(1)経営成績等の状況の概要
当社グループは、「すべての人に最高の余暇を」という企業理念を掲げています。この実現に向けて、人々の心を豊かにする商品やサービスの企画、開発、提供に努め、持続的成長を目指しています。
当期(2021年4月‐2022年3月)においては、成長力と収益力を両輪とし、株主価値向上に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りです。
なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。収益認識会計基準等の適用が財政状態および経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
流動資産は、56,698百万円と前連結会計年度末比17,551百万円の増加となりました。これは主に売上債権の増加によるものです。
有形固定資産は、4,538百万円と前連結会計年度末比266百万円の増加となりました。これは主に土地の増加によるものです。
無形固定資産は、2,482百万円と前連結会計年度末比146百万円の減少となりました。これは主にのれんの減少によるものです。
投資その他の資産は、6,282百万円と前連結会計年度末比40百万円の減少となりました。これは主に敷金及び保証金の減少によるものです。
以上の結果、資産の部は70,001百万円と前連結会計年度末比17,630百万円の増加となりました。
流動負債は、27,864百万円と前連結会計年度末比16,968百万円の増加となりました。これは主に仕入債務の増加によるものです。
固定負債は、10,584百万円と前連結会計年度末比446百万円の減少となりました。これは主に長期借入金の減少によるものです。
以上の結果、負債の部は38,449百万円と前連結会計年度末比16,522百万円の増加となりました。
純資産の部は、31,551百万円と前連結会計年度末比1,108百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加、非支配株主持分の増加によるものです。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、94,900百万円と前年同期比144.6%増となりました。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は、79,116百万円と前年同期比174.1%増となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、12,339百万円と前年同期比1.4%増となりました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ21百万円減少し、365百万円となりました。
また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べ2百万円減少し、176百万円となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別利益は541百万円となりました。これは主に、関係会社株式売却益304百万円によるものです。
また、当連結会計年度の特別損失は234百万円となりました。これは主に、事業整理損105百万円によるものです。
これらの結果、当連結会計年度の営業利益は3,444百万円(前年同期は営業損失2,241百万円)、経常利益は3,634百万円(同経常損失2,032百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,471百万円(同親会社株主に帰属する当期純損失3,452百万円)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7,793百万円増加し、32,304百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、7,980百万円(前年同期は3,692百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益3,941百万円、仕入債務の増加9,433百万円、売上債権の増加7,644百万円、棚卸資産の減少864百万円、減価償却費737百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,586百万円(前年同期は1,072百万円の支出)となりました。これは主に出資金の払込による支出1,475百万円、固定資産の取得による支出1,187百万円、関係会社株式の売却による収入502百万円、投資有価証券の売却による収入492百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、1,385百万円(前年同期は2,835百万円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入4,858百万円、長期借入金の返済による支出4,063百万円、短期借入金の増加946百万円、配当金の支払322百万円によるものです。
当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けて記載していません。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。
(注) 金額は、製造原価によっています。
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりです。
(注) 当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは主に連結子会社における映像事業の受注高増加によるものです。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。
(注) 1.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しています。
2.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主にPS流通事業における遊技機販売の増加によるものです。
当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりです。
(注) 1.金額は、仕入価格によっています。
2.当連結会計年度において、仕入実績に著しい変動がありました。これは主にPS流通事業における遊技機販売の増加によるものです。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は創業以来『すべての人に最高の余暇を』を企業理念として、成長力と収益力を両輪とし、株主価値向上に取り組んでおります。
当期における各事業・グループ会社の取り組みは、以下のとおりです。
成長力のダイナミックな推進を担う株式会社円谷プロダクションでは、グローバルでのウルトラマンブランドの価値の高まりを受け、下表1のとおり、国内ならびに海外でのマーチャンダイジング(MD)が好調に推移、特に中国はじめアジア地域におけるMDの伸長が著しく、大きく収益に貢献いたしました。
表1:株式会社円谷プロダクションのMD・ライセンス収入の推移 (単位:百万円)
また、株式会社デジタル・フロンティアでは、国内大手ゲーム会社を中心としたCG映像制作や、NetflixとのVFX映像制作等が前期に引き続き堅調に推移いたしました。
これらの結果、コンテンツおよびデジタル事業は、営業利益1,467百万円(前期比220.4%増)、経常利益1,466百万円(同230.3%増)、当期純利益1,060百万円(同475.9%増)、株式会社円谷プロダクションの単体業績は、営業利益1,272百万円(前期比238.7%増)、経常利益1,255百万円(同232.9%増)、当期純利益923百万円(同474.5%増)となりました。
収益力の中核を担う当社PS事業では、当期の新台販売が下表2のとおり好調に推移いたしました。
PS市場は2018年の規則改正以来の不調から脱して、ファンの期待に応える遊技機がパチンコを中心に登場し高い評価を得たことから、市場総販売台数は過去3年間で最多の約182万台(前期比61.8万台増)となりました。ようやくメーカーにとって冬の時代が去りパチンコは春から夏に、パチスロは春を迎えようとしております。
表2:当社の新台販売の推移
これらの結果、PS事業は、営業利益1,750百万円(前期比5,284百万円増)、経常利益1,883百万円(同5,779百万円増)、当期純利益1,706百万円(同6,239百万円増)となりました。
その他グループ各社の業績も順調に進捗いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高94,900百万円(前期比144.6%増)、営業利益3,444百万円(同5,686百万円増)、経常利益3,634百万円(同5,666百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,471百万円(同5,923百万円増)となりました。
(注1)本報告書に記載の数値は各社・各団体の公表値または当社推計によるものです。
(注2)本報告書に記載の商品名は各社の商標または登録商標です。
(注3)本報告書に記載のコンテンツおよびデジタル事業の業績、PS事業の業績は、各事業内の単純合算数値から内部取引相殺消去を考慮して算出しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
当社グループの主な資金需要は、運転資金および設備投資資金等です。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしています。
手許の運転資金につきましては、当社および一部の連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っています。また、突発的な資金需要に対しては、当座貸越契約を締結し、流動性リスクに備えています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いていますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
なお、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大に伴い、その収束時期が現時点では見通せないことに加えて、国内外の経済活動や消費活動への影響等、様々な不確定要素が懸念されますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証を行っています。
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