課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

 当社グループは『プロシューマー・ハピネス』を経営ビジョンに掲げており、プロシューマーという生産者と消費者が融合する「新しい人々」が社会でより活躍できるように、また幸せを感じてもらえるようにフォーカスしてサービスを提供することで、企業価値向上に努めてまいります。

 当社グループは事業領域として、インターネット上の「アフィリエイト広告サービスやスマートフォン向け運用型広告サービス」を中心に事業を展開しております。この広告サービスは、広告効果を実際の売上や顧客獲得数などの数値で確認し、その成功数値に応じて広告料金を設定する仕組みで、インターネットの普及を受けて市場規模が拡大してまいりました。

 この領域における事業環境は、ブログやSNSなど消費者型コンテンツの普及を受けて広告掲載場所が増加し、またスマートフォン端末やタブレット端末の普及に加えて通信環境の整備が進んでいることによりデータ通信利用者が堅調に増加しております。一方で、新型コロナウイルス感染症の変異株による感染が再拡大しており、景気への影響は不透明な状況にあります。また、個人情報保護の強化、業界内の競争や市場動向の変化、プラットフォーマーの影響など事業環境の変化による一部広告主の事業撤退や広告予算の縮小等、厳しい状況も予想されております。

 しかしながら、消費者のオンライン購買行動は拡大を続けており、中長期的にみるとオンラインマーケティング市場も着実に成長を続けることが期待されます。当社グループは、あらゆる未来の変化を的確に捉え、市場シェアを伸ばしていきたいと考えております。

 上記の環境において当社は、アフィリエイト広告サービスやスマートフォン向け運用型広告サービスの先駆者として、次のような経営方針のもと、今後もこの分野において確固たるナンバーワン企業になるべく努力していきたいと考えております。

 

① 当社及びグループ企業の顧客である広告主に対しては、「アドネットワーク」の仕組みを通じて、広告・販促のコストパフォーマンスを最大化すること。

② 当社及びグループ企業のビジネスパートナーであるWebサイト/アプリ制作者(以下メディア)に対しては「アドネットワーク」の仕組みを提供し、それぞれの広告媒体収益を最大化すること。

③ 当社及びグループ企業が提供するあらゆるサービスを利用する消費者のメリットの最大化を目指すこと。

④ 当社及びグループ企業のあらゆるサービスを利用する広告主、メディア、消費者の3者の間に「共感」「信頼」といったエンゲージメントを構築すること。

⑤ 当社及びグループ企業の従業員に対しては、働くことの喜び(仕事の中の生きがい)と収入を最大化すること。

⑥ 当社の株主に対しては、企業グループの価値を最大化し、株価上昇や配当で還元すること。

⑦ コンプライアンスを遵守し、社会から尊敬される企業グループを目指すこと。

⑧ 企業活動を通じて、社会や経済の発展に可能な限り貢献すること。

 

(2) 経営戦略等

 当社が運営しているアドネットワークサービスの規模(広告主数、メディア数、トラフィック等)を安定的かつネット広告市場の拡大を上回るスピードで成長させることで、アドネットワーク独自開発・運用企業として圧倒的な国内ナンバーワンの地位を築いていきます。また、対応デバイス、広告素材、運用方法など時代の変化に対応して新しい仕組みを積極的に取り込んでいきます。また、当社が優位性を持つBtoBtoCモデルのノウハウを活用し、経営ビジョンであるプロシューマー・ハピネスにフォーカスした新規事業を立ち上げ、収益化を目指してまいります。

 上記の目標を達成するために、以下の戦略を設定しております。

CPAソリューション事業

① 当社及びグループ企業が展開するA8.net(エーハチネット)やseedApp(シードアップ)の知名度と信頼度を向上させることにより、新規広告主及びメディアの効率的な獲得を実現する。

② 広告主及びメディアのA8.net(エーハチネット)やseedApp(シードアップ)の利用を通じて、満足度や信頼度を向上させ、利用率や継続率の改善を図る。

③ 広告主とメディアが効率よく出会う(広告の掲載を許諾しあう)仕組みの改善及び「広告主の広告出稿ニーズ」と「メディアの広告掲載ニーズ」の最適化を図り、成果が発生する機会を拡大していく。

④ 広告主のA8.net(エーハチネット)やseedApp(シードアップ)への信頼(価値認知)を向上させ、より高い成果報酬や成果の上がる目標設定を提案できる営業体制を構築する。

⑤ 素早く、より魅力的なCPA型プロモーションを提示できる運用体制を構築することで、有力なメディアに積極的に利用していただけるようにする。

⑥ A8.net(エーハチネット)やseedApp(シードアップ)の周辺ビジネス(自社メディアの開発、アドテクノロジーを活用したサービス開発)をさらに拡大することで、収益の多様化を図る。

⑦ パソコン、スマートフォン、タブレットなど消費者及びメディア、広告のデバイスの利用状況を的確につかみ、A8.net(エーハチネット)やseedApp(シードアップ)に素早くそのニーズを取り入れていく。

 

ADコミュニケーション事業

① 当社及びグループ企業が展開するnend(ネンド)の知名度と信頼度を向上させることにより、新規広告主及びメディアの効率的な獲得を実現する。

② nend(ネンド)の利用を通じて、広告主及びメディアの満足度や信頼度を向上させ、利用率や継続率の改善を常に図る。

③ 広告主の広告手法への信頼(価値認知)を向上させ、高い広告目標を提案できる営業体制を構築する。

④ 多様な広告素材や効果的なクリエイティブ、広告主からの独占プロモーションの獲得などを通じて有力なメディアと良好な関係を構築していく。

⑤ パソコン、スマートフォン、タブレットなど消費者及びメディア、広告のデバイスの利用状況を的確につかみ、nend(ネンド)の運営を通して、またはコミュニティマーケティングや様々なコミュニケーションサービスなどを開発し、そのニーズを取り入れていく。

 

グループ共通

① 海外関連売上を拡大する。

② SNS時代にふさわしい発想で、マーケティングや営業ができる体制を構築する。

③ 技術的なノウハウを蓄積し、高品質なサービスを安定的かつ低コストで運営できる体制を構築する。

④ 働きやすい環境を整備し、一人ひとりの能力を伸ばしヤリガイのある職場環境を構築する。

⑤ 評価制度やリクルーティング手法の工夫などによって、優秀な人材を確保する。

⑥ 効果的な資本政策や財務戦略を遂行することで会社資産の価値を高める。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、CPAソリューション事業、ADコミュニケーション事業という成長力のある市場を事業領域とする企業グループとして、当該事業に経営資源を集中させ、市場スピードを上回る売上高の確保並びに生産性の向上による業界上位の営業利益率を確保することを目標としております。また、当社グループの主要サービスである「A8.net(エーハチネット)」「nend(ネンド)」の利用広告主数(稼働広告主ID数)及び登録パートナーサイト数を、サービス規模の重要指標として、四半期ごとに開示しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  当社グループでは下記の事項を対処すべき課題として取り組みを進めております。

① 新規事業の立ち上げ

 当社グループの主力事業であるインターネット広告サービスにおいては、プラットフォーマーによる市場の寡占化や、参入プレイヤーの飽和が進んでおり、当社のさらなる業容拡大のためには新たな収益基盤となりうる新規事業の開拓及び育成が急務となっております。そこで、当社グループは、ビジョンに掲げるプロシューマーハピネスにのっとり、生産者と消費者の双方の顔を持つプロシューマーの方々を支援する事業を中心に新規事業の立ち上げを行い、企業価値の向上を図ってまいります。

 

② 既存事業におけるサービス改善

 当社グループにおいて、依然、主力の事業であるインターネット広告サービスは、消費者である個人の方がメディアとして生産者となる場を提供しており、プロシューマー支援事業の1つとして今後も重要な事業であると捉えております。当社グループは、インターネット広告サービスやその周辺事業について、さらなる事業収益拡大のために、プロシューマー支援の視点を持ったうえで、事業環境の変化への対応や顧客基盤の拡大とともにサービス利用率の向上やサービスの品質改善による差別化をしていきます。また、当社グループでは、今後も継続的に、広告効果の向上、ユーザビリティの改善、広告表示の適正化やインターネット広告における不正の防止等に取り組む方針であります。

 

③ リモートワークを取り入れた働く環境の改善

 当社グループでは、新しい働き方を取り入れ、リソース全般の最適化や業務のオンライン化などを通じた生産性が、重要であると考えております。こうした観点から、可変性の高いフリーアドレスのオフィスを構築し、リモートワークと出社を組み合わせたハイブリッド型勤務の最適化を図っております。今後も、新しい働き方に対応したオフィス設備の改善、オンライン化の促進、人材の確保や教育を行うことにより、さらなる生産性の向上を目指してまいります。

 

④ システム及び内部管理体制のさらなる強化

 当社グループの業容拡大を支えていくためには、急激に増加しているトラフィックや取引データを管理するシステムを、費用の増加を抑えながら安定的かつ効率的に拡張するための技術開発及び運用体制の確立に注力すること、外部からの不正アクセスを防止し、取引データ、顧客企業等の情報及び個人情報保全のため、さらなるシステムの安全性強化や危機管理体制を構築すること、また当社グループ全体としての業況推移を常時正確に把握し適時・適切に経営判断へ反映させていくことが、今後さらに重要となってくると考えております。こうした観点から、一層のシステム投資や危機管理体制の確立を進めていくとともに、情報開示やコンプライアンス維持を含めた内部管理体制の充実を図る方針であります。

 

⑤ 人材の確保・育成

 今後の新たな視点での事業展開のために、営業部門・開発部門・管理部門の人材確保とともに、さらなる既存サービスの質の向上のため、インターネット広告におけるコンサルティング能力や技術力の向上、ノウハウの蓄積、スキルの向上等人材の育成がきわめて重要となります。当社グループといたしましては、これからの社会状況にあった人事制度、教育、研修体系の整備を行い人材育成の強化を進めてまいります。

 

 

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