(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年12月1日から2021年11月30日)におけるわが国経済は、中国と米国との間での貿易摩擦や、英国のEU離脱等による不確実性が増している国際情勢の中、経済社会活動が正常化に向かい、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直して行くことが期待されています。しかしながら、供給面での制約や原材料価格の高騰によるリスクなど、十分に注意する必要があります。また、変異株をはじめ感染症による活動制限や外出自粛による経済停滞のマイナス影響も懸念される状況です。
小売業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響等による短期的な環境変化に加えて、人口減少社会の到来、消費者のライフスタイルの多様化、Eコマースの拡大、環境配慮意識の高まり(サステナビリティを意識した材料の活用等)、先進テクノロジー技術の発達等によって経営課題が複雑化するとともに、企業は変化対応力が求められております。
こうした状況のなか、当社グループは、さらなる成長を実現するために、2021年11月期からの3ヶ年について定めた中期計画『Next3』の推進をしてまいりました。「顧客満足度」を追求し、お客様の目線による「商品」と「店舗」のブラッシュアップを重ね、確実な品揃えと快適で利便性の高いお買い物空間の提供に取り組んでまいりました。また、他価格帯商品のラインナップの拡充、契約形態の多様性による積極的な出店やリニューアルも継続してまいりました。
出店・退店につきまして、直営店舗におきましては、引き続き商業施設・路面店を主軸として出店を推進し、また、売上高の拡大と収益体質の強化を目的とした、委託店舗の出店をスタートさせました。FC店舗におきましては、大手法人企業との連携強化を図り、フランチャイズ契約等による出店を推進させました。その結果、新規出店数は、136店舗(直営店87店舗〔委託店含む〕、FC店49店舗)、退店が55店舗となり、店舗数は81店の増加となりました。これにより、当連結会計年度末における店舗数は1,180店舗(直営店771店舗〔委託店含む〕、FC店402店舗、海外FC店7店舗)となりました。
商品につきましては、『お客様のニーズに対応する品揃え』を軸に、新商品開発と、付加価値向上への取り組みを推進してまいりました。新商品開発におきましては、他価格帯商品の拡充、新しい生活様式に対応する商品開発及びシーズンディレクションマップに基づく商品開発を推進し、お客様のニーズに対応する確実性の高い商品化に努めてまいりました。また、付加価値向上への取り組みにおきましては、商品ラインナップの拡充と品揃えの精度向上、グループ企業活用による商品調達力の強化に努めてまいりました。SNSによる情報発信と情報分析は継続して推進し、「キャンドゥ」ブランドの認知度向上と付加価値向上を図ってまいりました。売上高に対する原価率は、前期と同様の61.7%となりました。
店舗につきましては、『お客様の期待に応え続ける店舗づくり』を軸に、店舗における「品揃え」・「接客」・「利便性」の向上に努めてまいりました。品揃え面では、POSデータと本部情報を活用し個店ごとの品揃えと在庫量の最適化を推進してまいりました。接客面では、目指す接客の在り方を明確化し、全店に浸透させる教育体制の基礎作りに努めてまいりました。また、利便性の面では、決済手段の拡充を図るとともに、提供する価値を全国のお客様にお届けすべくパートナー企業様との協業等による出店を推進してまいりました。需要の高いマスク・除菌関連を中心とした衛生関連商品等の販売を強化するとともに、生活必需品の継続供給に努めましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、緊急事態宣言の発令やまん延防止等措置の適用、外出の自粛や都道府県を跨いだ移動の減少による大都市店舗の売上減少、テナントとして出店している商業施設の営業時間の短縮などの減少要因もあり、直営既存店売上高につきましては前年比で、97.1%となりました。
販売費及び一般管理費合計の売上高比率はその他販管費の増加により、前年比は0.8ポイント増加し37.0%となりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億35百万円減少し、280億44百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2億75百万円減少し、155億29百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ60百万円減少し、125億15百万円となりました。
b.経営成績
当連結累計年度の経営成績は売上高731億30百万円(前期比100.1%)、営業利益9億64百万円(前期比61.9%)、経常利益10億34百万円(前期比62.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益1億94百万円(前期比44.3%)となりました。
各事業の経営成績は、直営店売上高628億96百万円(構成比86.0%、前期比99.9%)、FC店への卸売上高92億64百万円(構成比12.7%、前期比102.6%)、その他売上高9億69百万円(構成比1.3%、前期比95.0%)となりました。
なお、セグメントの実績については、当社グループは単一セグメントのため記載しておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により11億72百万円増加、投資活動により20億23百万円減少、財務活動により2億72百万円減少し、当連結会計年度末の資金残高は31億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億23百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの概況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は、11億72百万円であります。主な要因は、税金等調整前当期純利益6億36百万円、減価償却費12億10百万円、減損損失3億90百万円等が増加要因であり、法人税等の支払額8億57百万円等が減少要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は、20億23百万円であります。主な要因は、有形固定資産の取得による支出17億7百万円、敷金及び保証金の差入による支出2億19百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は、2億72百万円であります。主な要因は、配当金の支払額2億71百万円であります。
③生産、仕入及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.仕入実績
当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の仕入実績を商品区分別に示すと、次のとおりです。
商品区分 |
当連結会計年度 (自 2020年12月1日 至 2021年11月30日) |
前期比(%) |
日用雑貨(百万円) |
36,962 |
101.2 |
加工食品(百万円) |
8,513 |
97.5 |
その他(百万円) |
52 |
301.9 |
合計(百万円) |
45,528 |
100.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当社グループは単一セグメントであるため、当連結会計年度の販売実績を商品区分別、地域別、単位当たり
の売上状況により示すと、次のとおりです。
イ.商品区分別売上高
商品区分 |
当連結会計年度 (自 2020年12月1日 至 2021年11月30日) |
前期比(%) |
日用雑貨売上(百万円) |
61,898 |
100.7 |
加工食品売上(百万円) |
11,055 |
97.1 |
その他(百万円) |
176 |
91.5 |
合計(百万円) |
73,130 |
100.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.その他売上高は、FC店への消耗品売上高等です。
ロ.地域別売上状況
地 域 |
売上高(百万円) |
構成比 |
前期比 |
連結会計年度末店舗数 (店) |
北海道 |
3,667 |
5.0 |
95.5 |
62 |
東北 |
2,141 |
2.9 |
101.3 |
52 |
関東 |
32,066 |
43.9 |
98.8 |
341 |
中部 |
6,050 |
8.3 |
99.8 |
85 |
近畿 |
12,037 |
16.5 |
101.0 |
138 |
中国 |
1,680 |
2.3 |
99.0 |
27 |
四国 |
327 |
0.4 |
103.2 |
7 |
九州・沖縄 |
4,924 |
6.7 |
107.3 |
59 |
FC店 |
9,264 |
12.7 |
102.6 |
409 |
その他 |
969 |
1.3 |
95.0 |
- |
合計 |
73,130 |
100.0 |
100.1 |
1,180 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.FC店売上高は、FC店への商品供給による卸売上高です。
3.その他売上高は、海外卸売上高ならびにFC店への消耗品売上高等です。
ハ.単位当たりの売上状況
摘要 |
当連結会計年度 (自 2020年12月1日 至 2021年11月30日) |
前期比(%) |
|
売上高(千円) |
62,896,613 |
99.9 |
|
1㎡当たり売上高 |
売場面積(平均)(㎡) |
243,638.67 |
101.6 |
1㎡当たり期間売上高(千円) |
258 |
98.3 |
|
1人当たり売上高 |
従業員数(平均)(名) |
3,966 |
100.9 |
1人当たり期間売上高(千円) |
15,860 |
99.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.売上高は、直営店における売上高であり、FC店及び海外卸売による商品供給等は含んでおりません。
3.売場面積(平均)は、直営店の稼動月数を基礎として算出しております。
4.従業員数(平均)は、直営店舗の所属の人数です。なお、臨時従業員数は期中加重平均(1人1日8時間換算)で算出し、加算しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は280億44百万円であり、前連結会計年度末に比べ3億35百万円減少いたしました。その主な要因は、「商品」が2億68百万円、「未収入金」が2億66百万円、「建物及び構築物」が2億95百万円増加、「現金及び預金」が11億23百万円減少したこと等が挙げられます。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は155億29百万円であり、前連結会計年度末に比べ2億75百万円減少いたしました。その主な要因は、「未払法人税等」が3億46百万円減少したこと等が挙げられます。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は125億15百万円となり、前連結会計年度末に比べ60百万円減少し、自己資本比率は44.6%となりました。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は前期比100.1%の731億30百万円となりました。直営既存店売上高につきましては緊急事態宣言等の解除による消費における持ち直しが低調に推移した影響等により、前連結会計年度を下回りました。なお、当連結会計年度末現在の店舗数は1,180店舗となっております。また、売上総利益は前期比99.9%の279億87百万円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は前期比102.2%の270億23百万円となりました。また、営業利益は前期比61.9%の9億64百万円となりました。これらは出店関連費用が増加したことやシステム再構築関連費用が増加したこと等から、前連結会計年度を下回りました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、事務手数料収入等12百万円、負ののれん償却額38百万円等により、前期比62.9%の10億34百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前期比44.3%の1億94百万円となりました。特別利益として、退店に伴う受取補償金65百万円等がありましたが、固定資産除却損82百万円、不採算店等の減損損失3億90百万円を特別損失に計上しました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
c.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要につき主たるものは、新規出店にかかる費用、既存店の増床・改装、基幹システム再構築などの設備投資によるものです。
なお、上記設備投資の財政政策は営業キャッシュ・フローの範囲内で収まっております。
今後におきましても、設備投資資金は、主に自己資金により賄えるものと判断しておりますが、必要に応じ銀行借り入れ等により対応してまいります。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、選択と集中により、外部環境の変化に迅速に適応し、継続的な企業価値の向上と地域社会への貢献に努めてまいります。
目標とする経営指標は、収益力及び経営効率を図る指標として、営業利益率と自己資本当期純利益率(ROE)を採用しております。
中期目標経営指標は、営業利益率5%以上、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上であります。当連結会計年度における営業利益率は1.3%、自己資本当期純利益率(ROE)は、1.6%となりました。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りにつきましても、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
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