文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
<グループ企業理念>
私たちは多くの人々に支えられて存在している社会の一員であることを自覚し、それらの人々との日々の出会いを通して“魅力ある価値”を創造します。
そして、たゆみない質の向上と地球環境との共生をベースに、社会のニーズを先取りした“魅力ある商品・サービス”を創作し、多くの人々の豊かな“魅力ある社会”の実現に貢献します。
<グループ経営理念>
① 既成のビジネスモデルにとらわれず、新しい時代の新しい経済環境に即応し斬新で革新的な経営を考えることにより社員の叡智と創造力を高めもって自由闊達な社風作りと安定した成長を図るとともに社会との共存共栄を目指す。
② “住まいは人の心を創り人の生活を創る”ことを常に認識し、住まい本来の機能性や居住性の追求はもちろんのこと、地域社会や環境と調和し、時代や流行の変化を先取りする洗練された魅力的な商品を提供することにより、お客様のご要望に的確にお応えする経営を目指す。
③ 地域社会の生活を尊重したクリーンでフェアーな企業活動を通じて、“心豊かになるような住まい”を提供することにより、地域の住環境創りに寄与する経営を目指す。
④ 共に働く人々が、努力と研鑽を重ねることによって自分の能力を最大限に発揮することができ、生き生きと輝き夢のある楽しい人生を送れるような職場環境作りを目指す。
⑤ “お客様の満足度と社員の意欲が企業を支えるものである”ことを念頭に、利益の適切な還元を図ることによって社会との調和のある経営を目指す。
(2) 経営戦略等
当社は、2022年4月4日に予定されている東京証券取引所の新市場区分への移行について、「グロース市場」へ移行することが決定しております。
持続的成長と中長期的な企業価値向上をグループ経営における最重要課題と位置付けており、これらの実現に向けて、競争優位性の高い分野や継続的に高い成長が期待できる市場など、グループ経営資源を最大限に発揮できる新たな事業領域に挑戦し、引き続き事業ポートフォリオの拡大及び最適化を図ってまいります。
新築不動産販売部門においては、収益不動産開発を主力とし、未来の一等地となるポテンシャルの高いエリアを中心に展開することで、住居系・商業系開発のブランド化を図っています。斬新で革新的な商品企画力を競争力の源泉とし、競合が少ないニッチな領域に特化することで、独自のポジションを確立しています。
再生不動産販売部門においては、「都心一等地」「100㎡の広さ」「上質」をキーワードに厳選した仕入れ活動を行い、1億円から3億円台の「プレミアム・リノベーション」シリーズを中心とした高価格帯に注力しています。富裕層のニーズに対応した企画・デザイン力により、価格競争に巻き込まれることのない競争優位性の高い高付加価値の商品を提供しています。
不動産賃貸事業部門においては、ヘルスケア施設を中心に商業施設、オフィスビルや住宅など、用途の異なる優良不動産を分散して保有し、バランスの良い賃貸ポートフォリオを構築しています。また、堅調な収益の見込める賃貸不動産の開発及び取得をよりいっそう進め長期的に安定した収益の獲得を進めます。具体的には毎年10億円を上積みし、資産残高100億円超を目指しています。
新たな事業領域への挑戦としては、M&Aや他社との戦略的提携を活用し、再生可能エネルギー事業やDX事業などの成長分野への新規参入による新たな収益獲得の機会を目指し、中長期的な企業価値向上への取り組みを推進してまいります。
これらにより、中期経営計画の数値目標達成を目指してまいります。
(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標は、「売上高総利益率」「売上高経常利益率」「自己資本比率」「ROE(株主資本利益率)」であります。
当該指標を採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であり、また、将来の成長投資の機会に機動的に対応できるよう多様な資金調達による強固な財務基盤を確保するために、財務健全性の向上を図っていくことが必要であるからであります。
経営方針・経営戦略等の進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能となるため、2022年度においては「売上高総利益率」は18%以上、「売上高経常利益率」は7~8%以上、「自己資本比率」は20%以上、「ROE(株主資本利益率)」は20%以上を目標としております。
これらの目標に対し、当連結会計年度の達成状況は次のとおりです。
経営指標 |
2021年度目標値 |
当連結会計年度 |
目標差異 |
2022年度目標値 |
売上高総利益率 |
18%以上 |
35% |
+17% |
18%以上 |
売上高経常利益率 |
7~8%以上 |
19% |
+11% |
7~8%以上 |
自己資本比率 |
20%以上 |
20% |
-% |
20%以上 |
ROE(株主資本利益率) |
20%以上 |
34% |
+14% |
20%以上 |
(4) 経営環境
経営環境につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 財務基盤の強化
継続的な利益成長を実現していく上で、財務基盤の最適化を図りながら将来の成長投資と株主還元の両立を実現していくことを経営課題として認識しています。自己資本比率20%以上を維持しつつ、25%を目指すとともに、ROE(株主資本利益率)20%以上を目標とし、財務健全性を維持しながら資本効率の向上に努めてまいります。
② 既存事業の深化
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により当社グループを取り巻く事業環境においても、不透明な状況が続いております。このような外部環境を踏まえ、当社グループが安定的に成長していくためには、フロー型ビジネスの不動産開発事業とストック型ビジネスの不動産賃貸事業をバランスよく成長させておくことが重要だと考えております。不動産開発事業においては、資金調達力の向上による仕入案件の大型化・高収益化を見込んでおります。また、住居系及び商業系開発は、地方主要都市へもエリア展開し、更なる事業基盤の拡大を目指してまいります。不動産賃貸事業においては、全国主要都市を中心に優良賃貸資産の開発及び取得を積極的に進め、安定的な収益獲得を目指してまいります。
③ 新規事業の創出
当社は、「2022年~2024年 中期経営計画」の方針に基づき、新たな収益となる事業展開を目的として新規事業の創出を重点施策の一つとしております。これらの成長戦略を実現するためには、M&Aや他社との戦略的提携を活用し、再生可能エネルギー事業やDX事業など成長分野への新規参入による新たな収益獲得の機会を目指し、中長期的な企業価値向上への取り組みを推進してまいります。
④ サステナビリティの取り組み
当社グループが持続的成長及び企業価値向上を図っていくためにますます重要になってくるのは、サステナビリティの観点です。環境においては、循環型エネルギー社会の実現に向けた脱炭素への取り組みを展開してまいります。社会課題においては、少子高齢化社会に対応した商品供給を通じて安心・安全なまちづくりや地域社会との共生による地域・社会の課題解決に貢献してまいります。ガバナンスにおいては、経営の透明性及び健全性確保の観点から、リスク管理の整備やグループ全体の横断的なコンプライアンス体制による法令遵守の徹底に努め、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。
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