業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しております。詳細は「第5 経理の状況 1.財務諸表等」の注記事項(会計方針の変更)に記載のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の状況の様相変化による経済活動の制限緩和に伴い、企業収益や雇用情勢も少しずつ改善の動きが出てきました。一方、ロシアのウクライナ侵攻に伴う経済制裁の動きや米国金融引き締めに端を発する円安の進行など、景気の先行きは依然として不透明で厳しい状況が続いております。

当社が属するフリーペーパーおよび広告業界は、WebやSNSが益々勢いを増すなど広告媒体の多様化と価格競争が恒常化しており、コロナ禍の影響も未だ色濃く残るなど、環境としては厳しい状況が続いております。

このような経営環境のなか、当社は昨年12月に公表しました「中期経営計画」に沿って事業展開を進めてまいりました。紙面関連事業においては、地域新聞として、新型コロナ関連情報をはじめ地域住民の必要とする身近な話題、政治・経済・スポーツ・文化・教育等幅広い分野のニュースを丁寧に取材・記事化し、真に地域に密着した話題性の高い紙面を提供することで、競合他社との差別化を図ることに引き続き注力いたしました。広告営業面では、コロナ禍で低迷していた民間需要が徐々に回復するなか、「こどもタウンニュース」の定期発行化やその発行エリアの拡大、「SDGs」や「介護」「地域の安全・安心」といったテーマやターゲットをしぼった全社一斉企画、行政・団体広告の取り込みなどに注力してまいりました。

デジタル事業については、「Web版タウンニュース」や「メール版タウンニュース」に加え、「タウンニュースfor LINE」の配信を開始するなど、強化、進化を図ってまいりました。また、スピンオフサイトである「政治の村」やご近所情報サイト「RareA(レアリア)」の拡充により、紙面とは異なる広告需要の取り組みにも引き続き注力してまいりました。

さらに、非紙面事業では、「地域の情報をビジネスに換える」とのスローガンを掲げ、紙面広告以外の多様な地域ニーズへの対応を進め、企業や学校の周年記念誌、ポスターやチラシ等一般印刷物、販促グッズ、ホームページの制作、動画制作、イベントの企画運営、自治体からのプロポーザル案件など多くの分野で成果をあげることができました。また、本年4月からPPP(公民連携)事業の一環として、「秦野市文化会館」の指定管理業務を開始し、新たな事業領域ながら当社のリソースを活かした展開で着実な一歩を踏み出しております。

これらの施策により、紙面広告売上、Web関連売上、非紙面事業売上ともに順調に増加し、当事業年度の売上高は新型コロナウイルス感染症拡大以前の水準にまで回復することが出来、前事業年度を上回る結果となりました。

利益面では、売上増加と合わせて折込部数の適正化等による売上原価の削減や経費の圧縮等に努めた結果、本年4月発表の業績予想には届かなかったものの、営業利益、経常利益、当期純利益ともに、前事業年度を大きく上回る結果となりました。

以上の結果、当事業年度の業績は、売上高3,248百万円(前年同期比10.4%増)、営業利益378百万円(前年同期比55.6%増)、経常利益455百万円(前年同期比58.7%増)、当期純利益310百万円(前年同期比60.8%増)となりました。

 

 当事業年度における財政状態は、次のとおりであります。

(資産)

事業年度末の資産合計につきましては、前事業年度末に比べ358百万円増加し4,538百万円(前年同期比8.6%増)となりました。これは主に、売掛金が16百万円減少したものの、現金及び預金が231百万円、投資有価証券が105百万円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

負債合計につきましては、前事業年度末に比べ106百万円増加し、607百万円(前年同期比21.4%増)となりました。これは主に、未払法人税等が56百万円、退職給付引当金が28百万円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

純資産合計につきましては、前事業年度末に比べ251百万円増加し、3,931百万円(前年同期比6.8%増)となりました。これは主に、利益剰余金が233百万円、その他有価証券評価差額金が18百万円増加したことによるものであります。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ111百万円増加し、754百万円となりました。

当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は、411百万円(前年同期比166百万円増)となりました。これは主に、税引前当期純利益(457百万円)、減価償却費(37百万円)、退職給付引当金の増加額(28百万円)、売上債権の減少額(16百万円)、その他の流動負債の増加額(18百万円)等の増加要因が、受取利息及び受取配当金(15百万円)、投資有価証券売却益(32百万円)等の減少要因を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出された資金は、222百万円(前年同期比198百万円増)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出(132百万円)、有形固定資産の取得による支出(33百万円)、投資有価証券の取得による支出(337百万円)等の要因が、投資有価証券の売却による収入(188百万円)、その他投資資産の増加(90百万円)等の要因を上回ったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、77百万円(前年同期比11百万円増)となりました。これは主に、配当金の支払い額(77百万円)であります。  

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当社は単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況については、主要な事業部門であるタウンニュース事業について記載しております。

(1) 生産実績

当事業年度の主要な事業部門の生産実績を示すと、次のとおりであります。

 

事業部門

当事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日

(千円)

前年同期比(%)

タウンニュース事業部門

1,149,948

6.6

 

(注) 金額は売上原価によっております。

 

(2) 受注状況

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当事業年度の主要な事業部門の販売実績を示すと、次のとおりであります。

 

事業部門

当事業年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日

(千円)

前年同期比(%)

タウンニュース事業部門

3,248,705

10.4

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当社の自己資本比率は、当事業年度末において86.6%となっており、現状、財政状態につきましては大きな懸念はないものと認識しております。当事業年度末において、当社は無借金経営であり、今後もその健全な財務状態を基盤として、将来の事業展開のための設備投資や安定配当の継続など、企業価値の向上に努めてまいります。

 

b.経営成績の分析

(売上高)

売上高につきましては、前事業年度に比べ305百万円増加し、3,248百万円(前年同期比10.4%増)となりました。主な要因等については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価は前事業年度に比べ70百万円増加し、1,149百万円(前年同期比6.6%増)となりました。これは、売上増に伴う印刷費等の増加によるものです。

販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ99百万円増加し、1,720百万円(同6.2%増)となりました。これは、主に給与や賞与等人件費や福利厚生費等が増加したことによるものであります。

 

(営業利益)

営業利益は、前事業年度に比べ135百万円増加し、378百万円(同55.6%増)となりました。売上高の増加分が販売費及び一般管理費の増加分を上回り、前年を大きく上回りました。

 

(営業外収益、営業外費用)

営業外収益は、前年度と比較して受取配当金の増加や株式売却益があったことから前年より増加し83百万円(同68.1%増)となりました

営業外費用は、主に不動産賃貸費用5百万円を計上し、6百万円(前年とほぼ同額)となりました

 

(経常利益)

経常利益は、前事業年度に比べ168百万円増加し、455百万円(同58.7%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失)

特に大きなものはありません。

 

(税引前当期純利益)

税引前当期純利益は、前事業年度に比べ170百万円増加し、457百万円(同59.5%増)となりました。

 

(当期純利益)

当期純利益は、前事業年度に比べ117百万円増加し、310百万円(同60.8%増)となりました。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、経営活動に必要な資金の調達を自己資金にて賄っており、借入等の予定はありません。余裕資金の運用は定期預金を中心とした安全で流動性の高い金融資産であり、流動性を確保しております。 

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況1.財務諸表等」の注記事項(重要な会計方針)に記載しております。財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は異なる場合があります。

 

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(繰延税金資産)

当社は、繰延税金資産の回収可能性の判断について、将来の課税所得等の前提条件に基づき算出しております。従って、税制改正や経営環境の変化等により当初見込んでいた課税所得が得られなかった場合、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。

 

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