年4月には毎日の生活で不足しがちな栄養素である「鉄分」「カルシウム」を配合したドリンクタイプ『満たすカラダ』シリーズと、甘みを気にすることなく毎日おいしく食べ続けやすい、砂糖・甘味料を加えていない無添加タイプの『明治プロビオヨーグルトR-1 無添加』を発売する予定です。
(ヨーグルト)
『明治ブルガリア』ブランドでは2021年10月に水切り濃縮したおいしさを手軽に楽しめる脂肪0タイプの『水切り濃縮プレーン』シリーズ(プレーン/いちごソース乗せ/ブルーベリーソース乗せ)を発売しました。プレーンタイプは料理やお菓子作りに幅広く活用でき、さまざまな使い方が楽しめます。2022年4月には『明治ブルガリアヨーグルト 脂肪0』ドリンクタイプ(900g)と、『同 低糖・低カロリー』、コップ1杯(200ml)に半日分のカルシウムと鉄分を配合した『同 カルシウムと鉄分』、乳素材だけで作った甘みのついていないプレーンタイプの『明治ブルガリアヨーグルト 無添加プレーン』を発売する予定です。カロリーや脂肪分を気にする時や、不足しがちな栄養分を補いたい時など、さまざまなシーンでお選びいただけるラインアップとなっています。
また、高たんぱく質訴求商品として、『ザバス』ブランドを活用した新商品を発売しました。具体的には2021年7月に食べるタイプバナナ風味(180g)、8月にドリンクタイプ(200g)を発売しました。2022年1月にはドリンクタイプバナナ風味を追加発売し、4月にはビタミンD添加と風味改良を行う予定であり、継続的に商品力強化を行っていきます。
『TANPACT』ブランドではおいしく継続しやすいよう、2021年8月にバニラ風味を発売しました。2022年3月にはなめらかさを高め、食べやすさを向上させるリニューアルを行いました。
(チーズ)
『明治北海道十勝』ブランド初のフレッシュモッツァレラチーズである『明治北海道十勝生モッツァレラ』を2021年8月から全国展開しました。本商品は、乳酸菌が生きた状態のナチュラルチーズ(生チーズ)で、北海道産生乳のおいしさを最大限に引き出す製法を採用し、ミルク感にこだわっています。
2021年9月に、『TANPACTベビー』シリーズ(8個入90g)をリニューアル発売しました。『TANPACTベビー Ca&ビタミンD入り』は手軽にたんぱく質とビタミンDを、『同 鉄分入り』はたんぱく質と鉄分をおいしく補給することができます。2022年3月には、『明治なめらか6Pチーズ』シリーズ(100g)を新発売しました。『明治なめらか6Pチーズ』『同 モッツァレラ』『同 十勝カマンベール入り』『同 燻製かつお風味』は、原料チーズの絶妙な配合により、やわらかくなめらかな食感を実現しました。また、同時期に『明治北海道十勝スマートチーズ 芳醇パルメザンブレンド8個入り』(90g)をリニューアルしました。明治独自の「うまみ乳酸菌熟成」技術によって生まれたナチュラルチーズを絶妙にブレンドし、「ほろっと食感」に仕立てました。
② ニュートリション:乳幼児ミルク、スポーツ栄養、流動食、美容
(乳幼児ミルク)
日本国内向けに、『明治ステップ らくらくミルク』を2021年9月に発売しました。1~3歳の子どもに特に大切で不足しがちな栄養をまとめて摂ることができる液体の調製乳です。幼児用の液体の調製乳としては、国内初の製品となります。
タイ国内向けに『Meiji GU FORMULA GOLD EZcube 3 (448g)』『同 (56g)』を2022年2月より当社グループ会社のタイ・メイジ・フードにて販売を開始しました。1~3歳の子どもに必要な栄養素の国際基準に則って設計されたキューブタイプの粉ミルクです。キューブタイプは、「計量が要らない」「粉がこぼれない」「衛生的」「持ち運びしやすい」といった利便性から、日本国内においても高く評価されている当社独自の形状の粉ミルクです。
幼児向け商品として『明治ミラフル』シリーズを2022年3月に発売しました。幼児期の成長に重要で、かつ不足しがちな栄養素であるビタミンD、鉄、カルシウム、亜鉛の4成分を当社独自の設計で配合しています。さらに、知能の発達に良いと考えられるDHAを配合した、牛乳に溶かして飲用する『明治ミラフル粉末飲料 ストロベリー風味』、長年の乳幼児研究から選び抜いたOLB6378株(ビフィズス菌)を配合した乳製品乳酸菌飲料(殺菌)規格の『明治ミラフルドリンク ヨーグルト味』の2品を展開しています。
(スポーツ栄養)
『ザバス』シリーズでは、2021年6月に『ザバスホエイプロテイン100 すっきりフルーティー風味50食分 NEXTBODY』を、Amazon.co.jp限定で発売しました。ドリンクタイプのプロテイン『(ザバス)MILK PROTEIN 脂肪0』で人気のフレーバー『すっきりフルーティー』の味わいをイメージし、爽やかな酸味と飲みやすさを実現した粉末タイプのプロテインです。当社独自の造粒技術「均質顆粒化製法」により、水や牛乳にサッと溶けておいしく飲むことができます。
2021年7月に『ザバスアクアホエイプロテイン100 レモン風味』を発売しました。たんぱく質原料として、純度の高いホエイプロテインアイソレート(WPI)を100%使用した、すっきりクリアなスポーツドリンク感覚のプロテインで、運動時に加えて日常のさまざまなシーンの水分補給としてもおいしく飲むことができます。
2021年10月に『ザバスフォーウーマンホエイプロテイン100 ミルクショコラ風味14食分』『同 45食分』を発売しました。女性に不足しがちな食物繊維、カラダづくりに必要な10種のビタミンと3種のミネラルを独自配合しているので、ボディメイクのためにトレーニングに励む女性におすすめです。水に溶かしても濃厚な味わいを楽しめるミルクショコラ風味のため、トレーニングした後にうれしい、ご褒美的なおいしさです。
また、トップアスリートのための『ザバスプロ』シリーズより、『ザバスプロパワーペプチド顆粒 レモン風味12袋入』も2021年10月に発売しました。当社が独自に開発した、吸収に優れたパワーペプチド(ホエイペプチド)を使用しており、体内にすばやくアミノ酸を届けることで、トップアスリートのコンディショニングをサポートします。携帯に便利なスティック包装で、水と一緒にそのまま飲める顆粒タイプなので、トレーニング前・中・後や、1日の終わりなど、タイミングを逃さず摂取できます。
『ヴァーム』シリーズでは、2022年3月より特定保健用食品『ヴァームスマートフィットウォーター 香るレモン風味』『同 アップル風味』の2品を発売しました。カラダを動かすことによる体脂肪の減少をさらに助ける特定保健用食品です。身体活動時の体脂肪の分解と消費の2つの働きを促進するアラニン・アルギニン・フェニルアラニン混合物を1,500mg配合しています。手軽に摂取して、10分程度の歩行などの身体活動をプラスすることで、効率的に体脂肪を減らすことができます。日常や運動時の水分補給に適したニアウォータータイプなので、すっきりおいしく飲むことができます。
『ザバス』の海外展開として、今後市場が大きく伸張すると想定される中国に於いて、2020年8月より明治独自の栄養設計、溶けの良さとおいしさを特長とする『ホエイプロテイン100 ココア味』『同 バニラ風味』の販売を開始していますが、2022年1月に『ヨーグルト風味』を追加で販売を開始しました。また、2022年3月より健康意識の高まりを背景に伸長する台湾市場でも、同3品の展開を開始しました。
『ザバス』ブランドから、菓子の加工技術を活用した『ザバスプロテインバー チョコレート』を2022年4月に、6月には『ザバスソイプロテインバー ビターチョコ』を発売します。1本当たりたんぱく質15gが配合されており、運動やダイエットの前後に気軽に摂取できる設計となっています。
パワーと元気をチャージする『即攻元気』シリーズ商品のラインナップ強化を図るために、プレミアムタイプ品として、高麗人参エキスを300mg配合した『即攻元気ゼリー 高麗人参+』を2021年9月に、「シャキッと元気」を訴求してクエン酸を3,000mg、レモン50個分のビタミンC(1,000mg)を配合した『即攻元気ゼリー クエン酸&ビタミンC レモン風味』、「エネルギー秒速チャージ」を訴求してエネルギー200kcal、ビタミンB群を配合した『即攻元気ゼリー エネルギー&マルチビタミン マスカット風味』、鉄臭を低減して鉄分と9種のビタミンを1日分1袋にぎゅっと凝縮した『即攻元気ゼリー 鉄分&マルチビタミン ぶどう風味』を2022年3月に発売開始しました。
(流動食)
流動食部門では、医療現場で使用される『明治メイバランスぎゅっとMini』シリーズ(コーヒー味・ミルクティ―味・ストロベリー味・ミックスフルーツ味)を2021年7月に新発売しました。100mlで200kcalを摂取できる少量高濃度タイプの経口用流動食で、少量で栄養とエネルギーを簡単・手軽に補給できるため、様々な理由で普通の食事が十分に摂れない方や食欲のない方の補助栄養として受け入れられています。また、容器が100mlとコンパクトであるため、保管時の省力化も図れ、持続可能な社会の実現にも貢献しています。病院・介護施設チャネルにおいて圧倒的No.1シェアを獲得している『メイバランスMini(AB125ml)』シリーズで、2021年6月に新たにココア味とぶどう味をラインナップに追加しました。医療現場で使用される高機能経管流動食である『明治リーナレン』シリーズとして、『リーナレンMP 300K』(熱量300kcal/袋)を新たに追加発売しました。既存商品である『リーナレンMP 400K』と組み合わせて使用する事で、投与するたんぱく質量、ミネラル量、エネルギー量を幅広く調整が出来るラインアップになりました。
半固形流動食の『メイバランスソフトJelly』は、2021年秋より群馬栄養食工場での内製化製造を開始し、病院向けは2021年11月から、市販向けは2022年3月から販売を開始しました。原料、製造工程を見直し、従来品よりも、離水、舌触りのザラツキを低減し、咀嚼嚥下性に優れた物性に改良しています。
(美容)
飲料タイプでは、キャップ付きスリムボトルタイプ250ml容器入りの『(ザバス for Woman) MILK PROTEIN脂肪0+SOY ミルクティー風味』と、運動後に飲みやすい爽やかな風味の『(ザバス) MILK PROTEIN脂肪0 ハニーレモン風味(430ml)』を2021年10月に発売しました。
そして、運動強度の高い方向けに1本で20gのプロテインを摂取でき、速攻吸収製法により体内への吸収速度を高めた『(ザバス) MILK PROTEIN脂肪0フルーツミックス風味(430ml)』を2022年3月に発売しました。また、運動しながら健康的にキレイを目指す女性をターゲットとしたプロテイン12.5g+美容成分入りシリーズとして、ヒアルロン酸配合の『(ザバス) MILK PROTEIN Beauty Line (250ml)』と、コラーゲン配合の『(ザバス) MILK PROTEIN+SOY Beauty Line (250ml)』を2022年4月に発売しました。
『オリゴスマート』シリーズでは、シリーズ初となる飲料商品として、糖として吸収されないオリゴ糖である「フラクトオリゴ糖」を配合し、ミルクのコクを感じられるリッチな味わいの『カフェオレ』『ココア』(各200ml)の2品を2021年9月に発売しました。
『TANPACT』では、1本に乳たんぱく質を4.5g配合し、おいしくたんぱく質補給ができる果汁入り飲料2品『アップル』『ピーチミックス』(各200ml)を発売しました。
『アミノコラーゲン』シリーズでは、2021年3月に発売後、賞味期間120日にて販売しておりましたが、商品の保存試験による品質確認を重ねた結果、2021年9月より賞味期間180日に延長いたしました。賞味期間延長を通じ、賞味期限切れによる廃棄物削減に今後も取り組んでまいります。
③ チョコレート・グミ:チョコレート、グミ
(チョコレート)
『ミルクチョコレート』の2026年100周年に向け、『ブラックチョコレート』『ハイミルクチョコレート』も含めて、お客様の嗜好に合わせた品質改良を行い、板チョコ、26枚包装形態、スティックパック、大袋タイプ、全品を、2021年9月にリニューアル発売しました。『オリゴスマートチョコレート』は、従来の無垢チョコに加え、ナッツのおいしさ、食感が楽しめる『ナッティークランチ』『アーモンドパウチ』をそれぞれ2021年9月、10月に発売しました。『ザ・チョコレート』ブランドから、メキシコ産ホワイトカカオと水で作ったガナッシュでソースを包んだ、未体験のカカオの香り立ちを愉しめる『アロマトリック crafted by THE Chocolate』をバレンタイン催事限定にて2022年1月に発売しました。
チョコスナック商品では、『きのこの山』『たけのこの里』より、大人をターゲットに甘さを控え、小麦全粒粉を使用した『厳選素材のきのこの山』『厳選素材のたけのこの里』を2022年3月に発売しました。
ナッツチョコレート商品では、ユーザー拡大を狙い、『アーモンドチョコレート』『マカダミアチョコレート』『ヘーゼルナッツチョコレート』に続き、女性に支持される『ピスタチオチョコレート』を2022年3月に発売しました。
またカカオをフルーツとして捉え、その栄養価値を最大化する素材として、「カカオフラバノールエキス」「カカオグラニュール」等の新規素材開発を推進しました。また、カカオ生産地と連携したサステナブルな取り組みを、明治Newアクションとして2022年3月に対外発表を行いました。
(グミ)
『果汁グミ』ブランドからは『ぶどう』『温州みかん』『苺』『マスカット』『桃』の定番5商品に加えて、『果汁グミ ゴールデンパイン』を2021年4月に、『同 夏の果汁グミソルティライチ』を同年7月に、『同 ダークチェリーミックス』を同年8月に、『同 青りんご』を同年11月に、『同 ゴールドキウイ』を2022年2月に発売し、季節のおいしさが楽しめる品質でラインナップ強化に繋げました。また近年の健康志向の高まりを受けて『果汁グミ 糖類30%オフ ぶどう』を2021年9月に、『同 レモンビタミンC』を2022年3月に発売し、糖類制限や栄養強化ニーズに応えました。
コロナ禍でイライラした気分を噛み締めてスカッとしたいという気持ちに寄り添い、超ハード食感が特徴の『コーラアップ ザハード』を2021年8月に発売し、ご好評いただいています。本商品の発売と同時に当社独自の食感表示の取り組みとしてORAL-MAPS(咀嚼シミュレーター)を活用した食感評価手法を確立しました。1(ソフト)から5+(ハード)の6段階で噛み応えを表現する「食感チャート」を当社のグミ全商品でパッケージ表示を順次、開始しています。
長く続くマスク生活でお口の不快感軽減に向けて『お口のミカタグミ レモン』『同 マスカット』を2021年10月に発売しました。3つの有機酸で口腔内をジューシーで爽やかなおいしさが包みます。
グミ剤型の健康機能研究も推進し、「グミ咀嚼が唾液分泌に与える影響に関する探索的研究」を行い、グミの咀嚼が喫食開始直後から素早く唾液を分泌することを明らかにしました。さらに唾液分泌量の増加に伴い唾液中の分泌型免疫グロブリンAの迅速な口腔内への放出も確認し、2022年3月の日本農芸化学会で発表しました。
④ 牛乳:牛乳類
生乳消費拡大を図るため、2022年1月に北海道産生乳を100%使用し、全国飲用牛乳公正取引協議会の定める成分基準を満たした特選牛乳の『明治特選北海道牛乳(200ml)』を発売しました。また、同月にはコップ1杯の牛乳と同等量のカルシウムと、あわせて摂りたいフラクトオリゴ糖を配合した、お子さまの元気な毎日をサポートする『明治それいけ!アンパンマンのMILK(みるく) カルシウム&オリゴ糖(200ml)』も発売しました。両商品ともに常温長期保管可能のため、買い置きができ、食品ロス削減にもつながります。
⑤ 業務用食品:業務用食品
新鮮なミルクの香りと豊かなコクが特長の当社独自乳原料を使用した『明治あじわいミルク(1,000ml)』を2022年4月に発売しました。
ソースでは、カフェで使用されるさくらとストロベリーの風味を活かしながらさらに乳風味を加えた『さくらストロベリーソース』を2022年2月に発売しました。
衛生基準から生菌タイプのヨーグルトを使えない食品加工メーカーのニーズに応え、業務用殺菌発酵乳『明治発酵BASEd(ベース)芳醇ヨーグルト ピュオルト』を2021年6月に発売しました。ヨーグルト特有の爽やかな香りの強い乳酸菌を使用しています。
明治独自の製法により、生チョコレートの規格でありながら、常温保管6か月の賞味期間を有する『瑞練生ショコラ』を2022年1月に発売しました。耐熱保形性と可塑性を有する、客先での加工適性が高い画期的な業務用生チョコレートです。
⑥ フローズン・調理食品:アイスクリーム、調理食品、バター・マーガリン類
(フローズンデザート)
フローズンデザートでは、『エッセル』シリーズで既に行っている賞味期限設定をその他商品群にも2021年上期より展開しました。お客様からのご期待に応え、より美味しく・安全な商品開発を行っていきます。また、健康訴求アイスの拡大に向け、『明治ブルガリア フローズンヨーグルトデザート』『明治チョコレート効果 CACAO』を発売しました。それぞれ、アイスならではの濃厚なコクとヨーグルトの爽やかな風味、1カップでチョコレート効果5枚分のカカオポリフェノールを含み、更に上質な苦味とカカオの華やかな香りを特徴とする商品となっています。『明治TANPACT』ブランドについては、上期に『同 ストロベリーチョコレート』、下期に『同 バナナ&チョコレート』をそれぞれ発売しました。これらの商品について健康基軸ブランドとして育成を図っていきます。
(調理食品)
冷凍食品の新商品として、濃厚ソース、味付けご飯及びトッピング具材が満足感のあるボリュームで電子レンジ調理可能な『満足丼 ミラノ風ドリア』を、当社『TANPACT』シリーズから『TANPACT チーズグラタン』『同 チーズドリア』を、また当社ドライ(レトルト)食品で好評を博している『まるごと野菜』ブランドを冠し、発芽玄米入りピラフの粒感が楽しめて1トレーで野菜60g(生換算)・食物繊維8gが摂れる『まるごと野菜 完熟トマトの発芽玄米入りごはん』『同 ブイヤベース風発芽玄米入りごはん』を、更に主力製品である『レンジピッツァ&ピッツァ』の『チーズ風味』を強化してリニューアルし、それぞれ2021年秋に発売しました。2022年2月の新商品として、『まるごと野菜』シリーズから野菜量を1トレーで120g(同)に増強した『まるごと野菜 豆と野菜のキーマカレー』を、『銀座』シリーズから『銀座バターチキンカリードリア』をそれぞれ発売し、好評を頂いております。
チルド食品としては、『DailyRichキーマカレー』を2021年秋にリニューアルし、さわやかなスパイスの香りを引き立たせました。
ドライ食品では、ご好評頂いている『まるごと野菜スープ』シリーズを2021年秋に刷新し、『完熟トマトのミネストローネ』及び『じっくり煮込んだポトフ』をリニューアルするとともに、新メニューとして『かぼちゃのクリームスープ』を新たに発売しました。また、2022年春には、更に新メニューである『ゆずこしょう香る白だしスープ』を追加いたしました。
また、宅配専用商品として長年ご好評頂いていた『明治の牛乳屋さんのおすすめビーフカレー』を刷新し、『明治のこだわり仕込み特製ビーフカレー』として2022年2月に発売いたしました。ソテーオニオンの甘味とビーフの深いうま味が調和したソースには、隠し味のチョコレートとヨーグルトを加え、深みのある味わいをお楽しみ頂けます。
(バター・マーガリン類)
バター・マーガリン類では、油脂率を低減しバター風味を強化した『ライフまろやかソフトバター風味』を2021年4月に、脂肪分・カロリーカットとバター風味を両立した『コーンソフト かる~いタイプバター風味』を2021年9月に発売しました。また低脂肪スプレッドとしてご好評いただいている『オフスタイル』『オフスタイル べに花』の2品について、機能性表示食品としてのリニューアルを2021年9月に実施しました。本品にはイヌリンが含まれており、腸内環境を良好にしたい方、おなかの調子が気になる方に適した食品です。
⑦ 海外:海外子会社、輸出
当社では、1968年から2005年まで、タイ国内で粉ミルクを販売しておりましたが、国際的な通貨危機による景気後退などの影響により撤退しました。しかしながら、タイ国内での明治ブランドの認知率は、牛乳やヨーグルト、お菓子などを販売していることもあり、非常に高いため、再参入の時期を検討し続けてまいりました。このたび、競合他社との大きな差別性を持った当社独自の形状である『キューブ』タイプでタイ国内への粉ミルク事業の再参入を行いました。
健康意識の高まりを受け急速にヨーグルト市場が拡大している中国において、『明治プロビオヨーグルトR-1』ドリンクタイプ及び『明治プロビオヨーグルトLG21』ドリンクタイプを2021年4月に発売しました。中国で「乳酸菌の特長でヨーグルトを選ぶ」という文化を提案し、プロバイオティクスヨーグルト市場を開拓していくとともに、中国のお客さまの健康な食生活に貢献してまいります。
(2) 医薬品
当連結会計年度における研究開発活動の金額は、
Meiji Seika ファルマ株式会社グループにおきましては、医療用医薬品における感染症、中枢神経系領域でのスペシャリティファルマを目指すとともに、血液がん等新領域、ジェネリック医薬品、動物薬、ワクチンにも注力し、積極的な研究開発活動を行っております。当事業に係る研究開発費として13,700百万円(ファルマグループ分)を投入いたしました。
具体的な開発品目の進捗状況は、以下のとおりです。
KMバイオロジクス株式会社と共同で開発を進めている新型コロナウイルス感染症に対するワクチン「KD-414」は、国内の第Ⅱ/Ⅲ相試験を開始しました。抗悪性腫瘍剤「HBI-8000」は、提携先であるHuya Japan合同会社が再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫の適応で2021年6月に、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫の適応で2021年11月にそれぞれ承認を取得しました。慢性GVHD治療薬「ME3208(KD025)」は、国内の臨床第Ⅲ相試験を開始しました。経口PDE4阻害剤「ME3183」は、米国で実施していた臨床第Ⅰ相試験を完了し、米国及びカナダにおける臨床第Ⅱ相試験の準備を進めております。ウステキヌマブ製剤(遺伝子組換え)のバイオ後続品である「DMB-3115」は、欧州で実施した臨床第Ⅰ相試験において先行バイオ医薬品との生物学的同等性を検証し、国際共同治験として臨床第Ⅲ相試験を開始しました。β-ラクタマーゼ阻害薬「Nacubactam(OP0595)」は、国内開発について国立研究開発法人日本医療研究開発機構(略称AMED)による「医療研究開発革新基盤創成事業(略称CiCLE)」として、国内で実施していた抗菌薬との併用反復投与の臨床第Ⅰ相試験を完了しました。2016年5月に発売した統合失調症治療薬「シクレスト®舌下錠」については、医療への科学的側面からの貢献を目指して、抗精神病薬の適正使用に関するエビデンス創出に継続的に取り組んでいます。
統合失調症治療薬「ジプラシドン(ME2112)」は戦略上の理由により開発中止を決定し、ラクオリア創薬株式会社とのライセンス契約を終了しました。
生物産業事業分野におきまして、農薬事業では、新規農業用殺虫剤「ME5343(Afidopyropen)」は、導出先のBASF社(ドイツ)のインド、米国、中国等での販売が好調に推移し、さらにアジア、南米等での農薬登録の取得を進めておりました。新規農業用殺菌剤「ME5223(Fenpicoxamid)」は導出先のコルテバ社(アメリカ)が中南米でバナナ向け、欧州で麦類向けに販売を開始し、さらに欧州各国での農薬登録の取得を進めました。新規農業用殺虫剤「ME5382(Flupyrimin)」につきましては、国内販売を開始し、インドでUPL社が水稲分野で開発を進めるとともに、UPL社とは種子処理分野につづきアジアでの水稲分野の開発商業化契約を締結いたしました。非選択性除草剤「グルホシネート-P」につきましては、米国で農薬登録申請を行いました。また、主力のいもち病防除剤「オリゼメート」及び「ME5382(Flupyrimin)」につきましては、国内における新たな水稲栽培技術である密播・密苗栽培及び側条処理への対応を進めました。なお、当連結会計年度において、農薬の製造販売事業を譲渡しております。
動物薬事業では、牛用抗菌剤「マルボシル」については2019年11月に効能追加の承認取得済です。牛用抗菌剤「フロルガン」は、2020年4月に承認取得し、2021年1月に新薬として上市しました。初年度の売上は好調に推移し、これまでの主力品を上回るスタートダッシュを切りました。豚用ワクチン「エコポークシガ」は、2020年7月に承認取得し、2021年6月に新薬として上市し、堅調にシェアを伸ばし好調なスタートとなりました。
魚用駆虫剤「マリンバンテル」は、農水省での審査が終了し、2021年4月に効能追加の承認取得を取得し、コロナ禍の市場停滞時に新たな売上に貢献しています。
牛豚用抗菌剤「ME4137」は、牛・豚共に既に承認申請を終え、牛用ME4137については内閣府食品安全委員会にて、豚用は農水省にて審議されています。畜産用飼料添加物「ME4406」は、医薬品開発の臨床試験に該当する鶏の野外応用試験を2019年3月に終了、豚については2021年度末に試験を終了し、データを解析しています。
なお、横浜と足柄にあった研究機能を整理・統合し、足柄の製薬研究所に集約しました。これに伴い、横浜研究所における研究活動は終了しました。
製薬研究所 :世界の医療に貢献する有用で高品質な医薬品を早期に安定的に医療現場へ供給できるよう医薬品候補物質の創出や構造解析、物性評価を行うとともに、原薬及び製剤の規格試験法や製法の確立、工業化、原価低減を効率的に行っています。
KMバイオロジクス株式会社は、ヒト用ワクチン、動物用ワクチン、血漿分画製剤の研究開発から製造販売まで行う体制を持ち、また新生児のマススクリーニングなどを行う新生児スクリーニングセンターを保有しております。
同社においては、ヒト用ワクチン、動物用ワクチンならびに血漿分画製剤の3領域の研究開発を行っており、それぞれの領域における具体的な開発品目の進捗状況は、以下のとおりです。
ヒト用ワクチンにつきましては、新型コロナウイルスに対するワクチンについて「新型コロナ不活化ワクチン(KD-414)」として、国立感染症研究所、東京大学医科学研究所及び医薬基盤・健康・栄養研究所と協業し2020年5月より開発を開始しており、厚生労働省や日本医療研究開発機構(AMED)からの助成金により研究開発及び生産体制整備を推進しております。現在の開発状況は、2021年3月より開始した第Ⅰ相/第Ⅱ相臨床試験で、高い安全性が示唆され、一定の有効性が期待できる結果が得られましたので、2021年10月より第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を開始しております。また第Ⅲ相臨床試験等の準備も進めております。他には「デング熱ワクチン(KD-382)」は、2018年8月よりオーストラリアで実施していた第Ⅰ相臨床試験は完了し、健康な成人に対して良好な安全性及び免疫原性が確認できました。現在、導出活動と並行して、第Ⅱ相臨床試験の準備を進めています。「小児用5種混合ワクチン(KD-370)」は、国内第Ⅲ相臨床試験は2021年2月に終了、製造販売承認申請に向けて準備中です。
血漿分画製剤につきましては、血友病バイパス製剤であるバイクロットについて、現在の適応外である定期療法の適応を取得するための適応拡大試験(KD2-305)を2021年3月に完了し、2021年9月に適応拡大(定期投与)の承認事項一部変更申請を実施しました(並行して継続投与試験も実施中)。
動物用ワクチンにつきましては、豚用ワクチンである「KD-386」及び「KD-395」の計2品目を農林水産省に製造販売承認申請中です。
(3) その他
明治ホールディングス株式会社 価値共創センターの設立から3年が経過しました。
グループ事業会社3社(株式会社明治・Meiji Seika ファルマ株式会社・KMバイオロジクス株式会社)、それぞれが持つ研究基盤と強みを、センターにおける人的交流とオープンイノベーションを通じて融合し、「健康価値領域での新たな挑戦」を実現しています。本年度の成果としては、特許出願4件、論文採択2件、学会発表を3件行いました。がん研究において大きな影響力がある「Cancer Discovery」誌に、乳酸菌の細胞外多糖が、がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を高めることを報告し、海外の第一線研究者からも注目されています。これとは別のいくつかの研究テーマについては、グループ事業会社と共同で事業化の検討も始めています。今後も明治グループの強みである食と薬、両分野における知識及び技術基盤を活かし、明治グループが目指す「健康価値領域での新たな挑戦」を更に強力に推進していきます。
なお、当連結会計年度における研究開発活動の金額は、892百万円であります。
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