当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
また、当社グループは、飲料の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度の売上高は519億9千8百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は6億9千8百万円(前年同期比17.7%減)、経常利益は11億1千7百万円(前年同期比11.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億3千2百万円(前年同期比24.7%減)になりました。
財政状態につきましては、資産は前連結会計年度に比べ4億8千1百万円減少の489億8百万円となりました。負債は、8億2千1百万円増加の84億7千4百万円となりました。純資産は、13億2百万円減少の404億3千3百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べ17億1千1百万円減少し、94億6千3百万円になりました。
活動ごとのキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
営業活動によって得られた資金は、31億2千7百万円(前連結会計年度は33億2千1百万円の収入)になりました。これは、税金等調整前当期純利益10億3千2百万円、減価償却費20億8千7百万円などに対し、退職給付に係る資産負債の減少2億8千9百万円などによるものです。
投資活動の結果によって使用した資金は、20億5千3百万円(前連結会計年度は21億1千6百万円の使用)になりました。これは、主に製造設備や販売機器などの有形固定資産の取得による支出16億1千6百万円、無形固定資産の取得による支出9千6百万円などによるものです。
財務活動の結果によって使用した資金は、27億8千6百万円(前連結会計年度は7億6千1百万円の使用)になりました。これは、自己株式の取得による支出20億7千3百万円、配当金の支払額4億3千8百万円、リース債務の返済による支出2億7千3百万円などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループは飲料の製造・販売事業の単一セグメントであり、開示対象となるセグメントはありませんが、当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは受注を主体とした生産を行っていないため、受注実績の記載を省略しております。
当社グループは飲料の製造・販売事業の単一セグメントであり、開示対象となるセグメントはありませんが、当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 1 相手先別販売実績において、総販売実績に対する該当割合が10%以上の相手先はありません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の業績は、長引く新型コロナウイルスの影響で、自動販売機やコンビニエンスストアにおいて販売が減少したものの、家庭内消費が主力のスーパーやWeb販売は増加し、売上高は519億9千8百万円(前年同期比1.1%増)となりました。利益につきましては、シェア拡大の活動に伴う販売促進費の増加や原材料資材費の高騰の影響などにより、営業利益は6億9千8百万円(前年同期比17.7%減)、経常利益は11億1千7百万円(前年同期比11.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億3千2百万円(前年同期比24.7%減)になりました。
<活動内容>
a 飲料事業の収益力の向上
当連結会計年度における営業上の取り組みとしては、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の量販店においてはオリンピック・パラリンピックをテーマとした売り場展開を行い、販売促進に繋げました。また、ラベルレス商品を中心とした環境配慮型の売り場を作成し、オンラインでの専用商品販売と合わせて、道民の皆様の需要に対応する商品の提供活動に注力しました。
飲食店・観光売店等においては、飲食店用の小容量缶を活用し、テイクアウトメニューへの追加提案や、店内飲食時における店舗オペレーションを効率的に行うため、商品を缶のまま提供する直接サーブ提案などを実施しました。
さらに、家庭内需要に対応するべく、量販店においては水やお茶等の商品をお求めやすい価格で販売したほか、集合住宅等の自動販売機で当社商品のアレンジメニューをQRコードで紹介する等の訴求を行いました。
新商品としては、抹茶100%を贅沢に使用し、抹茶の味わいを引き立てる上品なミルクの味わいをお楽しみいただける「綾鷹カフェ 抹茶ラテ」、手淹れ品質の香り高くリッチで奥深いPETボトルコーヒー「コスタ ブラック」、「コスタ カフェラテ」、「コスタ ラテ エスプレッソ」、やかんで煮出した本格的な麦茶の味わいを目指す「やかんの麦茶 from 一(はじめ)」、「檸檬堂」に次ぐ新たなアルコールブランドとして、たっぷり果汁とこだわりの製法で作られた、丸ごと感じるレモンの果実感にジュニパーベリーの香りが特徴の「ノメルズ ハードレモネード」を発売しました。
b 非飲料事業の成長
非飲料事業の成長に向けた取り組みとしては、グループ会社を中心に、新型コロナウイルスへの対策として公共施設やオフィス等を対象に抗ウイルス・抗菌施工を行いました。さらに、当社グループの物流網や協力企業ネットワークを活用した物流業務に加え、コールセンター業務や他機器類の設置・保守を一括受託する機材据付業務等のBPO(Business Process Outsourcing)を行いました。
c 経営基盤の強化
経営基盤の強化に向けた取り組みとしては、清涼飲料業界では、プラスチックごみ問題や脱炭素社会の実現への対応が求められる中、各社ラベルレス商品の販売や、リサイクル素材を使用した容器の開発等、環境に配慮し、持続可能な社会の実現を目指す活動を積極的に行っております。また、サブスクリプションやフードロス対応自動販売機等、トレンドに合わせた新しいサービスが拡大しており、引き続きシェア争いが激化しております。
このような変化の激しい環境に対応するため、当社は中期経営計画を策定し、事業計画を達成するために、「変化し続ける環境を勝ち抜くための成長基盤創出と構造改革」を戦略として掲げ、北海道コカ・コーラグループとしての総合力を活かして、競合シェア奪取による利益の確保を目指し、地域に密着した事業活動を展開しました。
また、「北の大地とともに」を合言葉にサスティナビリティ活動を展開し、「SDGs(持続可能な開発目標)」を新たな指標ととらえ、活動を継続してきました。
環境に対する取り組みとしては、コカ・コーラシステムの目標として「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」の実現を掲げ、2030年までにペットボトル素材をサスティナブル素材100%とすること、新たな化石燃料を使用しない容器を完全導入すること、日本国内で販売した同等量のペットボトル容器を回収すること等を目指して進めてまいります。
現在、コカ・コーラシステムの清涼飲料事業におけるリサイクルPET樹脂使用率は28%(2020年実績)ですが、100%リサイクルPETボトルの導入等により、リサイクルPET樹脂使用率を2022年に50%まで高める計画で進めております。
また、コカ・コーラシステムは、日本国内のバリューチェーン全体における温室効果ガスを2030年までにスコープ1、2(工場やオフィス、エネルギーに起因する排出量)において50%、スコープ3(原料の加工、自動販売機などの排出量)において30%(いずれも2015年比)削減することを目指す目標を策定しました。
このような状況の中で、当社は学校法人酪農学園と包括連携協定を結び、学園内の空容器100%リサイクルスキームの共同開発やBCPの共同整備等、産学連携でのSDGs協働提案により、学園内の自動販売機一社管理を実現しました。また、当社札幌工場で飲料生産時に排出される茶殻を、学校法人酪農学園で飼育されている肉牛の飼料とするエコフィードの共同研究を開始する等、環境取り組みを基軸とした提案を行い、販売拡大へ繋げました。
新型コロナウイルス感染症対策としては、当社BCPに則り、従業員やその家族、道民の皆様の健康と安全の確保のため、全従業員のマスク着用、在宅勤務やWeb会議の活用、座席間のパネル設置、希望する従業員とその家族を対象として新型コロナワクチンの職域接種を行い、感染拡大防止に取り組んでおります。
② 当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度における資産は、前連結会計年度に比べ4億8千1百万円減少の489億8百万円となりました。これは主に、退職給付に係る資産が増加したものの、現金及び預金が減少したことによるものです。
負債は、8億2千1百万円増加の84億7千4百万円となりました。これは主に、未払金や繰延税金負債が増加したことによるものです。
純資産は、13億2百万円減少の404億3千3百万円となりました。これは主に、自己株式の消却により利益剰余金が減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は82.7%となり、当連結会計年度の1株当たり純資産額は5,942円66銭となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性の分析
a キャッシュ・フロー分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b 資金需要、資金調達
資金需要としては、商品及び原材料仕入等の運転資金のほか、将来の成長に向けた自動販売機を中心とした販売機器や生産設備等の設備投資資金等があります。また、株主の皆様への利益還元を経営の重点政策と位置づけています。利益の配分については、株主の皆様へ安定配当を行うことを基本とし、財政状態及び経営成績を総合的に判断して実行していきます。
資金調達については、基本的に自己資金で賄うこととしていますが、資金需要の内容、規模、今後の情勢等を勘案し、継続的に最適な資金調達方法の検討を進めていきます。
c 資金の流動性
当社グループはCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、各グループ会社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことにより、資金効率の向上を図っております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、連結売上高、連結営業利益、連結営業利益率、ROEを重要な経営指標としており、その状況については以下のとおりであります。
(単位:百万円)
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、(3)中期経営戦略」に記載のとおりであり、今後も中期経営計画に基づき引き続き企業価値向上を図っていきます。
(3) 重要な会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
① 新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積り
当社グループは固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。
なお、新型コロナウイルス感染症が事業に与える影響については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載のとおりであり、その収束時期を正確に予測することは困難な状況にありますが、当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響が一定期間継続するものと仮定して、会計上の見積りを行っております。
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