事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 市況変動のリスク

当社グループが主に取り扱っている販売用食肉や、ハム・ソーセージ及び調理加工食品の原材料となる畜産物は、国内外から調達しております。ASF(アフリカ豚熱)、BSE、鳥インフルエンザ、口蹄疫、豚流行性下痢など家畜の疫病発生や輸入豚肉・輸入牛肉を対象としたセーフガード(緊急輸入制限措置)の発動などの輸入制限により仕入数量の制限や仕入価格の上昇が考えられます。また、原油価格の変動により、石油製品である容器類、包装材料の仕入価格が変動する可能性があります。これらの市場変動により、仕入価格や供給量に大きな変動が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、市場ニーズに沿った商品やサービスの提供やオリジナルブランドを中心に相場に左右されにくい商品の取扱いの拡大を行ってまいります。また、新しい国内外の仕入産地の開発や原材料の調達ルートの分散化、代替原材料の検討などの対応策を進めております。

 

② 減損会計適用の影響について

当社グループの事業所開設の際には、敷地を取得するケースと賃借で使用するケースがあり、事業用の設備、不動産等の様々な有形固定資産、無形固定資産を所有しております。固定資産の減損の兆候がある資産及び資産グループについて、当該資産又は資産グループの将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。当社グループが保有する固定資産について減損処理が必要となった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 退職給付債務のリスク

当社グループは、退職給付費用及び債務を将来の退職給付債務算出に用いる割引率などの年金数理上の仮定に基づいて算出しておりますが、金利環境の変化等により実際の結果が仮定と異なる場合や仮定に変化があった場合には、退職給付費用及び計上される債務に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、退職給付制度を改定した場合にも、追加的負担が発生する可能性があります。それにより当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 自然災害等のリスク 

当社グループは、地震や台風等の大規模な自然災害により生産及び物流拠点や営業拠点の設備に甚大な損害を受ける可能性があります。さらに交通網の遮断・エネルギー供給の停止・通信の不通などにより、営業活動の混乱や生産の遅延・停止等を受け、事業活動に影響を与え、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、「FRA(福留ハム・リスクマネジメント・アクション)委員会」を設置し、実際に自然災害が発生した場合には、直ちに対策本部を立ち上げ、対応する体制を整備しております。また、広島豪雨災害や熊本地震により被害を受けた広島工場と熊本工場の災害に対してのリスク分散のため、2019年5月岡山県に岡山昴工場を新設・稼働しております。

 

⑤ 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

当社グループは、複数の工場、事業所等を使用し事業活動を行っております。新型コロナウイルス感染症拡大が長期化し、感染者や重篤者の発生等により事業活動の停止を余儀なくされた場合、当社グループの事業活動及び業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、感染予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、衛生管理の徹底(マスクの着用、検温、手のアルコール消毒、ドアノブの殺菌)、パーテーションの設置、出張、会議及び会食の制限、Web会議システム等オンラインツールの活用、在宅勤務や時差出勤の適用等の対策を実施しております。

 

⑥ 商品の安全性のリスク

当社グループの提供する商品において、異物の混入、表示不良品の流通、あるいは社会全般にわたる一般的な品質問題など、商品の品質に重大な瑕疵や不備、その他当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。  

この対策として、当社グループは、「安全・安心」をモットーに商品造りに取り組んでおります。外部認証(ISO、HACCP)の取得、トレーサビリティシステムやフードディフェンスの強化をはじめとして品質保証部門による厳しい品質保証体制を構築し、常に運用の向上・見直しを図りながら、危機意識の浸透による安心・安全な生産を行ってまいります。なお、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格であるISO22000を2022年3月に取得し、運用しております。

 

⑦ 法的規制のリスク

当社グループの取扱い品目の大半は、「食品衛生法」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」を始めとした多くの法的規制を受けております。これら法的規制に大幅な改正や新設があった場合や、何らかの理由で関連法規等を遵守できず、法的規制等の適用を受けることになった場合などには新たな費用の発生、あるいは事業活動を制限されるなど、当社グループの業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、当社グループは、各種業界団体への加盟等により、必要な情報を的確に収集するとともに、総務部に法務担当を設置して、製品・商品の安全・安心の包括的な管理体制のみならず、全般的な法令遵守体制を強化し、関連法規の遵守に努めてまいります。

 

⑧ 情報セキュリティ

当社グループの業務は、基幹システムを導入し、業務の運営を行っています。昨今頻発している豪雨や地震等の自然災害、大規模停電や不正アクセスなど不測の事態により情報の漏洩やシステム障害が発生した場合、当社グループの信用低下や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

この対策として、VPN(バーチャル プライベート ネットワーク)を構築し、ネットワークのセキュリティを確保するとともに、コンピュータにセキュリティソフトやウイルス対策ソフトを導入し、セキュリティ強化を図っております。また、機密性の高い情報は、データセンターにおいて、より強固なセキュリティにより保管するよう対策を行っております。

 

⑨ 業績悪化のリスク

当社グループは、2019年3月期以降、4期連続の営業赤字を計上しております。また、原材料価格やエネルギーコストの急激な上昇・高騰が続いており、経営環境の更なる悪化につながるリスクがあります。

当社グループは、当該状況を解消するために「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中期経営戦略」に記載の中期経営計画に基づく重点施策の展開を積極的に実行し、これをさらに加速・強化することにより、生産性改善・販売力強化による収益性のさらなる向上と経営体質の強化に努めてまいります。

なお、現金及び預金、短期間に資金化可能な投資有価証券、また、取引金融機関との当座貸越契約の未実行残高等の資金余力は十分あります。引続き黒字化達成に向けて取り組んでまいります。

 

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