業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度(2021年3月1日から2022年2月28日まで)におけるわが国経済は、一昨年から続く新型コロナウイルス感染症の拡大により、多数の都道府県において緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が適用され、個人の消費活動に大きな影響を及ぼしました。規制が解除された9月末以降は、新型コロナウイルス感染症の感染者数が低水準で推移したこともあり、個人消費が持ち直す傾向にありましたが、その後の新たな変異株の発生に加え原材料価格の上昇等により景気の先行きは不透明な状況となっております。

このような事業環境のもと、当社では社員の健康面での安全を確保しつつ、店舗への来客数の減少を補完すべくECの販売強化に最注力しますとともに、巣篭り需要に対応して3コインズを軸とした生活雑貨ブランドに注力いたしました。これらの施策により、衣料事業につきましては、売上高は前年比15.3%増加87,109百万円、雑貨事業につきましては、売上高は前年比42.8%増加46,997百万円となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は 前年比23.7%増加 134,200百万円 となりました。利益面につきましては、売上総利益率は前年比0.8ポイント増加の55.4%となりました。営業利益は 前年比6,136百万円増加 7,520百万円 となり、経常利益は 前年比6,607百万円増加 7,660百万円 となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は 前年比3,730百万円増加 4,001百万円 となりました。

 

セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

(衣料事業)

売上高は 前年比15.3%増加 87,109百万円 となり、セグメント利益(営業利益)は、 3,354百万円 (前年度は759百万円の営業損失)となりました。

(雑貨事業)

売上高は 前年比42.8%増加 46,997百万円 となり、セグメント利益(営業利益)は 94.7%増加 4,176百万円 となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

流動資産は、商品及び製品が1,027百万円増加しましたが、現金及び預金が10,838百万円、受取手形及び売掛金が968百万円それぞれ減少したことなどにより、 前連結会計年度末に比べて12,106百万円減少 しました。固定資産は、リース資産が339百万円増加しましたが、建物及び構築物が1,254百万円、差入保証金が861百万円、繰延税金資産が198百万円それぞれ減少したことなどにより、 前連結会計年度末に比べて2,352百万円減少 しました。

(負債)

流動負債は、未払法人税等1,852百万円増加しましたが、短期借入金が14,750百万円、支払手形及び買掛金が4,321百万円それぞれ減少したことなどにより、 前連結会計年度末に比べて15,847百万円減少 しました。固定負債は、リース債務が306百万円増加しましたが、長期借入金が1,971百万円減少したことなどにより、 前連結会計年度末に比べて1,648百万円減少 しました。

(純資産)

純資産は、利益剰余金が2,903百万円増加したことなどにより、 前連結会計年度末に比べて3,037百万円増加 しました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により取得した資金が7,970百万円となりましたが、財務活動により使用した資金が18,128百万円となったことなどにより、 前連結会計年度末に比べて10,838百万円減少 し、 52,250百万円 となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

前連結会計年度におきましては、営業活動の結果取得した資金は1,450百万円でありましたが、当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益が前期比5,565百万円増加し、減損損失1,659百万円計上後で6,070百万円となったことなどにより、営業活動の結果取得した資金は 7,970百万円 となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

前連結会計年度におきましては、投資活動の結果使用した資金は1,188百万円でありましたが、当連結会計年度は、有形固定資産売却による収入が453百万円、有形固定資産の取得による支出が1,478百万円、差入保証金の回収による収入が1,687百万円、差入保証金の差入による支出が832百万円、資産除去債務の履行による支出が348百万円あったことなどにより、投資活動により使用した資金は 679百万円 となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

前連結会計年度におきましては、財務活動の結果取得した資金は10,098百万円でありましたが、当連結会計年度は、配当金の支払額が1,098百万円、短期借入金の減少額が14,750百万円、長期借入金の返済による支出が1,811百万円あったことなどにより、財務活動により使用した資金は 18,128百万円 となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

   (仕入実績)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

衣料事業

39,309

111.7

雑貨事業

21,519

133.7

その他

84

136.7

合計

60,913

118.6

 

(注) 1.セグメント間取引については,相殺消去しております。

    2.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

   (販売実績)

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

衣料事業

87,109

115.3

雑貨事業

46,997

142.8

その他

93

121.7

合計

134,200

123.7

 

(注) 1.セグメント間取引については,相殺消去しております。

    2.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次の通りであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社では、経営指標であるROE(自己資本利益率)12%の安定的達成のため、売上総利益率及び経常利益率の向上を重点施策としております。このため、新型コロナウイルス感染症拡大による売上高減少を補完すべくECの販売強化に最注力するとともに巣篭り需要に対応して生活雑貨ブランドに注力いたしました。また、各ブランドでは、新たな視点での集客力アップのため、昨年度に引き続きプラスワンカテゴリー施策を実行するとともに、商品に関しては4週間を1シーズンとする4週MDの徹底と推進に努めました。

この結果、コロナウイルス感染症の影響を顕著に受けた前年と比較して、売上総利益率は0.8ポイント増加の55.4%、経常利益率は4.7ポイント増加の5.7%となりましたが、昨年度から今年度にかけての新型コロナウイルス感染症拡大が店舗の売上高に大きく影響し、衣料事業の店舗を中心として減損損失を1,659百万円計上することとなり、ROEは前年比8.1ポイント増加ではありますが、8.7%にとどまりました。

 

主要損益項目の状況は以下の通りであります。

(売上高及び売上総利益)

売上高は 前年比23.7%増加 134,200百万円 となりました。売上高の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況及び④生産、受注及び販売の実績」をご参照ください。

差引売上総利益は 前年比25.5%増加 74,314百万円 となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)

販売費及び一般管理費については、売上高販売費及び一般管理費率が前年比3.5ポイント減少し、 66,793百万円 となりました。 
 営業利益は 前年比443.5%増加 7,520百万円 となり、経常利益は 前年比627.5%増加 7,660百万円 となりました。

(特別損益)

特別利益は、固定資産売却益270百万円、ゴルフ会員権売却益1百万円、合計272百万円を計上しました。

特別損失は、店舗の撤退、業態変更などによる固定資産除却損202百万円及び減損損失1,659百万円、合計 1,862百万円 を計上しました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、 前年比1,377.9%増加 4,001百万円 となりました。

 

③  経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2事業の状況 2事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

 

④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況)

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。

 

2019年2月

2020年2月

2021年2月

2022年2月

自己資本比率(%)

47.5

49.1

41.0

50.5

時価ベースの自己資本比率(%)

83.2

70.6

69.4

78.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

175.7

111.2

2,004.3

162.5

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

83.1

129.1

12.2

75.9

 

(注) 1 自己資本比率           : 自己資本/総資産

2 時価ベースの自己資本比率     : 株式時価総額/総資産

3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業キャッシュ・フロー

4 インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い

5 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

6 株式時価総額は発行済株式数をベースに計算しております。

 

(運転資金)

  運転資金は、主に営業活動による現金収入によっておりますが、状況に応じて銀行借入により資金調達することとしております。

(出店に伴う資金等)

  一般にテナント店舗の出店にあたり店舗賃借のための保証金の差入が必要ですが、当社グループは、一定金額及び一定期間以上の保証金については、原則として借入金により調達する方針をとっております。

 

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