課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社は、「困っている人を助ける」という経営理念のもと、いつも暮らしに寄り添い、安心できるベストな仕組みやサービスを創り続け、“Best Rescue System”を追求することで、更なる企業価値の向上を図ってまいります。又、コーポレート・ガバナンス強化の取り組みを通じて、国内外のステークホルダーにとって魅力的で透明性の高い健全な経営体制の確立に努めてまいります。

(2)目標とする経営指標

当社グループは、「パートナーシップ戦略」のもと、営業・業務の両面において、最小の組織・資源で企業価値を最大化していくことを経営の目標としております。

当社グループの方針として、各事業の合計で、2024年9月期までに500万人へのサービス契約数を実現し、2030年までに1,000万人まで拡大することを掲げております。将来の事業展開や経営環境の変化等を勘案のうえ、連結配当性向50%を基本方針とし、かつ安定配当の継続に努めてまいります。

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、多様化するユーザーニーズや少子高齢化等の社会・市場環境の変化を踏まえ、営業・業務の両面でパートナーとの提携を軸に成長していく「パートナーシップ戦略」を推進することで、最小の組織・資源で最大価値を発揮し、安心できるベストな仕組みやサービスを創ることを目指してまいります。

営業戦略については、会員・保険を中心とした既存事業の更なる市場浸透を推進し、収益の土台をさらに強化・成長させてまいります。又、少子高齢化やコロナ禍など外的要因の変化やニーズを捉えた提携を拡大し、既存事業を新規の市場へ展開してまいります。又、成長の加速に向けて、M&Aやスタートアップ連携・事業開発を通じて積極的な新規事業の創出を推進してまいります。

業務戦略については、当社グループのサービスを支えるコンタクトセンターにおいて、テクノロジー活用と徹底したオペレーション改善を推進し、業務効率・品質の向上を目指してまいります。又、サービス提供のインフラである施工パートナーについては、働き手が減少していく社会環境の中で、長期的に維持・拡大していくため、開拓・教育・機能拡張を継続し、ラストマイルのインフラとしての強みを伸ばしてまいります。

管理・財務戦略については、国内外のステークホルダーにとって魅力的な会社になることを目指し、各種委員会の設置・運営、積極的な情報開示、継続的な株主還元、投資家との建設的な会話促進を通じて、プライム市場上場企業に求められる高いガバナンスを構築してまいります。さらに、社会的課題の解決と経済的利益の獲得の両立を目指してまいります。

 

(4)経営環境

当社グループを取り巻く経営環境においては、中長期的には、人口減少・過疎化といった構造的要因による国内需要の伸び悩みにより、経営環境は一定の厳しさも見込まれております。一方で、不動産管理会社を中心に、自社コールセンターや自前の施工インフラの維持が困難になり、アウトソーシングニーズの高まりも予想され、当社グループの営業面では追い風となる機会でもあります。

又、お客様・ユーザーにおいては、サービスニーズが多様化し、「お困りごと」の種類や内容も変化してきております。多様化し変化するお客様のニーズに対して、トラブル解決に留まらず、より安心・安全・快適な暮らしをサポートするサービスコンテンツや提携戦略の推進による顧客接点の拡大が求められます。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの対処すべき課題は、①会員・保証・保険事業の拡大、②サービスの品質向上とコンテンツ拡充、③業務効率化及びシステム投資、④中長期的な成長に向けた事業ポートフォリオの強化、⑤激甚災害等への対策と考えております。

 

① 会員・保証・保険事業の拡大

会員事業におきましては、M&Aによって市場シェアを大きく拡大した、集合住宅向けサービスの更なる市場浸透を図るのみならず、生活トラブル解決サービスの新たな販売パートナーとして、戸建住宅市場へのアプローチを可能とする提携先の開拓を加速してまいります。

また保証事業におきましては、ジャパンワランティサポート株式会社が提供する住宅設備の延長保証サービスは、リフォーム市場の規模拡大を背景としたホームセンター・家電量販店等からの会員獲得が今後も期待されることに加えて、住宅メーカーを販売パートナーとする新築市場における当社グループのプレゼンスも高めてまいります。

保険事業におきましては、ジャパン少額短期保険株式会社の提供する家財保険の順調な被保険者数の増加を土台に成長を続けてまいります。また国内有数の保険開発力を背景とした、新商品の開発・販売に取り組んでまいります。特にレスキュー損害保険株式会社においては、団体契約により効率的な被保険者の獲得を実現したことで、これまでにない大型案件の開発に取り組みます。

② サービスの品質向上とコンテンツ拡充

当社グループが提供するサービスをより強固なものにするため、お客様からの「お困りごと」を承るコンタクトセンターと生活トラブル解決に携わる施工パートナーのサービス品質を常に向上し、皆様にご愛顧いただけるサービスの提供を推進してまいります。又、社会環境の変化に伴う様々なニーズに応えられるよう、パートナーシップを活かしてサービスコンテンツを拡充することに加え、お客様とのラストワンマイルをつなげる効果的なサービスインフラネットワークを構築してまいります。

③ 業務効率化及びシステム投資

多くのサービスメニューに対応するべく、複雑・多様化した業務を見直し、システム化を進めることで、業務効率化・迅速化を推進し、当社グループの更なる成長を実現するため、今後の事業拡大を支える体制を構築してまいります。

④ 中長期的な成長に向けた事業ポートフォリオの強化

当社グループは、緊急トラブル解決サービスの駆けつけ事業から始動し、会員型・保険型等へビジネスモデルを発展させるとともに、経営の安定性と成長性のバランスを実現しながら、事業拡大にチャレンジしてまいりました。2021年9月には会員事業において競合関係にあった株式会社アクトコール及び株式会社TSUNAGUをグループ化しております。グループ化後の収益改善策が順調に推移したことから、2022年10月からは両社を吸収合併し、さらなる収益向上策への取り組みを始めました。今後も持続的な成長並びに中長期的な企業価値の向上を目指し、パートナーシップの拡大やM&A等の多様な戦略を用いて、新たな事業を創出するとともに、最小の組織・資源で最大価値を発揮できるよう、経営効率を見据えた事業ポートフォリオの見直しを図ってまいります。また駆けつけ事業におきましては、11月30日を効力発生日として、当社の持分法適用会社である株式会社アクアラインに対する株式譲渡を予定しております。当社グループ内の強みを相互に活かすことで、採算性の回復を進めてまいります。

⑤ 激甚災害等への対策

激甚災害時における事業への直接又は間接的な影響に対しては、当社グループの中枢機能であるコンタクトセンターの停止回避を最優先とし、名古屋市の本社内及び岐阜県大垣市に設置するコンタクトセンターに加え、東京本部での受電体制を整備するとともに、エリアの異なる複数の業務委託先への外注フローを整備することで、リスクを分散しております。新型コロナウイルス感染症拡大時においても、日々の検温・除菌・換気及びリモートワークの推奨等を実施し、感染拡大の抑止に努めるとともに、万一、社内で感染が発生した場合に備え、在宅での受電体制や業務委託先への外注フローも整備しており、事業への影響を極小化できる体制の構築に取り組んでおります。今後も対応力を増強すべく、更なる対策を進めてまいります。

 

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