文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループの経営の基本方針は、「トータルソリューションとして、お客様のニーズを的確に捉え、スピーディーに対応し、お客様の満足できる企業」として、世界中より時代を先取りできる製品を発掘、供給することにより企業価値の最大化を図ることであります。
そのために当社グループは、経験豊富な人材や、協力企業などの様々なネットワークを活用することで、お客様のニーズを的確に捉え、既存仕入先とのリレーションシップを強化するとともに、新規仕入先をスピーディーに開拓できる体制を構築してまいります。
(2) 経営環境
当社グループを取り巻く環境は、国内の産業構造の変化、景気・為替相場・需給動向の変動、国際的な通商政策を含む地政学的リスクの影響を受けやすい状況にあります。その結果、企業や事業の再編等、生き残りのための競争も激しい環境にあります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題並びに経営戦略等
当社グループは、汎用品のボリュームビジネスが主力であり、それらの主要仕入先に偏重傾向であるとの現状認識を有しております。このような厳しい外部環境の中で、当社グループの安定的かつ持続的成長のために対処すべき課題は、主力の汎用品ビジネス及び既存メーカの維持拡大のみならず、世界的視点で高付加価値商品を発掘のうえ、システムソリューションとしてお客様に提供することと認識しております。そして、それらを具現化するため、2023年3月期より④ 協業戦略を新たに加えた「収益構造改革」にかかる以下の戦略を有機的に運用することで、最大価値の創出に努めてまいります。
① 基本戦略
a. 中核分野(半導体製品)の高利益化
b. 収益のもう一つの柱となるビジネスモデルの確立
c. 資金効率の向上と財務体質の強化
② 市場・顧客戦略
a. DX市場(注)1及びGX市場(注)2:
通信用基地局や再生可能エネルギー等のインフラ、FA(注)3、EV(注)4及びEVインフラ関連向け応用製品への拡販
(注)1.DX:デジタルトランスフォーメーション。ここでは主に5G(第5世代移動通信システム)及びIоT(Internet of Things:モノのインターネット)に向けた関連製品市場を指します。
2.GX:グリーントランスフォーメーション。ここでは主にカーボンニュートラル(脱炭素化社会)に向けた関連製品市場を指します。
3.FA(Factory Automation):工場における生産工程の自動化を図るシステム
4.EV(Electric Vehicle):電気自動車
b. 新規市場及び優良顧客の開拓 :
スマート農林業・輸送機器・建設機器・データセンタ等の市場及び優良顧客を開拓
③ 製品戦略
a. 半導体製品:高付加価値商品の拡販及び国内・台湾・欧米の既存メーカの深掘及び新規開拓
b. ディスプレイ:有機EL等の表示装置ビジネスの発掘及び高採算ビジネスへの転換
c. システム製品:EMS及びBоardビジネスの強化、サーバ機器の拡販
d. バッテリ、パワーデバイス及び電源 : ESS(電力貯蔵システム)等のエネルギーマネジメント向け製品の強化、EV化に向けた関連製品へのアプローチ
④ 協業戦略
EV関連市場、カーボンニュートラル(脱炭素化社会)に向けた関連市場、エネルギーマネジメント関連市場へ参入のための戦略的協業の検討・推進
⑤ 資金効率の向上と財務体質の強化
a. 現在の良好な取引金融機関との関係を維持し、業容拡大に対応できる安定的な資金調達手段を確保
b. 高利益化による資金効率の向上をもって自己資本を充実させ、財務体質を強化
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営方針の実効性を定量的に図る経営指標として「経常利益」及び配当原資の基礎となる「1株当たり当期純利益」を重要視しております。
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