業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本項における将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

経営成績等の状況の概要

(1)経営成績

 当社グループの当連結会計年度の売上高は、7,040,137千円(前期比11.6%増)、営業利益は、435,640千円(同24.0%増)、経常利益は、470,748千円(同23.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、253,152千円(同5.3%減)となりました。

 当連結会計年度における市場環境は、今般のコロナ禍がもたらした急激な社会変化に対応する為に、企業は、働き方改革や競争力強化に向けたビジネス変革(DX:デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを更に加速させました。それらを支えるIT投資も高い水準を維持致しました。こうした市場環境のもと、当社グループでは、引き続き2021-2023第1次中期経営計画の基本方針「労働集約型ビジネスから、知識集約ビジネスへの転換をはかることで、早期に営業利益10億円を目指す」を実現すべく、当連結会計年度は以下4点を基本方針として事業を推進致しました。

1.「Expand(拡げる)」:これまで培った海外メーカとの取引に加えて、日本国内のITエンドユーザー企業の直接の取引拡大を図る。

2.「Deep Dive(掘り下げる)」:近年リリースして参りました自社サービスを中心に、既存のお客様に対してクロスセル&アップセルを図る。

3.「Secure(守る)」:当社サービスを継続してご利用いただけるように、顧客満足を高めることで差別化を図る。

4.「Create(創る)」:変化する顧客のニーズに対応したサービスを創り続ける。

 具体的には、以下のリリースを行いました。

 

1.2.の事例として、

・2021年5月19日に「マンダム社様のお客さま相談室へのAI チャットボット導入」をリリース致しました。

・2021年6月8日に「すべてのビジネスパーソンの DX 推進スキル習得を支援する研修Learning Booster for DX人材育成のカリキュラムを拡充」をリリース致しました。

・2021年6月30日に再公開された中小企業基盤整備機構様の起業相談チャットボット「起業ライダーマモル」の運用・保守を受託致しました。

・2021年8月20日に中小企業基盤整備機構様のオンラインの経営相談サービス「E-SODAN(イーソーダン)」の保守運用業務を受託し8月より運用を開始致しました。

・2021年12月15日に日本コンピュータ・ダイナミクス社様が運営する駐輪場にて「Third AIコンタクトセンターソリューション」を活用したLINEチャットボット実証実験を実施致しました。

・2022年2月8日にアプリケーションのコンテナ化を支援する「コンテナリゼーションPoCサービス」をユニオンシンク社様に導入致しました。

・2022年3月17日ITメーカーに向けてテクニカルサポートサービス「Sprinta(スプリンタ)」を3段階の料金プランで提供を開始致しました。

 

4.の事例として、

・2021年6月22日に成功報酬型育成プログラム「未経験者向けIT人材育成ブートキャンプ」の提供を開始致しました。

・2021年6月29日に「アプリケーションのコンテナ化実現性を検証するコンテナリゼーション PoC サービス」の提供を開始致しました。

・2021年12月9日に内部不正による情報漏えい対策「Proofpoint ITM for Cloud」の提供を開始致しました。

・2022年1月27日に3D空間データプラットフォーム提供のURBANBASE社様とパートナーシップ契約を締結しメタバース分野の強化をリリース致しました。

・2022年2月22日に内部不正対応のマネージドセキュリティサービスの提供を開始致しました。

・2022年3月24日プルーフポイント社様のパートナーアワード「サービスパートナー・オブ・ザ・イヤー賞」を上記取組みの結果、2年連続で受賞致しました。

 

 各セグメントの状況は、以下の通りです。

 なお、当連結会計年度より、当社の組織体制の変更に伴い、従来「デジタルイノベーション事業」に含めておりましたプロジェクト推進部門を「ライフサイエンスサービス事業」に含めることといたしました。以下の前期比較については、前期の数値を変更後の区分により組替えた数値で比較しております。

 

①教育ソリューション事業

 当事業は、海外メーカーやサービスベンダーが日本市場へ参入した際に、必要となるエンドユーザー向けの技術トレーニング事業を請け負うほか、当社独自のICTの最先端技術トレーニングの提供と、スキルの棚卸しから不足するスキルを補う教育までのサイクルを総合的にコンサルティングする人財コンサルティングサービスを提供しております。当事業は、今般の新型コロナウイルス感染症によってビジネスモデルの転換が急務となっております。新規ソリューション創出のための先行投資を行ったことに加え、固定費による利益の圧迫があった為、減益となりました。

 以上の結果、教育ソリューション事業の当連結会計年度の売上高は598,859千円(前期比11.8%減)、セグメント利益は124,648千円(同24.7%減)となりました。

②ICTソリューション事業

 当事業は、ICTシステムの設計・構築・運用・保守サービスを提供しております。当連結会計年度は、ハードウェアメーカー向け事業の撤退に対してダイレクトユーザービジネスが拡大した為、売上高は前年並みとなりました。また利益面ではエンジニアの稼働率が高く推移したことから増益となりました。

 以上の結果、ICTソリューション事業の当連結会計年度の売上高は3,176,025千円(前期比2.2%減)、セグメント利益は624,068千円(同12.4%増)となりました。

③西日本ソリューション事業

 当事業は、西日本地域におけるICTシステムの運用・保守サービスとライフサイエンスサービスを提供しております。当連結会計年度は、九州・関西地域のICTサービスが拡大した為、増収増益となりました。

 以上の結果、西日本ソリューション事業の当連結会計年度の売上高は1,025,201千円(前期比11.8%増)、セグメント利益は224,384千円(同40.2%増)となりました。

④ライフサイエンスサービス事業

 当事業は、ICTが応用的に使われている医療機器、化学分析装置などの据付・点検・校正・修理等の保守サービスと海外医療機器メーカー向けの日本市場参入をサポートするコンサルティングサービスを提供しております。当連結会計年度は、医療・化学分析装置の保守サービスが回復したことと、医療ICT事業が拡大した為、増収増益となりました。

 以上の結果、ライフサイエンスサービス事業の当連結会計年度の売上高は1,389,635千円(前期比40.3%増)となり、セグメント利益は156,111千円(同54.0%増)となりました。

⑤デジタルイノベーション事業

 当事業は、デジタルトランスフォーメーション時代において中核事業となるAI・RPA関連サービスとデジタルマーケティングサービスを提供しております。当連結会計年度は、セキュリティ大型案件とThirdAI案件の受注増加により大幅な増収となりました。

 以上の結果、デジタルイノベーション事業の当連結会計年度の売上高は850,415千円(前期比78.0%増)、セグメント損失は39,388千円(前期は79,001千円のセグメント損失)となりました。

⑥その他

 当事業は①~⑤に属さないその他の事業であり、インド支店、海外プロジェクト案件が含まれます。当連結会計年度は、インド国内は昨年6月から徐々にロックダウンが解除され、営業活動を順次再開致しました。インドのIT系の優れた学生を、見い出し日本企業に派遣及び紹介するエンジニア紹介事業と、インドの優れたIT技術を持つ企業を、見い出し日本市場参入をサポートするITI(India Technical Import)事業を展開すべくマーケティング活動を中心に行いました。

 以上の結果、その他の当連結会計年度の売上高は-千円(前期は198千円)、セグメント損失は17,291千円(前期は12,599千円のセグメント損失)となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比し329,697千円増加し2,228,798千円となりました。

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果、得られた資金は503,577千円(前連結会計年度は200,409千円)でありました。これは、主として税金等調整前当期純利益401,153千円の計上、仕入債務の増加84,263千円、法人税等の支払118,675千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果、使用した資金は57,203千円(前連結会計年度は75,350千円)でありました。これは、主として資産除去債務の履行による支出25,279千円、有形固定資産の取得による支出21,474千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果、使用した資金は118,729千円(前連結会計年度は297,040千円の取得)でありました。これは、配当金の支払118,729千円によるものであります。

 

生産、受注及び販売の状況

(1) 生産実績

 当社グループは、保守管理業務を中心とした技術サービスを提供する事業を主としていることから、生産実績はございませんので、記載を省略しております。

(2) 受注実績

 当社グループが顧客企業と締結している契約で規定されているのは、料金算定の基礎となる単価等であり、受注金額に必要なサービス対応作業時間等については、都度契約等による依頼業務に応じて頻繁に変動します。従いまして、受注金額を確定することが困難な状況であるため、同数値の記載を省略しております。

(3) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前期比(%)

教育ソリューション事業(千円)

598,859

88.2

ICTソリューション事業(千円)

3,176,025

97.8

西日本ソリューション事業(千円)

1,025,201

111.8

ライフサイエンスサービス事業(千円)

1,389,635

140.3

デジタルイノベーション事業(千円)

850,415

178.0

 報告セグメント計(千円)

7,040,137

111.6

その他(千円)

合計(千円)

7,040,137

111.6

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容

(1)財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産合計につきましては、前連結会計年度末と比し268,607千円(6.2%)増加し4,569,159千円となりました。うち、流動資産は400,476千円(11.1%)増加し4,023,363千円となりました。これは主に、現金及び預金、受取手形、売掛金、契約資産の増加によるものであります。固定資産は131,868千円(19.5%)減少し545,795千円となりました。これは主に、投資有価証券、差入保証金の減少によるものであります。

 負債合計につきましては、前連結会計年度末と比し117,319千円(7.0%)増加し1,803,604千円となりました。これは主に、前受金の減少に対し、未払法人税等、退職給付に係る負債、買掛金等の増加によるものであります。

 純資産合計は、前連結会計年度末と比し151,287千円(5.8%)増加し2,765,554千円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。

 

(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 ① キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」にて記載した通りであります。

 ② 資金需要

 当社グループの資金需要のうち主なものは、教育施設拡充及びソフト開発資金であり、これらに伴う家賃、開発人件費、外注加工費及びサーバ等の維持管理に必要なシステム費用等であります。

 

(3)経営成績の分析

 ① 売上高

 当連結会計年度の売上高は7,040,137千円でありました。

 その主な要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績」にて記載した通りであります。

 ② 売上原価、売上総利益

 当連結会計年度の売上原価は5,818,713千円でありました。
 これにより、売上総利益は1,221,423千円となりました。

 ③ 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は785,783千円となりました。

 ④ 営業利益

 当連結会計年度における営業利益は435,640千円となりました。

 ⑤ 営業外損益

 当連結会計年度の営業外損益は、営業外収益36,130千円、営業外費用1,021千円となりました。営業外収益の主な内訳は、受取出向料13,602千円、為替差益11,941千円、雇用調整助成金2,953千円であります。営業外費用の主な内訳は、株式報酬費用消滅損520千円、コミットメントフィー493千円であります。

 ⑥ 経常利益

 当連結会計年度における経常利益は470,748千円となりました。

 ⑦ 特別損益

 当連結会計年度の特別損益は、特別損失69,594千円となりました。特別損失の主な内訳は、投資有価証券評価損49,500千円、減損損失17,292千円であります。

 ⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は253,152千円となりました。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 ロシア・ウクライナ情勢及び新型コロナウィルス感染症による影響は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な経営環境及び対処すべき課題」に記載のとおり見込んでおります。

 

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