業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済について、当初は、新型コロナウイルス感染症が都市部から全国に拡がる様相を見せ、都市部にとどまらず、都市部以外の自治体も新型コロナウイルス感染症の拡大防止を目的として、飲食店において営業時間の短縮要請が発表されるなど先行き不透明な状態が継続いたしました。一方で、新型コロナウイルス感染症拡大防止の重要な施策である、新型コロナウイルスワクチンの接種が2021年6月以降本格化した結果、感染者数が大きく減少し、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除され、生活や経済活動における規制が緩和されました。

 当連結会計年度における当飲食業界におきましても、当初は、通常営業できる態勢が整わず、経営環境は厳しいものとなりましたが、来客数や売上高は回復傾向を示している状況にあります。当社グループは、飲食事業において、以下のとおり、主に商業施設において、店舗の新規オープンを積極的に実施いたしました。

 2021年7月、神奈川県厚木市の本厚木駅に直結する商業施設「本厚木ミロード」内にて、「FLDK(エフ・エル・ディー・ケー)」をオープンいたしました。フードホール全体を、当社グループの店舗のみにて出店する初の取組みであり、当社グループ初のパスタ業態を含む7店舗を同時に出店するとともに、お客様には、フードホールの入り口又はモバイルにて、全7店舗のメニューから直接ご注文いただくことが可能となり、コロナ禍においても、接触機会を低減することで、より安心してご利用いただける仕組みを取り入れております。 2021年7月、神奈川県川崎市の武蔵小杉駅に隣接する商業施設「グランツリー武蔵小杉」内にて、「ひな鶏伊勢ゐ武蔵小杉」をオープンいたしました。お酒のおつまみから食事まで楽しむことができる、焼き鳥、親子丼、唐揚げをテーマとしており、業態3店舗目となります。

 2021年7月、当社グループ初の焼肉業態である「肉の満牛萬 大泉学園」をオープンいたしました。「週に一度のみんなの焼肉」をコンセプトとし、国産黒毛和牛や和牛との国産交雑牛肉を中心に、週に一度食べたくなるようなお肉の味と品質を、焼肉食べ放題の価格帯と同等又はそれ以下にて提供しております。

 2021年8月、東京都渋谷区の商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK」内にて、「VEGEGO オヌレシクタン MIYASHITA PARK」をオープンいたしました。幅広い世代から支持を受けている、韓国料理をテーマとしております。2022年3月、埼玉県富士見市の商業施設「ららぽーと富士見」内にて、「VEGEGO オヌレシクタン&CAFE」をオープンいたしました。また、2022年4月、大阪府吹田市の商業施設「ららぽーと EXPOCITY」内にて、「VEGEGO オヌレシクタン」をオープンいたしました。業態6店舗目となります。

 2021年9月、東京都台東区の上野駅に直結する商業施設「アトレ上野 EAST」内にて、「黒豚とんかつ コシヒカリご飯、鬼おろし とん久 アトレ上野」をオープンいたしました。肉質がきめ細やかで歯切れの良い柔らかさを持つ黒豚をこだわりのパン粉でとんかつに仕上げており、業態2店舗目の店舗となります。

 2021年11月、大阪府松原市の商業施設「セブンパーク天美」内にて、石窯焼きにこだわったハンバーグ専門店 「いしがまやハンバーグ セブンパーク天美」をオープンいたしました。

 プラットフォームシェアリング事業については、外食企業向けの更なるプラットフォーム強化を進めるとともに、 異業種のブランドホルダーに対する出店支援コンサルティング業務の提供も増加しており、今後につきましても、あらゆる可能性を模索しながら、事業の拡大に努めたいと考えております。

 フランチャイズ事業については、ハンバーグ業態にて、西日本最大級の総合スーパーであるイズミが展開するショッピングセンター「ゆめタウン」への出店を行っております。

 以上の結果、当連結会計年度の売上高は、6,920百万円(前連結会計年度比23.2%増)、営業損失1,123百万円(前連結会計年度は営業損失1,371百万円)、経常利益355百万円(前連結会計年度は経常損失560百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益151百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失544百万円)となりました。コロナ禍の悪影響にもかかわらず、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益を計上することができました。

 なお、当社グループはセグメント情報の記載を省略しているため、セグメントごとの経営成績の記載を省略しております。

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における資産合計は7,381百万円となりました。

流動資産合計は5,045百万円となり、前連結会計年度末と比較して353百万円減少しております。減少の主な要因は、現金及び預金が675百万円減少したこと等によるものであります。

固定資産合計は2,336百万円となり、前連結会計年度末と比較して480百万円減少しております。減少の主な要因は、建物(純額)が257百万円減少したこと等によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債合計は6,407百万円となりました。

流動負債合計は1,737百万円となり、前連結会計年度末と比較して259百万円減少しております。減少の主な要因は、短期借入金が474百万円減少したこと等によるものであります。

固定負債合計は4,669百万円となり、前連結会計年度末と比較して680百万円減少しております。減少の主な要因は、長期借入金が678百万円減少したこと等によるものであります。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は973百万円となりました。前連結会計年度末と比較して105百万円増加しております。増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益151百万円を計上したこと等によるものであります。

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における当社の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて675百万円減少し、3,561百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は1,078百万円(前連結会計年度は856百万円の減少)となりました。営業損失1,123百万円があるものの、助成金の受取額2,244百万円があることが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は539百万円(前連結会計年度は307百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出361百万円、差入保証金の差入による支出94百万円、事業取得による支出63百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は1,222百万円(前連結会計年度は338百万円の増加)となりました。これは主に、短期借入金の減少474百万円、長期借入金の返済による支出690百万円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

 当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので生産実績は記載しておりません。

(b)受注実績

 当社グループは、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので受注実績は記載しておりません。

(c)仕入実績

 当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前年同期比(%)

飲食事業(千円)

2,012,597

118.5

 報告セグメント計(千円)

2,012,597

118.5

その他(千円)(注)3

合計

2,012,597

118.5

(注)1.金額は仕入価格によって表示しており、セグメント間の内部振替はありません。

2.その他は「プラットフォームシェアリング事業」「フランチャイズ事業」であります。

(d)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

前年同期比(%)

飲食事業(千円)

6,804,095

118.9

 報告セグメント計(千円)

6,804,095

118.9

その他(千円)(注)3

116,625

116.0

合計

6,920,721

118.9

(注)1.金額は販売価格によって表示しており、セグメント間の内部振替はありません。

2.その他は「プラットフォームシェアリング事業」「フランチャイズ事業」であります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、当業界の参入障壁が比較的低いことから新規参入企業が増加する等、同業他社との競争がますます激化した場合に、当社グループが考える出店条件に合致する立地に出店できず、想定どおりの出店ができない可能性があり、また当社グループの展開する業態が多様化する顧客のニーズに応えられない場合が考えられます。加えて、食品表示偽装や食中毒事件等により、消費者の食の安全・安心に対する意識が一層高まり、外食そのものを倦厭する環境となった場合等も重要な影響を与える要因となります。当社グループにおいては、安全・安心を第一に考えた仕入ルートの確保や、店舗の衛生管理、従業員への衛生教育を引続き徹底してまいります。また、顧客のニーズを捉えた業態開発・商品開発を積極的に行うとともに、想定どおりの出店を進めるべく、物件情報の入手ルート及び商業施設のディベロッパー様とのパイプ強化等、物件開発体制の強化を図ってまいります。

 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について、当社グループでは、高い収益性と財務健全性を維持しながら株主の皆様に利益還元したいとの考えから、売上高営業利益率4.0%以上、ROE10.0%以上、配当性向30.0%を目標とする経営管理を行っております。

 当連結会計年度においては、売上高営業利益率△16.2%、ROE18.7%となりました。売上高営業利益率については、当連結会計年度の大半の期間において、新型コロナウイルスの感染症拡大を受けて、緊急事態宣言等の発令により、売上高が減少したためでありますが、助成金収入により、ROEは改善しております。また、当期業績に鑑み、2022年6月30日を基準日とする剰余金の配当を行っております。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループ資本の財源及び資金の流動性については、資金需要の多くは新規出店と既存店改装のための設備投資資金であり、投資活動によるキャッシュ・フローに示した有形固定資産の取得による支出が主なものとなっております。今後は、新規出店と既存店改装は営業活動によって得られる資金によって賄う方針でありますが、出店の拡充や、大型出店の判断に至った場合には、金融機関からの借入または資本市場からの直接資金の調達によって、必要資金の確保を進めていきたいと考えております。資本の財源についての分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、新型コロナウイルス感染症の影響を含め、第5 経理の状況、1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。

 

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