課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「社会の変化に柔軟に対応して、その時代に求められる商品を追求し、継続的に発展する会社を目指す。」を経営理念としております。当社の考える、柔軟とは「過去に捉われず」、商品とは「様々な商品の形態」を、継続的にとは「毎年着実に」と、考えております。この経営理念のもと、当社グループは、LSI設計会社からスタートし、ソフトウエアの開発から各種サービス事業への展開、M&A等により、事業内容を変化させながらグループを運営してまいりました。

より楽しく(Fun)・便利(Useful)・簡単(Easy)で豊かな生活の実現に貢献したい。これが私たちグループの願いであり使命と考えております。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、「ソフトウエア開発・ライセンス事業」に経営資源を集中させるとした経営方針のもと、当社事業セグメント「ソフトウエア開発・ライセンス事業」に属する音声認識事業分野とCRM事業分野を中心として事業拡大に努めてまいります。2023年3月期も、当社コア事業セグメント「ソフトウエア開発・ライセンス事業」を核とした事業経営を行ってまいります。

CRM事業分野においては、Visionary Cloudの開発を継続します。Visionary Cloudは、当連結会計年度にまず1社に採用されましたが、汎用的な商品として多くのお客さまにご利用いただくには、まだ開発が十分ではありません。まずは、機能ユニットごとの商品化を進めます。その後、現行のVisionaryにはないMA(マーケティングオートメーション)機能等の新規機能を追加することで対象顧客の拡大を図るとともに、それに向けた拡販活動を強化いたします。

2023年3月期は、現時点においては当連結会計年度のようなVisionary Cloudの大型案件の予定はなく、業績への寄与は追加機能開発が進む2024年3月期となる見通しです。2023年3月期は開発投資も行うため、CRM事業分野の利益は大きく減少する見込みですが、拡大するデジタルマーケティング関連市場における今後の事業拡大を目指し、開発投資を継続いたします。

音声認識事業分野においては、拡販を目指す分野を絞り込み、営業の効率化を図るとともにその分野に最適化した性能・機能を実現することで新規採用の増加を目指します。また、音声認識と連動して話者を区別しながら議事録を書き起こす等、音声認識技術と声認証技術等の周辺技術を組み合わせることによる付加価値を訴求しながら営業活動を推進してまいります。並行して、当連結会計年度に続き営業主導での事業体制見直しを行い、安定的に利益が出せる体制を目指してまいります。

「ソフトウエア開発・ライセンス事業」以外の事業セグメントについては、引き続き業務の効率化等を推進し、利益の最大化を目指してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、豊かで快適な生活を提供するサービス・商品を開発し続ける考えであります。そのために必要となる研究開発を実行しうる利益の確保に努めてまいります。

当社グループが目標とする経営指標は、「売上高営業利益率」及び「1株当たり当期純利益」と考えております。企業の本業での収益を測る経営指標である売上高営業利益率を高めていくことが、収益力のある企業形成に不可欠であると考えております。そのために高付加価値商品の開発及び高収益なビジネスモデルの構築に努めてまいります。

 

(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症が続く中、ワクチン接種の普及等により経済社会活動正常化が進みました。しかし、新たな新型コロナウイルス変異株拡大のリスクや資源価格等の高騰、ロシアのウクライナ侵攻による経済への影響が懸念されており、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループでは、当社を取り巻く経営環境を考慮して事業の拡大を実現するうえで、下記の事項を対処すべき課題として取り組んでまいります。

 

①音声認識事業分野

当社グループの音声認識事業分野は、近年AI技術の進歩に伴い、その性能向上だけに留まらず、他の技術と組み合わせたサービスなど、利用範囲は拡大しており、大手グローバル企業を始めとした競合先が存在しております。当社では、性能向上を目的とした技術開発を進めるとともに、当社が持つ声認証技術などの音声認識関連技術を組み合わせて、お客様のニーズに合った商品を提案し、これら競合先との明確な差別化を図ることが重要であると認識しております。

 

②CRM事業分野

当社グループのCRM事業分野は、オンラインショッピングの普及に伴い、ECサイトとリアル店舗との関連強化及び顧客データの効果的活用等を要望されるお客様より、自社CRM商品「Visionary」に多くの引き合いをいただいております。当社グループでは今後更なる売上高の増加とそれに伴う利益の増加を目的として、新商品「Visionary Cloud」の開発および追加機能開発を進めています。CRMを含むデジタルマーケティング関連市場は拡大しており、競合する会社も増加するものと思われます。当社グループでは、お客様の要望と市場の動向を的確に把握し、「Visionary Cloud」をこれら競合先商品に対して競争力の高い商品とすること、また徹底した進捗管理により開発遅延を発生させないことが重要であると認識しております。

 

③人材の育成と確保

当社グループの音声認識・CRM事業分野を含むソフトウエア業界は、常に先進的な技術を取り入れ、技術開発を継続するために、専門的な知識を有する技術者の確保が重要です。しかし、近年多くの分野でIT技術者が需要に対して不足している状況です。当社ではこのような状況においても、人事評価制度やテレワークの定着等一人ひとりがライフスタイルに合った勤務形態を選択できるような就業環境等を整え、優秀な技術者の獲得および定着を図るとともに、社員を育成することが重要であると認識しております。

 

④内部統制システム

当社グループの継続的発展と企業価値の向上には、有効な内部統制システムとその適切な運用が不可欠と認識しております。当社は、2021年6月に監査等委員会設置会社へ移行し、取締役会の監督機能を強化いたしました。今後も当社グループは、コーポレート・ガバナンスのより一層の充実を図り、内部統制システムの強化およびその運用の更なる徹底に努めてまいります。

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