当連結会計年度における国内経済につきましては、年始より発出された新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言等に伴い、商業施設や飲食店等の休業・時短営業が延長され、極めて厳しい経営環境が続きました。秋以降、ワクチン接種の進展や緊急事態宣言の解除に伴い、消費動向は持ち直しに向かっておりましたが、新たな変異株(オミクロン型)の感染拡大によるまん延防止等重点措置の適用により、先行きは不透明な状況が続いております。
国内衣料品販売の市場では、長期間に亘る外出自粛等により、働き方やライフスタイルが多様化してきており、「お客様の購買行動の変化」に即した商品提案をデジタルとリアルの両面から訴求していくことが求められております。
このような状況の中で当グループは、店頭から生産現場までを結んだ情報システム網を活用し、製造・販売を一体化した自己完結型の国内生産体制の強みを生かしながら、多様に変化する顧客ニーズに、機敏かつ柔軟に対応できるように尽力してまいりました。
また、オンライン(ECサイトや各種SNS)とオフライン(実店舗)の融合強化を進めたOMO(Online Merges with Offline)を構築し、スピード重視の営業体制を実現することによって、全てのお客様に選んでいただける「世界一の靴下総合企業」を目指しております。
当期の春夏物商戦におきましては、緊急事態宣言の再発出により4月下旬から5月にかけて東京・大阪などで最大70店舗余りが休業し、その他の店舗におきましても土日休業や時短営業を余儀なくされました。この結果、コロナ禍以前と比べると、店舗での売上・利益ともに引き続き厳しい状況となりました。秋冬物商戦におきましては、10月の緊急事態宣言解除とともに日常における行動制限も次第に緩和され、店頭販売に復調の動きが見られました。1月以降は、まん延防止等重点措置の適用地域において影響を受けたものの、下半期の業績は回復傾向を示しました。なお、EC売上につきましては、自社ECサイトの販売強化に注力したことにより、年間を通じて好調に推移しております。
出退店状況におきましては、フランチャイズチェーン店19店舗、直営店3店舗の新規出店と、フランチャイズチェーン店4店舗、直営店14店舗の退店により、当連結会計年度末における店舗数は、フランチャイズチェーン店111店舗(海外代理商による店舗24店舗を含む)、直営店166舗(海外4店舗を含む)、合計277店舗となりました。
連結子会社におきましては、Tabio France S.A.S.では、EC販売強化やSNSを用いた販促活動を通して、事業基盤の立て直しに取り組んでまいりました。タビオ奈良株式会社では、通販や中国向け出荷業務の効率化への継続的な取り組み、商品の品質検査や検査検品体制の更なる強化等を行ってまいりました。
利益面におきましては、固定資産の減損会計の適用を行った結果、減損損失93百万円を計上し、繰延税金資産の計上に伴い、法人税等調整額△117百万円を計上しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、13,677百万円(前年同期比18.9%増)、営業利益は120百万円(前年同期は営業損失1,082百万円)、経常利益は201百万円(前年同期は経常損失866百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は183百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失1,550百万円)となりました。
事業部門別の業績は、次の通りであります。
a.靴下屋関連部門
当グループの主力部門である「靴下屋関連部門」は、TwitterやInstagramと連携させたYouTubeを活用し、ECサイトや店頭のサイネージと連動させることにより、様々な情報発信や話題商品を紹介する等、『靴下屋』のファン層拡大に向けた取り組みに着手してまいりました。また、知名度の高いキャラクターとのコラボレーション企画の実施に加え、ヤング型店舗への回帰を目指した『靴下屋』ブランドのフルリニューアルに着手するなど、ブランド刷新に向けた取り組みも進めてまいりました。
以上の結果、「靴下屋関連部門」の売上高は、10,925百万円(前年同期比15.4%増)となりました。なお、フランチャイズチェーン店4店舗、直営店1店舗の新規出店とフランチャイズチェーン店4店舗、直営店8店舗の退店により、当連結会計年度末における「靴下屋関連部門」の店舗数は、フランチャイズチェーン店87店舗、直営店110店舗、合計197店舗となりました。
b.ショセット関連部門
「ショセット関連部門」における「ショセット事業」では、働く女性に向けた高品質で機能性の高い商品の企画・提案を行うことによって、ハイセンスで付加価値の高いブランドイメージの構築に努めてまいりました。「紳士靴下事業」では、紳士靴下専門店の『Tabio MEN』を中心に、ファッションにこだわりを持つ男性へのブランド認知度を向上させ、「メンズソックス」を当グループの新たな柱商品に育成すべく、引き続き、メンズ・レディース併売店の開発に向けた取り組みや、本店ECサイトでの販売強化等を行ってまいりました。
以上の結果、「ショセット関連部門」の売上高は、2,028百万円(前年同期比20.6%増)となりました。なお、直営店2店舗の新規出店と直営店5店舗の退店により、当連結会計年度末における「ショセット関連部門」の店舗数は、直営店52店舗となりました。
c.その他の部門
「海外関連部門」では、イギリス支店において、イギリス国内向けECサイトの運営体制の強化や、新販路開拓に向けた取り組みを継続的に行い、フランスの販売子会社Tabio France S.A.S.では、引き続き、EC事業の強化や既存店舗の立て直しに取り組んでまいりました。また、北米向けのEC事業では、SNSを用いた販促活動を継続的に行う等、北米内での認知度向上に向けた取り組みを行ってまいりました。代理商を通じて展開を強化しております中国事業については、一級都市を中心とした出店を推し進めるとともに、EC販売にも取り組んでまいりました。
以上の結果、「その他の部門」の売上高は、722百万円(前年同期比105.0%増)となりました。
なお、当連結会計年度末における「海外関連部門」の店舗数は、中国国内において代理商による15店舗の新規出店とイギリス国内において直営店1店舗の退店により、イギリス国内直営店1店舗、フランス国内直営店3店舗、中国国内24店舗(代理商による店舗)の合計28店舗となりました。
当グループは、靴下に関する事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。
なお、セグメントに代えて、事業部門等に関連付けて記載しております。
① 資産
当グループの当連結会計年度末における総資産は7,748百万円となり、前連結会計年度末に比べ138百万円増加となりました。その主な要因と致しましては、流動資産のその他161百万円、差入保証金77百万円、ソフトウェア68百万円減少があったものの、現金及び預金320百万円、繰延税金資産113百万円増加したことによるものです。
② 負債
当連結会計年度末における負債は3,758百万円となり、前連結会計年度末に比べ60百万円増加となりました。その主な要因と致しましては、長期借入金207百万円減少があったものの、流動負債のその他131百万円、電子記録債務67百万円、未払法人税等65百万円増加したことによるものです。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ78百万円増加し、3,990百万円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末の51.4%から51.5%に増加しました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ320百万円増加し、当連結会計年度末には、2,834百万円(前年同期比12.8%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費204百万円、未払消費税の増減額143百万円、仕入債務の増減額115百万円の計上があったこと等により、841百万円(前年同期比1,533百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、その他の収入213百万円がありましたが、無形固定資産の取得による支出107百万円、有形固定資産の取得による支出76百万円があったこと等により、△16百万円(前年同期比164百万円の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出220百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出147百万円、配当金の支払額136百万円があったことにより、△504百万円(前年同期比1,090百万円の減少)となりました。
当グループは靴下に関する事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。
① 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績は、次の通りであります。
(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業部門別に示すと、次の通りであります。
(注) 1 金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績で当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の得意先はありません。
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
また、連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果は異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りに与える影響は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
① 売上高及び売上総利益
当グループの当連結会計年度の売上高は、前年同期に比べ2,171百万円増加し、13,677百万円となりました。以上の結果、売上総利益は、前年同期に比べ1,327百万円増加し、7,684百万円となり、売上総利益率は、55.2%から56.2%に増加となりました。
② 販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益
販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ124百万円増加し、7,563百万円となりました。以上の結果、営業利益は、前年同期に比べ1,203百万円増加し、120百万円となり、売上高営業利益率は△9.4%から0.9%に増加となりました。
経常利益は、前年同期に比べ1,068百万円増加し、201百万円となり、売上高経常利益率は△7.5%から1.5%に増加となりました。
③ 特別損益
当連結会計年度において、特別利益は25百万円計上いたしました。その要因と致しましては、受取保険金であります。
特別損失は129百万円(前年同期に比べ356百万円の減少)を計上いたしました。その要因と致しましては、退店店舗・不採算店の内装・什器に係る減損損失、役員弔慰金、賃貸借契約解約損であります。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期に比べ1,734百万円増加し、183百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前年同期に比べ255円15銭増加し、27円04銭となり、自己資本利益率は、△32.3%から4.7%に増加となりました。
当社グループの主な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用及び店舗改装、陳列器具等の設備投資によるものであり、営業活動によるキャッシュ・フローを財源とすることを基本とし、必要に応じて銀行借入により資金調達を行うこととしております。
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