業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和される中で全体としては持ち直しの動きが続きました。しかしながら、変異株による感染再拡大の懸念やウクライナ情勢等により、先行きは依然として不透明な状況にあります。

このような経済環境のもとで当社グループは、2020年3月期から2022年3月期までの3か年の新中期経営計画「Value Up Rasa 2021~企業価値の創造~」を掲げ、築き上げてきた経営基盤を更に強化し、社会インフラを支える付加価値創出企業として持続的な成長を目指してまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は、主に資源・金属素材関連、プラント設備・工事関連が増収となったことを受けて313億29百万円となり、前連結会計年度と比べ46億1百万円(17.2%)の増収となりました。

利益につきましては、売上の増収等により、営業利益は25億51百万円となり、前連結会計年度と比べ3億60百万円(16.5%)の増益となりました。また、経常利益は28億12百万円となり、前連結会計年度と比べ4億18百万円(17.5%)の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は20億14百万円となり、前連結会計年度と比べ4億69百万円(30.4%)の増益となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、売上高及び売上原価はそれぞれ8億65百万円増加しましたが、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に影響はありません。

 

新中期経営計画の最終年度(2022年3月期)の経営目標対比では、売上高は計画350億円を36億70百万円下回る313億29百万円となりましたが、利益につきましては、営業利益が計画23億円を2億51百万円上回る25億51百万円、経常利益が計画25億円を3億12百万円上回る28億12百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が計画17億30百万円を2億84百万円上回る20億14百万円となりました。

各年度の売上高目標は、プラント設備・工事関連事業における大型工事の完工が大きく貢献いたしましたが、資源・金属素材関連事業、化成品関連事業において、新型コロナウイルス感染症の影響などから、主要商品の需要が当初想定より落ち込み、計画を下回ったため未達成となりました。一方、利益目標においては、プラント・設備工事関連事業の貢献が大きく、さらに販売効率の改善や経費の抑制に努めたことから、各年度において概ね目標を達成することができました。

また、中期経営計画の目標とする経営指標について、自己資本当期純利益率は目標の9%以上に対して10.9%、売上高営業利益率は目標の6%以上に対して8.1%、自己資本比率は目標の50%以上に対して61.0%と、全ての指標において目標を上回ることができました。

 

セグメント別の状況は、次のとおりです。

資源・金属素材関連では、自動車の減産、中国での電力制限や環境規制など不安定要素はあったものの、世界的な資源価格の上昇に伴い当社取り扱い原料の相場価格も上昇したことから、関連部門の売上高は76億70百万円となり、前連結会計年度と比べ25億13百万円(48.7%)の増収となりました。また、売上高の増加により、セグメント利益は3億58百万円となり前連結会計年度と比べ3億43百万円(2,204.9%)の増益となりました。

産機・建機関連では、民間設備稼働状況が安定的に推移し、官庁のメンテナンス需要も高まった為、各種ポンプ関係の販売・整備は堅調な内容となりました。また、前期軟調であったシールド掘進機も販売・レンタルともに底堅く推移し、関連部門の売上高は82億14百万円となり、前連結会計年度と比べ1億15百万円(1.4%)の増収となりました。また、売上増収からセグメント利益は8億84百万円となり、前連結会計年度と比べ21百万円(2.5%)の増益となりました。

環境設備関連では、民間向けポンプの販売は好調に推移したものの官庁向けポンプ及び水砕スラグ製造設備の大型案件が一巡したことから、関連部門の売上高は16億87百万円となり、前連結会計年度と比べ3億51百万円(△17.2%)の減収となりました。セグメント利益は2億56百万円となり、前連結会計年度と比べ83百万円(△24.7%)の減益となりました。

プラント・設備工事関連では、大型工事の完工と収益認識会計基準を適用したことによる増収要因があり、関連部門の売上高は72億8百万円となり、前連結会計年度と比べ10億33百万円(16.7%)の増収となりました。また、売上増収からセグメント利益は7億21百万円となり、前連結会計年度と比べ36百万円(5.3%)の増益となりました。

化成品関連では、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けましたが、経済活動の再開に伴い事業環境の復調気運の高まりにより、自動車、電線、建材、潤滑剤の各分野での受注が回復し、関連部門の売上高は63億44百万円となり、前連結会計年度と比べ12億83百万円(25.4%)の増収となりました。また、売上増収からセグメント利益は1億41百万円となり、前連結会計年度と比べ50百万円(56.1%)の増益となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により売上高は8億65百万円増加しましたが、セグメント利益に影響はありません。

不動産賃貸関連では、前期までの新型コロナウイルス感染拡大による一時的な賃料引き下げがなくなり、下期にはテナントビルの一部空室も解消されたことから、関連部門の売上高は3億62百万円となり、前連結会計年度と比べ5百万円(1.7%)の増収となりました。また、管理業務委託費や修繕費が増加したことから、セグメント利益は1億87百万円となり、前連結会計年度と比べ7百万円(△3.8%)の減益となりました。

 

当連結会計年度の受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

資源・金属素材関連

8,095

49.6

1,720

43.0

産機・建機関連

8,344

4.5

2,388

22.6

環境設備関連

1,616

△4.6

461

△34.4

プラント・設備工事関連

4,013

△21.4

494

△86.6

化成品関連

6,401

23.8

429

15.4

不動産賃貸関連

合計

28,472

12.2

5,495

△30.6

 

(注) 1.不動産賃貸関連は、全て賃貸によるもののため、記載しておりません。

2.当連結会計年度において、受注残高に著しい変動がありました。これは、プラント・設備工事関連事業において、収益認識会計基準等を適用したことによるものです。

 

② 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

資源・金属素材関連

7,670

48.7

産機・建機関連

8,214

1.4

環境設備関連

1,687

△17.2

プラント・設備工事関連

7,208

16.7

化成品関連

6,344

25.4

不動産賃貸関連

362

1.7

合計

31,488

17.1

 

(注) 販売実績の合計額は、セグメント間の内部取引調整前のものであります。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は313億87百万円となり、前連結会計年度に比べ68百万円の減少となりました。

(流動資産)

流動資産は187億2百万円となり、前連結会計年度に比べ58百万円の減少となりました。

これは主に、商品及び製品で4億88百万円の増加等があった一方で、現金及び預金で2億31百万円の減少等があったことによるものです。

(固定資産)

固定資産は126億84百万円となり、前連結会計年度に比べ10百万円の減少となりました。

これは主に、投資有価証券で1億7百万円、保険積立金で61百万円増加等があった一方で、繰延税金資産で59百万円、ソフトウェアで45百万円減少等があったことによるものです。

(流動負債)

流動負債は86億22百万円となり、前連結会計年度に比べ15億37百万円の減少となりました。

これは主に、電子記録債務で7億95百万円の増加があった一方、1年内返済予定の長期借入金で3億94百万円、未成工事受入金で13億58百万円の減少等があったことによるものです。

(固定負債)

固定負債は36億7百万円となり、前連結会計年度に比べ20百万円の減少となりました。

これは主に、長期借入金で87百万円の減少等があったことによるものです。

(純資産)

純資産は191億56百万円となり、前連結会計年度に比べ14億88百万円の増加となりました。

これは主に、剰余金の配当で4億79百万円、その他有価証券評価差額金で23百万円の減少等があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益で20億14百万円を計上したことによるものです。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は44億43百万円となり、前連結会計年度に比べ2億31百万円減少しました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は8億86百万円(前連結会計年度は8億87百万円の獲得)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益28億80百万円、棚卸資産の減少額11億88百万円、仕入債務の増加額8億35百万円による資金の増加があった一方で、契約負債の減少額13億4百万円、法人税等の支払額8億98百万円等があったことよるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は5百万円(前連結会計年度は4億15百万円の支出)となりました。

これは主に、保険積立金の積立による支出2億76百万円があった一方で、保険積立金の払戻による収入2億15百万円等があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は11億13百万円(前連結会計年度は73百万円の支出)となりました。

これは主に、短期借入金の純増減額1億40百万円による資金の減少、長期借入金の返済による支出4億82百万円、配当金の支払いによる支出4億79百万円等があったことによるものです。

 

資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

当社グループの資金需要の主なものは、商品の仕入や設備投資であります。これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローの収入及び金融機関の借入にて対応することとしており、資金の流動性を安定的に確保しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(工事損失引当金)

当連結会計年度末の手持工事のうち、工事原価総額等が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合には、将来の損失に備えるため、その損失見込額を工事損失引当金として計上しております。工事原価総額等の見積りにあたっては、プラント・設備工事関連事業の進捗状況を踏まえた最新の情報に基づいて行っておりますが、当初想定されていなかった事象の発生などにより見積りと実績が乖離した場合には、将来の損益は見積り金額と異なる可能性があります。

 

(プラント・設備工事関連の収益認識)

プラント・設備工事関連事業は、石油精製、石油化学、ガス関連、クリーンルーム関連、各種工事関連、都市部大型空調設備関連等の多種多様な分野のプラント及び関連設備工事に係る設計、施工及びメンテナンス工事を主たる事業としております。

プラント・設備工事等の契約に関しては、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗率の見積りの方法は、見積総原価に対する実際原価の割合(インプット法)で算出しております。なお、履行義務の充足に係る進捗率の合理的な見積りが出来ない工事については、原価回収基準を適用しております。また、期間がごく短い工事については、原価回収基準は適用せず、履行義務を充足した時点で収益を認識しております。

見積総原価の算定にあたっては、プラント・設備工事関連事業の進捗状況を踏まえた最新の情報に基づいて行っておりますが、当初想定されていなかった事象の発生などにより見積りと実績が乖離した場合には、将来の損益は見積り金額と異なる可能性があります。

 

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