文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「タスキで世界をつなぐ~革新的なイノベーションで社会のハブになる~」を企業理念に掲げ、先端テクノロジーの活用を強みとするライフプラットフォーマーとして、人々の暮らしのアップデートを目指しております。私たちはこれを具現化するため、以下の「タスキValue」の実践を通して、すべてのステークホルダーに満足いただける企業活動を推し進めることにより、持続的な成長と企業価値の向上を図り、社会を、そして人生を豊かにしていくことの実現に貢献してまいります。
〔タスキValue〕
・目指す所
確かなテクノロジーで人・街・暮らしを次なるステージへ
・使命
変化していく世界に対応した、新しいカルチャーを生み出す
・続けていく事
選び抜かれたベストプラクティスで、その先の世界へ
これらを実践し、すべてのお客様に満足いただける企業活動・社会貢献を推し進めることにより、企業価値向上を図ることを経営の基本方針としております。
こうした経営方針のもと、当社が事業展開する不動産領域において、先端テクノロジーを活用することによって、不動産業界が自らのポテンシャルをさらに開花させることができると考えており、業界全体の発展と市場のさらなる拡大に貢献できる企業として挑戦していく所存です。
(2)経営戦略
当社グループはこれまで、Life Platform事業の認知度向上を強化する戦略を推進してまいりましたが、今後もこの戦略を継続しLife Platform事業に経営資源を投下することにより、事業拡大を図るとともに、事業にかかる機能の強化及び領域拡大等に取り組むことで収益基盤の強化を図っていく方針であります。当社の認知度を一層高め、事業の規模を拡大し、ライフプラットフォーマーとして持続可能な成長を目指してまいります。
①東京23区・駅近(徒歩5分)特化による認知度向上
東京の不動産は世界的に見ても収益性や安定性の観点から魅力的な不動産として注目を集めています。当社は投資用不動産を東京23区・駅近(徒歩5分)で供給する「小規模・都心特化型」のプロフェッショナルとして、顧客の様々なニーズに対応してまいりました。
今後も、常に独自性ある商品創りを追求し、東京23区に特化した取り組みによって認知度の向上を図ってまいります。
②「タスキDX構想」及び「TASUKI TECH」の認知度向上
当社は、特に不動産領域において、テクノロジーが十分に活用されておらず、業務の属人化、長時間労働の常態化といった業界が抱える課題を解決すべく、「タスキDX構想」を掲げております。
DXを推進する専門部署として、2020年11月にDX戦略研究室を創設し、先端テクノロジー活用による不動産価値流通の研究開発を進めております。
今後も、不動産DXを推進する企業としての認知度向上と、「TASUKI TECH」が提供するサービスの成長に取り組んでまいります。
③不動産投資型クラウドファンディング事業「TASUKI FUNDS」の推進
当社は、不動産特定共同事業法に基づき、エクイティ型のクラウドファンディング事業「TASUKI FUNDS」を開始しました。
低金利かつ年金不安が高まる時代にあって、当社は、1口10万円から投資が可能なクラウドファンディング事業を通じて、これまで限られた属性の投資家のみが参加していた不動産投資市場において、幅広い属性の個人に対して魅力ある安定した資産運用商品を提供してまいります。
④新築投資用IoTレジデンスを通じた顧客との接点の拡大
当社が提供する物件は、相続税対策商品として賃貸事業用不動産の評価と小規模宅地の特例によって不動産カテゴリーの中でも最も節税効果が期待される商品であると考えております。
当該商品をより一層拡充していくことは、相続対策を考える顧客とのリレーション構築に繋がり、当社の競争優位性の確保や付帯サービスの発展に大いに資することから、今後も顧客との接点を拡大してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
ReTech事業における売上高及び経常利益の継続的かつ累積的な増加を実現するため、販売件数及び各プロジェクトの利益率を重要指標としております。
(4)経営環境
当社グループが事業を展開する不動産価値流通にまつわる業務は、属人的でアナログな部分が多く存在しておりましたが、行政の環境整備を背景に、事業者間では取引がオンライン化しつつあり、長く制度改革が進んでいなかった不動産業界においても、徐々にデジタル化への変革が起こりつつあります。
そのような大きな時代の転換点にある中で、当社が属する不動産業界の経営環境は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるインバウンドの減少及び外出自粛といった影響を受ける宿泊業や飲食業のテナントを有する商業ビル等においては、稼働率や賃料が下落する物件が多く発生しているのに対し、レジデンス賃貸マーケットは、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けることなく、堅調に推移するなど、不動産業界の中でも用途に応じて需要格差が発生しております。こうした動きを背景に、用地取得競争は一部軟化する可能性があるものの、建築業界における人件費等の高止まりの影響から、建築費の大幅な下落は見込みにくい状況にあります。
また、レジデンスの賃貸需要は底堅く、低金利政策を背景とした投資用不動産による資産運用ニーズや、相続税対策としての購入ニーズ等により、当社の主軸商品である新築投資用IoTレジデンスの購入需要は、今後も順調に推移するものと判断しております。
当社グループは、市場の拡大・変化及び競合企業の増加等の経営環境の変化に対応すべく、さまざまなテクノロジーを活用して社会の需要に合致した事業戦略により、持続的な成長の実現に取り組んでまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの対処すべき課題は以下のとおりであります。
①IoTレジデンスの強化
当社グループのIoTレジデンスは、東京23区・駅近(徒歩5分)に特化し、販売先である投資家や企業等の嗜好にあった商品を提供するために、立地選定及び商品企画力の強化と認知度の向上及びブランディング強化が重要であると考えております。引き続き当社グループは東京23区に特化し、プロジェクト実績を積み上げ、ニッチトップカンパニーとしてシェアアップを図ることで、ブランディングの強化に取り組んでいく方針であります。
②ストック収益の確保を実現するSaaS型ビジネスの強化
現在、当社グループはIoTレジデンスのフロー収入の割合が大きいですが、中期的には、安定的なストック収益の確保が可能となるSaaS(Software as a Service)型のビジネスの強化が必要であると考えております。当社グループが取り組む不動産価値流通プラットフォーム「TASUKI TECH」は、SaaS型ビジネスをBtoBビジネスとして展開しており、SaaS型ビジネスの拡大により、当社グループ全体の収益の安定性の確保を図っていく方針であります。
③新規事業の開拓
2022年9月期に不動産金融プラットフォームの運営を行うことを目的とした連結子会社を設立しました。当社グループの更なる成長と事業拡大のためには、新規事業の開拓は必要不可欠と考えており、ReTech事業をコアビジネスとして新たな事業領域への展開を図ってまいります。また、グループ各社がもつ顧客基盤及び次世代ソリューションを活用し、グループ全体としてシナジー効果の追求を行い、競争優位性の維持・向上を図っていく方針であります。
④優秀な人財の採用と育成
当社グループの持続的な成長のためには、多岐にわたる経歴を持つ優秀な人財を多数採用し、営業体制や開発体制、管理体制等を整備していくことが重要であると捉えています。当社グループのミッションや事業内容に共感し、高い意欲を持った優秀な人財を採用していくために、積極的な採用活動を進めるとともに、高い意欲を持って働ける環境や仕組みの構築に取り組んでいく方針であります。
⑤システムの安定性確保
当社グループの事業は、コンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故等により通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループではセキュリティ対策やシステムの安定性確保に取り組んでいく方針であります。
⑥内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの強化
当社グループの事業の拡大、継続的な成長のためには、内部管理体制及びコーポレート・ガバナンスの更なる強化が重要な課題であると認識しております。当社グループは、監査役と内部監査の連携、定期的な内部監査の実施、経営陣や従業員に対する研修の実施等を通じて、内部管理体制の一層の強化に取り組んでいく方針であります。
⑦サステナビリティへの取り組み
当社グループは、ESG経営の推進が中長期的な企業価値最大化につながることを念頭に、事業活動を通じた、脱炭素化の推進、環境負荷軽減、安全でレジリエントかつ持続可能な住み続けられるまちづくりの推進に取り組むほか、多様性や人権の尊重など社会課題の解決並びにコーポレート・ガバナンスの強化に取り組み、持続可能な社会の実現に向けたESG経営の高度化を図っていく方針であります。
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