課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

記載された事項で、将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在(2022年5月27日)、入手可能な情報に基づく当社の経営判断や予測によるものです。

 

(1) 経営方針

当社グループは持株会社体制の下、大丸、松坂屋、パルコの店舗ネットワークや顧客基盤などの経営資源を最適かつ有効活用するとともに、時代の変化に的確に対応し、顧客満足の最大化と効率経営の徹底を通じ、百貨店事業、SC事業をはじめ既存事業各社の競争力と収益力の向上をはかってまいります。

加えて、より成長性のある分野に資源配分を行っていくなど、競争力と収益力に優れた事業群でバランス良く構成されるポートフォリオへの見直しを進め、“くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。”というグループビジョンの実現に挑戦してまいります。

 

(2) 経営目標

2021年4月13日に、当社グループは「2021~2023年度 中期経営計画」を策定いたしました。

1.経営数値目標

本中期経営計画より、資本収益性を管理する指標として新たにROIC(投下資本利益率)を採用いたします。

2023年度に連結営業利益403億円、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)7%、ROIC5%、また、サステナビリティの目標として、温室効果ガス排出量40%削減、女性管理職比率26%達成を目指してまいります。

 

2.財務政策

3年間で1,900億円以上の営業キャッシュ・フロー(使用権資産に係る減価償却費を含む)を創出し、うち900億円を成長投資と設備投資に充当いたします。投資は2023年度までに利益貢献する案件及び「デベロッパー戦略」に優先的に充当いたします。

有利子負債残高(除くリース負債)は2023年度末に2,600億円に圧縮いたします。

連結配当性向30%以上を目途に株主還元を実施し、自己株式取得も適宜検討してまいります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

中期経営計画の初年度となる2021年度は、感染症拡大が断続するなか、当初計画に対し業績回復は緩やかに留まったものの、3つの重点戦略において、顧客接点のデジタル化や基幹店への重点投資、新規コンテンツの開発、また経営構造改革の推進など一定の成果を上げました。

一方、感染症影響の長期化や国際情勢の緊迫化、これらによる原材料費の高騰や供給制約が顕在化するなど事業環境は不確実性を増しております。特に、「コロナ禍による消費行動の変化」「既存の事業モデルの衰退」などリスクへの対応強化が求められており、既存事業のビジネスモデル改革とともに、グループの持続的な成長実現に向け、さらに実行力を高めて取り組む必要があると認識しております。

また、社会・消費構造が大きく変化するなか、企業には経済的価値に加え、環境や社会、人権などの課題に向き合い、事業活動を通じて解決を図ることが強く求められております。

当社は、こうした構造変化を企業変革の機会と捉え、環境負荷低減や社会課題の解決などへの継続した取り組みに加え、サステビリティ経営の推進による事業成長や新たなビジネス機会の創出を通じて、中長期の企業価値向上、ステークホルダーの皆様の「Well-Being Life(心身ともに豊かなくらし)」の実現に取り組みます。

 

・「完全復活」「再成長」にむけた重点戦略、経営構造改革の加速推進

本中期経営計画の2年目となる2022年度は、「完全復活」への足取りを確かなものとするため、主力の百貨店・SC事業をはじめ既存事業において重点戦略・施策への集中投資を着実に成果に結びつけるとともに、固定費削減など経営構造改革の推進により、収益力の向上を図ってまいります。

一方、事業環境の変化により、事業ポートフォリオ変革の重要性が一層高まるなか、グループ経営資源の最大活用によるデベロッパーや決済・金融など非リテール分野の事業成長など、2030年を見据えた「再成長」への道筋を明確にいたします。今年度より持株会社組織において「事業ポートフォリオ変革」「グループCRE」「グループデジタル」など経営戦略の立案・推進体制の強化を図りました。これらにより、全体最適・シナジー追求の観点から、各事業会社や他社との連携強化による各重点戦略の拡張、CSV視点の新規事業領域の検討、経営資源の重点配分による戦略具現化にスピードを上げて取り組みます。
 

(1)3つの重点戦略、経営構造改革の加速推進

1)リアル×デジタル戦略

「リアル店舗」「人財」を起点としたデジタル活用により、新たな体験価値を提供するビジネスモデルへの変革に取り組みます。本中期経営計画では早期の収益回復を図るため、百貨店・SC事業の基幹店舗への集中投資による店舗の魅力化、オンラインを活用したビジネスの拡大に取り組みます。

また各事業での戦略推進とあわせ、顧客データベースの統合活用によるグループ顧客政策の立案、重点エリアにおける相互送客など、各事業との連携による「攻めのデジタル戦略」を推進いたします。

①店舗の魅力化

・各地域での競争優位性の確立に向け、百貨店の基幹店を中心にラグジュアリーやアート、時計など重点カテゴリーの拡充に集中的に取り組みます。一方、実用性商材を取り扱う売場の効率化を推進するなど、コロナ禍により顕在化したマーケット変化への対応を加速いたします。

・池袋PARCO・名古屋PARCOなど重点店舗への集中投資、旧来型のファッションゾーンに変わるMD開発、各地域のマーケット変化に応じた新たなテナントの導入など、SC事業モデルの改革を推進いたします。

・心斎橋や名古屋エリアにおいて、百貨店とパルコによる共同イベントの実施など連携強化を図ります。

②オンラインビジネスの拡大

・百貨店では店舗と一体となった化粧品オンラインストア「DEPACO」の導入やECの商品拡充、またパルコではオンラインストアのリニューアル、テナントとの協働による店舗とオンラインの相互送客など、リアル店舗を起点とした独自のOMO強化に取り組みます。

 

2)プライムライフ戦略

プライムライフ戦略の目指す「こころ豊かで、サステナブルなライフスタイルを楽しむ生活者」への提案強化に取り組みます。本中期経営計画では、主に百貨店外商を基盤に、新たな商品やサービスの開発、デジタルを活用した顧客コミュニケーションの進化を図ります。

同時に、「再成長」に向け重点事業と位置づける、決済・金融事業の中長期戦略の具現化に取り組みます。

①新たな商品やサービスの開発

・百貨店では主力カテゴリーの深耕に加え、富裕層マーケットに対応した新たなコンテンツの発掘やロイヤルティプログラムの充実、また、決済・金融事業では他社との連携による保険金融商品の拡充に取り組みます。

②顧客とのコミュニケーション進化

・百貨店ではお得意様向け専用サイトやオンライン接客などデジタルを活用した外商活動の進化、データの分析活用による潜在顧客の発掘などCRMの深化を図ります。また、決済・金融事業では顧客のライフステージに応じたリアル・オンラインでの提案強化に取り組みます。

③決済・金融事業の中長期戦略の具現化

・グループ決済基盤の構築やエリア加盟店網の拡大、付加価値の高いサービスの開発など、中長期視点の事業戦略の具現化、事業基盤の強化に取り組みます。

 

3)デベロッパー戦略

「再成長」に向けた成長ドライバーと位置づけるデベロッパー戦略では、2021年度に続き、グループ重点エリアでの開発プロジェクトの推進、事業成長に向けた基盤構築に取り組みます。

また、持株会社と事業会社との連携強化により、2030年を見据えた中長期の事業戦略、開発計画を立案・推進いたします。

①エリア開発プロジェクトの推進

・既存物件の有効活用や名古屋・栄地区での開発プロジェクトの継続推進とともに、大阪・心斎橋地区などグループ重点エリアにおける開発計画を推進します。

②事業基盤の強化

・資産の入れ替え、私募ファンドの組成や運用の開始、アセットマネジメントビジネスの受託体制整備など事業基盤の強化に取り組みます。

③中長期の事業戦略、開発計画の立案・推進

・地域社会との共生による街の賑わい創出への貢献、グループ保有資産の一元管理と高度利用を機軸とする中長期の事業戦略、開発計画を立案・推進します。

 

4)経営構造改革

3つの重点戦略とともに、2023年度の「完全復活」への最重要施策である経営構造改革を着実に推進いたします。2022年度より、重点施策ごとに進捗管理と推進に集中して取り組む体制といたします。

①固定費削減(2019年度対比100億円の削減)

・当年度における組織・要員構造改革の効果に加え、グループオフィスの再編、資材備品等のグループ共同購買の拡大など経費構造の見直しに取り組みます。

②経営効率、資産効率の向上

・将来性や成長性に基づく事業基盤の絞込みによる経営効率の向上、非事業用資産の見極めによる資産効率の向上を図ります。

・中長期の成長実現を支える経営基盤の強化

中長期の成長実現を支える経営基盤の強化に取り組みます。特に、不確実性の高い経営環境のなか、サステナビリティ経営の実現、新たな価値を生み出す“人財”への重点投資など人財戦略を強化推進いたします。

 

1)グループ人財戦略

事業ポートフォリオ変革や重点戦略に基づく高度専門人材の採用強化や能力開発、次世代を担う経営人財の早期発掘・育成、女性活躍や健康経営の推進など人的資本への投資を強化いたします。また、従業員一人ひとりの意志・意欲と能力に着目した配置やグループ人財交流を一層推進いたします。これらを通じ、多様性を積極的に受け入れ、既成概念にとらわれない企業文化の醸成、人と組織の持続的成長を図る「人財開発企業」の実現に取り組みます。

 

2)グループシステム戦略

各事業でのデジタル戦略推進の支援とともに、全体最適の視点から経営管理の高度化に向けた基幹システムの再構築など業務システムの標準化、効率化を推進いたします。また、次期ネットワーク及びクラウド環境の整備など情報セキュリティや事業継続への対策強化、投資計画・開発プロセスの一元管理などITガバナンスを推進します。
 

3)グループ財務戦略

感染症拡大による事業への影響を見極めながら、有利子負債の削減、非事業用資産の売却など機動的な対応により、財務体質の改善とフリーキャッシュ・フローの創出に取り組みます。また、事業ポートフォリオ変革を着実に推進するため、各事業の投下資本利益率(ROIC)向上への取り組み強化など、経営管理の高度化に取り組みます。
 

4)コーポレートガバナンスの強化

中長期の成長実現に向けた経営の意思決定、執行の迅速化を図るとともに、業務執行との分離による取締役会における監督機能のさらなる強化など、ガバナンスの高度化に取り組みます。

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