文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは1951年の㈱NJS創設以来、上下水道を中心とした水と環境のコンサルタント事業を展開してきました。当社グループのミッションは「水と環境のサービスを通じて豊かで安全な社会を創造する」ことであり、水と環境の事業、社会への貢献、人材育成を経営の基本方針としています。
また、経済のグローバル化・デジタル化に対して「水と環境のConsulting & Software」を掲げて、ソフトウェアや関連システムの開発を推進しています。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2021年2月に21-23中期経営計画を策定し、2022年2月の計画見直しを経て、当社グループの業績目標を、2023年に売上高220億円、営業利益28.7億円、親会社株主に帰属する当期純利益19.5億円としております。
(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
新型コロナウイルスの感染拡大が社会経済に深刻な影響を与えています。世界人口の増加や経済活動が地球環境に影響を及ぼし、環境変化が社会の持続性を脅かす時代です。特に、気候変動に伴う災害の頻発と激化は顕著であり、温暖化の抑制と被害軽減の取り組みが急務となっています。わが国は、2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにすると表明しており、これに基づく脱炭素化を着実に推進する必要があります。
上下水道は、国民の安全と衛生を守るインフラであり、感染症の流行や災害の甚大化の中でその重要性が高まっています。健全な機能の確保と災害対策の強化が不可欠であり、そのための効率的なマネジメントが必要となっています。一方で、施設老朽化、人口減少、財政逼迫、職員減少などの課題も山積しており、効率的な施設管理の確立、広域化・共同化、PPP/PFI、デジタル技術活用などの対策が急がれます。
当社グループの強みは、70年の歴史を通じて培ってきた水と環境の技術と信用、ソフトウェアを中心とした技術開発力、90か国に及ぶ海外業務実績です。こうした強みやソフトウェアを生かして、今日の社会課題に積極的に取り組み、従来の枠を超えた新事業を創出し、グローバルに活躍することを通じて、持続可能な社会に貢献していきます。当社グループが展開している主要ソフトウェアと関連ツールは次のとおりです。
・SkyScraper® :施設管理から災害対策、運営管理まで対応するクラウド型統合管理システム
・AirSlider® :閉鎖性空間の調査ドローン
・BioWin :下水処理プロセスシミュレータ(カナダEnviroSim社と代理店契約締結)
・SkyManhole® :IoT型の下水道水位観測システム
・ConnectedCollector®:設備センサーシステム
(4) 対処すべき課題
ポストコロナの安全と健康がより重視される社会、カーボンニュートラルの新しい社会に向けて積極的に取組み、企業価値の向上と企業成長を実現してまいります。
① インフラの老朽化への対応
健全なインフラの維持を目的として、インフラの定期点検、異常の早期発見、予防保全の実現、改築更新の最適化に取組みます。
② 自然災害の激化への対応
災害に強いまちづくりを推進するため、インフラの強靭化、雨水対策情報等の活用、被災施設の早期復旧、グリーンインフラの整備に取組みます。
③ 脱炭素社会の構築
温室効果ガスの排出削減のため、温室効果ガスの排出管理、省エネ・省資源化の推進、再生可能エネルギーの活用、脱炭素マテリアルの開発に取組みます。
④ 活力ある地域の創出
持続可能な地域の形成を目的として、官民連事業の推進、業務オペレーション事業、バンドリング事業、地域の資源活用を推進します。
⑤ 世界における安全な水と衛生の確保
進行する世界の水不足と環境悪化に対応して、上下水道インフラの整備、インフラの調査とリハビリ、現地企業との連携、現地人材の育成を推進します。
⑥ イノベーション
インフラのデジタルトランスフォーメーションを目的として、ソフトウエア、AI活用、 IoT・ロボティックスの開発とサービス創出を推進します。
⑦ 働き方改革と人材育成
働きやすく生産性の高い職場をつくり、女性、外国人、異業種経験者など多様な人材の確保に努め、継続的な人材育成を推進します。
⑧ ガバナンスの強化
健全で透明性の高い経営を実現し、経営の機動性と効率性を高め、経営情報の積極的な発信とステークホルダーとの建設的な対話を促進します。
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