当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、当社グループに関する経営成績等の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいた内容であります。
また、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は 、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により経済活動に大きな制約を受けながら推移しましたが、先進国を中心とするワクチン接種率の向上と行動規制の段階的緩和により経済回復への期待感が高まりつつあります。一方で、緊迫するウクライナ情勢や世界的な資源・エネルギー価格の高騰も顕著となっており、依然として先行きは不透明な状況にあります。
このような状況のもと当社は、従業員のテレワーク及びオンライン商談、オンライン研修等を進め、新型コロナウイルス感染拡大の大きな影響を受けることなく、小売電力サービスを中心としたお客様から継続して利用料を頂く収益モデルであるストックサービスの拡大を方針として選択と集中を進めました。この取組みの中で、2022年2月に当社の連結子会社であった株式会社エフティコミュニケーションズの当社保有株式の全てを株式会社ICコーポレーションに対して譲渡しております 。
当連結会計年度の業績は、売上収益が前年同期の41,329百万円から3,912百万円増加 し、45,241百万円(前年同期比9.5%増)となりました。
営業利益は、前年同期の5,483百万円から900百万円増加し、6,383百万円(前年同期比16.4%増)となり、税引前利益は、前年同期の5,548百万円から926百万円増加し、6,475百万円(前年同期比16.7%増)となりました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年同期の3,234百万円から1,579百万円増加し、4,814百万円(前年同期比48.8%増)となりました。
主なセグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
(ネットワークインフラ事業)
ネットワークインフラ事業では、小売電力・光回線等のお客様インフラや節水装置等のストックサービスの企画・開発・販売・運営を行っております。
主力商品として拡販している小売電力自社ブランド「エフエネでんき」は、販売代理店による取次数が堅調に推移しており、契約数が順調に増加したことで、売上収益は前年対比で大幅に増加しました。セグメント利益では、光回線自社ブランド「ひかり速トク」、節水装置「JET」等は安定した収益源となっている一方、小売電力サービスにおいては日本卸電力市場(JEPX)での電力取引価格高騰の影響を受ける結果となりました。
以上により、売上収益は前年同期の20,805百万円から5,808百万円増加し、26,613百万円となり、セグメント利益(営業利益)は、前年同期の809百万円から1,830百万円減少し、△1,021百万円となりました。
(法人ソリューション事業)
法人ソリューション事業では、中小企業及び個人事業主向けにUTM(統合脅威管理:Unified Threat Management)・ファイルサーバ・セキュリティ商品・環境関連商品・情報通信機器等の販売・施工・保守サービスを行っております 。
法人ソリューション事業においては、UTM・ファイルサーバー・情報通信機器の販売が引き続き堅調に推移しました。また、環境関連商品でLED照明の販売が引続き堅調に推移し、ウイルス対策商品である光触媒による空気浄化装置の販売も順調に増加したことで、セグメント利益の増加に寄与しております。なお、セグメント利益には、株式会社エフティコミュニケーションズ等の関係会社株式売却益が含まれております。
以上により、売上収益は前年同期の19,210百万円から103百万円増加し、19,313百万円となり、セグメント利益(営業利益)は、前年同期の4,182百万円から3,583百万円増加し、7,766百万円となりました。
(その他事業)
ネットワークインフラ事業と法人ソリューション事業以外をその他事業として集約しております。
前連結会計年度において太陽光発電設備、蓄電池の販売・施工を主たる事業としていた株式会社アローズコーポレーション及び株式会社アレクソンの当社が保有する株式の全部を外部に譲渡しているため、前年同期に比べ売上収益及びセグメント利益ともに大幅に減少しております。
以上により、 売上収益は前年同期の2,015百万円から1,990百万円減少し、24百万円となり、セグメント利益(営業利益)は、前年同期の825百万円から821百万円減少し、4百万円 となりました。
仕入及び販売の実績は、次のとおりであります。
①仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
②販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(注) 1 NTTファイナンス株式会社のリース事業は2020年7月よりNTT・TCリース株式会社に分社化されております。
2 当連結会計年度は、当該割合が10%未満ですが、継続して記載をしております。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,063百万円減少し、25,273百万円となりました。これは、営業債権及びその他の債権が2,973百万円増加した一方で、現金及び現金同等物が4,465百万円減少したこと等によるものであります。
非流動資産は、前連結会計年度末に比べて4,179百万円減少し8,991百万円となりました。これは、契約コストが1,385百万円減少したほか、その他の金融資産が650百万円、有形固定資産が678百万円、使用権資産が786百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて6,242百万円減少し、34,265百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて6,296百万円減少し、11,638百万円となりました。これは、有利子負債(流動)の純減が4,490百万円あったほか、営業債務及びその他の債務が1,157百万円減少したこと等によるものであります。
非流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,561百万円減少し、4,121百万円となりました。これは、有利子負債(非流動)が2,451百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて8,857百万円減少し、15,759百万円となりました。
(資本)
資本合計は、前連結会計年度末に比べて2,614百万円増加し、18,505百万円となりました。これは、利益剰余金が親会社の所有者に帰属する当期利益により4,814百万円増加したものの、剰余金の配当により1,949百万円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,465百円減少し、8,309百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの現状とそれらの要因並びに資本の財源及び資金の流動性につきましては次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,613百万円の収入(前連結会計年度は1,143百万円の支出)となりました。これは、契約コストの増加が5,242百万円、営業債権及びその他の債権の増加が2,680百万円、関係会社株式の譲渡益調整を含むその他のキャッシュ・フローのマイナスが4,028百万円及び法人税等の支払額が1,223百万円あった一方で、税引前利益の計上6,475百万円に加え、契約コストを含む減価償却費及び償却費が7,544百万円、並びに営業債務及びその他の債務の増加が765百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,156百万円(前連結会計年度比1,700百万円増)の収入となりました。これは、主として子会社の支配喪失による収入が2,252百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8,286百万円の支出(前連結会計年度は4,611百万円の収入)となりました。これは、短期有利子負債純減が3,957百万円、長期有利子負債の収支が2,380百万円の支出になったことに加え、配当金の支払額が1,949百万円あったこと等によるものであります。
(主要な資金需要及び財源)
当社グループの主要な資金需要は、商品販売のための仕入、外注費、販売費及び電力サービスの顧客獲得の為の販売手数料、一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修及び移転等に係る投資であります。
また、当社グループの新たな収益源の多様化及び継続的な成長・拡大を図るため、新規事業の開発やM&Aによる投資も行ってまいります。
これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。
(資金の流動性)
手許の運転資金につきましては、定期的な報告に基づき当社財務部門が適時に資金繰り計画を作成・更新することにより管理しており、一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用し、資金の流動性リスクに備えております。
また、当社及び一部の国内子会社においては、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することで、各社における資金の一元管理を行い資金効率の向上を図っております。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
該当事項はありません。
なお、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクにつきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化すれば、企業収益や設備投資などへの影響が懸念され、内外経済がさらに下振れするリスクに十分注意する必要があります。当社グループは、社員への感染防止対策を実行することで感染リスクの軽減を図っておりますが、国内の感染拡大が長引き、外出自粛の長期化等により当社の顧客層への影響が大きくなった場合には売上収益が減少するリスクがあります。
このような状況の中、当社グループの今後の見通しについては以下のとおりであります。
(ネットワークインフラ事業)
小売電力サービスは電力の取引価格を予測することが非常に困難であり、業績の見通しにつきましては高騰した前期の価格水準が今期も続くと仮定して見積もっております。今後は、新規獲得より、顧客に対するアップセル商品の企画・開発・販売に比重をおいて、更なるストック収益の拡大を進めてまいります。また、節水装置自社製品「JET」に加えて、新たな自社ストックサービスの企画・開発を進めてまいります。
(法人ソリューション事業)
情報通信サービス及び環境省エネサービスにおきましては、株式会社エフティコミュニケーションズが連結外となりましたが、当社の代理店として取引利益が発生するため、業績への影響は軽微となります。
グループ全体を通して新規パートナー企業の開拓、当社グループの既存事業とのシナジーが図れる国内企業との資本提携や業務提携、M&A等、業容の拡大に積極的に取り組んでまいります。
以上により、2023年3月期の連結業績予想につきましては、売上収益40,000百万円、営業利益4,000百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益2,600百万円としております。
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