業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1) 業績

 当連結会計年度(2021年10月1日~2022年9月30日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の「第7波」とされる急激な感染再拡大が見られたものの、社会経済活動を維持する対策により、景気に持ち直しの動きが見受けられました。

 しかしながら、ウクライナ情勢等による原材料及び燃料価格の上昇や、米国での政策金利引き上げによる日米の金利差拡大に伴う急激な為替変動などの影響により、消費者物価の上昇が懸念されるなど、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。

 当社グループが関わる食品関連業界においては、エネルギー価格や物流コストの高騰、相次ぐ値上げによる消費者の節約志向が高まるなど、厳しい経営環境が続いております。

 

 このような状況のなか、当社グループは2023年を最終年度とする中期経営計画(第Ⅰ期)「創る力」を策定し、冷蔵倉庫事業は「事業モデルの創造」、食品販売事業は「新たな食の価値の創出」を方針とし、最終年度(2023年9月期)に向けた事業目標およびサステナビリティ目標達成に向け、各重点施策に取り組んでまいりました。

 その結果、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績は、売上高115,257百万円(前期比4.0%増)、営業利益4,252百万円(前期比65.9%増)、経常利益4,999百万円(前期比81.0%増)となりました。しかしながら親会社株主に帰属する当期純利益は、前期においてノルウェー養殖事業再編に伴う特別利益2,646百万円の影響があった為、3,317百万円(前期比8.0%減)となりました。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。このため、前期比較は基準の異なる算定方法に基づく数値と比較しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照下さい。

 セグメントごとの業績は次のとおりです。

 

①冷蔵倉庫事業

 当連結会計年度、冷蔵倉庫事業は増収増益となりました。

 新型コロナウイルスの影響は続いておりますが、荷動きは回復し、入庫量、出庫量、在庫数量ともに前期を上回りました。

 中でも、中期経営計画の重点施策である環境配慮型経営を支援する「複合型マルチ物流サービス」において、引続き、冷凍食品の取扱量が増加しました。

 その他、海上コンテナ不足に起因する貨物の入庫遅れが解消され、港湾地区の荷動きも活発となり、前期落ち込んだ取扱量が回復し利益に大きく貢献しました。

 タイの連結子会社THAI YOKOREI CO.,LTD.においても、入庫量、出庫量ともに前期を上回り、主要品目である畜産品等が増加し、増収増益となりました。

 以上の結果、冷蔵倉庫事業の業績は、売上高は30,045百万円(前期比6.2%増)、営業利益は6,447百万円(前期比7.9%増)となりました。

 

②食品販売事業

 当連結会計年度、食品販売事業は増収増益となりました。

 水産品は、中期経営計画の施策である産地事業所や海外パートナーとの連携が進み、特にHofsethグループとのノルウェーサーモンの取引を強化したことにより、国内量販店、外食等への販売が拡大し、また魚卵、ペルーイカ等の事業品の国内外への販売が大きく利益に貢献しました。一方、ウクライナ情勢によるカニの相場の下落、中国のロックダウンによるデマレージ費用の増加は利益を押し下げましたが、水産品全体では増収増益となりました。

 畜産品は、中期経営計画の施策である量から質への変革を進め、チキンが外食向け、中食向け、量販店、ペットフード用等へ販売を伸ばしました。ポークはコロナ禍によるまん延防止等重点措置の影響により外食向けの取扱いが減少し、畜産品全体では減収増益となりました。

 農産品は、主力のイモ類は前年並みに推移しましたが、キャベツの取扱が増加し利益に貢献し、増収増益となりました。

 

 以上の結果、食品販売事業の業績は、売上高85,157百万円(前期比3.3%増)、営業利益1,324百万円(前期は302百万円の営業損失)となりました。

 

 (2) キャッシュ・フロー

主要項目

前連結会計年度

(自 2020年10月1日

 至 2021年9月30日)

当連結会計年度

(自 2021年10月1日

 至 2022年9月30日)

増減額

 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

12,786

5,982

△6,804

 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△11,644

△2,910

8,734

 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△2,215

△3,839

△1,623

 現金及び現金同等物の増減額(百万円)

△961

△747

213

 現金及び現金同等物の期末残高(百万円)

3,160

2,413

△747

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ747百万円減少の2,413百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な内容は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、5,982百万円の資金の増加(前年同期は、12,786百万円の資金の増加)となり、その主な内容は税金等調整前当期純利益4,999百万円、減価償却費6,413百万円等の資金の増加と、売上債権の増加額2,070百万円、棚卸資産の増加額3,928百万円等の資金の減少によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、2,910百万円の資金の減少(前年同期は、11,644百万円の資金の減少)となり、その主な内容は連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入7,784百万円等の資金の増加と、有形固定資産の取得による支出8,565百万円、投資有価証券の取得による支出2,998百万円等の資金の減少によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、3,839百万円の資金の減少(前年同期は、2,215百万円の資金の減少)となり、その主な内容は金融機関からの借入の純減額2,374百万円、配当金の支払額1,358百万円等の資金の減少によるものです。

 

 

生産、受注及び販売の実績

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年10月1日

   至  2022年9月30日)

前年同期比(%)

 

  冷蔵倉庫事業(百万円)

   保 管 ・ 荷 役  他

 

 

23,555

 

105.8

  食品販売事業(百万円)

   水   産   品

   畜   産   品

   農 産 品 ・ 他

   小       計

 

59,216

13,719

1,245

74,181

 

109.8

95.4

100.1

106.6

  そ   の   他(百万円)

6

△115.3

  合    計(百万円)

97,744

106.4

 (注)1.冷蔵倉庫事業生産実績は冷凍事業原価、食品販売事業生産実績は商品仕入高及び商品加工費用の合計額を示

      しております。

        2. セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 受注実績

  当社は受注生産を行っておりません。

    (3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2021年10月1日

   至  2022年9月30日)

前年同期比(%)

 

  冷蔵倉庫事業(百万円)

   保       管

   荷       役

   運 送 取 扱 ・  他

   小       計

 

 

14,858

6,505

8,681

30,045

 

105.1

106.0

108.4

106.2

  食品販売事業(百万円)

   水   産   品

   畜   産   品

   農 産 品 ・ 他

   小       計

 

68,253

15,461

1,443

85,157

 

108.4

87.5

81.3

103.3

  そ   の   他(百万円)

54

97.2

  合    計(百万円)

115,257

104.0

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

(2)  財政状態の分析

①総資産

 総資産は、前連結会計年度末に比べ818百万円増加し、179,021百万円となりました。これは主に、商品が3,916百万円、投資有価証券が2,342百万円、受取手形及び売掛金が2,106百万円増加したこと、その他(未収入金)が8,249百万円減少したこと等によるものです。

②負債総額

 負債総額は、前連結会計年度末に比べ1,783百万円減少し、93,850百万円となりました。これは主に、借入金が2,144百万円減少したこと等によるものです。

③純資産

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2,601百万円増加し、85,170百万円となりました。

(3) キャッシュ・フローについての分析

 キャッシュ・フローの分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(2)キャッシュ・フロー」の項目をご参照ください。

(4) 経営成績の分析

 経営成績の分析及びセグメント別の分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1)業績」の項目をご参照ください。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「2.事業等のリスク」の項目をご参照ください。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性

①資金需要

 当社グループの事業活動における運転資金需要は、主として商品仕入の他、販売費及び一般管理費等にかかるものです。

 また、設備資金需要は、主として冷蔵倉庫の建設及び改修等にかかるものです。

 投資資金需要は、主として海外事業への投資にかかるものです。

②財務政策

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,413百万円となっております。

 運転資金につきましては、主として営業収入及び短期借入でまかなうこととしておりますが、流動性及び機動性の補完を図るため、主要取引銀行との間で総額12,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。

 設備資金・投資資金は、主として内部資金及び長期借入金、社債等により調達しております。

 

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