(1)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容
経営者の視点による当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り予測を必要としております。当社グループの経営陣は、連結財務諸表の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ、データ化された資料により合理的と判断される情報を継続的に検証し、意思決定を行っております。しかし、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。また、新型コロナウイルス感染症拡大による影響には不確定要素が多く、見積りに影響を与える可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の分析
(資産について)
当連結会計年度末における流動資産は1,001,208千円となり、前連結会計年度末に比べ151,599千円の減少となりました。これは主に、売掛金が14,626千円増加したことに対し、現金及び預金が169,042千円減少したことによるものです。
固定資産は348,941千円となり、前連結会計年度末に比べ172,585千円の増加となりました。これは、投資その他の資産が190,941千円増加したことに対し、有形固定資産が18,341千円、無形固定資産が14千円それぞれ減少したことによるものです。
繰延資産は3,874千円となり、前連結会計年度末に比べ1,162千円の減少となりました。
以上により資産合計は、1,354,024千円となり、前連結会計年度末に比べ19,823千円増加いたしました。
(負債について)
流動負債は189,568千円となり、前連結会計年度末に比べ46,155千円の減少となりました。これは主に、未払法人税等が5,221千円、未払消費税等が8,529千円、前受金が28,916千円それぞれ減少したことによるものです。
固定負債は54,197千円となり、前連結会計年度末に比べ46,172千円の増加となりました。これは、繰延税金負債が46,172千円増加したことによるものです。
以上により負債合計は、243,765千円となり、前連結会計年度末に比べ17千円増加いたしました。
(純資産について)
純資産は1,110,259千円となり、前連結会計年度末に比べ19,806千円の減少となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が150,863千円増加したことに対し、利益剰余金が131,057千円減少したことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度における自己資本比率は、81.7%から82.0%へ増加し、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の141円81銭から、144円39銭に増加しました。
b 経営成績の分析
(経営上の目標達成状況)
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症対策の規制と緩和を繰り返す中での事業活動であり、本格化を見込んでいた対面営業の延期や、年度末にかけて調達遅れによる売上計上時期のずれ、顧客の投資抑制による選定段階での案件停滞の影響が想定よりも大きく、また前連結会計年度に連結子会社1社の全株式を売却した影響もあり、売上高は前年同期比20.3%減となりました。
「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境、経営戦略及び対処すべき課題等」の「(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、当社グループが重要な指標として位置づけました「営業利益率」につきましては、当連結会計年度の実績は△9.7%であり、前連結会計年度の2.8%から12.5ポイント低下いたしました。この営業利益率の低下につきましては、売上の減少による影響と、より付加価値の高いサービスを提供するためのセキュリティ運用基盤の新機能開発、積極的な販促活動、オペレーション体制の最適化等に当初の計画より費用を要したことによるものです。
当社グループは引き続き、事業課題に向き合い、これまで培ってきた品質や、継続性に加え、来期以降の成長基盤を強固にしていくため、人員の確保、オペレーション体制の構築やセキュリティ運用基盤の新機能開発を続けてまいります。
以上の結果、売上高につきましては、957,039千円(前年同期比20.3%減)となりました。営業損失につきましては、子会社によるセキュリティ運用基盤の新機能開発、新規サービスの販促費用を計上したことにより、92,445千円(前年同期は33,050千円の営業利益)となりました。経常損失は、83,758千円(前年同期は35,353千円の経常利益)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、111,833千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益46,176千円)となりました。
セグメントごとの成績
(a)情報セキュリティ事業
当セグメントにつきましては、既存顧客とのストック型サービスの契約更新に加え、ターゲットを拡大し、新規案件獲得に注力しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、調達遅れによる売上計上時期のずれや、顧客の投資抑制による想定していた受注の延期等により、計画通りに進捗せず、売上高は825,500千円(前年同期比23.5%減)となりました。セグメント利益につきましても、研究開発、広告宣伝費用等の増加により、17,955千円(前年同期比84.2%減)となりました。
(b)人材サービス事業
当セグメントにつきましては、新規案件の受注が前期を上回り、売上高は131,538千円(前年同期比8.0%増)となりましたが、採用費用の増加を吸収しきれず、セグメント損失は、962千円(前年同期は1,910千円のセグメント利益)となりました。
c キャッシュ・フローの状況
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、151,486千円となりました。これには主に、税金等調整前当期純損失85,611千円、売上債権の増加14,626千円、前受金の減少28,916千円、法人税等の支払24,167千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、1,525千円となりました。これは、有形固定資産の取得による支出4,934千円、貸付金の回収による収入6,000千円、敷金の回収による収入460千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、19,082千円となりました。これは、配当金の支払による支出19,082千円によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は811,060千円となりました。
③ 受注及び販売の実績
a 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
|
第21期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|||
受注高 |
前年同期比 (%) |
受注残高 |
前年同期比 (%) |
|
情報セキュリティ事業(千円) |
831,157 |
79.6 |
436,557 |
101.3 |
人材サービス事業(千円) |
131,538 |
108.0 |
- |
- |
合計(千円) |
962,696 |
82.6 |
436,557 |
101.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.人材サービス事業は売上高と同額を受注高としており、受注残高はありません。
3.当連結会計年度において、情報セキュリティ事業の受注実績に変動がありました。これは、前連結会計年度において連結子会社1社の全株式を売却し、連結の範囲から除外したこと等によるものであります。
b 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
第21期 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
情報セキュリティ事業(千円) |
825,500 |
76.5 |
人材サービス事業(千円) |
131,538 |
108.0 |
合計(千円) |
957,039 |
79.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.当連結会計年度において、情報セキュリティ事業の販売実績に変動がありました。これは、前連結会計年度において連結子会社1社の全株式を売却し、連結の範囲から除外したこと等によるものであります。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
NRIセキュアテクノロジーズ株式会社 |
222,420 |
18.5 |
225,166 |
23.5 |
(財務政策)
当社グループは、経営企画本部が適時に資金繰り計画を作成、更新するとともに、機動的な資金需要に備え、短期の預金などで流動性を維持することにより、手許流動性を管理しております。
運転資金は内部資金より充当し、設備投資等につきましては、設備資金計画を作成し、内部資金で不足する場合での借入調達に備え、金融機関との良好な関係を築いております。
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