業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績

当連結会計年度の我が国経済は、新型コロナウイルス変異株の発生に伴う感染拡大により緊急事態宣言が継続的に発出され、経済活動は抑制傾向で推移いたしました。また足元では、新たな変異株の感染拡大によりまん延防止等重点措置が複数の都道府県で要請されるなど、依然として先行き不透明な状況にあります。

このような状況のもと、当社グループは、主力である写真事業において、お客様と従業員の安全を第一に、引き続き新型コロナウイルス感染症防止対策を実施しつつ、お客様に選んでいただけるお店になるための取組みを行ってまいりました。

その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が40,672百万円(前年同期比11.9%の増加)、営業利益6,015百万円(前年同期比27.1%の増加)、経常利益6,032百万円(前年同期比21.5%の増加)であり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、3,614百万円(前年同期比48.5%の増加)となりました。

 

各セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(写真事業)

写真事業は、前年度に引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止対策を徹底した上で、成人式撮影・振袖レンタルサービス『ふりホ』のご予約獲得、並びに、『ふりホ』をご予約された方の成人式前撮り撮影を強力に推し進めるとともに、各撮影項目において、お買上単価を意識した販売オペレーションの実践や商品力の向上等によりお買上単価の向上を図りました。また、既存店の収益力強化、並びに、経営効率の向上を目的とした最適な立地への移転や店舗統合を前年度に引き続き推進するとともに、人件費をはじめとした各種費用支出の適正化に努めました。そのほか、フォトサービス事業においては、新システムの導入等による業務基盤の再構築を行い、収益向上に努めました。

国内写真館の出店状況は、移転11店舗、退店10店舗を行い、ショッピングセンター内の区画移動・増床を含む改装を30店舗実施いたしました。

その結果、当連結会計年度末の店舗数は、国内こども写真館470店舗(直営店舗461店・フランチャイズ店舗9店)、韓国の子会社におけるこども写真館2店舗を含め、472店舗となっております。

以上の結果、写真事業の売上高は40,628百万円(前年同期比11.9%の増加)、セグメント利益は6,303百万円(前年同期比30.6%の増加)となりました。

 

(衣装製造卸売事業)

衣装製造卸売事業は、連結子会社の株式会社京都豊匠、及び、その子会社である上海豊匠服飾有限公司において、引き続き当社向け衣装の更なる生産効率の向上によるコスト低減を図るとともに、当社グループが強力に推し進めている『ふりホ』施策に関わる衣装・小物の仕入原価の低減に注力いたしました。

 

以上の結果、衣装製造卸売事業の売上高は3,903百万円(前年同期比87.9%の増加)、セグメント利益は375百万円(前年同期比268.9%の増加)となりました。

 

財政状態につきましては、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて5,875百万円増加し、43,170百万円となりました。流動資産、固定資産それぞれの状況は次のとおりです。

 

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて4,749百万円増加し、22,918百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が5,523百万円増加したこと等によります。

 

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,126百万円増加し、20,251百万円となりました。この主な要因は、リース資産が1,347百万円増加したこと等によります。

 

負債合計は、前連結会計年度末に比べて2,827百万円増加し13,602百万円となりました。流動負債、固定負債それぞれの状況は次のとおりです。

 

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,580百万円増加し、8,102百万円となりました。この主な要因は、未払法人税等が448百万円、リース債務が710百万円増加したこと等によります。

 

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,247百万円増加し、5,499百万円となりました。この主な要因は、長期リース債務が1,107百万円増加したこと等によります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて3,047百万円増加し、29,568百万円となりました。

 

② キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,523百万円増加し18,705百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、主に税金等調整前当期純利益5,669百万円、減価償却費3,591百万円、法人税等の支払額1,623百万円などにより、9,374百万円(前期は6,667百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、主に写真スタジオの移転・改装・設備追加等にかかる支出4,105百万円、写真生産施設・機械・設備等にかかる支出で674百万円、衣装製造工場の機械・設備等にかかる支出12百万円などにより、4,743百万円(前期は3,651百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、主にセール・アンド・リースバックによる収入3,602百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,870百万円、配当金の支払額849百万円などにより、881百万円(前期は456百万円の支出)となりました。

(2)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当社グループは売上高の99.8%が写真事業であり、スタジオ写真撮影という事業の特性から製品の在庫が極めて少ないため、生産状況は販売実績に近似しております。

② 受注実績

衣装製造卸売事業で一部受注生産を行っておりますが、売上高のうち受注生産の占める割合が極めて僅少であるため、受注実績は記載しておりません。

③ 販売実績

 セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

構成比(%)

写真事業

40,601,670

111.9

99.8

衣装製造卸売事業

70,621

91.2

0.2

合 計

40,672,291

111.9

100.0

(注)1.上記売上高には消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

④ 地域別売上高及び店舗数

 当連結会計年度の地域別の販売実績は次のとおりであります。

地 域 別

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

売上高(千円)

前年同期比(%)

店舗数(店)

 

北海道

1,394,003

119.0

18

 

東 北

2,803,583

113.0

32

 

関 東

16,988,591

111.5

207

 

中 部

3,342,170

108.4

46

 

近 畿

5,883,882

107.9

71

 

中 国

1,881,698

108.0

25

 

四 国

906,952

110.0

12

 

九 州

3,883,298

109.1

50

 

その他

3,517,489

129.5

0

写真事業 計

40,601,670

111.9

461

衣装製造卸売事業

70,621

91.2

0

合  計

40,672,291

111.9

461

(注)1.上記売上高には消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.写真事業の「その他」はフランチャイジーからのロイヤリティー収入などであります。

4.上記店舗数は、当社の運営部区画別で集計しており、期末日現在の写真事業は国内直営店舗数を記載しております。

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績を分析したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績の分析

1) 概要

当連結会計年度における経営成績等に関する概要につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績」に記載のとおりであります。

2) 売上高

当連結会計年度の売上高は、写真事業の需要拡大に向けた取組み、サインプリントなどの外販強化などを行い40,672百万円となりました。なお、99.8%が写真事業にかかるものであります。地域別の売上高及び店舗数等につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 生産、受注及び販売の実績 ④地域別売上高及び店舗数」に記載のとおりであります。

3) 営業利益

当連結会計年度の売上原価は、労働生産性の向上及び原材料の高騰を製品製造の自動化で補うなどにより28,054百万円となりました。販売費及び一般管理費は利益の最大化に向けた費用の適正化に取り組み6,602百万円となりました。その主要な内訳は広告宣伝費3,331百万円、給料手当1,199百万円でありました。その結果、営業利益は6,015百万円となりました。

4) 経常利益

営業外収益は133百万円で、うち受取利息1百万円及び受取家賃22百万円でありました。営業外費用は117百万円で、うち支払利息23百万円及び店舗解約損68百万円でありました。その結果、経常利益は6,032百万円となりました。

5) 税金等調整前当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益

特別損失として店舗の移転や改装等にかかる内装廃棄及び設備の入替にかかる廃棄損152百万円、減損損失165百万円等を計上し、税金等調整前当期純利益は5,669百万円となりました。法人税等は1,991百万円であり、税金等調整前当期純利益に対する法人税等の負担率は35.1%となりました。非支配株主に帰属する当期純利益を64百万円計上し、その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,614百万円となりました。

 

② 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの主要な事業は写真事業であり、その特性上早期の資金回収が可能です。営業活動におけるキャッシュ・フローは、売上高の季節変動が大きいため、金融機関からの短期借入れによる資金調達を行っており、返済は決算期末までに行っております。

なお、子会社の投資資金及び運転資金の一部については、金融機関からの借入れによる資金調達の他、グループ内の資金効率の向上を図るべく、資金余剰状態にある子会社から資金需要が発生している子会社に貸出を行っております。

 

※当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況等につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

 

以上の結果、目標とする経営指標につきましては、連結総資本経常利益率(ROA)15.0%(目標20%以上)となりました。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。固定資産の減損については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

④ 経営者の問題認識と今後の方針

今後の我が国経済情勢は、海外情勢における地政学リスクや新型コロナウイルス変異株の発生など深刻な影響を与える事象も発生しており、極めて不透明な状況にあります。

このような状況のもと当社グループは、次期の経営方針を「カイゼン」としてスタートいたしました。写真館事業において、成人式用振袖レンタルと前撮りがセットとなった「ふりホ」のご成約件数の更なる増加やマタニティ・赤ちゃん撮影の新規需要の獲得、並びに、技術力や接客力のカイゼン等によってお買上単価の向上を図り、売上高、粗利益高の向上に取り組んでまいります。その一方、利益の最大化を図るため、引き続き店舗統廃合の推進や多能工型人材の育成等により費用構造の適正化に取り組んでまいります。そのほか、フォトサービス事業においては、契約施設数の拡大を図るとともに、業務効率を高め、更なる収益向上に取り組んでまいります。

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