業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大が各種感染防止策の効果やワクチン接種の進展により落ち着き、経済社会活動が徐々に正常化に向かい始めるなかで個人消費に持ち直しの動きが見られた一方、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大、ウクライナ危機を背景とする原油価格の高騰等から物価上昇圧力が強まり、景気の先行きに不透明感が高まりました。

食品業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための外出自粛要請や休業要請、営業時間の短縮等により外食等の需要が減少する一方で、中食・内食の需要が増加する等、食に対する需要が大きく変化しました。また、穀物価格の上昇等により原材料価格が上昇し値上げが相次ぎました。鶏卵業界では2020年11月から2021年3月にかけての鳥インフルエンザの大規模な発生により鶏卵の需給が逼迫した余波を受けて、鶏卵相場が極めて高い水準で推移しました。

このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の連結売上高につきましては、過去最高となる17,430百万円(前連結会計年度比26.1%増)となりました。

損益につきましては、連結営業利益は8期連続増益となる1,325百万円(同11.9%増)、連結経常利益は8期連続増益となる1,357百万円(同12.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3期連続増益となる996百万円(同20.0%増)となり、いずれも過去最高益となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高が105百万円減少しております。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

鶏卵関連事業

当セグメントにおきましては、主要な商品である液卵の製品販売単価及び原料仕入単価が鶏卵相場に連動して変動するものが多くあります。鶏卵相場が高く推移した場合は、製品販売単価及び原料仕入単価はともに高く推移する傾向にあります。一方、鶏卵相場が低く推移した場合は、製品販売単価及び原料仕入単価はともに低く推移する傾向にあります。そのため、製品販売単価と原料仕入単価の差益の一定額以上の確保と販売数量の確保により利益が最大になるように努めております。

当セグメントにおける売上の指標となる販売数量につきましては、前連結会計年度に比べ5.4%増となりました。これは主に、前述の鳥インフルエンザの大規模な発生に伴い鶏卵の需給が逼迫し鶏卵市場に原料卵が不足するなか、輸入卵や委託生産等多様な調達手段により原料卵の安定確保に注力し、既存取引先への安定供給に努めたことや、営業面での積極的なアプローチにより新規取引先を獲得できたこと等によるものであります。

売上高につきましては、鶏卵相場(全農東京Mサイズ基準値)が26.6%(45円/kg)高と大幅に上昇したことに伴い連動する販売単価が上昇したこと及び販売数量が増加したこと等により、液卵売上高は15,219百万円(前連結会計年度比29.6%増)となりました。また、加工品売上高は卵白プロテインの販売増等により509百万円(同8.6%増)、その他売上高は591百万円(同23.1%増)となりました。この結果、当セグメント合計の売上高は16,319百万円(同28.5%増)となりました。

セグメント利益につきましては、鶏卵相場高に伴い原料仕入単価が高騰したため一部の製品の販売単価改定を行ったこと、また前述のとおり販売数量が増加したこと、さらに工場の生産効率の向上や歩留まりの向上による製造コストの削減に努めたこと等、業績を向上させるべく様々な施策を積極的に講じた結果、1,242百万円(同9.0%増)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、従来、顧客に支払われる対価の一部を販売促進費として販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、当期より、これら顧客に支払われる対価は売上高から控除して表示しており、この結果、売上高が34百万円減少しております。

 

 

調味料関連事業

当セグメントの売上高につきましては、既存得意先への販売増等により1,196百万円(前連結会計年度比3.8%増)となりました。

セグメント利益につきましては、上記売上高の増加及び販売費及び一般管理費の低減に努めた結果、70百万円(同130.2%増)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、得意先から受け取る対価の総額を売上高として認識していた取引のうち、顧客への商品等の提供における当社の役割が代理人に該当する取引については、顧客から受け取る対価から商品等の仕入先に支払う額を控除した純額で売上高を認識する方法に変更しており、この結果、売上高が70百万円減少しております。

 

その他

当セグメントは太陽光発電であり、売上高は前連結会計年度並みの24百万円となり、セグメント利益は太陽光パネルの修理等により13百万円(前連結会計年度比6.8%減)となりました。

 

 当社グループの当連結会計年度の財政状態の分析につきましては次のとおりであります。

 

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は11,759百万円となり、前連結会計年度末に比べ720百万円増加しました。

流動資産は6,824百万円となり、前連結会計年度末に比べ603百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金の増加232百万円、商品及び製品の増加169百万円、原材料及び貯蔵品の増加153百万円等によるものであります。 

固定資産は4,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ116百万円増加しました。主な要因は、機械装置及び運搬具の増加145百万円、繰延税金資産の増加86百万円、建物及び構築物の減少96百万円等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は4,230百万円となり、前連結会計年度末に比べ85百万円減少しました。

流動負債は2,863百万円となり、前連結会計年度末に比べ306百万円増加しました。主な要因は、流動負債のその他に含まれる仮受金の増加205百万円及び未払金の増加130百万円等によるものであります。 

固定負債は1,367百万円となり、前連結会計年度末に比べ391百万円減少しました。主な要因は、長期借入金の減少382百万円等によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は7,529百万円となり、前連結会計年度末に比べ805百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益996百万円の計上等によるものであります。

この結果、自己資本比率は64.0%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における「現金及び現金同等物の期末残高」は、前連結会計年度末に比べ232百万円増加し2,661百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ87百万円増加し1,140百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上1,337百万円、減価償却費の計上374百万円等による資金の増加が、棚卸資産の増加330百万円、法人税等の支払い456百万円等による資金の減少を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動により使用された資金は、前連結会計年度に比べ71百万円増加し311百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出307百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動により使用された資金は、前連結会計年度に比べ284百万円増加し596百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出404百万円、配当金の支払い213百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント

金額(百万円)

前期比(%)

鶏卵関連事業

15,689

+31.0

調味料関連事業

1,184

+12.0

合計

16,873

+29.5

 

(注) 金額は、販売価格で表示しております。

 

 

b. 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント

金額(百万円)

前期比(%)

鶏卵関連事業

658

+25.5

調味料関連事業

4

△93.9

合計

663

+9.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2 金額は、実際仕入額で表示しております。

 

c. 受注実績

当社グループの製品については、概ね受注生産でありますが、生産と販売の関連において製品の回転が早く、月末(または期末)における受注残高が極めて少ないため、受注実績の記載を省略しております。

 

d. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメント

金額(百万円)

前期比(%)

鶏卵関連事業

16,319

+28.5

調味料関連事業

1,085

△1.7

その他

24

+0.3

合計

17,430

+26.1

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

   2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

鶏卵関連事業につきましては、液卵売上高は、前連結会計年度に比べ29.6%増の15,219百万円となりました。これは主に、販売数量の増加や鶏卵相場(全農東京M基準値)が26.6%(45円/kg)上昇したことに伴い連動する販売単価も上昇した影響等によるものであります。なお、売上の指標である販売数量は、新規取引先の獲得や菓子メーカー向けの販売が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ5.4%増で10期連続の増加となり、9期連続で過去最高を更新しました。加工品売上高は、卵白プロテインの販売が増加したこと等により同8.6%増の509百万円、その他売上高は同23.1%増の591百万円となりました。この結果、当セグメント合計の売上高は同28.5%増の16,319百万円となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、従来、顧客に支払われる対価の一部を販売促進費として販売費及び一般管理費に計上しておりましたが、当期より、これら顧客に支払われる対価は売上高から控除して表示しており、この結果、売上高が34百万円減少しております。

調味料関連事業につきましては、既存取引先への販売が増加したこと等により前連結会計年度に比べ3.8%増の1,196百万円となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、得意先から受け取る対価の総額を売上高として認識していた取引のうち、顧客への商品等の提供における当社の役割が代理人に該当する取引については、顧客から受け取る対価から商品等の仕入先に支払う額を控除した純額で売上高を認識する方法に変更しており、この結果、売上高が70百万円減少しております。

その他につきましては太陽光発電事業であり、売上高は前連結会計年度並の24百万円となりました。

この結果、セグメント間の内部売上高を除いた連結売上高は前連結会計年度に比べ26.1%増の17,430百万円となりました。

 

(売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は、主に鶏卵関連事業において、鶏卵相場の上昇に伴う材料費の増加や原料仕入数量増に伴う運賃の増加、また重油価格や電気料の上昇による水道光熱費の増加等により、前連結会計年度に比べ32.4%増の14,026百万円となりました。

この結果、売上総利益は同5.3%増の3,403百万円となりました。

 

 

(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、鶏卵関連事業における販売数量の増加による運賃の増加や製品販売増加による保管数量減による保管料の減少、収益認識会計基準等の適用による販売促進費の減少、また調味料関連事業における旅費交通費の減少等により、前連結会計年度に比べ1.4%増の2,077百万円となりました。

この結果、営業利益は同11.9%増の1,325百万円となり、8期連続の増益で過去最高益となりました。

 

(経常利益)

営業外収益は、受取賃貸料24百万円の計上等により40百万円となりました。営業外費用は、支払利息8百万円の計上となりました。

この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ12.2%増の1,357百万円となり、8期連続の増益で過去最高益となりました。経常利益率は7.8%となりました。

 

(特別損益)

特別利益は、投資有価証券売却益5百万円を計上しました。特別損失は、鶏卵関連事業の一部資産について減損損失22百万円を計上したこと等により合計24百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ20.0%増の996百万円となり、3期連続の増益で過去最高益となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要としましては、運転資金、設備投資、借入金の返済及び利息の支払、税金及び配当金の支払等であります。資金の調達手段としましては、主に、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れにより調達しております。また、運転資金の効率的な調達のため、主要取引銀行4行と当座貸越契約を締結することで手元流動性を確保しており、金融機関との間で総額2,800百万円の契約を締結しております。本契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は500百万円であります。

当連結会計年度における資金調達の状況につきましては、税金等調整前当期純利益の計上1,337百万円、減価償却費の計上374百万円等による資金の増加が、棚卸資産の増加330百万円、法人税等の支払い456百万円等による資金の減少を上回ったことにより、営業活動によるキャッシュ・フローは1,140百万円のキャッシュ・インとなりました。

なお、当期は長期借入金の借入れは行わず、設備投資については自己資金で行いました。

翌期につきましては、運転資金や経常的に発生する設備更新等については、営業活動によるキャッシュ・フローや当座貸越契約による調達、また長期借入金でまかなう予定であります。

なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

③重要な会計上の見積り及び当期見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点での合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果とは異なる場合があります。

なお、当期の連結財務諸表の作成にあたっては、新型コロナウイルス感染症の影響が2022年度上期以降も一定期間にわたり継続するとの仮定を置いたうえで会計上の見積りを検討しており、今後の状況の変化によっては翌連結会計年度以降の連結財務諸表において重要な影響を与える可能性があります。

当社グループは、特に以下の会計上の見積りが当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものと考えております

 

a.貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払能力が著しく低下した場合、追加引当処理が必要となる可能性があります。

 

b.固定資産の減損処理

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

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