当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に対するワクチン接種の普及や長期化する新型コロナウイルス禍でのライフスタイルへの適応により経済活動に緩やかな改善の兆しが見られましたが、ウクライナ・ロシア情勢の影響から世界的な原材料及びエネルギー価格の上昇、急激な円安の進行などにより我が国においてもインフレ圧力が強まるなど、景気先行き感は不透明な状況となっております。
当社グループが主力事業を展開するカラオケルーム運営事業においては、長期化した新型コロナウイルス禍における勤務形態の多様化やライフスタイルの変化などによりカラオケ利用が減少しており、厳しい経営環境が続いております。当社グループでは、前期に引き続き、既存事業の運営見直しやデリバリー事業への新規参入など運営事業の立て直しに加え、コスト削減や効率的な事業運営の推進など企業存続に取り組んでおります。
このような状況の中、当社グループは、新型コロナウイルス禍での影響により今後も収益力の回復が難しいと判断したカラオケ店舗の閉店を積極的に推進して将来の収益改善を図るとともに、本社・本部コストのスリム化と事業運営コストの見直しを図り、損益分岐点売上高の低減に取り組んでおります。
また、新型コロナウイルス禍での影響が軽微で堅調な業績が見込める美容事業に投資し、同事業の拡大を図っております。
当連結会計年度においては、緊急事態宣言等に伴う営業自粛による都道府県からの協力金並びに従業員の雇用維持を図るべく雇用調整助成金を申請・受領し、特別利益として計上しております。
なお、当連結会計年度より連結納税制度を適用しております。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高 5,878百万円 ( 前年同期比12.2%増 )、 営業損失261百万円 ( 前年同期営業損失144百万円 )、 経常損失218百万円 ( 前年同期経常損失187百万円 )、 親会社株主に帰属する当期純利益32百万円 ( 前年同期親会社株主に帰属する当期純損失281百万円 )となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
従来、「カラオケ・飲食事業」としておりましたカラオケルーム運営事業と飲食事業を飲食事業の重要性が増加したことによりそれぞれの事業を区分し、また、従来「その他」に含んでおりました美容事業を飲食事業同様に重要性が増加したことにより「その他」とは別に「美容事業」として区分する方法に変更しております。
上記変更により、当社グループの報告セグメントを、「カラオケルーム運営事業」「飲食事業」「美容事業」「メディア・コンテンツ企画事業」に区分しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報につきましては、変更後の報告セグメントの区分に基づき組替作成しております。
(カラオケルーム運営事業)
当連結会計年度におけるカラオケルーム運営事業の売上高は3,789百万円(前年同期比7.9%減)、営業利益は58百万円(前年同期比84.4%減)となりました。
新型コロナウイルス感染拡大による個人・企業の利用控えの影響により通期を通して厳しい事業運営となりました。当社グループが当該事業を展開する首都圏においては、年末最繁忙時期まで一時的に緩やかな需要回復傾向となりましたが、年明け早々のオミクロン株による第6波(2022年1月から)の影響により歓送迎会シーズンの需要並びに第7波(2022年7月から)の影響により夏季シーズンの需要の大幅な低迷となりました。
比較可能な既存店※は46店舗で、売上高は前年同期比96.8%となりました。
(飲食事業)
当連結会計年度における飲食事業の売上高は709百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益は14百万円(前年同期営業損失32百万円)となりました。
飲食事業は子会社である株式会社直久が運営する「直久」をブランドとしたラーメン店舗(直営5店舗、FC11店舗、業務委託2店舗)を主力とするほか、「赤から」「京都勝牛」を運営しております。
比較可能な直営・既存店※は8店舗3事業所で売上高は前年同期比112.6%となりました。
主力の「直久」においては、2022年3月のまん延防止措置解除後、売上が徐々に回復基調となっておりますが、原材料・電気・ガスの価格上昇の影響により、引き続き厳しい経営環境となっております。そうした中で、店頭販売で大好評だった「極・胡麻冷し中華」の通販限定販売やデリバリー事業の展開等による売上増強に努めるとともに、事業運営コストの見直しを図り収益性の向上に努めてまいりました。
(美容事業)
当連結会計年度における美容事業の売上高は1,216百万円(前年同期比431.9%増)、営業利益は190百万円(前年同期比1,137.2%増)となりました。
美容事業は、中京エリアを商圏とする既存の株式会社Rich to(11店舗)に昨年12月から首都圏エリアを商圏とするビアンカグループ(32店舗)が加わり、事業規模を拡大いたしました。Rich toにおいては、収益改善を目的として7月より運営体制を見直した人員配置を実施し、ビアンカグループにおいては、継承した組織の運営強化に取り組み、新たな柱となる収益事業として運営を行いました。
当事業は積極的な事業拡大を図っており、ビアンカグループ各社において大宮2号店、銀座並木通り店、名駅店(愛知県名古屋市)、ルシア恵比寿店、シュポラ渋谷道玄坂店の5店舗をオープンいたしました。今後も積極的な出店を進めてまいります。
比較可能な既存店※(株式会社Rich to)は10店舗で売上高は前年同期比94.8%となりました。
当事業は、新型コロナウイルス禍での事業への影響が軽微であり、また、設備投資額が他の事業(カラオケ、飲食)に比べ希少であることから積極的な出店が可能であると判断しており、「Rich to」と「Bianca」双方のスタッフの意見交換や技術研修を通してお客様サービス向上を図ってまいります。また、当事業は、パーソナルな対面型ビジネスであるため、徹底した感染防止対策を施した上でサービスを行ってまいります。
(メディア・コンテンツ企画事業)
当連結会計年度におけるメディア・コンテンツ企画事業の売上高は87百万円(前年同期比19.7%減)、営業利益は71百万円(前年同期比17.4%減)となりました。
「カラオケの鉄人モバイル」サイトを中心に運営を行っておりますが、スマートフォンでの利用者の減少傾向により減収・減益となっております。
(その他)
当連結会計年度におけるその他の売上高は74百万円(前年同期比0.1%減)、営業損失は39百万円(前年同期営業損失61百万円)となりました。
従前からのアニメ等コラボレーション事業に加え、2022年3月より新事業の試みとしてゲームコミュニケーション事業(通称e-sports事業)を開始し、「TZ Game Labs」の名称でゲームイベントの企画・運営等を実施いたしました。また、当社独自に女子プロゲームチームを編成し、大会参加等の活動を開始いたしました。
※ 比較可能な既存店とは、営業開始後12ヶ月を経過して営業を営んでいる店舗で前年対比が可能なものをいいます。
資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末に比較して440百万円減少し、4,501百万円となりました。流動資産は1,561百万円となり469百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金等が488百万円減少、ビアンカグループの加入によりクレジット等の売掛金が69百万円増加し、閉店店舗の差入保証金の未収入金が22百万円と新型コロナウィルス感染拡大防止に係る協力金の未収入金が37百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は2,940百万円となり28百万円増加いたしました。主な要因は、有形固定資産が34百万円減少、無形固定資産がビアンカグループに係るのれんが126百万円増加し、Rich toでのれんが27百万円減少及び投資その他の資産がビアンカグループの加入による増加とカラオケ店舗の閉店による差入保証金が29百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は前連結会計年度末に比較して471百万円減少し、4,280百万円となりました。流動負債は1,311百万円となり97百万円減少いたしました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が46百万円増加し、設備等に係る未払金が44百万円及び預り金(源泉所得税と社会保険料)が52百万円、未払消費税等が60百万円と減少したこと等によるものであります。固定負債は2,969百万円となり373百万円減少いたしました。主な要因は、長期借入金及び長期リース債務が482百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は前連結会計年度末に比較して30百万円増加し、220百万円となりました。主な要因は、利益剰余金に含まれる親会社株主に帰属する当期純利益32百万円と新株予約権、為替換算調整勘定等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比較して448百万円減少し、951百万円となりました。
連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は186百万円(前連結会計年度は165百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益87百万円、減損損失205百万円等による増加と、助成金等収入592百万円等による減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は22百万円(前連結会計年度は228百万円の増加)となりました。これは主に、資産除去債務の履行による支出20百万円、子会社株式の取得による支出86百万円の減少と、差入保証金の回収87百万円等による収入の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は616百万円(前連結会計年度は473百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済583百万円、リース債務の返済36百万円の支出による減少によるものです。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき、見積りや判断を行っております。しかし、見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、重要な会計方針及び見積りにつきましては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
2.「その他」の区分は報告セグメントに含まれる事業セグメントであり、「アニメ等コラボレーション事業」、「ゲームコミュニケーション事業(通称e-sports事業)」等であります。
当社グループは、将来を含めた事業活動のために適切な水準の流動性を維持し、金融機関との関係構築強化を行うことを重要な方針としております。
当社グループの運転資金需要は店舗運営費用及び本部・本社費用であり、設備資金需要は店舗の出店及び改修であります。
これらの資金需要は、自己資金及び金融機関からの借入等により充当しておりますが、当社グループの当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,085百万円となっており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は951百万円(前年同期448百万円減)となっております。
当連結会計年度末以降において運転資金を充足し、資金の流動性を十分に確保するため、複数の金融機関と500百万円の融資契約を締結しております。
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