(1)経営成績等の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続く中、弱いながらも持ち直しの動きがみられたものの、新たな変異株の拡大や地政学的リスクの高まり等により、先行き不透明なまま推移いたしました。
個人消費につきましては、原材料及び燃料価格の上昇等による各種コストの上昇に加え、経済の下振れリスクの懸念も続いていること等から、節約志向は一層高まりをみせております。
当社グループが属するドラッグストア業界におきましては、感染症拡大の影響から、予防関連商材や内食需要が前期増加したことに対し、今期は一時感染者数が減少傾向となったことから、その反動減の影響を受ける等、厳しい環境が続いております。
このような中、当社グループにおきましては、底堅く推移する予防関連商材や内食志向及び生活必需品等の需要に対応するべく、店舗の改装や営業時間の延長等を実施し利便性の向上に努める一方、安心安全な買物環境を整えるべく販促日の分散を図りながら、固定客化に注力いたしました。またセルフレジの導入を進めコスト低減に努めてまいりました。
新規出店につきましては、関東地方で8店舗、東北地方で3店舗の計11店舗を出店いたしました。調剤薬局につきましては、東北地方で6件、関東地方で4件の計10件を既存店に併設いたしました。なお、関東地方、東北地方の各1店舗、計2店舗を退店し、関東地方の調剤薬局を1件閉局しました。これにより当社グループの店舗数は、計355店舗(内、調剤併設132店舗)となりました。
以上のことから、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度と比して23億78百万円減少し、1,917億21百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少によるものであります。
当連結会計年度末の負債の部は、前連結会計年度と比して61億71百万円減少し、870億71百万円となりました。これは主に長期借入金および未払法人税等の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度と比して37億92百万円増加し、1,046億49百万円となりました。これは主に利益剰余金が増加したことによるものであります。
自己資本比率は、54.5%(前期比2.6ポイント増)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は2,794億62百万円(前期比1.8%減)、営業利益は77億9百万円(前期比27.0%減)、経常利益は86億98百万円(前期比24.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は48億30百万円(前期比32.0%減)となりました。
これにより自己資本当期純利益率は4.7%(前期比2.6ポイント減)となりました。
なお、当社グループは、医薬品、化粧品、雑貨及び一般食品等の販売をする小売業を営んでおり、単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、389億59百万円(前連結会計年度末比22億76百万円減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、68億68百万円(前期比83億98百万円減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が76億87百万円(同29億48百万円減)、減価償却費が44億24百万円(同49百万円減)あったものの、法人税等の支払額が49億77百万円(同23億49百万円増)あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、45億36百万円(同13億83百万円支出増)となりました。これは主に、新規出店に係る有形固定資産の取得に39億73百万円(同11億63百万円支出増)を支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、46億7百万円(同6億22百万円支出増)となりました。これは主に長期借入れによる収入が76億50百万円(同18億50百万円収入減)あったものの、長期借入金の返済による支出が111億40百万円(同13億66百万円支出減)、配当金の支払額が11億15百万円(同1億12百万円支出増)あったことによるものであります。
(2)仕入及び販売の実績
当社グループは、単一セグメントであるため、下記は当該セグメントにおける品目別の仕入実績及び販売実績を記載しております。
① 仕入実績
区分 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
医薬品 |
32,907 |
97.9 |
化粧品 |
14,780 |
101.9 |
雑貨 |
63,262 |
99.7 |
一般食品 |
106,591 |
97.8 |
合計 |
217,542 |
98.6 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 複数の事業を有しておりませんので主要品目別区分により記載しております。
② 販売実績
(a)地区別売上高
所在地 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
東北地方 |
87,195 |
96.7 |
関東地方 |
173,025 |
99.1 |
甲信越・東海地方 |
18,323 |
97.4 |
合計 |
278,544 |
98.2 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記金額には、不動産賃貸収入は含まれておりません。
(b)商品別売上高
区分 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
医薬品 |
50,839 |
99.8 |
化粧品 |
20,816 |
100.7 |
雑貨 |
78,344 |
98.4 |
一般食品 |
128,544 |
97.1 |
合計 |
278,544 |
98.2 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 複数の事業を有しておりませんので主要品目別区分により記載しており、上記金額には不動産賃貸収入は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
当社グループは一部掛売りによる販売も行っておりますが、一般消費者に対する店頭販売がほとんどであります。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りについて」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要」に記載のとおりであります。
そのような状況の下、売上高につきましては、新規出店に加え、営業時間の延長や改装等を行ったものの、前年特需の反動減の影響等から、2,794億62百万円(前期比1.8%減)となりました。利益につきましては、セルフレジ導入等によりコスト低減に努めたものの、前年以上の出店増となったこと等から、営業利益は77億9百万円(前期比27.0%減)、経常利益は86億98百万円(前期比24.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は48億30百万円(前期比32.0%減)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは主に営業活動によって得られた資金により、また必要に応じて、経済動向、金融市況を踏まえた調達手段によって得られた資金により、新規出店及び既存店舗の改装に係る設備投資をおこなっています。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループといたしましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経営基盤強化のため、主にドミナントエリアにおける出店を強化するとともに、生産性向上のため、店舗オペレーション効率化のためのシステム強化策の推進や物流体制の見直しを含めた在庫の適正化等に努めてまいります。また、競争激化に対する差別化策として既存店舗への調剤薬局併設を進める一方、健康意識の高まりに対応するべく品揃えの強化に加え、ヘルス&ビューティーケア強化策として、美容及び予防を含めた健康の維持・増進、健康寿命延伸に向け、資格者による相談機能の強化を図ることにより、専門性強化策を推進してまいります。さらに、消費環境に対応するべく「安心・安全」に配慮された商品を、安心価格で提供することに注力し、地域に密着した店舗づくりを一層進め、地域の生活者における生活の質及び満足度向上に尽力してまいります。
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