業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、4-9月(上期)に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、4月に政府より緊急事態宣言が発出された後も、コロナ第5波の発生による7月から9月にかけた緊急事態宣言の延長もあり、景気・消費の低迷が続きました。10-3月(下期)に関しては、全世代を対象としたワクチン接種が急速に進捗したことや、9月末に緊急事態宣言が解除されたことにより、10-12月にかけて、一時、経済活動の正常化が進みましたが、1-3月にかけては、オミクロン株の拡大によるまん延防止措置や、ロシアのウクライナ侵攻や世界的なインフレ懸念等に伴う原油価格の上昇、急速な為替変動及び世界的な需給バランスの悪化等により、依然として経済の先行きが不透明な状況が続いております。

 国内飲料業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による消費低迷が継続する中、第1四半期(4-6月)では、前年に比べて飲料の消費回復傾向であったものの、第2四半期(7-9月)のコロナ第5波により前年割れとなりました。一方で、第3四半期(10-12月)は、緊急事態宣言が解除されたことで消費が持ち直しましたが、第4四半期(1-3月)では、オミクロン株の世界的な流行により本格的な回復には至らず、当連結会計年度における業界全体の販売数量は、前年同期比3%増(飲料総研調べ)にとどまりました。

 このような状況下、当社グループでは、「ひとが第一」「持続可能な経営」の考えのもと、更なる品質向上を目指した改善活動を活性化する「品質経営」、生産・物流を効率化する「低重心経営」を重点的に推進し、「ふ・け・か(防ぐ・削る・稼ぐ)」の進化に努めてまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、受託製造数量が増加したものの、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用に伴い、当連結会計年度の期首より一部の売上高については、純額計上に変更したため、売上高は9,576百万円(前年同期比22.6%減)、営業損失は387百万円(前年同期は営業損失750百万円)、経常損失は海外飲料受託製造事業(中国)の業績好調による持分法投資利益の増加(当連結会計年度247百万円)等もあり171百万円(前年同期は経常損失564百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益752百万円を計上したことにより、356百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失498百万円)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。

(国内飲料受託製造事業)

 国内飲料受託製造事業につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による市場環境の悪化がありましたが、積極的な受注活動及び低重心経営に努めた結果、当連結会計年度における受託製造数は36,404千ケース(前年同期比11.0%増)、売上高は9,451百万円(前年同期比22.9%減)、セグメント損失は426百万円(前年同期はセグメント損失797百万円)となりました。

 

(海外飲料受託製造事業)

 海外飲料受託製造事業(中国、連結対象期間:2021年1月から12月期)につきましては、事業が好調に推移したことにより、セグメント利益は211百万円(前年同期比0.8%減)となりました。

 

(その他の事業)

 水宅配事業及び水宅配フランチャイズ事業等につきましては、ボトルドウォーターの配送コスト削減等により、セグメント利益は44百万円(前年同期比76.6%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度における流動資産は、4,013百万円となり、前連結会計年度末に比べ436百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が増加したものの、未収消費税等が減少したことによるものであります。

 固定資産は、18,164百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,278百万円減少いたしました。これは主に、固定資産の減価償却によるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度における流動負債は、4,713百万円となり、前連結会計年度末に比べ387百万円減少いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金や未払消費税等が増加したものの、短期借入金や未払金が減少したことによるものであります。

 固定負債は、10,172百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,426百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金や固定資産撤去費用引当金の減少によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度における純資産合計は、7,291百万円となり、前連結会計年度末に比べ99百万円増加いたしました。これは主に、その他有価証券評価差額金が減少したものの、利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,079百万円となり、前連結会計年度末と比べ196百万円増加いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

増減額

営業活動による

キャッシュ・フロー

744

3,000

2,255

投資活動による

キャッシュ・フロー

△5,900

△478

5,421

財務活動による

キャッシュ・フロー

3,905

△2,325

△6,231

現金及び現金同等物期末残高

883

1,079

196

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は3,000百万円(前年同期は744百万円の収入)となりました。これは主に、新缶ラインの稼働、受託製造数の増加による営業収入の増加、消費税の還付収入があったこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は478百万円(前年同期は5,900百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入404百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出676百万円と無形固定資産の取得による支出198百万円あったこと等により資金が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は2,325百万円(前年同期は3,905百万円の収入)となりました。これは主に短期借入金の減少額800百万円、長期借入金の返済による支出が1,316百万円あったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.製造実績

当連結会計年度の製造実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比

金額(千円)

(%)

国内飲料受託製造

7,986,497

△27.2

海外飲料受託製造

その他

69,830

12.0

合計

8,056,327

△27.0

(注)1.上記金額は、製造原価であります。

2.「海外飲料受託製造」は、持分法適用関連会社で構成されております。

3.「その他」の区分は、水宅配事業及び水宅配フランチャイズ事業を含んでおります。

 

b.受注実績

当社グループは、主に清涼飲料の受託製造を行っておりますが、受注実績については毎月末に翌月1ヶ月分(1日から月末まで)の受注高が確定し、その受注高を翌月1ヶ月間に製造完了・売上を行っております。また仮に月末に当月の受注が残った場合でも、顧客との取り決めにより、原則受注残高を翌月に繰り越さないことになっております。従い、当社グループにおける受注残高は、最大でも翌月1ヶ月分のみに限定されておりますので、受注高及び受注残高についての記載は省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比

金額(千円)

(%)

国内飲料受託製造

9,451,317

△22.9

海外飲料受託製造

その他

125,215

1.1

合計

9,576,533

△22.6

(注)1.「海外飲料受託製造」は、持分法適用関連会社で構成されております。

2.「その他」の区分は、水宅配事業及び水宅配フランチャイズ事業を含んでおります。

3.当社グループの売上高には、主なものとして自社調達または顧客から有償支給された原材料をもとに製品を製造し、これを販売する取引(製品売上高)と顧客から無償支給された原材料をもとに製品を製造し、加工料のみ請求する取引(加工料収入)があります。

4.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相 手 先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

サントリー食品インターナショナル株式会社

2,330,678

19.0

2,793,455

29.5

アサヒ飲料株式会社

2,716,757

22.1

2,282,416

24.1

サントリースピリッツ株式会社

691,738

1,370,323

14.5

株式会社伊藤園

3,038,053

24.7

1,004,549

10.6

5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用に伴い、当連結会計年度の期首より一部の売上高については、純額計上に変更しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2  事業の状況」の 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標、(3) 中長期的な会社の経営戦略」及び「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

 

③ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因

 当社グループは、主に飲料メーカーから依頼を受け、製品の製造を請負う受託製造業であります。

 当社グループでは、企業価値の向上を図り、製造設備の充実、製造技術・品質管理能力のアップ、顧客満足度向上で飲料メーカーから選ばれる存在となるように努め、将来にわたって安定した受注を確保するための営業に注力しております。

 しかしながら、当社グループの業績は、一般消費者の消費動向の変動や冷夏・台風等の天候の影響を受けるほか、直接的には飲料メーカーの外注政策の影響を強く受けることになります。また、飲料メーカーが自社製造能力を増強するなど内製を強化し、外注先の選別を行い、当社への外注を減らした場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性

 運転資金につきましては、「営業活動によるキャッシュ・フロー」を原資として、必要な場合は、金融機関からの短期的な借入により、また、設備資金については金融機関からの長期的な借入により調達することを基本としております。重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。

 なお、キャッシュ・フローの内容分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

⑤ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照ください。

 

⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境および対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標、(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。

 

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