課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

<100年企業として成長分野に投資進出する>

当社グループは、「飲食店の5年後の生存率を9割にする」を経営方針に掲げています。そのため、中小零細の飲食企業を利益追求と顧客満足の両面から経営サポートする「ドクターテンポス」に取り組んでおります。

また、当グループが目指す姿は「ビジネスサイエンティスト」です。テンポスが見つけたビジネス上の発明発見やノウハウは国家人類のためであり、そのノウハウを世の中に役立つように広めていくことが当社グループの役目であると考えています。

 

(2)中長期的な経営戦略

当社グループは売上高1,000億円、時価総額1,000億円企業を目指しております。その実現のための戦略は大きく5つです。

 

①業務用中古厨房機器の会社として圧倒的1位を確立する

主要子会社である株式会社テンポスバスターズは、M&Aも含めて10年で120店舗へと拡大してまいります。それに合わせ、テンポス再生センター12か所を拠点に全国メンテナンス網作りを行い、単なる安売り屋ではなく安心して使える中古厨房販売としての地位を高めてまいります。

 

②ネット通販およびWEB事業を次世代の中核と位置づけ人材と資金を投入する

WEB集客サービスやクラウドサービス等、WEBサービスの開発に注力致します。なお、これらのサービスは月額課金制のストック型ビジネスとして展開してまいります。ネット通販事業におきましては、厨房販売業界第1位のシェアを、拡大して圧倒的な地位を築いてまいります。

 

③情報・サービス事業の収益を最大化させる子会社のプロ化

情報・サービス事業の子会社群は、「Dr(ドクター).テンポス」事業のなかで「専門医」と位置づけ、事業の収益拡大に取り組んでまいります。一方で、売上高100億円を目指す子会社は、テンポスグループのシナジーに頼らない独立した事業体として個々の得意分野で収益の最大化に取り組みます。

 

④飲食事業の拡充

コロナ禍が未だ不透明な要素を抱えている状況において、ステーキのあさくまを中心とした飲食グループを、2023年3月期は品質、サービス向上の為のトレーニングの実施、既存店舗の修繕を行うことで顧客不満足をなくしていくことにより、既存店の底上げを行う政策に軸足を移す年度といたします。

株式会社あさくまは6月の株主総会以後、6名の選抜社員から「社長の椅子争奪戦」で決定された新社長が確実に利益の出る体制づくりを行ってまいります。

 

⑤M&Aや資本業務提携の積極活用

厨房機器の販売におきましては、この業界はメーカー直販会社が上位を占めており、当社が上位に食い込むことは長期的に見ても非常に困難を伴うものと思われます。当社の戦略は厨房機器の販売で上位を目指すのではなく「Dr.テンポス」の名のもとに外食産業における中小中堅事業者に寄り添い、各種サービスを提供するサービス産業へと脱皮を図ることです。そのために、当社で自力開発をするのではなく、外食産業にかかわる独自の商品、独自の開発力のある企業、変化に乗り切れず収益力の落ちている企業に対して、株式会社テンポスバスターズの全国62拠点の販売力、資金力、信用力を活かしたM&A、資本業務提携をしてまいります。

最近では当社の目指す方向が、顧客支援という点で一致しているプライム市場の株式会社ぐるなびから100名近い人間の出向を受け入れています。

 

(3)目標とする経営指針

当グループは経営指標として経常利益率10%の確保とROE12%以上の維持を重点目標とし、売上および利益の拡大を目指します。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

当社グループでは、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と施策は以下のように考えております。

 

Dr.テンポスの加速

当社グループは、「外食業界にハードとソフトを提供するゆるぎない企業になる」との長期展望に向かって、物販に加えて、飲食店が長く安心して経営を続けられるサポート「Dr.テンポス」を成長の柱として取り組んでおります。しかし、これまでのDr.テンポスの取り組みは、集客サービスを提供する等、単なるDr.サービスの提供にとどまっておりました。Dr.テンポスの本来の目的である飲食店の経営課題の解決に取り組むためには、経営者の悩みに応えられるだけの知識とノウハウが必要です。その政策を進める一つの方策としては、株式会社ぐるなびから出向受け入れや商品の共同開発を行う等して、株式会社ぐるなびが持つ販促領域を中心とした高度な経営課題解決力を取り入れることで、Dr.テンポス構想を一気に加速させてまいります。

 

物販事業における既存店の営業力強化

当社グループは成長戦略として株式会社テンポスバスターズの62店舗を120店舗に拡大することを掲げており、店舗展開は当社の重要な課題の一つです。店舗展開を行い、中古厨房業界で圧倒的1位を確立するとともに、この店舗網を持つことでDr.テンポスやM&Aによる新たな取り組みを開始する際も早い立ち上がりで展開できることが強みとなっていきます。そのため、運営マニュアルの整備と徹底による属人化からの脱却、早期の人材育成、オペレーションの継続的見直し等により出店スピードを加速させてまいります。既存店の営業力強化におきましては、月間約5万人の来店客への声掛けや営業見込管理の徹底、物販以外の商材(Dr.サービス等)を案内することでお客様一人当たりの接客回数を増やし客単価向上に繋げてまいります。

 

中古事業強化と厨房メンテナンス網の拡充

当社グループでは従来からリサイクル品の物量と品質、買取の営業力強化を物販事業の重点の一つとして取り組んでまいりました。インターネットを活用した買取、販売も強化しており、中古厨房機器に特化したプラットフォーマーを目指し、通販サイト「テンポスドットコム」に全国のリサイクル店の中古厨房商品を掲載する取り組みもさらに広げてまいります。これらに加えて、全厨房メーカー商品の再生販売を行う当社だからこそできる全メーカーの出張修理を行う150人体制の全国メンテナンス網の確立を目指しております。修理対応だけでなく機器の入れ替え提案も行う事で収益力の強化を図り、またメンテナンス部隊による経営サポート「Dr.サービス」にも取り組んでまいります。

 

④強い管理職の育成

グループ中核企業の株式会社テンポスバスターズでは、大規模な事業を展開するにあたり、全国をエリア別に統括するエリアマネージャー制度や新規の出店など、従業員を束ねる人材の登用機会が増えてきております。同時に当社グループ全体でも、そのような人材に対する教育はこれまで以上に重要な課題になると認識しております。当社では子会社の取締役や管理職を対象とした月1回の「役員研修」を行い、将来の当社グループを担う人材の育成に努めております。

 

ぐるなび出向社員受け入れによる相乗効果

来期には株式会社ぐるなびからグレードの高い社員100名の受け入れを行っていきます。これにより、人材の層が厚みをまし、一気に10年の教育成果が出たくらいの価値があるものとなります。加えて、当社従業員にとっても一緒に業務に取り組む事により、彼らの持つ経験・知見を学ぶ機会が得られ、従業員の加速度的な成長にも繋がります。この相乗効果をグループ売上高1,000億円へ向けての原動力にしていきます。

 

新型コロナウイルス感染症の拡大防止など、当社グループが将来にわたって、安定的・継続的に収益を確保するため、事業環境の変化に対して迅速かつ柔軟、的確な対応を実施してまいります。

 

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