業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当事業年度の期首から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことに伴い、当事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び税引前当期純利益はそれぞれ470千円減少しており、利益剰余金の当期首残高は9,569千円減少しております。収益認識会計基準等の適用の詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。

 

① 経営成績の状況

 当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、全国各地で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発出され、社会経済活動が制限されるなど、厳しい状況が続きました。2022年3月以降は新型コロナウイルスの感染者数が抑制されたことで、活動制限の緩和により消費活動が徐々に正常化に向かう一方、感染再拡大の懸念、急激な円安による為替相場の変動やロシア・ウクライナ情勢に起因する資源価格の高騰など、先行きが不透明な状況は現在も続いております。

 アプリケーションサービス事業と関連性が高い宿泊旅行業界においては、2021年7月から9月にかけての緊急事態宣言の発令、2022年1月から3月にかけてのまん延防止等重点措置の適用など、行動が制限される期間が長期におよび、特に当事業年度前半から2022年3月頃までは厳しい状況が続きました。しかしながら、後半には3年ぶりに迎えた行動制限のないゴールデンウィークや、2022年6月10日から観光目的の入国に対しても制限が若干緩和されるなど、宿泊需要回復に繋がる明るいニュースもあり、宿泊旅行業界にも少しずつ回復の兆しが見え始めてきました。2021年7月から12月までの延べ宿泊者数は前年同期比4.5%増*、宿泊施設全体の稼働率は3.1ポイント増*にとどまったのに対し、2022年1月から5月の前年同期比は、延べ宿泊者数で25.1%増*、稼働率で11.5ポイント増*と、当事業年度後半にかけて回復が見られています。一方で、新型コロナウイルス感染症の再拡大の懸念も拭えない状況であり、感染状況や市場動向を引き続き注視していく必要があります。

 このような事業環境の中、『TEMAIRAZU』シリーズでは、宿泊施設の業務の効率化や非対面化を図る一助となる為のシステム連携や、宿泊施設の販路拡大を目的とした国内宿泊予約サイトとの連携、そして『TEMAIRAZU』シリーズの機能拡充など、サービス価値向上に努めてまいりました。

 その結果、当事業年度の売上高は1,631,008千円(前期比1.3%増)となりました。また、営業利益は1,168,218千円(前期比2.1%増)、経常利益は1,179,352千円(前期比2.8%増)、当期純利益は782,582千円(前期比3.2%増)となりました。

*日本政府観光局発表の数値に基づき集計

 

 

前事業年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

(千円)

当事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

(千円)

前期比

金額

(千円)

増減率

(%)

売上高

1,610,382

1,631,008

20,626

1.3

営業利益

1,144,273

1,168,218

23,944

2.1

経常利益

1,147,529

1,179,352

31,823

2.8

当期純利益

758,413

782,582

24,169

3.2

 

 各セグメントの状況は以下のとおりです。

 

(アプリケーションサービス事業)

 当事業年度においては、インバウンドによる宿泊需要の回復が見込めない中での宿泊施設の販路拡大を目的に、長期滞在顧客の集客により安定収益獲得を目指す事ができる、グッドルーム株式会社のホテル暮らしのサブスクリプションサービス 『goodroomホテルパス』及び株式会社NOW ROOMの家具家電付き賃貸プラットフォーム『NOW ROOM』との連携、そして株式会社attaが展開するビッグデータとAIを駆使したユニークな旅行検索&予約サービス『atta』との連携など、特徴のある宿泊予約サイトとのシステム連携を行いました。また、日本旅行の予約システム『Webダイレクトシステム』やジャルパックの予約システム『eエントリーシステム』、エイチ・アイ・エスの宿泊予約サイトとの連携など、国内の販売チャネルとの連携を積極的に進めました。人手不足の解消や業務効率化、非対面化を図る為のシステム連携においては、株式会社アクティバリューズが提供する顧客対応AIソリューション『talkappi』、7gardenのクラウドシステム『tuna』、株式会社スマートホテルソリューションズの顔認証によるAIホテル受付管理システム『スマートホテルマネージャー』、そして株式会社リクリエのSaaS型チェックインシステム『Tabiq』との連携を開始しました。『TEMAIRAZU』シリーズの機能拡充においては、以前より開発・提供してきた宿泊予約システム「手間なし」を全面リニューアルした『手間なしNEXT』を、TEMAIRAZUオプション機能として追加しました。また、TEMAIRAZU上で宿泊プランを作成・編集し複数サイトへ一括登録することができる便利な『プラン一括管理』機能を世界最大規模の旅行ECサイト『Booking.com』にも対応可能としました。さらに、キャンセルされた宿泊予約がキャンセル料の対象となる場合や、宿泊予約をした宿泊客が連絡もないまま現れない「ノーショー」が発生した場合に、キャンセル料を徴収できる『ノーショー決済機能』も搭載しました。 これらのシステム連携や機能の拡充を行う事でサービス価値の向上に努め、宿泊施設の売上および利益の拡大に必要不可欠なサービスとなるべく取り組みました。

 営業活動においては、2022年2月に東京ビッグサイトにて開催された大規模イベント『国際ホテルレストランショーHCJ2022』に出展しました。その他、『TEMAIRAZU』シリーズのWeb勉強会の開催や、パートナー企業との共同ウェビナーの開催など、引き続きオンラインも活用しながら、シェア拡大に向け営業・プロモーション活動を積極的に行いました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により減少した宿泊需要はまだ回復には遠い状況であり、後半には落着いてきたものの、当事業年度においても宿泊施設の休館や閉館、事業からの撤退などによる解約が発生するとともに、特に行動制限が続いた2021年7月から2022年3月にかけては月額変動収入も伸び悩む状況となりました。行動制限が解除されてからの3月以降には宿泊需要にも回復の兆しが見え始め、その影響が当社の売上及び利益にも現れました。

 この結果、アプリケーションサービス事業の売上高は1,600,126千円(前期比2.2%増)、セグメント利益は1,284,097千円(前期比3.3%増)となりました。

 

(インターネットメディア事業)

 比較サイト『比較.com』においては、広告出稿の見直し、検索エンジンの最適化、ユーザーインターフェイスの改善、モバイルユーザビリティの向上等の対策を継続するとともに記事コンテンツの更なる充実を図りましたが、インターネットでの巣ごもり需要が弱まっている影響もあり、インターネットメディア事業の売上高は30,881千円(前期比30.7%減)となり、セグメント利益は 17,319千円(前期比36.3%減)になりました。

 

② 資産、負債及び純資産の状況

 当事業年度における資産合計は、前事業年度末に比べ579,826千円増加し、5,378,320千円となりました。

 流動資産は585,363千円増加し、5,322,646千円となりました。主な要因は現金及び預金の増加563,237千円、売掛金の増加25,399千円等であります。固定資産は5,537千円減少し、55,674千円となりました。主な要因は繰延税金資産の減少4,980千円等であります。

 当事業年度における負債合計は、前事業年度末に比べ27,511千円減少し、289,120千円となりました。

 流動負債は27,511千円減少し、289,120千円となりました。主な要因は利益減少による未払法人税等の減少12,450千円等であります。なお、当社に固定負債はありません。

 当事業年度における純資産合計は、前事業年度末に比べ607,337千円増加し、5,089,200千円となりました。主な要因は当期純利益782,582千円の計上による増加と配当金の支払い168,461千円、また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用による利益剰余金の期首残高の減少9,569千円であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ563,237千円増加し、5,047,336千円となりました。

 

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は730,587千円(前事業年度は689,669千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益1,179,352千円による増加と法人税等の支払405,171千円の減少等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果獲得した資金は1,258千円(前事業年度は1,898千円の使用)となりました。これは、敷金の回収による収入1,258千円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は168,608千円(前事業年度は175,030千円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払い168,187千円によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 該当事項はありません。

 

ロ.受注実績

 該当事項はありません。

 

ハ.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

金額(千円)

増減率(%)

アプリケーションサービス事業

1,600,126

2.2

インターネットメディア事業

30,881

△30.7

合計

1,631,008

1.3

(注) セグメント間の取引はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、本文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたって、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社の財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目はありません。

 

② 経営成績の分析

 当社の当事業年度の売上高は前年同期比20,626千円増(同1.3%増)の1,631,008千円、営業利益は23,944千円増(同2.1%増)の1,168,218千円となりました。それらの要因について市場背景を含めてご説明いたします。

(売上高)

 当社の主力事業であるアプリケーションサービス事業での売上高は1,600,126千円(前期比2.2%増)となり、当社の売上高の増加に寄与しております。

 当事業年度において、アプリケーションサービス事業は、新型コロナウイルス感染症の再拡大による行動規制によって通信料売上が伸び悩むと共に、閉館や休館による解約も発生し当社にとっても厳しい状況となりましたが、後半には人流も少しずつ活発化し宿泊需要の回復の兆しが見られ、当社の売上高・利益にも反映されたかたちとなりました。

(営業損益)

 当社では、営業力及び商品開発強化などに対応する体制強化を行う一方で、業務改善等による生産性の向上に努めております。当事業年度においては営業・開発費用の支出及び設備投資費用が増加したものの、それ以上に費用の抑制ができた結果、営業利益率は71.6%(前年同期比0.5ポイント増)となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社の運転資金需要のうち主なものは、システムの開発・運用にかかわる原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金を基本としております。現在金融機関からの借入はなく無借金経営であります。

 なお、当事業年度における現金及び現金同等物の残高は5,047,336千円となっております。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、経営規模に関する指標として売上高、収益性に関する指標として売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。

 売上高については、当事業年度における売上高は1,631,008千円(前期比1.3%増)でした。当社ではまず売上高のトップラインを伸ばしていくことに注力し、契約数の増加や1施設あたりの売上高の向上に取り組んでまいります。

 営業利益率については、当社がお客様に高付加価値に製品を提供できているかの指標となると考えております。急激な変化がないように投資のバランスを考慮しつつも、製品力強化のために必要なコストをかけていくことは怠りません。

 

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