業績

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度におけるわが国の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立への取り組みが進むものの感染の収束には至らず、経済活動の正常化並びに先行き不透明な状況が見込まれる一方、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進んだこと等により目先にまん延防止等重点措置が解除されたことで、今後の経済回復に向けた動きへの期待が高まっております。一方、資源価格の上昇や為替の変動、アメリカ及び東欧諸国の動向による地政学リスクの上昇等もあり、依然として先行きは不透明な状態が続いております。

このような状況の下、当社グループは新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に鑑み、当該関連商材の取扱いを積極的に行いつつ、貿易事業を軸に事業規模拡大に努めてまいりました。その中核施策として2020年12月30日を効力発生日とし、簡易株式交換方式により株式会社大都商会を完全子会社にしました。この施策により、当社の主力事業となる貿易事業を加速させ事業規模拡大に向け鋭意努力しております。一方、事業規模拡大に伴い財務基盤も安定させるべく、新株予約権の行使による資金調達も実施したが、株価の低迷等で本新株予約権の行使が停滞したため、当社は2021年11月24日付に本新株予約権の発行要項に基づき未行使分を全て取得しております。また、世界的に資源価格の高騰により、当社が第3四半期連結会計期間より開始した廃金属に関する貿易取引が通期業績及び利益に大きく寄与しました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、売上高4,769,500千円(前年同期比570.17%増)、営業利益44,625千円(前年同期は136,284千円の営業損失)、経常利益15,441千円(前年同期は163,366千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は64,312千円(前年同期は164,319千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

当社のセグメント別の業績は以下のとおりです。

 

①アパレル事業

アパレル事業につきましては、事業全体の見直し並びに事業の再構築を進めております。その一環として既存の卸売事業構造を抜本的に見直す一方、自社が保有するブランドライセンスの認知度向上に注力して参りました。

また、中国子会社を中心に行っている中国市場向けの自社ユニフォームブランドの企画・販売事業は、中国本土における新型コロナウイルスの感染状況が抑えられつつある状況から前年同期比に比べ持ち直したものの本格的な回復には至っておりません。

この結果、売上高は42,448千円(前年同期比31.52%減)、セグメント利益は9,140千円(前年同期は22,276千円のセグメント損失)となりました。

 

②不動産関連サービス事業

 不動産関連サービス事業につきましては、販売を目的に購入した収益物件の賃貸収入に加え売却による決済代金も計上しております。また、2020年12月30日付にて子会社化した株式会社大都商会が保有する工場の賃貸収入も計上した結果、売上高は334,658千円(前年同期比1,370.36%増)、セグメント損失は1,266千円(前年同期は8,283千円のセグメント利益)となりました。

 

 

③貿易事業

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に鑑み、当該関連商材の取扱いを積極的に行いつつ、貿易事業を軸に事業規模拡大に努めてまいりました。取扱品目は日用雑貨品及びその他製品の輸出取引に加え、ポリエチレンテレフタレート(PET)の輸入及びプラスチック再生製品等の輸出入業務を行っております。また、取扱製品領域の拡大による売上高及び収益力強化のため、第3四半期連結会計期間より廃金属商材関連製品の輸出業務を開始したことに加え、中国子会社においても第1四半期連結会計期間より石油製品に関する中国国内での大口取引を開始させた結果、売上高は4,392,392千円(前年同期比600.61%増)、セグメント利益は287,520千円(前年同期比395.72%増)となりました。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、155,507千円増加し、282,094千円となりました。この主な増減は、次のとおりであります。

 

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

    当連結会計年度の営業活動により獲得した資金は、136,064千円となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益80,301千円を計上し、前渡金が83,634千円、棚卸資産が321,922円千円減少し、売上債権385,520千円、仕入債務75,860千円、未払金57,210千円増加し、また、減価償却費25,399千円、のれん償却額21,209千円を計上したこと等によるものであります。

 

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

    当連結会計年度の投資活動により支出した資金は、15,882千円となりました。この主な要因は、固定資産の取得による支出13,482千円、敷金・保証金の支払による支出2,400千円によるものであります。

 

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動により得られた資金は、24,486千円となりました。この主な要因は、第6回新株予約権の行使により取得した資金と短期借入金の返済により支出したものであります。

 

  (その他)

 これらに加え、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額9,800千円が発生しております。

 

 

 ③ 仕入及び販売の状況

  ⅰ 仕入実績

 当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(千円)

前年同期比(%)

アパレル事業

27,046

△1.03

不動産関連サービス事業

328,361

4,696.95

貿易事業

3,847,891

589.55

合計

4,203,298

609.78

 

(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当連結会計年度において当社及び中国子会社の貿易事業セグメントの売上急拡大に伴い仕入実績に著しい変動がありました。また、不動産関連サービス事業は販売用不動産の売却に伴い仕入実績に著しい変動がありました。

 

 ⅱ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

アパレル事業

42,448

△31.52

不動産関連サービス事業

334,658

1,370.36

貿易事業

4,392,392

600.61

合計

4,769,500

570.17

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   2.当連結会計年度において、当社及び中国子会社の貿易事業セグメントの売上急拡大により売上が著しい増加したため、販売実績に変動がありました。また、不動産関連サービス事業は販売用不動産の売却に伴い、販売実績に変動がありました。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度
(自  令和2年2月1日
 至  令和3年1月31日)

当連結会計年度
(自  令和3年2月1日
 至  令和4年1月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

恒逸JAPAN株式会社

145,490

20.44

335,556

7.04

株式会社ジェネレーションパス

201,113

28.25

大連広和石油化工有限公司

1,027,308

21.54

厚生労働省

1,000,000

20.97

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、経営者による会計方針の採用、資産・負債及び収益・費用の計上については会計基準及び実務指針等により見積りを行っております。この見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。

 

② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比べて38,517千円増加し、1,425,705千円となりました。

流動資産は、1,093,805千円(前連結会計年度末比66,946千円増)となりました。この主な原因は、現金及び預金が155,507千円、売掛金が386,744千円、その他資産が28,141千円増加し、販売用不動産が323,034千円、前渡金が83,360千円、供託金が32,500千円、未収入金が34,536千円、短期貸付金が26,494千円及び貸倒引当金が2,733千円それぞれ減少したことによるものであります。

固定資産は、331,899千円(前連結会計年度末比28,430千円減)となりました。そのうち主要なものは、有形固定資産が225,296千円(前連結会計年度末比9,712千円減)、無形固定資産のうち、のれんが84,836千円(前連結会計年度比21,209千円減)、投資その他資産が21,455千円(前連結会計年度比2,492千円増)であります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて261,178千円減少し、516,004千円となりました。この主な原因は、買掛金が76,368千円、未払金が73,849千円増加し、短期借入金が175,169千円、訴訟損失引当金が183,672千円、その他負債が41,596千円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて299,694千円増加し、909,700千円となりました。この主な原因は、第6回新株予約権の行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ117,990千円増加し、非支配株主持分を11,359千円、親会社株主に帰属する当期純利益を64,312千円を計上したことによるものであります。

 

 経営成績の分析

  当社は、経営理念に基づき、コンプライアンスの順守と内部統制システムの確立を行いながら、セグメントごとの部門収益の確保を図ることが重要課題であると捉えて営業活動に取り込んでまいりました。

 アパレル卸売事業につきましては、当社が保有するブランド価値を精査し当社の中長期戦略並びに売上高や収益構造の改善が見通しにくいブランドの整理を行いました。一方、上海子会社では自社ユニフォームブランドの販売拡大に向けた営業活動を積極的に行ってまいりました。

 不動産関連サービス事業につきましては、販売を目的に購入した収益物件の販売活動を積極的に行った結果、当該連結累計会計年度内で売却することができました。

 貿易事業におきましては、取扱製品領域の拡大に積極的に営業活動を行ってきた結果、当該連結会計累計期間中に廃金属に関する貿易事業に加え、上海子会社では大口石油貿易取引を成立させました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、売上高4,769,500千円(前年同期比570.17%増)、営業利益44,625千円(前年同期は136,284千円の営業損失)、経常利益15,441千円(前年同期は163,366千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は64,312千円(前年同期は164,319千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

 

キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況、2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりです。

 当社は、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。

 運転資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、状況に応じて直接金融による調達により、資金の確保を行います。

 なお、当連結会計年度につきましては、第三者割当による第6回新株予約権の行使により、直接金融市場にて232,158千円の資金調達を実施し、事業運営上必要な資金を確保及び流動性の維持を図っております。

 その結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、282,094千円となりました。

 

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