課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、「わが社は、高い倫理観を保ち、浮利を追わず、質実剛健と先憂後楽の社風を確立して、社業の発展に努め、以って取引先、従業員並びに株主に対する企業責任を全うし、社会に貢献することを旨とする。」という基本理念に基づき、販売先である食品業界へは徹底した品質管理のもと安定した製品を安定的に供給し、仕入先である鶏卵業界へは需要期、不需要期のアンバランスをなくす需給調整機能を提供し、また食のインフラとして国民の豊かな食生活に貢献してまいります。また、社会の公器として法令はもとより企業倫理を遵守します。
 また連結子会社の日本化工食品株式会社は、「1.この仕事を通じて社会に貢献する。2.この仕事を通じて魅力ある立派な人間を育成する。3.取引先より信用と信頼を得られる魅力ある商品を創造する。4.魅力ある会社、魅力ある工場にしてゆく。」という会社理念を基本としております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては特に定めておりませんが、売上高経常利益率8%以上を安定的に確保することを目標としており、この数値を会社の持続的な成長のための製造設備や研究開発等への積極的な投資の源泉、株主に対する利益還元の源泉、また従業員の持続的な所得向上等の従業員満足度向上のための源泉と位置づけ、この指標を達成できるよう努力してまいります。 

 

(3)経営環境、経営戦略及び対処すべき課題

当社グループが属する食品業界におきましては、原材料価格の高騰や円安を背景とする食品価格の値上げによる消費者の生活防衛意識の強まりや、国内の人口減少に伴う国内需要の減少懸念など、厳しい経営環境が続くことが予想されます。加えて、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、食に対する需要が大きく変化しております。

このような状況を踏まえ、当社グループは、中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題について、以下の諸施策を推進し、企業価値の増大に努めてまいります。

 

①営業施策

鶏卵関連事業に関しましては、主要な製品である液卵、凍結卵について、お客様が求める品質の製品を、安定供給することを使命とし、適正価格でご提供できるよう、営業コスト削減や業務の合理化等に努めてまいります。また営業と研究開発との連携を強化させることにより、お客様ごとに適した製品を提供してまいります。少子高齢化や人口減に伴う労働力不足が社会問題化する中、液卵、凍結卵は業務の効率化、省力化にアドバンテージを持つ製品であることをアピールし、新たなお客様や新たな業種への積極的な拡販を行ってまいります。

調味料関連事業に関しましては、主要な製品である粉体及び顆粒調味料の販売に関するマーケティングを強化し、営業と研究開発の相互連携によってお客様のニーズを迅速に製品開発に反映させて高付加価値化を図り、販売価格の適正化に努めるとともに、独自の生産技術を活用し、主力である即席めん・ふりかけ業界以外にスナック菓子業界等新たな業種への提案を強化し、販路拡大に努力してまいります。

 

②購買施策

鶏卵関連事業に関しましては、国内での鳥インフルエンザの発生に伴う鶏卵の需給逼迫懸念や飼料価格の変動及び養鶏業界の寡占化が進むなど、購買環境は大変厳しくなると予想されます。このような状況を踏まえ、仕入先の更なる拡大、需要と供給のアンバランスを調整する需給調整、原料定期仕入比率の向上、委託生産、輸入の検討等、仕入システムの多様化を図り、当社が経営の第一目標としているお客様への安定供給責任を果たしてまいります。

調味料関連事業につきましては、得意先の商品のライフサイクルが短いため、購買管理と在庫管理を徹底し、原料や資材等のデッドストックを減らすべく努力してまいります。

 

③製造施策

鶏卵関連事業に関しましては、食品メーカーとして品質を第一とし、食品安全マネジメントシステムの導入や最新鋭設備の新設及び増設、既存設備の更新等を積極的に行い、お客様へより安全・安心な製品を安定的に提供すべく努力をしてまいります。また、品質保証体制の継続的な改善を図るため、作業手順書・マニュアルの整備はもちろんのこと、製造会議・安全衛生委員会を充実させ、従業員の衛生意識の向上、食品衛生法関連の法令並びに規制を遵守させるための教育に力を入れてまいります。さらに、社内で推奨している2S(整理、整頓)を徹底し、作業環境の改善等による作業効率化を図ってまいります。

調味料関連事業に関しましては、品質向上・生産効率向上のための設備更新や生産ラインの合理化等を積極的に行い、安全・安心な製品を製造することを第一の目標とし、従業員の意識改革により品質保証体制の構築及び経費削減を進め、またシステム活用及び多能工化による作業の効率化により製造効率の向上に努力してまいります。

 

④コスト削減活動

コスト削減については、従業員がコスト削減や業務改善について提案する「提案制度」を設けており、この制度を積極的に活用し、社内でのコスト削減意識を高め、低コストオペレーション(「品質」・「効率」・「歩留」・「もったいない」)の推進に努めてまいります。また、社内のコスト削減への取り組みに対する評価を行い、優秀な提案を表彰するなど、常に業務改善やコスト削減に取り組む体制にしてまいります。

 

 

⑤研究開発

鶏卵関連事業に関しましては、営業との連携を図り、周囲の状況や変化を敏感に捉えるセンスと柔軟な発想をもって利益に貢献できる品質改良や製品開発を行ってまいります。その中でもお客様のニーズが高い商品に的を絞って取り組みます。また、研究機関や大学、他社との連携を図り、卵殻及び卵殻膜の用途開発等、鶏卵の新規用途の可能性や廃棄物の有効利用のための研究開発を強化してまいります。

調味料関連事業に関しましては、開発担当者が営業担当者とチームを作り、お客様の様々な要望に応えるために、直接訪問し対話することで、お客様の意図や嗜好性を把握しながら商品開発を進めてまいります。

 

⑥業容の拡大

当社グループとシナジー効果の見込める業務提携や買収なども視野に入れ、業容の拡大を図ってまいります。

 

なお、新型コロナウイルス対応につきましては、感染拡大防止と事業継続維持の両面からリスク管理を徹底しており、製品に係る「食の安全」のための施策はもちろんのこと、お取引先様や従業員の健康と安全の確保に努め、万一の場合にも事業への影響を最小限に抑えられるよう必要な対策を優先的に実行してまいります。同時に、外出自粛等による「巣ごもり」「即食」「留守食」等の需要にも対応してまいります。

 

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