当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並び経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況
当期における国内外の経済は、新型コロナウイルスの感染拡大のもと、経済活動の停滞、サプライチェーンの混乱、インフレ圧力の増大など不安定な状態が続きました。一方で、英国で開催されたCOP26で世界の平均気温上昇を1.5度以内に抑えることが合意されるなど、気候変動に対する危機感の共有とカーボンニュートラルに向けた取組みの進展が見られました。
上下水道分野においては、7月に静岡県・神奈川県での大雨により熱海市において大規模な土石流災害が発生しました。また10月に、和歌山県にて供用中の水管橋が突然崩落する事故が発生しました。気候変動に伴う災害の備えの重要性とインフラの老朽化に対する管理の重要性を再認識させるものとなりました。
新型コロナの感染拡大や気候変動の深刻化など安全と健康を脅かすリスクが増大しています。感染対策、温暖化対策、災害対策の取組みとともに上下水道など生活を支えるインフラの重要性が高まっています。甚大化する災害の対策や脱炭素社会への対応を含めて機能の強化と効率的な管理が必要になっています。
これに対して当社グループは、「健全な水と環境を次世代に引き継ぐ」をパーパスに掲げた「NJSグループPLAN2030―脱カーボン時代の成長戦略」を策定しました。次世代の健康と安全を守る水と環境をつくるという理念のもとに、脱カーボンの時代をつくり、企業価値の向上と成長を実現しようとするものです。新しい時代のコンサルタント事業を拓くとともに、コンサルタントの枠を超えた幅広い技術とサービスを創出してまいります。
この結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、連結受注高は18,185百万円(前連結会計年度比3.4%減)、連結売上高は19,315百万円(同1.9%増)となりました。
利益面では、積極的な技術開発への投資及び生産性向上の取り組みにより、営業利益は2,758百万円(同11.7%増)、経常利益は2,859百万円(同14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,929百万円(同13.3%増)となり、最高益を更新いたしました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(国内業務)
国内業務については、インフラ再構築に向けた調査・設計業務、甚大化する災害に対応した防災・減災・強靭化業務、インフラの点検調査を効率化するインスペクション事業、官民連携事業を推進するPPP業務・オペレーション事業等に取組んでまいりました。
この結果、受注高は16,612百万円(前連結会計年度比3.9%減)、売上高は16,156百万円(同4.9%増)、営業利益は2,483百万円(同4.4%減)となりました。
(海外業務)
海外業務については、アジア、中東、アフリカ等の新興国における水インフラ整備プロジェクトを推進してきました。
この結果、受注高は1,573百万円(前連結会計年度比2.4%増)、売上高は2,932百万円(同12.4%減)、営業利益は181百万円(前連結会計年度は営業損失205百万円)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,848百万円増加し27,516百万円となりました。この主な要因は、受取手形及び完成業務未収入金の増加1,974百万円であります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ501百万円増加し6,010百万円となりました。この主な要因は、業務未払金の増加510百万円であります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,347百万円増加し21,505百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益と配当金支払いの純額による利益剰余金の増加1,355百万円であります。
この結果、自己資本比率は78.0%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ882百万円減少し13,460百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は227百万円(前連結会計年度は2,500百万円の獲得)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,850百万円であり、支出の主な内訳は、受取手形及び完成業務未収入金の増加1,937百万円、法人税等の支払額629百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は551百万円(前連結会計年度は371百万円の使用)となりました。
収入の主な内訳は、投資有価証券の償還による収入100百万円であり、支出の主な内訳は有形固定資産の取得による支出460百万円、無形固定資産の取得による支出239百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は556百万円(前連結会計年度は852百万円の使用)となりました。
主な内訳は、配当金の支払額573百万円であります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
(注) 各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値により以下のとおり算出しております。
(1) 自己資本比率:自己資本/総資産
(2) 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(3) キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
(4) インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息支払額
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備投資資金は、自己資金を基本としておりますが、必要に応じて銀行借入による調達も行っております。
なお、当連結会計年度末時点で、重要な資本的支出の予定はありません。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループの業務は、業務の性格上生産として把握することが困難であるため販売実績を記載しております。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度の販売実績を地域別に示すと、次のとおりであります。
4.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
5.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
6.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループは、退職給付会計、税効果会計、たな卸資産の評価、投資その他の資産の評価などに関して、過去の実績や当該取引の状況に照らして合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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