事業等のリスク

2【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。当社グループとして必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

なお、文中における将来に関する事項の記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、当社グループにおきましては、下記リスクの発生の回避に努めることはもちろんのこと、顕在化する恐れもしくは顕在化した場合、親会社の経営会議及び取締役会へ報告される体制を整備しており、当該リスクの管理及び統制に努めることとしております。

 

(1) 事業の特徴について

① サービスについて

当社グループは、常に時代のニーズやファッショントレンドを綿密に分析し、社内に蓄積した経験・ノウハウと多くの協力会社による高水準のサービスとを融合させ、飲食・サービスにおきましては、店舗ごとに専門のシェフとサービススタッフを配置することにより、お客様の趣味や趣向を高いレベルで実現し、最新のウエディング・スタイルとホテルライフ、リラクゼーションサービスを提供することを目指しております。

しかしながら、時代のニーズやファッショントレンドに当社グループのサービスが対応できない場合や、当社グループの望むレベルの協力会社、シェフ等が確保できずに充分なサービスが提供できない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

当社グループでは刻々と変化する顧客ニーズへ対応するため、積極的に新たなビジネススタイルの創出及び付加価値の高い魅力ある商品開発を行うことで高品質のサービス提供を維持するとともに、お客様の需要を喚起してまいります。

 

② 人的資源について

当社グループは、今後の更なる業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、新卒の採用活動を積極的に行い、また、教育研修制度を確立することで、営業・管理の各部門において、一層の人員の強化を行ってまいります。しかしながら、事業規模の拡大に応じたグループ内における人材が計画どおりに確保できない場合には、競争力の低下や一層の業容拡大の制約要因となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

当社グループは人材確保のためインターンシップの実施やテレビ会議システムを活用した採用・面接を積極的に取り入れております。また、階層別・目的別の研修プログラムを実施するなど従業員の教育に注力することにより当社グループの持続的成長を支える人材の育成に取り組んでおります。

 

 

(2) 当社グループの属する市場について

結婚適齢期を迎える層は、厚生労働省の人口動態調査からみて、緩やかに縮小していく傾向にあり、今後、ブライダル市場全体の市場規模が縮小した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

当社グループの主力事業であるブライダルマーケットにおいて、既存のホテルや専門式場等によるゲストハウス・ウエディングへの進出や、これまでにない新しいサービスの提供、異業界からの新規参入等が予想されることから、他社との競争が激化した場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

一般的に結婚披露宴に参列される人数は平均65名とされておりますが、当社グループでは多様化する顧客ニーズに対応するため、少人数の参列者に対応した婚礼商品ラインナップの充実及び新商品の開発を常に心がけることで需要を喚起する対策を行っております。また、婚礼貸衣装・挙式・美容・写真サービス等の提供範囲を自社(当社グループ)会場から他社会場へ拡大することによって、婚礼マーケット全体への販路開拓を推進しております。

 

(3) 経営成績及び財政状態について

① 借入金等依存度が高いことについて

当社グループはこれまで施設を建設するにあたり、建設費用や敷金・保証金等の投資資金を主に金融機関からの借入等により調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率が高い水準にあります。有利子負債残高は、2020年12月期末55,791百万円、2021年12月期末52,904百万円となっており、総資産に占める有利子負債残高の比率は、2020年12月期末55.9%、2021年12月期末58.2%と借入金等依存度が高い水準にあります。なお、売上高に対する支払利息の比率は、2020年12月期1.6%、2021年12月期1.4%となっております。

今後、金融情勢が大きく変動し金利水準が上昇に転じた場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

当社グループにおける資金調達についてはその殆どを固定金利で調達しており、既存借入契約については金利上昇リスクをヘッジしております。取引金融機関との関係性につきましては過年度より良好な取引関係を継続しており、今後につきましても同様に、常に情報共有することで良好な関係性を維持し、また、資金調達手法の多様化を図ることにより当該リスクの低減に努めてまいります。

 

② 海外情勢

当社グループは、主に日本人の顧客を対象として、米国ハワイ、インドネシア(バリ島)におきまして海外挙式事業を展開しております。2021年12月末現在、ハワイにおきましては、6ヶ所の教会、またバリ島におきましては、2施設を展開しております。このため、関連地域における政治情勢や経済動向等の変化、戦争・テロ・大規模な自然災害などの事象が発生した場合、予約のキャンセル等により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

Best Bridal Hawaii,Inc.及びPT.Tirtha Bridalは、日本国内で受注した海外ウエディングの施行を請負う他、現地の顧客に対しても挙式の受注活動を行っております。Best Resort LLC、BEST HOSPITALITY LLCは、米国ハワイで不動産の開発事業を行っております。これらの事業活動が、今後当社の想定どおり進捗しない場合は、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

当社グループは、在外子会社と定期的かつ密接なコミュニケーションを図ることにより現地の潜在的なリスクや情勢の把握に努めております。また、現地専門家から都度、助言を受ける体制を整備することにより当該リスクの低減に努めております。

 

③ 為替変動の影響について

当社は、外貨建子会社貸付金等の外貨建債権、また、借入金において外貨建債務を保有しており、これらは為替変動の影響を受けます。当社グループにおいては為替予約等により当該リスクをヘッジする対策は講じておりますが、完全に回避できるものでなく、為替レートが大きく変動した場合、当社グループの財政状態及び業績が影響を受ける可能性があります。

 

 

④ 食の安全性について

当社グループは挙式宴会並びにホテル内におけるレストラン営業を行っているため、食品衛生法による規制を受けております。衛生面に関しましては、食中毒等の発生により営業停止等の事態が生じないよう、店舗並びにレストランごとに衛生管理者を選任し常に安全性と品質の確保に万全を期しておりますが、当社グループの取り組みの範囲を超えた重大な品質トラブルが発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

当社グループは、従業員教育の一環として、食品衛生に関する講習会を年2回開催しております。また、ウイルスの感染が流行する冬季には定期検便検査の対象者を拡大し、保菌者の発覚を迅速化し、その拡散を最小限に留め、食中毒発生を未然に防ぐための対策を講じております。

 

(4) 特定の経営者への依存について

当社の代表取締役社長である塚田正之は最高経営責任者であり、当社グループの経営方針や戦略の決定等、事業活動上重要な役割を担っております。塚田正之に対し事業運営及び業務遂行において過度に依存しないよう、経営会議の充実・権限の委譲等により経営リスクの軽減を図るとともに、各分野での人材育成強化を行っておりますが、不測の事態により、塚田正之が職務を遂行できなくなった場合、事業推進及び業績が影響を受ける可能性があります。

当社は、取締役会において後継者について継続的に議論し、総合的な後継者計画の策定について検討し、また次世代幹部の育成計画の運用状況等を適切に監督する予定であります。

また、親会社はガバナンス・事業会社の支援・経営資源配分機能へ特化し、事業会社に事業推進・管理機能の一部を移管、独立性と機動力発揮できるよう組織再編を継続的に実施しております。

 

(5) 法的規制について

ゲストハウス・ホテルの建設・改装につきましては、建築基準法、消防法、下水道法等による諸規制と、建物構造や建設地域によっては、排水・騒音対策等の各種条例による規制を受けております。建設・改装の際には、一級建築士や建設会社に業務を委託し構造上のチェックを行うとともに、当社事業開発部が直接チェックを行い、また消防署のチェックも受けておりますが、上記の法的規制に抵触した場合、ゲストハウスの建設計画が遅延したり運営に支障が生じる可能性があり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

当社グループの各海外サロンは、旅行業法に基づき旅行業の登録(第一種業務)を行っておりますが、旅行業法に違反し登録の更新が不可能となったり登録が取り消しとなった場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

更に、当社グループにおきましては、旅館業法に基づくホテル営業を行っており、また、婚礼前美容サービスの提供は、特定商取引に関する法律の規制を受けております。

当社グループは、関係法令の制定や改廃に関する情報収集及びモニタリングを常に行い、事前の対策を図るとともに、従業員教育の一環において周知することにより当該リスクの低減に努めております。

 

(6) 設備投資及び新規出店リスクについて

① 現状のゲストハウスについて

事業所名

日本橋

白金

横浜

大阪

仙台

星ヶ丘

新浦安

大宮

バンケット数

 

 

事業所名

表参道

青山

市ヶ谷

心斎橋

丸の内

八事

鴨川

赤坂

バンケット数

 

 

事業所名

伊勢山

浜松町

品川

名駅

芦屋

西新宿

バンケット数

 

 

当社グループは、当連結会計年度末現在、国内に上記22店舗(77バンケット)を展開しておりますが、これらの建設・改装等につきましては、全て社内の事業開発部門が独自に企画しております。

今後につきましても、綿密なマーケティング分析による施設企画、出店地選定を行った上で、首都圏・関西圏・中京圏を中心に、効率的な出店を行っていく方針であります。

また、既存のゲストハウス・ホテルにつきましても3年程度のサイクルでリニューアルを行い、常に新しさと高いデザイン性を維持することで、顧客獲得率の安定化を図っております。

しかしながら、店舗建設に適した物件(主に土地)やオペレーションのための人材を確保することができない場合、新規及び既存のゲストハウス・ホテルが顧客の支持を得られない場合等には、今後の当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

また、業界の景気動向や経営環境の変化等によって、当社グループが保有する固定資産の実質価額が著しく下落した場合には、減損処理の実施によって、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 店舗出店に関するリスク

当社グループが運営する直営施設の用地については賃借契約を締結することが基本であり、出店にあたり保証金を差し入れ、内・外装等の初期費用を投じており、出店後も人件費及び家賃等が継続的に発生いたします。そのため、保証金の差し入れ額及び関連費用は新たな出店に応じて増加いたします。当社が想定していた運営期間よりも短期で閉店せざるを得ない状況となった場合には、違約金の支払いが発生する可能性があります。また、賃貸人の倒産等によって保証金の全部又は一部が回収できなくなる可能性があります。

今後の用地確保につきましては、出店計画をより確実とするために賃借に限らず、土地の取得並びに流動化も選択肢の一つとしてゲストハウス・ホテルの建設を推進する方針であります。出店を検討する際は経営の効率化とともに、財務体質の悪化を誘発しないことを優先する方針でありますが、土地を取得することで財務体質が影響を受ける可能性があります。また、大型施設の建設にあたっては、大規模な出店地を確保する必要があるため、建設に適した物件を確保することができず、出店計画が予定どおり進捗しなかった場合、事業推進に制約を受け、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

③ 特別目的会社(SPC)について

当社グループは、白金事業所(合同会社白金・SPC)において、特別目的会社(以下、SPC)を活用しております。当社は、当該SPCに対して匿名組合出資を実施しており、このような匿名組合出資に関する連結の範囲につきましては、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(実務対応報告第20号 平成23年3月25日)に従い、個別に支配力及び影響力の有無を判定し決定しております。匿名組合の業務執行者は営業者たるSPCであり、当社はSPCを支配するための直接的な議決権等を有しておらず、匿名組合の財務及び営業、事業の方針が決定できないことが明らかであることから、合同会社白金・SPCを営業者とする匿名組合は子会社に該当せず、連結の範囲に含めておりません。

当社は、近年、連結の範囲決定に関して、特別目的会社を利用した取引が急拡大するとともに複雑化・多様化しており、企業集団の状況に関する利害関係者の判断を誤らせるおそれがあるのではないかという指摘もあり、国際的にも議論されている問題であると認識しております。今後新たな会計基準の制定や、実務指針等の公表により、当社の連結範囲決定方針においても変更が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、合同会社白金・SPCを営業者とする匿名組合が、2021年12月末日現在保有する信託受益権の合計額は2,557百万円あり、金融機関からの借入金は1,740百万円あります。

 

(7) 自然災害等・感染症拡大に係るリスク

大規模な自然災害や感染症の大流行により社会活動及び経済活動が制限された場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

また、当社グループの従業員、関係者及びお客様において多数の感染症罹患者が出た場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性がありますが、当社グループにおいては、お客様、従業員及び関係者の安全を確保するため、毎日の検温、マスクの着用、手洗・手指消毒、結婚式打ち合わせのオンライン化、在宅勤務環境の整備やソーシャルディスタンスを確保した結婚披露宴を開発するなど安全対策に取り組んでおります。

 

 

(8) 継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大による海外からの渡航制限、政府要請による外出控え・時短営業等の影響によるホテル宿泊・レストラン利用客の減少、婚礼施行の延期等により、第26期及び第27期において、2期連続の営業損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上することとなりました。当該事象から当社グループには継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しております。

しかしながら、2021年9月30日をもって緊急事態宣言が解除され、婚礼受注件数やホテル稼働率が改善するなど全体として業況は回復傾向にあります。さらに当該感染症の長期化に備え、不採算店舗の閉鎖、固定費の圧縮など全社横断的なコストダウンを実施いたしました。今後につきましても「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、婚礼会場ごとの緻密な経営、婚礼受託事業の積極的な展開を進め企業価値の回復及び向上を目指します。

また、第26期及び第27期において取引金融機関の協力により実行した資金調達により十分な運転資金を確保していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し「継続企業の前提に関する注記」は記載しておりません。

 

(9) 顧客情報管理について

当社グループはウエディングの受注活動を通じて、多くのお客様の個人情報を取扱うことになります。そうした個人情報の機密保持につきましては、顧客ファイルは施錠可能なロッカーに保管、電子情報はパスワードの設定によるセキュリティ対策等を整えることで漏洩リスクに備えておりますが、不測の事態により個人情報が漏洩した場合、当社グループに対する社会的信用の低下により、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

当社グループは、管理職・監督職に対してデジタル・クライシス対策研修を開催し、デジタルネイティブ時代の顧客インサイトを理解し、SNSのみならずデジタルリスク全般に対する知識を高め、危機意識を持って業務に臨む心構えを育成する対策を行っております。

 

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