事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年2月24日)現在において当社グループが判断したものです。

(1)特定の取引先への依存について
 当社は、輸入青果物の市場外流通に関わる事業者(以下、アライアンス企業)とともにサプライチェーンを構築した際、利用する基幹情報システムの開発・運用・保守、および事務業務代行を役割としたシェアードサービスを提供することで事業を開始しました。
 川上から川下までの企業の生産(輸入)・加工・物流・販売等の情報の一元化と、受注・引当・出荷・請求等の業務オペレーションの標準化により、青果物の廃棄ロスの削減、在庫の適正化、事務コストの削減などアライアンス企業のサプライチェーンの価値を高めるサービスを提供してきました。また、提供サービスの課金体系も、基幹情報システムを利用したデータ量に応じた課金、事務代行については業務処理量に応じた課金であり、顧客の利用状況に合わせた従量制となっております。
 以下は、主要なアライアンス企業と当社の事業上の関係を図示したものです。

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 図表のアライアンス企業向けの売上構成比率は創業時からの事業でもあるため、高い水準にあります。今後とも各社との取引の維持、拡大を図ってまいりますが、アライアンス企業の経営環境の変化にともない、各社の業績不振などにより、当社システム利用の一部見直しや、当社に委託している事務業務の一部を内製化する等の方針変更の可能性等により、当社のシステム利用データ量、業務処理量が減少した場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)取引先情報の管理について

 当社グループは、情報サービス企業として、青果物サプライチェーンに対応した「イーサポートリンクシステム」、小売量販店のデマンドチェーンに対応した「生鮮MDシステム」、農産物の生産履歴管理システムである「農場物語」など、複数のシステムによりサービスを提供し、顧客の生産・販売数量や仕入・販売価格などの重要な情報、また農産物生産者の個人情報等をシステムにより管理しております。また、システム開発や運用業務の一部について、外部委託をしております。

 システム障害や情報漏えいなど万一の場合に備えて、コンピュータセキュリティの強化、保守体制の構築、「ISO/ICE27001:2013」認証取得によるシステム運用・管理ルールの徹底、外注先への秘密保持契約の締結と監督など、複数の対策を実施しております。しかしながら、災害によるソフトウエアやネットワーク、コンピュータ機器等が被災した場合のシステム障害の発生や内部情報の消失、当社の想定を超えた不正アクセスや予測不能のコンピュータウィルス感染などによる情報漏洩、データの改ざんなどの被害を受ける可能性があります。このような事態が発生した場合、当社の社会的信用や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)新規事業への取り組みについて

 当社グループは、事業の拡大と収益基盤の強化を図るため、新規事業への展開を積極的に進めております。しかしながら、業界動向、市場動向及び法的規制等の事業環境の変化により、新規事業が当初予定していた計画を達成できず、投資に見合うだけの十分な収益を計上できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)生鮮青果物の流通量および価格変動について

 当社グループの提供するシステムおよび業務受託サービスは、生鮮青果物の生産者から中間流通業者、小売業者ま

で、青果物業界の川上から川下までの事業者等を主な対象としております。また、小売店等に農産物等を販売する事

業も行っております。

 生鮮青果物は、生産量や品質が天候に左右されるという特徴があり、当社サービスは、顧客がシステムを利用する

データ量や業務受託量による従量課金制を採用しているため、天候不順や自然災害で青果物の生産量が著しく減少

し、当社の取り扱い業務量が減少した場合や、相場により農産物の仕入価格の高騰や販売価格が下落した場合には、

経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、輸入青果物においては、生産国の政治的な事情や為替相場の影響

などにより、日本への輸入量が減少した場合なども、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)人材の確保と育成について

 当社グループが実施するサービスについては、優秀な人材の確保と教育体制の充実による継続的な人材育成が必要

不可欠であると認識しております。適切な人員の確保や育成ができなければ、事業拡大など会社の成長に影響をあた

える可能性があります。また、人材の確保・育成が順調に進んだとしても、その人材が外部流出することにより、人

的戦力の低下、ノウハウの流出、知的財産、その他の機密情報も流出する可能性があります。

 当社グループでは人材の流出を防止するための施策として、透明性の高い人事考課の徹底、従業員持ち株会制度を

導入しています。さらに、社内規則として機密保持について規定し、周知徹底を図るとともに、退職時には機密保持

に関する念書を徴収しておりますが、これらの対応が将来においても効果的に機能する保証はなく、今後、人材の流

出が進んだ場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)知的財産権及び訴訟の可能性について

 当社グループの情報システムやビジネスモデルについて、特許権や実用新案権の対象となる可能性があるものにつ

いて、権利保護を目的として各種申請を行っており、今後も適切な措置を講じていきます。当社グループの知的財産

権等が第三者から侵害された場合、知的財産権保全のために訴訟を提起しなければならないこととなり、多額の訴訟

費用が費やされる可能性があります。

 また、ソフトウエア等に関する技術革新の急速な進展等により、当社の開発した情報システムが第三者の知的財産

に抵触する可能性を的確に想定、判断できない可能性があります。第三者により知的財産権等の侵害を主張され、損

害賠償や使用差し止めの訴えなどにより、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さら

に、当社グループの提供しているシステムの障害や重大な人為的ミス等により、顧客に損害を与える可能性があり、

顧客から訴訟を提起された場合にも、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)自然災害等の影響について

 当社グループは、南海トラフ巨大地震や首都圏直下地震などの大規模な地震をはじめとする災害や新型インフルエ

ンザなどの感染症の発生などを想定し、必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧のための対策について、事業継

続計画(BCP)を策定しております。しかし、災害や感染症などが発生した場合のリスク全てを回避することは困難

であり、また、昨今の気候変動などに伴う災害の大規模化により、想定していない規模での発生も考えられるため、

その場合は、事業活動の縮小など、当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)固定資産の減損について

 当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化により、事業の収益性が低下した場合や、市場

価格が著しく下落した場合などには、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの業績に影

響を及ぼす可能性があります。

 

(9)新型コロナウイルス感染症の感染拡大のリスクについて

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続く中、対策本部を設置し、顧客・取引先及び従業員の健康と安全確保のため、6項目からなる「感染防止基本行動」を定め、その徹底に努めております。

 また、出張や長距離移動の原則禁止(やむを得ない場合は、PCR検査又は抗原検査の義務付け)、Webを用いたリモート会議の活用、可能な範囲での在宅勤務や時差出勤等の取り組みを行っております。

 今後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が長期化し、緊急事態宣言の発令や外出自粛等の制限が行われた場合、営業活動に大きな支障が発生し、当社グループの財政状態や経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

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