(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当社が属するエンターテインメント業界では、国内外のスマートフォンゲーム市場の成長・国内家庭用ゲーム市場のゆるやかな拡大を背景に、ゲームコンテンツ市場と関連するキャラクター市場が世界的にも長期的に高成長が続くと見込まれておりますが、令和2年からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大により経済活動が停滞し、令和4年に至りましても、一部では持ち直しの動きが見られますが、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
このような状況下における、当事業年度(自 令和3年3月1日 至 令和4年2月28日)の経営成績概況は、以下のとおりであります。
「うたの☆プリンスさまっ♪」におきましては、令和3年4月より全国のファミリーマートにて「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」コラボキャンペーンを開催。同月に、株式会社丸井グループ開催にてイベント「PRINCE CAT-SPRING HAS COME-」を開催いたしました。6月には10周年を記念した「UTA☆PRI EXPO-10th Anniversary-」を開催、当イベントでは、これまでの歴史を振り返る展示やステージ衣装の他、新作ミュージックビデオの上演も行い、皆様から温かいコメントを沢山頂戴いたしました。7月から夏季限定ショップ「SHINING STORE」を運営。8月には全編3Dによるライブ公演「うたの☆プリンスさまっ♪ SHINING STAR STAGE -LOVE in DREAM-」(主催:うたの☆プリンスさまっ♪ SHINING STAR STAGE製作委員会)を開催。9月は「京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)2021」に出展、10月にはコスメブランド「Metamorphose」イベントを株式会社丸井グループ全国9カ所にて開催いたしました。また、株式会社ハピネットと共同企画「ブロッコリーくじ うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live Love My Idol! アナザーショットVer.」を全国のファミリーマートにて展開。さらに、令和2年4月より延期していたライブ公演「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVELIVE 7th STAGE」を埼玉のメットライフドーム(当時)にて開催(主催:UTA☆PRI-MOVIE PROJECT)、入場規制もある中、ライブ・ビューイング、初のオンライン配信も実施いたしました。12月には「三井ガーデンホテルズ」とのコラボ企画「Grand Shining Hotel」がスタート、大変好評により期間を延長し開催を継続しております。同じく12月に株式会社バンダイナムコアミューズメント運営のCG STAR LIVE「ST☆RISH SECRET PARTY!」、「QUARTET NIGHT LIKE A GAME」が再演。12月より年明けにかけまして、株式会社アニメイトと「ブロメイト」を開催。「うたの☆プリンスさまっ♪」だけでなく、「神々の悪戯」「殺し屋とストロベリー」「ジャックジャンヌ」などのグッズ販売を展開いたしました。1月からは「PRINCE CAT&ぬいスタースペシャルイベント2022」を株式会社丸井グループにてスタートいたしました。これら多数のイベント、コラボ企画を開催いたしました結果、売上は前年度並みを確保することができました。
関連CDでは、3月にQUARTET NIGHTのアイドルソング2作、6月に「うたの☆プリンスさまっ♪10th Annivarsary CD」全3種、8月に「Shining All Star CD3」初回限定盤を含む全12種発売。いずれもオリコン週間シングルランキング上位にランクインいたしました。さらに、10月にHE★VENSの2ndミニアルバム「One Day」を発売。2月にShining LiveドラマCD「久遠(くおん)を結びし愛しき縁(えにし)」を発売いたしました。これらの結果、関連CDは、前年度を上回る売上高・売上総利益を確保いたしました。
関連ゲームソフトでは、12月に「うたの☆プリンスさまっ♪All Star for Nintendo Switch」を発売いたしましたが、移植版としても発売タイトル数は前年度より少なく、売上高、売上総利益は前年度を下回りました。
3月にNintendo Switch™用ゲームソフトを発売いたしました「ジャックジャンヌ」につきましては、9月に音楽CD2作品を発売(1作品は発売元:株式会社 SCHOLE)、うち当社発売の「ジャックジャンヌ VOCAL COLLECTION」は、オリコン週間アルバムランキング6位にランクインすることができました。同月、発売半年を祝う「ジャックジャンヌハーフアニバーサリー」企画を発表。アニメイト池袋本店での「ジャックジャンヌ」ハーフアニバーサリーショップ等を開催いたしました。これらの結果、Nintendo Switch™用ゲームソフトのダウンロード販売も順調に継続しており、今後も更なるコンテンツの成長に向け、新たな施策を進めております。
他社ライセンスグッズにつきましては、他社主催のライブイベントが順調に開催され始めたことや、新作TVアニメ放映に併せたグッズが好評であったこと等により、前年度を上回る売上高・売上総利益を確保いたしました。
本年7月に発売10周年を迎えるトレーディングカードゲーム「Z/X -Zillions of enemy X-(ゼクス ジリオンズ オブ エネミー エックス)」は、10月に発売した「極点超越編 無限<アンリミテッドブースト>」にて行った商品構成の見直しがユーザーの高評価につながったことから、復調基調に入り、続いて10周年を記念して11月に受注を開始した通販限定カードパック「テンス・アニバーサリー」が大変好評であった結果、前年度同様の売上高、売上総利益にまで回復しました。
販売費及び一般管理費につきましては、6月に開催した10周年記念イベント運営費や新作ゲーム発売に伴う販促費が上半期において増加したこと等により、1,622百万円(前期比18.8%増)となりました。これらの結果、当事業年度の売上高は6,563百万円(前期比4.1%増)、営業利益283百万円(同70.7%減)、経常利益312百万円(同68.7%減)となりました。当期純利益につきましては、一部着手していたゲームの開発中止を第2四半期に決定し、特別損失59百万円を計上いたしましたことなどの結果、168百万円(同67.7%減)となりました。
b.財政状態
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は7,753百万円で、前事業年度末に比べ500百万円減少しております。主な内容は、売掛金の増加30百万円、その他の増加133百万円などの増加要因に対し、現金及び預金の減少222百万円、商品及び製品の減少59百万円、仕掛品の減少120百万円、映像コンテンツの減少21百万円、前渡金の減少19百万円、前払費用の減少207百万円などの減少要因であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は2,897百万円で、前事業年度末に比べ174百万円増加しております。主な内容は、ソフトウエア仮勘定の増加352百万円などの増加要因に対し、有形固定資産の減少58百万円、投資その他の資産の減少132百万円などの減少要因であります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は836百万円で、前事業年度末に比べ296百万円減少しております。主な内容は、買掛金の増加99百万円、返品調整引当金の増加4百万円、賞与引当金の増加18百万円などの増加要因に対し、未払金の減少74百万円、未払法人税等の減少168百万円、預り金の減少17百万円、未払消費税等の減少35百万円、前受金の減少117百万円などの減少要因であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は125百万円で、前事業年度末に比べ29百万円増加しております。主な内容は、役員退職慰労引当金の増加31百万円などの増加要因であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は9,690百万円で、前事業年度末に比べ59百万円減少しております。これは、当期純利益168百万円が計上された一方で、剰余金の配当227百万円が行われたことが主な要因であります。
当事業年度においては、営業活動において453百万円の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)を獲得し、投資活動においては514百万円の資金を使用し、財務活動においては228百万円の資金を使用しました。この結果、資金は当事業年度末に3,399百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは453百万円の資金の増加(前事業年度は453百万円の資金の増加)となりました。主な内容は、税引前当期純利益の計上による246百万円、減価償却費の計上による99百万円、ソフトウエア開発中止損の計上による59百万円、抱合せ株式消滅差損の計上による13百万円、賞与引当金の増加額5百万円、返品調整引当金の増加額4百万円、役員退職慰労引当金の増加額31百万円、たな卸資産の減少額197百万円、仕入債務の増加額97百万円、その他の増加額135百万円などのプラス要因と、固定資産除売却益の計上による6百万円、受取利息及び受取配当金の1百万円、売上債権の増加額24百万円、前受金の減少額129百万円、法人税等の支払額277百万円などのマイナス要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは514百万円の資金の減少(前事業年度は3,486百万円の資金の減少)となりました。主な内容は、定期預金の払戻による収入3,000百万円、貸付金の回収による収入7百万円などのプラス要因と、定期預金の預入による支出3,000百万円、無形固定資産の取得による支出507百万円、有形固定資産の取得による支出13百万円などのマイナス要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは228百万円の資金の減少(前事業年度は229百万円の資金の減少)となりました。主な内容は、配当金の支払額226百万円、リース債務の返済による支出2百万円であります。
当社は、エンターテインメント事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
なお、当事業年度の外注、仕入、受注、販売の実績は以下のとおりであります。
当事業年度の外注実績を製品の品目別に示すと、以下のとおりであります。
(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。
当事業年度の仕入実績を商品の品目別に示すと、以下のとおりであります。
(注) 1 金額には、消費税等は含まれておりません。
2 金額は実際仕入額によっております。
当社は見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当事業年度の販売実績を製商品別、品目別に示すと以下のとおりであります。
(注) 1 金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 第28期の販売実績における㈱スターコーポレーションの総販売実績に対する割合は10%未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、これらについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し、合理的と考えられる見積り及び判断を行っております。ただし、これらには見積り特有の不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社が財務諸表を作成するにあたり採用した重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項」に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて256百万円増加し6,563百万円(前期比4.1%増)となりました。売上高の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績」に記載のとおりです。
b. 売上原価、売上総利益
売上原価は、当期製品製造原価が前事業年度に比べて329百万円増加したこと、第3四半期及び第4四半期に、イベント向け在庫の一部について、会計上の簿価の切り下げを行いましたこと等により、前事業年度に比べて683百万円増加し4,656百万円(前期比17.2%増)となりました。
以上の結果、売上総利益は、前事業年度に比べて427百万円減少し1,906百万円(前期比18.3%減)となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、第2四半期の「うたの☆プリンスさまっ♪」10周年記念イベントの開催にあたり、イベント内容の充実に伴う販促費と感染対策強化に伴う運営費が増加いたしましたこと、及び、新作ゲームソフトの発売に向けた販促費が増加いたしましたこと等を主要因といたしまして、前事業年度に比べて256百万円増加し1,622百万円(前期比18.8%増)となりました。
以上の結果、営業利益は前事業年度に比べて684百万円減少し283百万円(前期比70.7%減)となり、営業利益率は、前事業年度に比べて11.0ポイント減少し、4.3%となりました。
d. 営業外損益、経常利益
営業外収益は、74百万円(前期比5.8%減)となりました。主な要因は、本社ビルの一部についてオフィスとして賃貸している不動産賃貸料の減少4百万円などによるものであります。
営業外費用は、前事業年度と同水準の45百万円(前期比3.9%減)となりました。
以上の結果、経常利益は312百万円(前期比68.7%減)となりました。
e. 当期純利益
一部着手していたゲームの開発中止を第2四半期に決定し、特別損失59百万円を計上いたしました。また、当事業年度の法人税、住民税及び事業税は2百万円、法人税等調整額は75百万円となりました。
以上の結果、当期純利益は168百万円(前期比67.7%減)となりました。
③ 財政状態の状況
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 b.財政状態」に記載のとおりです。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金の流動性につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
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