事業等のリスク

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に関するリスクについて、投資者の判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び万が一発生した場合の適切な対応により、事業活動に支障をきたさないよう努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業に関するリスク

①経済状況等の影響について

当社グループが属する不動産業界は、景気動向、金利動向、地価動向、建設価格動向及び税制等の経済状況の影響を受けやすい傾向にあります。賃貸相場の下落及び入居率の悪化による賃貸収入の減少、人材不足や資材価格の高騰による建築費の上昇、金融機関の融資動向の変化等により新築投資用レジデンス開発に支障をきたし、需要動向が悪化した場合、購入者が新築投資用IoTレジデンスの購入を控えることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、連結子会社の㈱タスキプロスが行う不動産担保ローンのビジネスモデルは、不動産市況が悪化した場合、担保不動産の価格下落を受け新規の貸付が減少するリスクが高まることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②競合について

当社の事業では、小規模な新築投資用IoTレジデンスを主に東京23区で創出しており、当社では、物件取得の規模・立地に加え、企画の差別化を志向しておりますが、大小様々な不動産関連事業者が多数存在し、競合等が発生しております。

当社は、事業開始以降、プロジェクト実績を積み上げることにより、新築投資用IoTレジデンスの創出にかかるノウハウ等を蓄積するほか、当社の認知度及び信用力の向上を推進しており、今後も競合事業者との差別化を図っていく方針であります。

しかしながら、今後、競合事業者の業容拡大や新たな事業者参入等により競争が激化した場合には、当社の取引機会が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③資金調達について

当社グループは、物件の取得、建築工事、貸付等の事業資金を自己資金だけでなく、金融機関からの借入金によって調達しており、有利子負債依存度が高い傾向にあります。そのため、市場金利が上昇する局面や、不動産業界又は当社グループのリスクプレミアムが上昇した場合には、支払利息等が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、事業資金を調達する際には、特定の金融機関に依存することなく、個別の物件毎に金融機関に融資を打診しており、現時点では安定的に調達ができております。しかしながら、当社グループの財政状態が著しく悪化する等により当社グループの信用力が低下し、安定的な融資が受けられないなど、資金調達に制約を受けた場合は、物件の取得や建築工事等の発注に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④事業用地の取得について

当社は、東京23区を中心として事業用地を取得し、不動産の企画、開発、販売を行っております。東京23区は、交通の便や良好な住環境などから安定した賃貸ニーズが見込まれる地域と判断しており、創業時より主に同地域における優良な事業用地の取得に注力してきた結果、事業展開が同地域に集中しております。このような状況において、事業用地の仕入情報の取得先である不動産仲介業者等との間で良好な関係を構築しているものの、同地域の地価が急激に上昇した場合や、競合他社との用地取得競争が激化した場合、同地域において優良な用地を計画通りに取得できず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤近隣住民とのトラブルリスクについて

当社は新築投資用IoTレジデンスの建設にあたり、関係する法令、各自治体の条例等を十分検討したうえ、周辺環境と調和した不動産開発を行うために、近隣住民に対する事前説明会を実施しており、近隣住民との関係を重視して開発を行っております。しかしながら、建設中の騒音や日照問題、プライバシーへの配慮等を理由に近隣住民とのトラブルが発生する可能性があり、問題解決による工事遅延や追加工事が発生する場合、計画の中止や変更が必要となり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥外注委託について

当社の設計施工業務等については、設計・施工等の能力、工期、コスト及び品質等を勘案し、外部の事業者に委託しております。十分な外注先の確保や外注先に委託した案件の進捗管理に努めているものの、当社の選定基準に合致する外部委託先を十分に確保できない場合や、外部委託先の経営不振、繁忙期における対応の遅れによる工期遅延、資材価格の急激な高騰による外注価格の上昇等が生じた場合には、当社の事業推進に影響が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦収益計上基準及び業績変動について

当社は、物件を不動産オーナーや企業に引渡しをした時点にて収益を認識しております。そのため、事業年度及び四半期ごとに業績を認識した場合、物件の引渡し時期に伴い、期ずれなどの業績偏重が生じる可能性があります。また、各物件のプロジェクトの進捗状況、販売計画、竣工時期の変更、天災やその他予想しえない事態の発生による施工遅延、不測の事態の発生による引渡し遅延があった場合には、計画していた時期に収益が認識できず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧在庫リスクについて

当社は、開発用地の仕入及び新築投資用IoTレジデンス企画・販売を中長期的な経済展望に基づき実施し、物件の早期売却を図っております。しかしながら、急激な景気の悪化、金利の上昇及び不動産関連税制の影響により、販売が計画どおりに進まなかった場合には、新築投資用IoTレジデンス開発の遅延や完成在庫の滞留が発生し、資金収支の悪化を招く可能性があります。また、当社は「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 2006年7月5日)を適用しておりますが、時価が取得原価を下回った販売用不動産、仕掛販売用不動産の評価損が計上された場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨契約不適合責任について

当社は、民法及び宅地建物取引業法のもと、当社が販売した物件について契約不適合責任を負っており、万が一、当社が販売した物件が契約の内容に適合しないとされた場合には、補修や補修工事費用の負担、損害の賠償等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩貸付債権の質について

不動産市況が悪化して地価が下落した場合には、担保不動産の価値の目減りによって、貸付債権の質が低下する可能性があります。当社グループは、貸付実行時における厳格な与信判断及び与信事後管理における担保不動産の再評価に注力し、健全な債権内容の維持に努めております。

しかしながら、今後不動産市況が悪化した場合、担保不動産の価格下落による担保不足の貸付債権の増加リスク、顧客の返済能力の低下による支払遅延リスクや貸倒リスクが高まることにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪法的規制等について

当社グループが行う事業につきましては、以下の法令等による規制を受けております。しかしながら、今後、これらの法令等の解釈の変更及び改正が行われた場合、また、当社グループが行う事業を規制する法令等が新たに制定された場合には、事業内容の変更や新たなコスト発生等により、当社グループの業績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが取得している以下の許認可(登録)等につき、本書提出日現在において、事業主として欠格事由及びこれらの許認可(登録)の取消事由に該当する事実はないものと認識しておりますが、今後、欠格事由又は取消事由に該当する事実が発生し、許認可(登録)取消や更新ができない等の事態が発生した場合には、当社グループの事業に支障をきたすと共に財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループが取得している許認可、免許及び登録等の状況は以下のとおりであります。

(当社)

許認可等の名称

許認可登録番号

有効期限

関係法令

許認可等の取消事由

宅地建物取引業者

国土交通大臣(1)第9357号

2023年5月22日

以後5年ごとに更新

宅地建物取引業法

宅地建物取引業法第66条

金融商品取引業登録

(第二種金融商品取引業)

関東財務局長

(金商)第3323号

期間の定め無し

金融商品取引法

金融商品取引法第52条、第54条

不動産特定共同事業者許可

金融庁長官・国土交通大臣第99号

期間の定め無し

不動産特定共同事業法

不動産特定共同事業法第36条

 

(㈱タスキプロス)

許認可等の名称

許認可登録番号

有効期限

関係法令

許認可等の取消事由

貸金業登録

東京都知事(1)

第31878号

2025年1月28日

以後3年ごとに更新

貸金業法

貸金業法第24条

 

⑫災害の発生について

地震、暴風雨、洪水等の自然災害、戦争、暴動、テロ、火災等の人災が発生した場合、当社が販売する不動産の価値が著しく下落する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の主要なプロジェクトエリアは東京23区であり、当該地域において地震その他の災害が発生した場合や、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するリスク

新型コロナウイルス感染症の感染防止策を講じておりますが、当社グループの役員・従業員に新型コロナウイルス感染症の感染者が出た場合、オフィス閉鎖やそれに伴う事業停止等の対応を余儀なくされ、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

2022年9月期においては、当社グループの経営成績に大きな悪影響を及ぼすまでには至っておりません。

ただし、新型コロナウイルス感染症の拡大規模や収束時期は依然として不透明であり、今後の感染再拡大や長期化等によっては、事業用地の仕入情報の取得先である不動産仲介業者等からの不動産売却件数が減少する可能性や、住宅設備機器等のサプライチェーンの混乱に伴う納期の遅延等により工事が遅延する可能性があり、計画どおりに開発が進まない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)組織体制に関するリスク

①小規模組織について

当社グループは、2022年9月30日現在の従業員数は37名であります。この人員に常勤役員6名を加えた小規模な組織体制で業務を遂行しております。小規模組織であるため、役職員一人一人が担う業務の質及び貢献度は相応に高く、一時的な不在・欠員が生じても、業務手順の共有や代行体制等により業務遂行に支障がないよう努めております。しかし、何らかの理由により大量の欠員が同時に生じた場合や新型コロナウイルス等の感染症の蔓延その他何らかの事故・災害等により役職員に就業が困難な事態が生じた場合には、業務遂行に著しい支障をきたす可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績並びに今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

②人員確保について

当社グループは、人財採用及び人財育成を重要な経営課題と位置づけており、不動産業界、IT・FinTech業界における優位性を確保すべく、人財採用と人財育成に関する各種施策を継続的に講じております。しかしながら、十分な人財確保が困難となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③個人情報管理について

当社グループは、各事業運営を通じて取得した個人情報を保有しており、これらの個人情報の管理について、「個人情報の保護に関する法律」の規定に則って作成されたプライバシーポリシーを有し、その遵守に努めております。しかし、コンピューターシステムの瑕疵、コンピューターウイルス、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入、役職員・パートナー事業者の過誤、自然災害、急激なネットワークアクセスの集中等に基づき、個人情報が漏洩した場合や個人情報の収集過程で問題が生じた場合、当社グループへの損害賠償請求や当社の信用の下落等の損害が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績並びに今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)その他のリスク

①疾病の蔓延について

当社グループは、インフルエンザや新型コロナウイルス等の疾病の蔓延が発生した場合であっても、時差出勤や在宅勤務等により柔軟に事業を継続できる体制の整備に努めておりますが、今後、事態がさらに深刻化、長期化した場合には、商談機会の減少による新規取引案件の減少、出勤や客先訪問が困難になることによるサービスレベルの一時的・部分的な低下、設備・資材等のサプライチェーンの停滞に伴う調達の遅延等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績並びに今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

②訴訟等について

当社グループは、法令及び契約等の遵守のため「コンプライアンス管理規程」を定めて社内教育やコンプライアンス体制の充実に努めております。しかしながら、当社が事業活動を行うなかで、顧客、取引先又はその他第三者との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。かかる訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、多大な訴訟対応費用の発生や当社グループの社会的信用の毀損によって、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③配当政策について

当社は、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けており、業績と経営環境を勘案のうえ、企業体質の強化や将来の事業展開に備えるための内部留保を確保しつつ、配当性向35%以上を目標として、安定的な配当を継続することを基本方針としております。事業基盤を支えるシステム開発投資や景気変動の影響を受けにくい企業体質の確立に向けた関連事業投資を進め、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。内部留保資金の使途につきましては、既存事業の拡大発展のほか、今後の新規事業の展開への備えとしていくこととしております。

 

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