業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」と

いう。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、ワクチン接種の普及や政府の各種政策により、個人消費に持ち直しの動きがみられる等、景気は緩やかな改善傾向にあります。一方で、新たな変異株(オミクロン株)による感染症の再拡大が懸念される等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループの事業領域であるプライズ事業を含むアミューズメント市場におきましては、緊急事態宣言が繰り返し発出されるなかで、消費者の行動様式にも変化が生じ、緊急事態宣言解除後においても、アミューズメント施設の利用を控える動きや滞在時間の短縮傾向が見られる等、コロナ禍前の水準に戻るまでは時間が掛かるものと予想されます。

 住宅市場におきましては、2021年12月の新設住宅着工戸数が前年同月比4.2%の増加となり、前年同月比で10ヶ月連続の増加となりました。また、貸家着工戸数においても、前年同月比で10ヶ月連続の増加となる等、回復傾向にあるものの、世界的な資源価格の高騰が長期化しており、今後の動向に注意が必要です。

 このような経済状況の中、当社グループにおいては、主力事業であるプライズ事業・不動産関連事業の一層の収益力の強化を図るとともに、ティーン向けファッション誌「Popteen」の出版事業を譲り受け、既存出版事業の業容拡大、事業ポートフォリオの更なる強化を推し進めてまいりました。また、グループ各社において、コロナ禍においても持続的な成長を果たすべく、コストの見直しや削減に努めてまいりました。一方、当連結会計年度において、2013年12月期及び2014年6月期の法人事業税に係る更正通知書に基づく追徴課税110,355千円を特別損失として計上しております。

 これらの結果、当連結会計年度の営業収益は4,894,414千円(前年同期比21.3%増)、営業利益は187,076千円(前年同期は営業損失105,009千円)、経常利益は182,443千円(前年同期は経常損失49,688千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は85,850千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失348,710千円)となりました。

 

 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

a.プライズ事業

 当連結会計年度においては、消費者の抑制的な行動様式が定常化される中、取引先の購買抑制が懸念されましたが、プライズ景品の需要は年間を通して非常に高く推移いたしました。また、繁忙期のゴールデンウィークや年末向けの販売も好調に推移したことにより、売上高、セグメント利益ともに、前年の実績を大幅に上回りました。

 以上の結果、売上高は2,780,162千円(前年同期比44.9%増)、セグメント利益は221,402千円(前年同期比147.7%増)となりました。

 

b.不動産関連事業

 当連結会計年度においては、民法改正による家賃保証の需要増加が継続しており、売上高は前年同期を上回って堅調に推移いたしました。また、雇用や所得環境の悪化による家賃滞納増加が懸念されましたが、与信審査及び債権管理業務の強化と業務の効率化にも取り組み、管理回収部門においては、公的支援制度の案内を行う等、状況に応じた顧客管理に努めたことで、貸倒引当金繰入額は大幅に減少しております。

 以上の結果、売上高は1,363,907千円(前年同期比3.5%増)、セグメント利益は173,528千円(前年同期比139.9%増)となりました。

 

c.投資銀行事業

 当連結会計年度においては、コロナ禍での企業収益の二極化が進む中、M&Aの相談件数は増加傾向にあるものの、交渉の長期化により、成約件数は低調に推移いたしました。

 以上の結果、売上高は71,636千円(前年同期比465.9%増)、セグメント損失は37,684千円(前年同期はセグメント損失106,621千円)となりました。

 

d.コンテンツ事業

 当連結会計年度においては、電子書籍配信サイト「モビぶっく」において、ユーザーの継続率、単価を上げるべく、サイトのユーザビリティの向上、取扱い作品数の拡大を進めてまいりました。また、幅広いユーザー層への認知を高めるため、広告宣伝等のプロモーション施策を継続して実施しております。

 以上の結果、売上高は177,753千円(前年同期比62.3%減)、セグメント利益は8,075千円(前年同期比22.5%減)となりました。

 なお、映像制作事業を除外して経営成績の前年同期比較を行いますと、売上高は148,652千円(前年同期比9.9%減)、セグメント利益は14,131千円(前年同期比20.0%減)となりました。

 

e.イベント事業

 当連結会計年度においては、収容人数の制限は行ったものの「PSYCHOVISION hide MUSEUM Since 2000」を2021年10月に開催することができました。その他のイベントの多くも、コロナ対策を徹底する中で、会期や規模を縮小する等、依然として厳しい状況が続いております。

 以上の結果、売上高は165,324千円(前年同期比19.3%増)、セグメント損失は27,122千円(前年同期はセグメント損失19,070千円)となりました。

 

f.マスターライツ事業

 当連結会計年度においては、音楽関連事業において、コロナ禍における様々な制限がある中で、ライブハウスでの活動とオンラインでの活動を両軸に、事業を進めてまいりました。

 出版事業においては、2021年8月1日付でファッション誌「Popteen」の出版事業を株式会社角川春樹事務所より譲り受けました。これにより、「Cuugal」と「Popteen」を合わせた読者層は小学生から高校生まで広がり、広告クライアントのニーズに合わせた様々な営業展開が可能となりました。また、自社チャンネル「Popteen TV」や「Cuugal CH」をYoutubeで運営し、新規読者層へのアプローチを図るとともに、誌面売上に依存しない事業モデルの確立を目指してまいりました。

 以上の結果、売上高は331,831千円(前年同期比95.0%増)、セグメント損失は34,617千円(前年同期はセグメント損失4,461千円)となりました。

 

g.その他の事業

 当連結会計年度においては、貸付金の回収業務のほか、コンサルティング案件を受託することができました。

 以上の結果、売上高は3,797千円(前年同期比31.6%減)、セグメント利益は1,736千円(前年同期比67.0%減)となりました。

 

②財政状態の概況

 当連結会計年度末における資産、負債及び純資産のうち前連結会計年度末と比較し変動がある項目は主に以下のとおりであります。

(資産)

 当連結会計年度末における資産は前連結会計年度末に比べて585,237千円増加し4,426,573千円となりました。

主な要因と致しましては、現金及び預金の増加217,044千円、受取手形及び売掛金の増加163,533千円、投資有価証

券の増加165,970千円等によるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債は前連結会計年度末に比べて513,473千円増加し3,259,637千円となりました。

主な要因と致しましては、支払手形及び買掛金の増加59,875千円、短期借入金の増加210,000千円、未払金の増加

117,913千円、未払法人税等の増加88,651千円等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は前連結会計年度末に比べて71,763千円増加し1,166,936千円となりました。

主な要因と致しましては、新株予約権の減少16,000千円、親会社株主に帰属する当期純利益85,850千円等を計上し

たことによるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて217,044千円増加し、1,263,904千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びこれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、180,881千円(前年同期は112,497千円)となりました。主な要因と致しましては、税金等調整前当期純利益101,416千円、減価償却費31,893千円、売上債権の増加△149,898千円、立替金の減少49,101千円、未払金の増加114,734千円及び未払法人税等(外形標準課税)の増加64,870千円を計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、△163,985千円(前年同期は187,236千円)となりました。主な要因と致しましては、投資有価証券の取得による支出△173,350千円を計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、194,973千円(前年同期は282,474千円)となりました。主な要因と致しましては、短期借入金の純増減額210,000千円、長期借入れによる収入182,262千円及び長期借入金の返済による支出△197,102千円を計上したことによるものであります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績及び受注実績

 当社グループで行う事業は、生産、受注といった区分による表示が困難であるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

b. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

プライズ事業(千円)

2,780,162

144.9

不動産関連事業(千円)

1,363,907

103.5

投資銀行事業(千円)

71,636

565.9

コンテンツ事業(千円)

177,753

37.7

イベント事業(千円)

165,324

119.3

マスターライツ事業(千円)

331,831

195.1

その他の事業(千円)

3,797

68.4

合計(千円)

4,894,414

121.3

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであり

   ます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは当連結会計年度においては、前連結会計年度比で増収増益となりました。

(営業収益)

 営業収益は前連結会計年度比21.3%増の4,894,414千円となりました。営業収益における増減要因分析といた

しましては、不動産関連事業において堅調な収益を確保するとともに、2020年度に新型コロナウイルス感染症の影響を最も受けたプライズ事業の収益が次第に回復し、繁忙期のゴールデンウィークや年末の受注も好調に推移いたしました。また、2021年8月にティーン向けファッション誌「Popteen」の出版事業を譲り受けたことにより、マスターライツ事業においても収益が拡大し、グループ全体の営業収益は860,932千円の増加となりました。

 

(売上原価)

 売上原価は前連結会計年度比24.7%増の2,935,281千円となりました。売上原価における増減要因分析といたしましては、各事業における原価率のさらなる見直しを行い、継続的なコストコントロールを行いましたが、プライズ事業と出版事業において売上に連動して原価が増加したことにより、グループ全体の売上原価は580,459千円の増加となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 販売費及び一般管理費は前連結会計年度比0.7%減の1,772,056千円となりました。販売費及び一般管理費における増減要因分析としましては、業容が拡大した出版事業において人件費、その他販売管理費が増加いたしましたが、不動産関連事業において与信審査及び債権管理業務の強化に取り組んだことで、貸倒引当金繰入額が大幅に減少し、さらに各事業において不要なコストの見直しを行ったことにより、グループ全体の販売費及び一般管理費は11,613千円の減少となりました。

 

(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)

 営業利益は187,076千円(前連結会計年度は営業損失105,009千円)、経常利益は182,443千円(前連結会計年度は経常損失49,688千円)、親会社株主に帰属する当期純利益は85,850千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失348,710千円)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益の増減要因分析としましては、2013年12月期及び2014年6月期の法人事業税に係る更正通知書に基づく追徴課税110,355千円を特別損失として計上いたしましたが、経常利益182,443千円を確保したこと等により、434,561千円の増益となりました。

 なお、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

③当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の概況」に記載のとおりです。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状

態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 なお、当社グループの運転資金・設備資金については、主に自己資金により充当してきましたが、新型コロナウイルス感染症が与える影響の長期化に備え、複数の金融機関から借入による資金調達を行っております。これらにより、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,263,904千円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。

 

⑤経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

 「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に経営成績に重要な影響を与える要因に相当する内容を記載しております。

 

⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等についての分析

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に相当する内容を記載しております。

 

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